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【燃える花のように】音柱・宇髄天元だ人間様を舐めんじゃねぇ!【鬼滅の刃】

[1:宇髄天元 ◆udzuWj8M (2023/07/17(Mon) 00:00)]

ここは鬼殺隊音柱・宇髄天元、またの名を派手を司る祭りの神により開設された屋敷だ。
位置づけとしては総合・水屋敷の『はなれ』となり、総合とは相互関係の元開放され
話し合いが生じた際や行事など企画がある場合、屋敷間にて越境し言葉を交わすこともある。
規律にしっかりと目を通して活動せよ、追加項目あり。それじゃ宜しく頼むわ。

◇◆鬼殺隊・隊律一覧◆◇

壱・隊員同士の私闘を禁ずる

弐・屋敷を荒らす鬼並びにそれに与する者は除隊処分とする

参・異世界からの越境行為を禁ずる

肆・名無し隊員同士の過度な会話は謹むべし

伍・所属隊士(キャラハン)として参加希望者は>>2へ目を通すべし
   尚、鬼舞辻に与する鬼の参加は禁止とする

陸・身分証(トリップ)の携帯は
   『鬼滅の刃』の登場人物にのみ許可する

漆・所属隊士が忠告した際は留意すべし
  小説のような物語や独白などによる自己満足な文章
  個人的な思想論などは反応に困る為控えるべし

捌・削除依頼は所属隊士に一任すること

玖・稽古志願者が多いなど、状況に応じて質問の受付を停止する場合あり

◇◆避難所◇◆
http://www.10ch.tv/chat/chat.cgi?mode=0&submode=5&chatid=narikiri_charaneta&roomid=803976413
◇◆前屋敷◇◆
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi/narikiri/669820650/


[766:名無しさん@お腹いっぱい。 (2024/04/27(Sat) 14:07)]
今年のGWは行事やらんの?


[767:宇髄天元 ◆7RhgGwJQ (2024/04/29(Mon) 01:03)]
はじめに謝罪しとくわ、来るの遅くなっちまってよ、華やかな色男の顔が拝めず、
発作が起きちまった奥さんッ!勘弁してくれ!
さあて、来て早々だが俺の大事な奥さんたちの為にド派手に稽古をつけてくぜ!


>>756
猗窩座だかなんだか知らねぇが、何だって?
こう見えて俺は来日二十三年の生粋の日本人でな、顔と耳は良いが
なに言ってんのか派手に解らんわ!!いずいっ………伊豆がどうしたってんだよ!!
もしかして広報で熱が入っている鬼殺隊の温泉のヤツか?箱根、鬼怒川のアレかと。

>強者が弱者を守るのは当然なんでしょうか?


は?その呪いのように詠唱してた文句は日本語にするとそう言う意味だと?
ふーむ、強者が弱者を守るのは当然なんでしょうか……ね。

まァ、鬼殺隊に入った時から俺はそう生きている。
俺達は生身の身体で鬼に立ち向かう、人であるから故に怪我をすれば
治癒するまでには時間が掛かるし、致命的な攻撃を受ければ命を落とす。
それでもなお鬼に立ち向かう。人より長けた能力がある分、
自分より弱い者を守るのが強い者の役目であり、柱としての責務でもある。

だが、俺は派手にハッキリと命の順序を決めている。
まず嫁三人が最優先、次に堅気の人間たち、一般の隊士も含まれる。
そして俺だ。鬼殺隊である以上のほほんと生きてる一般人も守るんだよ。

鬼と言う脅威から、人を守る力があるなら守るのは当然、そんくらい分かる様な
頭じゃねーと今後の活動に支障が出る、よく肝に銘じとけ。


>>760
宇髄推しの女「嫁三人なら四人目いけるのでは?」

四人目の嫁ねぇ……ハッハッハ!!こりゃ見上げた根性の持ち主だな!
しかも自らを宇髄推しと名乗っているとは、信仰心も篤く派手を司る祭りの神の嫁と
名乗る第一関門は突破してるんじゃねぇか!

しかしながら今後っつーか、後にも先にも四番目の嫁を娶るつもりはねーしな。
ん?三人も四人も一緒だろって?―――――お前自身がそれでいいならな!
生憎俺は一緒だとは思ってねぇから、まァ、現在の情勢では四人目ってのは在り得んが、
世の中が落着き、俺自身が四人目を迎えてもいいと判断したら……あー、いや、
俺の一存では決められねーんだよ、これが、はっはっは!

ド派手なこの俺様の嫁三人が了承しねーと無理だわ。
案外尻に敷かれてんだよな、安産型のいい尻にな!!


>>761
>(東京でもハイカラ中のハイカラ、伊太利亜(イタリア)料理を専門に出す店)
おう、今日も移動販売で元気に営業中だな!ん?なんだこの沢山の電球は?
――――少しでも多くのお客さんの目に留まって欲しいので、
電球を山ほど装飾としてつけてみた、と……ド派手で良いな!ひときわ目立つわー!

電飾好きを自負してる俺様だが、穏やかな橙色の裸電球の温かさってのも
また風流で芸術的な鮮烈さも兼ね備えている……って、良いトコ尽くめだろうが!

もうこうなったら音屋敷での営業許可を出すから、定期的に此処に来るといいぜ。
そうしたら絶対に煉獄も達よ―――――ん?もう既に寄って行った?!流石だな!
まだ高等技術が何たら言ってたが、オススメの料理を三十皿食って行ったと…

―――――三十皿?!

どんだけ食ってんだってのが一般的なツッコミどころらしいんだが、
俺はな、前から思ってたんだがアレだけ大量に食っておいてよ、
ちょっと時間が過ぎるときちっと腹が減るってのが派手にスゲ―と思うのよ。

それと飯食って直ぐに全力で動けんのもな。
まァ、それも日頃の鍛練の成果なんだろうけどよっと、その話はおいといて、
俺にもその煉獄が三十皿も食って行ったオススメを貰おう!

どんな料理なのか地味に気になるからな、注文せずにはいられないぜ!

>こちらホタルイカと菜の花のパスタになります

ほうほう、ホタルイカとはマジで今が旬だな、ああ、菜の花も勿論春が旬だ。
ハッハッハ!!栄養価も高く、それでいて四季の変化も感じ取れる『旬の食材』
しかも店主、お前の自信作だってんなら美味いに決まってるわ。
さあ、早速食ってみるとするか!まァ、俺は取り敢えず二十追加で頼む!


[768:宇髄天元@青猫着ぐるみ ◆7RhgGwJQ (2024/04/29(Mon) 01:48)]
>>762 >>765

誰だこんな所に着替え何ぞ置き忘れやがって、柱稽古に持って行くもんじゃねぇのか!
ああそうだよ、この真っ青な………胸元の此の鈴…まさかッ!電飾仕様になってんのか?!

赤いベルトに金ピカどころか七色に光る鈴まで着いているとなると、
はっはーん、これはアレだな、派手好きの誰かに来て欲しいてことで、
それで音屋敷の縁側に、目立つように置いた在ったって訳か!!成程!!

―――――と言う訳でこの衣装を着ているんだが、これは……タヌキ?!


今までヒグマだゴリラだ散々言われてきた俺様だが、タヌキは初めてだわ。

しかし……なんで顔にドーラン塗りたくられなけりゃならんのだ!!

髭まで書かれて不本意だわッ!!ん?ド派手になりましたね?そうか?
ならそうだな、派手なら構わん!ああ、せっかっくの派手な化粧を消し去って、
地味な装いにするのは潜入時だけにしたいからなァ!派手でなんぼだ!


で、この格好になる事によって、青いタヌキが完成すると思うんだが、
俺はこれからどうすりゃいいんだよ、って…これはタヌキではなく猫ォ?!

青い猫なんて聞いたことねーが、ん?>>765が詳細を教えてくれる?

ほーん、要するに黄色い猫が鼠に耳を齧られた末に、顔色が真っ青になって
そのままになってしまったと……つまり、その場で真っ赤に怒って居れば赤い猫になってたと。

くゥ、残念だったな、赤い装いの方が確実に絶対に目立ってただろうに!!
つーか声までしゃがれたらもう誰だか分からんよな、それも見事な変装とも言えんじゃねぇの?


まァ、それで俺に要素があるって思われるのはスジも通ってて分かるわ。
で、主だってやることは何だ?まさか日向ぼっことは言わねーよな?

夢と希望を与えてくれればいいって?
みんなみんなみんな、叶えてくれればそれでいいと。

――――――ちょっと待て、俺はそんなに暇じゃねぇぞ?

真面目な話、夢なんてもんは自分で叶えるもんだし人を頼るな!
夢を叶える為には自分で行動して目標を達成させることに意味があるんだよ。
現状に満足してしまえば気持ちも緩んで来るし、向上心も無くなって
衰退の一途をたどるもんだ。何が言いたいかっていうと、他人の力をアテにすんな。


それと良いこと教えといてやる。
神様ってのは一生懸命努力しようとしてる奴が一等好きなんだよ。なんてな!
夢を叶えようと努力したり頑張ってる奴ってのは、神だけではなく周囲の人間も
必ず手を貸してくれるもんだ。もう少し頑張ってみな、ハッハッハ!!


>>766
>今年のGWは行事やらんの?

ちと今回は時宜をはかるのと連携が間に合わなかったんだが、
それに代わることをしようとは思ってはいる。
だが、時事の話題の方はいつでも持ち込んでくれて構わんぜ。
どんな話をしてくれるのか期待して待っているわ。


[769:名無しさん@お腹いっぱい。 (2024/04/29(Mon) 04:31)]
この連休は晴れ間が続いて気温も上がって30℃になるところも


[770:名無しさん@お腹いっぱい。 (2024/04/29(Mon) 10:35)]
煉獄家、宇髄家ならではの端午の節句の過ごし方ってありますか?


[771:名無しさん@お腹いっぱい。 (2024/04/30(Tue) 14:49)]
今年も5月になったら鯉のぼりあげときますね


[772:煉獄杏寿郎 ◆Gv0oNgqY (2024/04/30(Tue) 19:40)]
>>755 >>766
やあ!新緑の美しい季節だな!
聞いたぞ!君たち二人、先日の任務では獅子奮迅の活躍だったそうじゃないか!
日頃の鍛錬の成果が出ているな!感心感心ッ!!

《お2人共同任務だったって聞きましたけど首尾はいかがですか?》

ははは!気にかけてくれていたのか、ありがとう!
うむ!こちらの方も無事に片が付いた!
宇髄との合同任務は久々だったが、相変わらず頼りになる男だ!
丁度稽古も一段落付いたし、折角だから君たちにも仔細報告しておこう!

トントン

少し長くなる、聞きたい者はここに座ると良い!
あれは一月程前だったか、俺の元に鎹鴉の伝令が届いてな…


[773:煉獄杏寿郎@GW特別企画・合同任務編 ◆Gv0oNgqY (2024/04/30(Tue) 19:42)]
【壱】(>>755 >>766

「−−実体のない鬼、ですか」

桜の蕾が綻び始めた春の昼下がり、煉獄は鬼殺隊本部へと足を運んでいた。
鎹鴉が伝令を運んできたのはほんの一刻前のこと。
お館様直々に柱へ招集をかけるという事は、余程の緊急事態を意味する。
身構える煉獄に向け、鬼殺隊の長、産屋敷耀哉は穏やかな声で語りかける。

「そう、刀がまるで霧のように体をすり抜けるらしいんだ。」

「…それは…」

日輪刀が効かないという意味だろうか、と、喉元まで出かけた言葉を飲み込む。
まさか、そんな筈はない。
陽の光と同様の効力を持つ日輪刀は、鬼殺隊士が鬼と戦う上で替えの効かぬ代物だ。
きっと何らかの血鬼術なのだろう。
お館様によれば現場の被害は甚大、既に十名を超える隊員がなす術もなく命を落としたという。
一般人への被害も拡大している。もはや一刻を争う状況だ、それにしても−−

「なるほど、状況は把握致しました。しかし何故、"我々"が」

ちらりと隣に座る大男を見やり、煉獄は尋ねる。

−−鬼殺隊音柱、宇髄天元。

元忍びでありながら派手を信条とするその男は、姿勢をピンと正し神妙な面持ちで前を見つめていた。
音屋敷で竹刀を振り上げ後進を追い立てる姿とはまるで異なる様子に、ふと笑みが溢れる。
そんな、ほんの僅かな空気の揺れすら彼の耳には届いてしまうらしい。
切れ長の暗紅色の瞳が、ジロリと煉獄を見下ろす。

「何だァ?俺様が相手じゃ不足かよ」

「ははは!まさか!ただ、珍しいと思ってな」

鬼殺隊の音柱に炎柱と言えば、いずれも豪快な剣技を得意とする超攻撃型である。
音と炎、二人揃えば辺り一面焼け野原になる−−
そんな噂が、隊内でまことしやかに囁かれているのを煉獄は知っていた。
困った事に、あながち間違いではないのだ。
だからだろうか、これまで宇髄と組んだ任務の数など片手に収まる程しかない。

「ド派手な捕り物になるだろうからなァ。まっ、窮屈な場所にゃ向かねーわな。」

宇髄も同じ考えだったらしく、お館様へと視線を戻す。

「安心して良いよ。鬼の出没場所はとある山中、近くに人が住んでいる様子もないようだ。
今回の件で君たちを此処へ呼んだのにはね、理由があるんだよ。」

「理由と言いますと」

「その鬼の弱点を、君たちなら付くことが出来ると思ったからだよ。」

ガタンッ

「弱点!?」
「弱点があるのですか!」
「派手なもんに弱いとかな!」
「そんなわけないだろう!!」
「じゃあ他に、俺たちに何の共通点があんだよ!」
「うむ!特に無いな!!」
「あァ!?煉獄お前な…

…………。

しんと水が打ったように静まり返る室内。
頭を下げる二人の前で、人差し指を口元に当てた産屋敷耀哉が穏やかに微笑む。

「生き延びた鴉の報告によるとね、その鬼は日輪刀の攻撃をものともしない一方で
あるものを近付けた時にだけ、僅かに避ける動作を取ったようなんだ。」

「あるもの、とは」

「−−−松明だよ」

途端に宇髄と煉獄はバッと顔を見合わせる。
なるほど、その推測が事実だとすれば、確かにこれ以上の人選は無いだろう。しかし

「お言葉ですがお館様。鬼の弱点が明確であれば、一般隊士にも対策は可能かと存じますが」

宇髄の言葉に、煉獄も同意を示すように頷く。

「そうだね。しかし現状被害は拡大する一方だ。
三日前、情報を共有した上で現場へ向かってくれた子供たちからの連絡も未だ無い。
この鬼には、まだ他にも明らかになっていない何かがあるのかもしれない。

−−天元、杏寿郎、頼めるかい?」


「 「 御意 」 」

柔らかな春の日差しが降り注ぐ。
この美しい季節を迎える事なく、理不尽に散らされた命がどれだけあるのか。
これ以上の犠牲を出さぬ為にも、我々の手で一刻も早く鬼の頸を斬らなければ。
ひらりと迷い込んだ桜の花びらを手に取ると、煉獄は固く拳を握りしめた。


[774:煉獄杏寿郎@GW特別企画・合同任務編 ◆Gv0oNgqY (2024/04/30(Tue) 19:43)]
【弐】(>>755 >>766

産屋敷邸を後にしてからどれ程の時間が経っただろうか。
ガタガタと田舎道を進む漆黒の車は、男二人が座るには些か窮屈だ。

「とりあえずありったけの火薬玉は用意したぜ、こいつで仕留められりゃ良いんだが」
「日輪刀の攻撃は悉く無効化するようだからな!鬼が弱点とするのが火ならば、事態を打開する一手にはなるだろう!」
「もし見当違いならどうするよ。その弱点ってのも、鎹鴉の情報でしかねーんだろ」
「その時はその時だ!今考えた所で仕方がないな!はっはっはっはっ」
「お前な…けどま、実際それ以外に頼りになる情報もねーしなァ、つーか

もう少しデカい車はなかったのかよッ!!」

大きな体を縮め口を尖らせる宇髄の姿に、煉獄は思わず吹き出してしまう。

「まぁそう言うな。ほら、この椅子、フカフカで座り心地が良いじゃないか!」
「尻は快適でも頭がぶつかんのよ、地味に」
「ふむ、では荷車にして貰えば良かったか?」
「いや、それはそれで今度は尻が痛くなりそうだから却下…ん?待てよ、派手に名案を思いついたぜ。
いっそこの窮屈な天井を取っ払っちまえば良いのさ、派手派手にな!」
「いや!それは駄目だろう!」
「何でだよ!晴れてんだから、ちょっとくらい風穴開けたって良いだろ!」

狭い車内に大声が響き渡る。
その度に、ビクりと運転席に座る隠の体が飛び跳ねるので
煉獄は申し訳なく思いながら何度目か分からない謝罪の言葉を溢す。

−−全くこの男は、時折子供のようになる。

宇髄と顔を合わせれば、こんな風に軽口を叩き合うのが常だった。
代々続く鬼狩り一族の長男として、鍛錬と任務にひたすら邁進する煉獄にとっては
この他愛のない瞬間が心休まる貴重なひと時でもあった。
『傲岸不遜』『唯我独尊』彼を指してそう呼ぶ者もいるが、存外細やかな気遣いの出来る男なのだ。
今も任務前の緊張を解そうと、冗談を言っているだけなのだろう

「火薬量調整しねーと車ごと吹っ飛ぶなこりゃ」

…やはり本気かもしれない。
やっぱ拳で穴開けとくか、と天井を見つめ物騒な事を言う宇髄を諌めようとしたその瞬間

キキーーーッ!!ガタンッ!!

突如、車が急停止する。

「いってぇえ!!!」

衝撃で頭を思い切り天井にぶつけた宇髄の隊服から、黒い玉が一つころりと転がり落ちる。
椅子の下に潜り込んだそれを拾い上げ、持ち主へ返そうと煉獄が顔を上げると
つい先程まで隣に座っていた筈の男の姿は見えなくなっていた。

「仕方ない、後で渡そう」

煉獄は玉を衣嚢に仕舞うと、運転手へ声を荒げる同僚の元へ向かう。

「テメ、三島!もう少し優しく止められねーのか!!」

体格の良い柱に詰め寄られた三島という名の隠は、真っ青な顔をして俯いていた。

「おいっ!何とか言えよ!地味な奴だな!」

その時、三島の体が突然ガタガタと震え始める。

「…待て宇髄、様子がおかしい」
「おい三島?三島!しっかりし

−−ゴォォォォォォッ ビリビリビリビリ

突如吹きつけた向かい風が、重くのしかかるような不快な空気を運ぶ。
前方に聳え立つ鬱蒼とした山が、その気配の出所である事は間違いないだろう。

ドサッ

三島の体が地面へと倒れる、どうやら気を失ったようだ。

「へぇ…こいつは想像以上。まだ日暮前だぜ」

日輪刀の柄に手を添え、くくっと喉を鳴らしながら前方を睨みつけるその顔は
いつの間にか鬼殺隊音柱のそれへと変わっていた。

煉獄は気絶した三島の体を車内へ運び込むと、上空へ向けて叫ぶ。

「要ッ!!!」

バサバサバサッ

即座に姿を現したのは、要と呼ばれた煉獄の鎹鴉である。
頭上を旋回する優秀な相棒に向け、煉獄は簡潔に指示を出す。

「近くに控えている隠を呼んでくれ!
要救護者一名、負傷はしていないが鬼の気にやられ意識を失っている。
至急彼を連れて蝶屋敷へ!明朝まで、これより先には誰も近付けるな!」

カァッ!!

大空へ再び飛び立つ要を見送ると、煉獄もまた日輪刀へ手を伸ばし宇髄の隣へ立つ。

「さて、では乗り込むとしようか音柱」
「ハッ!随分と燃えてんじゃねーか炎柱」
「君の方こそ」
「まぁな。久々の共闘だ、存分に暴れてやろうじゃねーの

−−こっからはド派手に行くぜ!!」


[775:煉獄杏寿郎@GW特別企画・合同任務編 ◆Gv0oNgqY (2024/04/30(Tue) 19:45)]
【参】(>>755 >>766

ザッザッザッ

宇髄と煉獄は、小石を踏み締めながら山道を進んでいた。
相変わらずどんよりとした空気はあるものの、鬼の気配は近くにないようだ。

「しっかし地味に鬱蒼としてやがる。日があるうちに着いて良かったなァ
足場が悪い上にすぐ近くにゃ崖もある、知らずに足を滑らせたら血鬼術喰らう前にお陀仏だぜ。」

地味過ぎる。そう独りごちる宇髄に同調しながら、煉獄は下を覗き込んだ。
どうやら川が流れているようだ。
その一部から、微かに白い泡のようなものがプクプクと浮き上がっているのが見える。
あれは一体…口を開きかけたその時

「おい煉獄見ろよ、ド派手で良いなァ!」

宇髄が感嘆の声をあげる。
その視線の先には、満開を迎えた一本の大きな桜の木があった。

「ほう!麓の桜はまだ三分咲きだったが、この木は随分と早いのだな!」
「あーあ、こんな事なら花見用に弁当残しとくんだったぜ」
「だから言っただろう、三個では少なすぎると。」
「いや少なくねーわ!てかお前の弁当は?両手に風呂敷ぶら下げてたろ」
「うむ!車内で全部食べてしまったな!」
「どんな胃袋してんだよ…」

鬼の根城特有の淀んだ空気が満ちる中、満開の一本桜は力強くそこに立つ。
まるでその一帯だけが光り輝いているようだった。ただただ美しい−−

「ほら行くぞ、花見は全部片付いてからの楽しみにとっとけ。」

宇髄にポンと肩を叩かれる。

「そうだな!間も無く日が沈む、急ごう」

二人は足早に先へと進む。
微かに鬼の気配がする以外、草木が生い茂った至って普通の何処にでもある山だった。
そう思った時、煉獄はふと気になっていたことを宇髄に伝える。

「崖の下に川が流れていただろう?さっきその水面に、泡のようなものが浮き上がっていくのが見えたんだ。」
「一本桜の近くか?」
「ああ。」

魚か何かだろうか。そう口にすると、宇髄はニヤリと口角を上げる。

「へぇ、有り得ねー話じゃねぇかもな。」
「やはり魚か!よもや川のヌシ!!」
「阿呆、そうじゃねーよ。ところでお前、何でこんな辺鄙な場所で鬼の被害報告が絶えないと思う?」
「…ふむ…検討もつかないな!!」
「いやもう少し考えろよ!このせっかちが!」

呆れる宇髄を前に、煉獄は首を傾げる。
とは言え、それは煉獄自身も気になっていたことだった。
人里から離れた鬱蒼とした山中に、わざわざ足を踏み入れる理由…

「やはりヌシがいるんだな!あの川に!!」
「違うって言ってんだろ!脳味噌爆発してんのか!!」

はーーっと大きく溜息を付き、宇髄は続ける。

「この山を超えた先にはな、そこそこ有名な天然温泉があんのよ。」

宇髄によれば、その温泉は切り傷すり傷火傷に便秘、はたまた失恋の痛みや性格の歪みまで
何でも治る秘湯として温泉好きの間では有名なのだという。
どこかで聞いたような効能だな…
そう突っ込みを入れながら、煉獄にも漸く被害が止まらない理由が見えてきた。

「なるほど、遠方から訪れる湯治客を狙っているのか」
「たぶんな。しかもその秘湯に行くにはこの山道を抜ける以外方法がないときた。
此処は日を遮るもんも多い、鬼の根城にするには打って付けの場所だなァ。」
「…許せんな」

思わず眉間に皺が寄る。
湯治客の中には、藁にもすがる思いで足を運ぶ者もいるのだろう。

「我々の手で終わらせるぞ、必ず」
「言われるまでもねぇよ」

気付けば既に日は沈み、空には大きな月がぽっかりと浮かぶ。
晴れていてよかったと煉獄は思う。
そうでなければ、今頃漆黒の闇に視界を塞がれていただろう。

サワサワサワ

五感を研ぎ澄ませれば、木の葉が擦れる音がやけに大きく感じる。

ザワザワザワ

……………。

ビュゥゥゥ ザザザザザッ

「宇髄」
「ああ、居るな」

鬼の気配が近い。
臨戦体勢を取る宇髄と煉獄を取り込むように、辺り一面に白い霧が立ち込め始めた。

【つづく】

−−−−−−−

うむ!喋り過ぎて少し喉が渇いたな!
俺は茶でも淹れてこよう!さあ、語り手の交代だ!つづきは頼んだぞ、宇髄!!

…ところで君、その青狸の仮装は一体どうした!
はろうぃんにはまだ早いぞ!はっはっはっ!!


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