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【メイヘムに怯え】久保田武蔵・総合格闘技世界11冠目【アンチはスレ乗っ取りを画策】

962 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。 投稿日：2013/02/15(Fri) 18:10

【ある夜の出来事】

約1ヶ月前、僕は武蔵ウォッチャーの世界から引退した。

久保田武蔵がマイナーだった頃から知っていたため、僕の武蔵ウォッチャーとしての姿を知っている方は日本にはほとんどいないだろう。また、その証拠も消滅してしまったため、僕が武蔵ウォッチャーとして認められる場所はあまりない。
しかし、運のいいことに僕には館山若潮マラソンで撮った“生武蔵写真”という武蔵ウォッチャーの世界で生きてきた『証』がある。これは僕の一生の宝物だ。

先日、酒場で１人の男性が声を掛けてきた。そのとき僕がたまたま館山若潮マラソンでの生武蔵写真を持っており、ご一緒させていただいていた方の勧めでお店で披露させていただいたのがきっかけだった。

「カテゴリーは何？」
「平均的な館山市民です。」
「俺も武蔵ファンやっててさ。勝負しない？」
「いやいや。」
「武蔵ウォッチャーなんでしょ？」
「はい。」
「どこの武蔵？知らないよ、そんな武蔵。」
「もう逃げちゃいましたからね。」
「生武蔵写真賭けて俺と戦おうよ！」
「無理です。僕の宝物ですから。」
「逃げるの？」
「・・・。」

勝負といったって、そこには理由もなにもない。また、そんな相手に賭ける生武蔵写真は世界のどこを探しても見当たるはずがない。

僕は尋ねた。
「なんの勝負ですか？」
「武蔵好き対決でしょ。」
「ここで？」
「おう。あんたが調子に乗ってるからさ。」
「いつ？」
「生武蔵写真チラチラ見せて浮かれてる武蔵ウォッチャーなんて、格好わるいよ。」
「そうですか。」
「表に出るか？」
「必要ないです。」
そのとき、体格のいい店主がやってきて、僕とその男を引き離してくれた。店の常連らしく、よくお客さんに絡むチンピラなのだとか。店主の勧めで仲直りと銘打った握手をすることになったのだが、どうも僕はその男から『エセ武蔵好き』扱いされているようだ。男の握手は、おもいっきり力を込めなければ失礼だ。自分がバカにされているならなおさらだ。

握手を交わしで僕がギュッと男性の手を握ったとたん、その男性が大きく目を見開いた。その驚きの目、手の厚み、弱々しい表情は、とても武蔵好きな男の目ではなかった。

確かに僕は武蔵ウォッチャーとしてミダラみたいに有名にはなれなかった。ただ、生暖かい目で追い続けた3年間は誰にも否定されたくない。スケールこそ違えど、僕にとってこの生武蔵写真はオリンピックのメダルのようなものなのだ。
僕がこの生武蔵写真をクソみたいな写真だと言うのはいい。お世話になっている方々が冗談で言うのだってかまわない。ただ、見ず知らずの方から言われるというのは、あまりいい気はしない。ずっとニコニコしていたが、そんな気持ちが僕の手に乗り移ったのかもしれない。

「失礼しました。」
と彼が言った。何かしら気持ちが伝わったのだろうか？怒りに震えていた一緒にお店に入った方をなだめつつ、僕は彼のグラスにサッポロ黒ラベルを注いだ。変なことにならなくてよかったと胸を撫で下ろした次第である。

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