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日本の大衆歌曲・歌謡曲の歴史

613 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2018/04/29(Sun) 20:01
小田急線の代々木上原駅から3つ目「世田谷代田駅」を出て、 南へすこし歩いたところにある、一本の鉄塔。 この鉄塔の下には、詩人の萩原朔太郎が、1933年(昭和8 年)から、 1942年(昭和17年)に亡くなるまで住んでいた。ここ代田1丁目42に、
「代田の丘61号鉄塔由来碑」(萩原朔太郎文学顕彰碑) が立っている。

現在、井之頭通りに面したその一帯はJASRACの建物を含め、「古賀政男音楽文化振興財団」の所有管理にある「古賀政男音楽博物館」になっている、井之頭通りも拡幅され当時のうっそうとした面影はない。代々木上原駅前の3000坪の古賀政男邸、古賀政男自伝「我が心の歌」には、この古賀邸に萩原朔太郎、惣之助さんが集まって三人でよく詩の談義をしたとあり、朔太郎の娘・萩原葉子の「父・萩原朔太郎」にも同じ記述がある。馬込の文士村に住んでいた詩人・佐藤惣之助、佐藤惣之助の義兄が萩原朔太郎、二人は惣之助の主宰する「詩の家」の同人でもある。この三人は詩を通して日常的に親密な関係を持っていた。
もともと「純粋詩」というジャンルにいた詩人・佐藤惣之助がいわゆる歌謡曲を手がけたのは、なお、昭和5年、コロムビアから「吉見紫香」の名前で、「ふるさと」(松村まこと作曲)がある。
昭和7年の、映画「金色夜叉」で関種子が歌った「金色夜叉(お宮の唄) 」(古賀政男作曲)、「鳩笛を吹く女の唄」1932.2 井上静雄(藤山一郎)、「アリランの唄」(朝鮮民謡) 1932. (淡谷のり子、長谷川一郎)、「朝顔の唄」1932.6(関種子)、「笛は冴ゆれど」1932.7(関種子)、「秘めたる恋」        1932.3 (関種子)、「愛は紅い」1932.9(関種子) などが初期の本格古賀政男との本格的作品。・・

その後も古賀政男とコンビで、「人生の並木路」「青い背広で」「青春日記」「男の純情」「緑の地平線」「白い椿の唄」「青い背広で」「白衣の佳人」「東京娘」「慈悲心鳥」「愛の小窓」「人生劇場」その他沢山の名曲を送り出した事で知られる、佐藤惣之助の名詞は古賀政男の曲と出あうことによって、いつの時代にも、それぞれの聴く人の人生に重ねあわせることができる、時代を超えるすばらしい名曲となったということでしょう。     

これまでの流行歌が、どちらかというと抑揚の少ない平板に感じられるようなこれまでの歌が、「古賀メロディ」の出現によって、表情豊かで心の襞に滲みわたるあたらしい歌の形ができていくのだが、それを決定的にしたのが古賀政男とのコンビで数多くの名曲を世に送り出した事で知られる詩人・佐藤惣之助だろう。

古賀政男の自伝には、私が本格的に作曲に全身全霊を傾けるようになったのは惣之助さんと出会ってからだったということが書かれている。 惜しまれてならない詩人である。

川崎出身の詩人・佐藤惣之助は、大正14年7月詩人のクラブ「詩之家」設立、機關誌「詩之家」創刊、10月萩原朔太郎らと詩話會の機關誌「日本詩人」の編輯に携はる。
惣之助は大正、昭和初期の詩壇に雄飛して数多くの珠玉の名篇を世に出した。また「詩の家」を主宰して詩友と交わるとともに多くの後進の指導養成にあたった事で知られる。

詩人・佐藤惣之助は1916年、最初の詩集である『正義の兜』を出版。翌年には、第2詩集である『狂へる歌』を出版している。
「詩魔に憑かれた魔性の人」(朔太郎)と評された。

惣之助は、1911年川田花枝と結婚。 その後、昭和8年(1933)1月に夫人花枝と死別、同年8月萩原朔太郎の妹周子と再婚。

さらに俳句や歌謡、小説、随筆にもすぐれた業績を残したほか、釣や義太夫、演劇、民謡研究、郷土研究、沖縄風物の紹介など多方面で活躍した。釣りに関する書物も多数残している。
大正の末から昭和の初めにかけての佐藤惣之助の主な活動は、八木重吉など70余名の同人・門下生を抱える、「詩の家」を主宰することだった。そして天真闊達な、くったくのない人柄で世話役をつとめていた。

・上村直己「西条八十・佐藤惣之助における詩から歌謡への移行について」( 日本歌謡学会. 日本歌謡研究(通号 18) 1979.04))(ISSN―0387-3218)
・萩原葉子 『父・萩原朔太郎』 (中公文庫 A 109-2、1979) 1959年筑摩書房、1961
川文庫
・流行歌曲について  萩原朔太郎
 (「日本の名随筆 別巻82 演歌」作品社。:「萩原朔太郎全集」筑摩書房 1975)
・「大手拓次/佐藤惣之助」新学社2006
・「佐藤惣之助全集. 第1巻(詩集 上)〜第3巻」日本図書センター2006
・「日本の詩歌13」中央公論社1975(中公文庫)
・藤田三郎著「佐藤惣之助 詩とその展開」木菟書館1983
(佐藤惣之助研究・主要参考文献,年譜:p408〜438)




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