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日本の大衆歌曲・歌謡曲の歴史
- 202 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2013/09/10(Tue) 10:46
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松平晃 サーカスの唄 投稿者:SPレコード歌謡倶楽部 投稿日:2013年 7月 3日(水)07時49分15秒
昭和八年の陽春四月、東京で開催された大博覧会に、遠くドイツから世界一の大サーカス団(ハーゲンベックサーカス団)が来演することになっていた。このサーカスの宣伝歌が作られた。西條八十は、幼い頃の記憶、九段の靖国神社の祭礼でみた天幕張りのイメージを描きながら作詞した。旋律は、作曲者の古賀政男の少年時代の音楽体験がベースになった。それは、子供心をときめかせた旅まわりのサーカス(当時は曲馬団)の、なつかしいジンタの響きだったのである。
真っ赤に染まる夕陽が沈み始める頃、旅から旅へと流れるサーカス(曲馬団)の楽隊の奏でる音色が畦道の向こうからしだいに近づいてくる。その光景をあたかも連想させるように前奏がヴァイオリンのピアニッシモから、途中にアコーディオンが入りクレッシェンドさせながら哀愁を込めて奏でられるのだ。昭和初期、松平晃は全国各地の実演ショーはおろか明大マンドリン倶楽部の地方演奏会でも《サーカスの唄》を熱唱したと伝えられている。甘いマスクの松平晃が十六分音符が連なる前奏にのって颯爽と登場する姿が浮かんできそうだ。古いOB諸兄の語るところによれば、松平晃という歌手は、青春の甘さを持ちタキシード姿が舞台で似合う誇り高き歌手だったらしい。
《サーカスの唄》の原調は、♭ひとつのDマイナーのキーだが、松平は♭三つのCマイナーで吹込んでいる。この歌は、実に音域が広い。原調のキーでは加線の「A」=ラ(固定ド表記)から「F」=ファ(固定ド)までの十三度の音域がある。これをあくまでも滑らかに、その旋律を生かしながら郷愁と哀歓を伝えなければならないのだから、歌手の技量のほどがわかるというものだ。松平は、Cマイナーに落としたキーでも加線のついている「G」=ソ(固定ド)をしっかりと発声している。この歌手も低音の安定度が抜群である。低音に安定がある歌手は、キーを下げることによって楽曲の曲調が変化してもその魅力を伝えることができる。
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