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【日本のクラッシック】 古賀メロディの歴史

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2019/05/27(Mon) 08:43
昭和6年(1931)「酒は涙かため息か」「丘を越えて」「影を慕いて」・・いずれも藤山一郎、
今から88年前、まもなく90年を迎える「古賀メロディ」。
《日本のクラッシック》「古賀メロディ」の歴史を振り返る。


204 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/05/09(Sat) 22:03

 古賀は無性に楽しかった。将来の不安などを忘れ最後の青春を謳歌した。こうしてあの名曲《丘を越えて》が誕生したのだ。限りない青春賛美の曲である。四十六小節からなる前奏の軽快さは、明るさは青春の特権である若さと希望の表現である。楽壇の雄山田耕筰が日本人の作曲家を外国で誇る時にこの《丘を越えて》のレコードを聴かせたそうである。山田自身も明朗性を表現する日本人の音楽作品として高い評価を与えていたのだ。《丘を越えて》は、従来の流行歌にはなかった学生という「社会層の特権的な享受において、かろうじて成立」する「青春」をテーマにしていた。青春と流行歌をむすびつたけたことは昭和のレコード産業の創成期において革命的なことであったのだ。 「青春」は、近代日本が生み出した学歴社会、学校歴社会が舞台装置となって成立する。「青春」というテーマを流行歌の世界に持ち込まれることによってそれまで無縁であった一般大衆との「心理装置としての共有財産」が可能になったのである。そして、青春の躍動感を溌剌と歌う藤山一郎の登場によって古賀メロディーの「陽」の世界が完成するのだ。「陰」と「陽」の世界を併せもつ古賀メロディーは、いろいろな歌手に唄われることによって歌謡界の共有財産になっている。朝倉孝司は、古賀メロディーの凄さについてつぎのようにのべている。
「『影を慕いて』における森進一、『目ン無い千鳥』における大川栄策、『サーカスの唄』においては小林旭、どの歌と特定するまでもない古賀メロディー全般における美空ひばり、といったぐあいに、発表後何年も経ってから、それぞれの歌が最適の歌い手をみつけ出し、しっかり結びついてしまうことだ」
 《丘を越えて》だけは、歌謡曲の歌手で藤山一郎以後、持ち歌にした者はいない。天才といわれた美空ひばりでさえも《丘を越えて》だけは、この唄のもつ明るさは完全には表現できなかった。朝倉にかぎらず、古賀メロディーを論ずるほとんどの人が感傷性と大衆性(平易)だけに目をやり、古賀の咲き誇る花の香りともいうべき青春の躍動を見逃しているのである。戦後になると青春をテーマにした流行歌はつぎつぎと生まれてくる。特に石坂洋次郎原作『青い山脈』が映画化されその主題歌《青い山脈》(西條八十・作詞/服部良一・作曲)はその代表的なものである。そして、進学率の上昇とともに戦後の学園ソングの系譜を生み出すわけであるが、その先駆が古賀メロディーだったのである。《丘を越えて》は『酒は涙か溜息か』同様にまたたくまにミリオンセラーとなった。当時の蓄音機の台数が、樺太、台湾を含めて約二十万台といわれた時代に五十万から六十万枚レコードが売れたのだから、たとえ、「不均整なリズムにやすらぎのない焦躁が感じられる」(堀内敬三『音楽明治百年史』)「一見明るい、しかしいらだたしいリズム感をもって洋楽的行進をかなでだす」(園部三郎『演歌からジャズへの日本史』)と、クラシックの人たちからは酷評されたが、大衆の心に讚えるべき「青春」を刻み込んだことは間違いがない。だから、山田耕筰が古賀政男の《丘を越えて》のレコードをヨーロッパに赴いたさいに持って行き、誇らしげに聴かせたそうである。歌曲王山田耕筰は古賀メロディーの最大の理解者の一人であったのだ。藤山一郎は、この《丘を越えて》を吹き込むときは、前回の《酒は涙か溜息か》とはうって変わって、マイクから相当離れた位置で、しかもメリハリをつけて、あくまでもきれいにクリアーな声で、声量たっぷりと、しかし、声は溢れさせないように唄っている。藤山は、よく「声を蒐める 」と自分の声の共鳴のコントロールについて言っていたが、まるで、ステレオのボリュームを自由自在に調節するように共鳴を変化させることができるのである。さらに、ファルセットと実声の中間で音色をつくって発声するので透明感があるのである。

そして、声を張るところではスピントをかける。軟口蓋の後ろから抜く場合と硬口蓋から直接鼻腔に抜くという二つの武器がある。 藤山一郎によって古賀政男の音楽芸術は開花した。その後の古賀政男の日本音楽界にあたえた功績は、彼の才能と努力の結果であり、二十世紀日本が生んだ偉大な作曲家である。昭和七年、古賀メロディーは流行する。《酒は涙か溜息か》同様に《影を慕いて》が一世を風靡した。

205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/05/09(Sat) 22:11
>>204

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