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【オリジナル】国立光明学院 5時限目【異能】

429 名前:WWW ◆V.9gKSA. 投稿日:2017/03/22(Wed) 12:37

>>411

「戦う力も気概もないから草食……それに味ではなく手間や栄養素から、か」

「博識だな。また1つ勉強になった気がするよ、ありがとう」

「………で、その困り事とは? 協力するぞ、俺が力になれるなら」


「牙か、その辺りは俺の手の届かん領分だよ。成長前から彼女の方が強いからな」

「逆境には強くなったのではないか、と……在り来たりな事しか言えんぞ」

「精神面では……1つ、己の殻を破ったと言う所か」

「確かな"支え"がある。きっと、彼女はまだまだ伸びるよ」


「……そうか? 自分ではよく分からんが」

「ふむ。まぁ、お前がそう思うのならお前の中ではそうなのだろう」

「ならば、ありがたく受け止めておこうか」

「………丁度いい塩梅で、だな。あぁ、少しばかり難しいが」

「俺なりに、肩の力を抜いて探ってみよう」


「む。とは言え、俺が学院に拾われねば野垂れ死にしていたのは事実……」

「………いや、そうさな。今そうでない以上、くだらん仮定か」

「あぁ、心得ておく。今まで何度も言われた事だしな、必要以上の卑下は控えるとしよう」


「どんな男、か……基本的には善人だよ」

「明るく社交的で、誰に対しても分け隔てなく接する。クラスの中心人物だ」

「能力にも非の打ち所は特になし、絵に描いたような文武両道。おまけにイケメン」

「他の生徒や教師からの信頼も厚い、あの頃の俺の周囲で"完璧超人"と言えば"奴"と言う程だった」

「俺への虐めに関して、"彼女"もよく相談していたよ。思えば、それが最大の間違いだったのだろうが」


「………そうだな。あぁ、お前の言う通り」

「俺のような男を師と慕ってくれるから、気の少女を特別視しているし」

「時折、仕草に母や"彼女"の影を見たから、雪兎の少女を気に掛けている」

「前者は立場が特別なだけ、後者は他人を重ね合わせて見ているだけ」

「だからきっと、厳密に言えば……彼女ら自身は、特別でも何でもないのだろう」


「……? 俺の中の音の少女は、確かに"神咲 紫音"その人だが」

「少なくとも俺から見て、彼女の性欲や性癖は真っ当だと思うぞ?」

「まぁ、お前の知る音の彼女と齟齬がある……と言うのは、その反応からして察せるが」

「よければ聞かせてくれないか? お前の中の音の少女について、俺の知らんだろう事を」


「む。……言われてみれば、そんな気もする」

「確かに俺の"行いの結果"は普通でしかないが、"やり方"は突飛だろうし」

「道化の人は助平だが、先生としても道化としても己の役割には真摯と見える」

「氷の少女も助平で悪戯好きだが、心根は真面目で優しい娘だ」

「お前の場合は性癖もスタイルも人格も常識的なのかもしれんが、行動で出している結果が異様だろう」

「故に、4人に言う程の差はないと判断した。加えるなら、"氷の少女の隣のポジション"は」

「俺の中のお前としては、満更でもないだろうと思ってな」

「……それとも、道化の人と俺に挟まれた方がよかったのか? すまん、俺も彼もその手の趣味はない」


「………あ、それともう1つ」


>喪男達の同盟(用務員含)から、
>"ヒメラギとミツルギの不純異性交遊を罰せよ"
>"御剣先輩の純潔を守れ"って声が上がってるんだよ。


「何だこれは。初めて聞いたぞ、そんなもの」

「いや俺が喪なのは事実だが、同盟に加わった覚えは一切ないぞ?」



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