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☆昭和SP歌謡  歌謡史を支えた主な名歌手(戦前・戦中) 1,

122 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2018/06/25(Mon) 15:37
日本が生んだ世界的プリマドンナ三浦環。大正から昭和にかけ、ロイヤルアルバートホールをはじめ、世界のオペラハウスで「蝶々夫人」2000回公演。エンリコ・カルーソ―と共演したこの大ソプラノ歌手,山中湖に疎開していた中で病気を患い、昭和21年5月26日63歳、東京渋谷の病院で亡くなり、山中湖平野の寿徳寺に母堂とともに眠っている。上野寛永寺にもある。

墓碑には自筆で、こう刻まれている・・

《うたひめは強き愛國心を持たざれば、眞の藝術家とはなり得まじ .. 環》

環は、ただ日本が生んだ世界的プリマドンナというだけでなく、当時の日本の音楽芸術家と言われる人たちの多くがとかく西洋かぶれして、日本の文化を見失っていた中で、日本をこよなく愛した。

祖国愛に満ちた、日本の島国的な発想の中に収まりきらない、たいへんスケールの大きな人物として知られている。かってNHKでもドラマがあった。古賀政男(1904 - 1978)と三浦環(1884〜1946),この二人の大家の間には信頼と親交があったとしてもおかしくない。

三浦環はこの後、昭和13年の『古賀政男藝術大観』に萩原朔太郎などとともに序文を寄せていて、古賀政男の芸術を高く評価していた。

三浦環は大正11年4月、懐かしい故国に錦を飾って帰朝した。6ケ月の里帰り中、全国を公演して回った。古賀政男の上記自伝によると、大正11年7月14日、学生時代、欧米で活躍していた三浦環が道内ツアーの折函館で演奏会を開いた。そして「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」などを歌った、そして多勢の観衆を前にして「大日本帝国 万歳」と叫んだ。

古賀はそこにこの歌姫の類いまれな祖国愛と信念を感じ取り感銘を受けたこという。

展望社刊の自伝『わが心の歌』には、「昭和12年ごろの第一線作曲家が集まった写真」が載っていて、中山晋平、小松耕輔、弘田龍太郎、本居長世・・など錚々たる作曲家と共に古賀政男が写った写真である。
そこからは、昭和10年代に於いて、分野は異なるが、古賀政男は日本の第一線作曲家として、すでに日本音楽界の重鎮たちと比肩すべき大きな存在になっていただろうことが窺い知れる。

上記、昭和十一年六月十六日、日本青年館で明大マンドリン倶楽部第二十六回定期演は、昭和11年(1936年)『蝶々夫人』公演2000回達成後の凱旋帰朝でのことである。

その三浦環が古賀政男のファンで、あるとき古賀に言った。・・

 「古賀さん、あなたの歌こそほんとうの日本の歌ですよ。私は、あなたの歌に恋をしているの。日本にも、もっともらしい歌曲が出てきましたが、こんなの、みんなアチラのまねごとなのよ」三浦環も相当な異端者にちがいないが、外国に長く暮らすと、日本の伝統の素晴らしさに気づくということがある。この言葉に古賀政男は励まされたと自伝に書いている。(『我が心の歌』(展望社刊1965))


 その古賀政男の唄には、三拍子が多いといわれる。「影を慕いて」ができるまで日本にメジャ―な三拍子の曲はなかった.「影を慕いて」「人生の並木道」「誰か故郷を思わざる」「湯の町エレジー」等々これらすべて三拍子である。日本の歌には伝統的に三拍子はない。なのになぜ古賀に三拍子が多いのかというと、彼の不幸な生い立ちに関係があるともいわれる。

 
古賀政男がテイチクに移ったのは昭和9年5月。コロムビアは契約違反だとして抵抗、テイチクに移ってからも作曲に使う古賀のピアノを差し押さえた。

弘田竜太郎が救いの手を差し伸べた、古賀は契約以上の作曲をしてるとの一言で解決。

藤山一郎がビクターからテイチクに移ったのが昭和11年5月、「東京ラプソディ」が公開されたころ、昭和11年6月16日、日本青年館で明大マンドリン倶楽部第二十六回定期演奏会が盛大に開催され、三浦環と藤山一郎が招かれた。

倶楽部の五十年史『青春よ永遠』によると、第二部で世界的プリマドンナ三浦環がイタリア民謡《オオ・ソレミオ》(カプア・作曲)の後に古賀メロディー「忘れなの花束」と「乙女心」を歌っている。


また、藤山一郎が第一部で、イギリス民謡《永遠の誓い》と《谷間の小屋》を声楽家増永丈夫(バリトン)で、第三部『アラベスク・古賀政男想い出の名曲集より』で、《丘を越えて》、《東京ラプソディー》などを歌っている。

「乙女心」   (関種子 鹿山鴬村作詞 古賀政男作曲 1931)
「忘れなの花束」(西条エリ子 野村俊夫作詞、古賀政男作曲 1936)






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