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【オリジナル】国立光明学院11時限目 〜御剣家の新たなる旅立ち編〜 【異能】
- 1 名前:御剣 雪儚 ◆vmdp0Tew 投稿日:2019/05/13(Mon) 23:59
-
…ようこそ、“光明学院”へ
このガッコは“ぼんぼん”“おじょうさま”いっぱいの金持ち名門校……
しかして…そのしょうたいは…
異能者あつめて…そだてて…たたかわせ…
国の“まもりて”つくっちゃう…政府直属の“ひみつそしき”……
ぜったい…そとにはないしょ……です
でも…もちろん…
異能ない子も…いっぱいいる……ですよ?
異能者もちがう子も…なかよくまなんで…なかよくあそぶ……
そんなたのしいガッコにしていけたらな…っておもってます……
きょうみ…ある……? じゃ…これ……
ttps://www65.atwiki.jp/kkgakuin/
うちのパンフ…そこの“入学案内”のぺーじみて……?
転校・就職するのにひつような校則…かいてあるの……
ここも11スレ目だけど…新入生は“ぜっさんぼしゅうちゅう”……
いっしょに…はっぴーな“すくーるらいふ”…たのしんじゃおーぜ…べいべ…(廿_廿)b
†名簿とその他の施設†
名簿(キャラクター):
ttps://www65.atwiki.jp/kkgakuin/pages/43.html
美術室(イラスト置き場):
ttps://ux.getuploader.com/komyo/
(閲覧パスワードヒント:「光明学院と対を成す異能者学院の名前」)
分校(避難所):
ttp://jbbs.shitaraba.net/internet/24652/
旧校舎(旧避難所)
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17702/
- 105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2019/06/11(Tue) 01:48
- 異能員――異能社会を監視し、その平穏を守る者達。
異能を悪用、濫用し異能社会を脅かす異能者を取り締まる者、
異能発現者を保護、その他の社会的措置を行う者に大きく分けられる。
「異能指令。異能発現者を感知。場所はKZ-40地区。
力は小さいが、暴走の可能性あり。定員1名」
KZ-40地区。
異能員"風嶋静音"は心の中でその言葉を素早く反芻し、勢いそのままに通信機を手に取る。
「風嶋静音。上番前ですが直接行ける距離にいます」
「了解。定員1名確保」
静音は先程と同様、素早く頭を整理する。
出勤に使う車、今はいらない。詰所での暇潰しに使う裁縫セット、いらない。
全部取りに帰って、改めて出勤すればいい。
黒のスーツ、着た。サングラス、今着けた。通信機、今持った。
よし。
静音は静かに気合を入れ、文字通り風のように部屋を出た。
KZ-40地区は静音の住むマンションのすぐ近くの公園を中心とする一帯であり、
まさにその公園に異能発現者はいた。幼稚園児かせいぜい小学校低学年。
うずくまって泣いている姿はこの年の子どもなら珍しくもないが、
少女の周囲にはバラの腐ったような異様な植物が蠢いている。
静音は少女を視界の隅に捉えたまま周囲を確認する。
誰もいない、好都合。でも探し物は、
「うっ……うっ、わっ、ああああああああああ!」
静音の存在を認識したらしい少女の叫び声と共に腐ったバラが、
意外と硬いのかメキメキと音を立てて静音に向かって伸びる。
しかし静音は慣れた様子で左手を突き出し、
自身の異能である風を用いた刃を撃ち出してこれを切り裂く。
少女は驚きと恐怖に歪んだ、それでいて呆然とした表情のまま間髪入れずに、
今度は静音の周囲にバラを生やしたが、静音は自分を中心に竜巻を発生させてこれも一掃する。
まずい。
暴走する異能発現者の前に敵として立ちはだかるのは、
力ずくでの拘束を最終手段とする異能員の規程もあって事態の悪化にしかならない。
幸い落ち着いたのか逆に精神が限界なのか、攻撃の手を止めた少女を尻目に、
静音は再び周囲を確認する。
いた。
静音の視線の先には少し離れた街頭にしがみつき、
震えながら二人の様子を見守る女性の姿があった。
静音は気流を発生させ、文字通り風に乗って女性の目の前に降り立った。
「あの子のお母さんですね」
ただでさえ目の前で繰り広げられる異能バトルに怯えていたところに、
その片割れが文字通り飛んできたとあって、女性はしりもちをついたまま震えていたが、
静音は体を彼女に、顔を少女に向けた状態で続ける。
「手短に説明します。あの子は異能者、いわば超能力者です。私も同じ。
見ての通り、異能者は危険な存在です。
あなたが望むならあの子は私たちが預かり、
あなたは今後異能と関わらずに生きていくこともできます」
静音は少女を視界から外したうえに背を向けてしゃがみ、女性の顔を見据える。
「質問です。あなたはこれからもあの子を育てますか」
女性は唇を震わせるばかりで声を発することはなかったが、
同じく震える両手で静音の肩を掴み、大きく2回うなずいた。
「や、あっ、ああ……」
女性の腕を掴んで引きずるように全身する静音に少女は再びバラを差し向けるが、
静音はこれを吹き飛ばし、あっという間に少女のもとに辿りつく。
少女は観念したのか恐怖で動けないのか、先程の母親と同じポーズでしりもちをつく。
「大丈夫。こわくないよ」
そう言いながら静音は一歩下がり、掴んでいた女性の手を放す。
「お母さんもこわくないって」
解放された女性は最初はふらふらと少女に近づいていたが、
しゃがんだかと思うとすぐに少女を抱きしめ、少女も母親に抱きついた。
- 106 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2019/06/11(Tue) 01:50
- 「へー、ヤバかったんですね」
「なにが?」
「だってお母さんいたからよかったですけど、いなかったら詰んでるじゃないですか」
チェーン店の居酒屋で静音はそういうこと、と焼きプチトマトを冷ましながら答える。
「基本お母さんは近くにいるよ。逆にいなかったら、あんな暴走はしない」
いい年をしておしゃれめなつまみをちびちび食べる静音とは対照的に、
ビールにタコの唐揚げを食べる後輩異能員はどういうことですか、と首をかしげる。
「子どもは1人では暴走しないんだよ。
成長するとこの力はなんだろう、人を傷つけるかもしれない、捕まるかもしれない。
それでこわくなって暴走する。でも子どもはこわくないんだよ。
前にすごい異能反応があるって行ったら、
炎系のちっちゃい子が1人でキャッキャしててびっくりしちゃった」
でも、
「1人では暴走しないけど、お母さんと一緒なら違う」
さっきまでいつものように笑顔だったお母さんが、今まで見たことのない怯えた表情になる。
泣きながら手を伸ばしても、お母さんは泣きながら逃げてしまう。
「それが1番こわいんだよ」
いまいちピンとこなかったのか、湿っぽい話が面倒になったのか、
後輩異能員は目を逸らしながら、そういえばー、などと切り出す。
「こんなこと聞くのもあれですけど無礼講ってことで。
先輩はなんで結婚しなかったっていうか、してないんですか?
いやほら美人だし、今みたいに子ども詳しいし好きそうじゃないですか」
無礼講どころか無礼極まる質問だが幸か不幸か、そして良くも悪くも地雷である。
「えへへー、わたしは待ってるんだよー。勇者さまを待つ村娘みたいにー。
聞きたいー?20年前の話だけどー」
自分で話を振ったとはいえ、まさかのコイバナでテンションが上がるアラサーにドン引きしつつ、
そういえば聞いたことありますー……、と後輩異能員は事態の鎮静化を図る。
「でもその封印の異能者でしたっけ?死んだって聞いたことありますよ。
それこそ20年前、なんか黒翼を道連れにしたかされたかで」
「そんな心中みたいなことしないよー、好きな人同士じゃあるまいしー。
彼は逃げた悪い魔王を追いかけててー、倒したら私のところに帰ってきてくれるんだからー!」
続かない。
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