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【日本の音楽文化遺産】日本の名歌・名唱を語ろう!!
- 1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2016/06/19(Sun) 18:45
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唱歌・童謡、新民謡、歌曲・歌謡曲、多くの詩人、作曲家が生まれ、明治以来たくさんの「日本の歌」が生まれました。
その歌は多くの詩人や作曲家の人一倍の歌にかけるたゆまぬ情熱と努力の賜物であり結晶であり、かけがえのない文化遺産です。
日本の音楽文化遺産、日本の名歌・名曲・名盤を語りましょう。
- 11 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2016/06/21(Tue) 20:22
- 江戸時代から見習い奉公というのがありました。
5〜6歳の頃から、食事とスズメの涙ほどの僅かな給金のみでお店奉公に上がり、一心に働いて、その中で行儀・世渡り・世間常識を獲得して、一人前となって世間に通用するようにする、という制度です。
それが職人の徒弟制度のように、戦前の社会には残っていました。貧困な家から口減らしのために裕福な家に奉公に上がるのです。<食べられればよい>身分制度から貧富の差が拡大した時代でした。
大正時代に作られた多くの童謡、その一つ「叱られて」はそうした、<山を越えた彼方の花の村>の貧しい家から町の裕福な家に子守り・使い走りとして奉公に来ている、10歳前後の少年少女のことを歌った歌です。
「叱られて」
作詞 清水かつら
作曲 弘田龍太郎
(一)
叱られて 叱られて
あの子は町まで お使いに
この子は坊やを 寝んねしな
夕べさみしい 村はずれ
コンと狐が 鳴きゃあせぬか
(二)
叱られて 叱られて
口にはださねど 目に涙
二人のお里は あの山を
超えて彼方の 花の村
ほんに花見は 何時のこと
- 12 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2016/06/21(Tue) 20:41
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「あした」 作詞:清水かつら 作曲:弘田龍太郎
(一)
お母さま
泣かずに ねんねいたしましょ
赤いお船で 父さまの
帰るあしたを たのしみに
(二)
お母さま
泣かずに ねんねいたしましょ
あしたの朝は 浜に出て
帰るお船を 待ちましょう
(三)
お母さま
泣かずに ねんねいたしましょ
赤いお船の おみやげは
あの父さまの 笑い顔
これはどうも、4歳の時に母と別れた清水かつらの生い立ちと深い関係があるようです。清水かつらが2歳の時、かつらの弟を亡くした母は精神に変調をきたし、一家を去らなければならなくなりました。その後新しい母が来て、継母との確執の中で、「叱られて」に繋がって行きますが、この「あした」は実の母が家を去らなければならなくなって絶望的な状態にあった時期の、幼児<清水桂>の記憶の中にあったものとおもわれます。
「あした」は一般に<赤い船に乗って帰ってくる父を楽しみにして待つ母子の会話>ということになっているようですが、そう単純なものとは思われません。状況は「里の秋」と同じようですが、「里の秋」の母子が父の復員を確信し、落ち着いた希望に満ちた雰囲気であるのに対し、この「あした」はとても不安定な状況です。なぜ母はずっと泣いているのか?なぜ幼児が母を諭さなければいけないのか?朝、浜に出れば赤い船が本当に見える可能性があるのか?物でなく笑顔がなぜ一番のお土産なのか?普通はあり得ない<赤い船>の象徴するものは何か?・・・謎だらけです。こうした状況から、この歌はシベリアに抑留された”父さま”を待ちわびる歌だ、という人もいますが、いかんせん、書かれた年代が違います。大正9年という年は、鈴木三重吉の<赤い鳥運動>の始まった翌年です。母が精神の変調をきたし、頼るものは父親しかなくなった幼児の心の変遷の日々が見えるようです。
この歌の題の「あした」とは、望んでも果たされるはずもない願いを、現実で駄目と決め付けないで、<あしたに希望を繋ぐ>の「あした」なのです。問題先送りの「あした」ではなく、絶望的な状況から心を救おうとうとする「あした」なのでしょう。その辺のところを聞いて理解していた弘田龍太郎によって、このようなメロディーが付されたのでしょう
「あした」も「叱られて」も、清水かつらが4歳の時に実母と悲しい別れをし、継母の里に引き取られて(現在の和光市)経験した、実体験に基づく暗い時代のもののようです。両曲とも弘田龍太郎の作曲ですが、弘田龍太郎はこういう曲を作らせたら天下一品です。
- 13 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2016/06/21(Tue) 21:44
- >>12
「あした」 作詞:清水かつら 作曲:弘田龍太郎
あした 川田孝子(童謡)
「日本童謡名曲集 第4集」(コロムビア C213 1214439)
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