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日本の大衆歌曲・歌謡曲の歴史

398 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2014/07/30(Wed) 22:17
☆インテリ層と古賀メロディー(昭和30年史)

戦後10年、昭和31年春に出た、毎日新聞社「写真 昭和30年史」がある。
ここには、多くの貴重な写真が。昭和6年の扉は、有名な古賀春江の『酒は涙か溜息か』(昭和6年9月新譜)の楽譜の絵と世相、それに「古賀メロデー」登場のことが。

そして9月18日未明、満州事変勃発。そして次のように記されている・・


「東北出身の兵隊が満蒙の戦野で戦っているとき、その留守の東北は冷害が田や畑を、村を荒廃させてしまった。稲作は平年作の三分の一と言われ、人々は蕨の根を掘り、松の甘皮を剥いて飢えをしのぐ惨状だった。
 岩手の詩人・宮沢賢治は『雨にも負けず、風にも負けず、・・寒さの夏はおろおろ歩き・・』とうたったが、 都市の学生たちがその惨状を訴えているとき、巷では「酒は涙か溜息か」「丘を越えて」「影を慕いて」
 など青白きインテリ層の中に「古賀メロディ」が氾乱していった。」・・


この若き「藤山一郎」の歌う「古賀メロディ」の青春の息吹。
怒涛の如くに登場しただろう、それがインテリ層にであったことは、若き山田耕筰や、萩原朔太郎などからも窺い知ることができるのだが、特質に値するだろう。

昔の時代の人は貧しくも幸せだったろうと思うと同時に、80年を経た今日に至るも、ジャンルを越えていろいろな場面で、繰り返し、繰り返し根強く歌われ続け
演奏され続けていることはすごいことではないでしょうか。

(参考)
毎日新聞社社会部編「写真 昭和30年史」(毎日新聞社1956.3)
「週刊日録20世紀1931(昭和6年)―「満州事変」勃発!」」講談社1997
  人物クローズアップ 古賀政男、「酒は泪か溜息か」大ヒット
  銀座で東北の惨状を訴える学生たちの写真も。




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