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【名無し参加型】うち、女勇者。【オリジナル】

955 名前:BOUNTY HUNTERS ◆AtoZvqTQ 投稿日:2019/07/28(Sun) 23:02
【※今回ゼノは仕事中につきお休みです】

>>951話 ルキ

私はルキ。魔族の父と人間の母との間に生まれた存在。いわゆる半魔ってやつ。
と言っても身体の作りは魔族よりも人間に近いし、見た目だって人間とそう変わらない。
好きなものは甘いもの。人付き合いは少しだけ苦手。
そんなどこにでもいる可愛い(重要)女の子。
なるべく部屋に引きこもっていたいけど、今日は勇気を出して外の世界へ出てみた。
なぜなら先着50名限定アイスが発売されるから。

だけど、そんなどこにでもいる可愛い(強調)私にある災難が降りかかってきた……。

『迷子になって泣いている子供をルキちゃんに押し付けてみる』

ルキ「な、なんで……?意味がわからないんだけど……。
   (どうしよ……ほっとくわけにもいかないけど……早く行かないとアイスが……!)」

心の中で、人間の私と悪魔の私が葛藤しているのが分かった。

人心「ガキなんて助ける義理ないだろ?ほっとけよ。それよりアイスだ、ほら急ぎな。このままだと売り切れちまうぜ?」
魔心「今はアイスどころじゃねーだろ!子供を助けるべきだ!そーだろ、ルキ!」
人心「てめえは黙ってろ悪魔野郎!他人に優しくしたってなあ、いいことなんてねえんだよ。自分のことだけ考えろ。そうすりゃ裏切られて傷つくこともねえんだぜ?」

ルキ「そうかも……ね……」

人心「ブハハハハ!そうだろ、そうだろ。さあ、アイスを買いに行くぞ」
魔心「ま、待てルキ!こんな人間の口車に乗るな!」
人心「うるせえ!!(パァン」
魔心「うわぁっ!!」
人心「ハッハー、これで邪魔者はいねえ。嬢ちゃん、お前は自由だ。
   なあに、ガキの保護なんてアイスを食った後でもできるさ。違うかい?」

ルキ「……一理ある」

魔心「くっ……待てっ……!ルキ、お前ホントにそれでいいのかよ……!」
人心「ちっ、まだ生きてやがったか。しつけえ悪魔だぜ。トドメをさしてやる」
魔心「あの子はお前と同じなんだぞ!!」
ルキ「!」
魔心「ガキの頃、大好きだった両親がいなくなっちまって泣いてたお前と!あの子は同じだろ!」
ルキ「私と……同じ……」
人心「バ、バカなあ……!?俺の体が消えていく……!?敗れるのか、この俺があ……あ……ぁ……──」

ルキ「……そうだよね、早くお父さんとお母さんに会いたいよね。
   ぼく、お姉ちゃんが一緒に探してあげるから泣かないで、ね?(菩薩スマイル)
   ん……この気配は……!」

【雑魚モンスターの群れがあらわれた!】

ルキ「こんな時に……!(こいつら……大した相手じゃないけど数が多い……。この子を守りながら戦うのはちょっとキツい……かも)」

??「そこな娘、見事なり」
【謎の覆面男があらわれた!】

ルキ「!?(あああああ!!もうイヤ!!ナンデ!?ナンデこんなヘンなのばっか来るわけ!?) 」

謎の忍者「安心めされよ。拙者は忍の者。義によって助太刀いたす」
ルキ「え……み、味方……なの?」
謎の忍者「うむ。さぁ、この場は拙者に任せてお主はその童を連れて逃げよ」
ルキ「……わかった。ありがと、ゼノ!」
謎の忍者「名前言うな!!」



その後、私はあっちこっち駆けずり回って何とか迷子を両親の元に送り届けることができた。
道中、散々な目にあったしアイスも恐らく売り切れただろう。
でも……泣いてるのか笑ってるのかよく分からない顔でお礼を言うあの親子を見ていたら、
そんなことはどうでもよくなった……かな。

ルキ「……あ、ここアイス屋の前……ふふ……さすがにもう残っては……
   あっ!?ラ、ラスト一個!?か、神様ってホントにいるんだ……!」
ザナージュ「おっ、最後の一つだって?ヘイ、マスター、この限定アイスっての貰うぜ」
ルキ「ああああああああ」

邪神がいた。



ザナージュ「本日のお務めは終了だ。>>952は次にな。ついに俺の過去が明かされる……!?」
ゼノ「そういえばアンタって何気に謎が多いよな」
ルキ「何も考えてないだけなんじゃない?」
ザナージュ「男ってのは自分の過去をベラベラ語るもんじゃないのさ。
   ま、お前らガキには分からねえかもな。俺が若い頃は……」
ゼノ「思いっきり自分語りしてんじゃねーか」

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