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がん医療について

[1:名無しさん@お腹いっぱい。 (2012/10/06(Sat) 08:36)]
がん医療について、最近進歩しているようですが、悩みや心配事、よい情報その他の情報を教えてください。
また医療機関などについても情報交換しましょう。


[39:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/01/14(Thu) 11:57)]

 京都薬科大や北大、抗がん剤をカプセルで 細胞傷めず運搬/日本経済新聞/2015.10.11 - 23:38


 がん細胞だけに抗がん剤を送り込むDDS技術を京都薬科大学や北海道大学のチームがそれぞれ開発した。がん組織は正常な組織に比べて血管に隙間が多く、脂質の膜でできた微小カプセルを血管に注射すればがん細胞に多くが流れ着く。効き目が強い薬を封入し、がん細胞内に集中して取り込ませる。正常な細胞は傷めず、副作用を減らす。10日まで名古屋市で開いた日本癌学会で発表した。

 京都薬科大の浜進講師ら はリポソームという脂質でできた膜で抗がん剤を包み、特殊なペプチド(たんぱく質の断片)を付けてカプセルにした。

 カプセルの一部ががん細胞の膜につくと分解してカプセルが壊れ、封入した薬が細胞内へ放出される。

 カプセルに緑色の蛍光色素を入れ、ヒトの肺がんの培養細胞で実験した。カプセルが細胞に触れ、30秒〜1分で色素が細胞内へ入る様子が観察できた。今後はマウスで実験する。

 北大の尾崎倫孝教授ら は、カプセルの表面に2種類のペプチドを付けた。一方のペプチドが細胞膜を刺激し、カプセルが膜を通り抜けるのを助ける。細胞に入ると、もう一つのペプチドが環境の変化を感じて形を変え、カプセルをほどいて薬物を放つ。

 カプセルに蛍光物質を付けた抗体を入れ、がんの培養細胞にかけると、15分で95.8%が細胞内に運ばれた。微小ながんを光らせる物質を入れて早期診断へも応用する。5年後をメドに臨床研究を目指す。



( 京都薬科大や北大、抗がん剤をカプセルで 細胞傷めず運搬/日本経済新聞/2015.10.11 - 23:38 )



 上記記事の実験によれば、これらの "カプセル化手法" を施された抗がん剤は、"極めて効率良くがん細胞に届けられた" とある。
 ただ、"正常細胞" への "浸入がどの程度くい止められているか?" については触れられておらず、これが今後の研究課題となりそうだ...... (2015.10.14)


カテゴリ: 科学一般


[40:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/01/19(Tue) 19:58)]

死の前に行う選択




病人とその家族は、致死的な病気とさまざまな治療に翻弄されて、ものごとを自分たちでコントロールできないと感じがちです。人によっては、この無力感に身を委ねて、行うべきことを決定する責任から逃れようとすることがあります。反対に、ときには葬儀や埋葬の詳細に至るまで、受けるケアのすべての点を自分たちで決めることを望む人もいます。

終末期のケアに対する希望を、患者と医師の間で正直かつオープンに話し合えば、致死的な病態にある時の生活の質を可能な限り高めることができます。医師は終末期治療のメリットと、それが生活の質に及ぼす影響などのデメリットを率直に説明します。一方、患者は自分が受けたい治療とそうでない治療について表明します。この機会に、患者は治療に関する要望やその治療に対する制限を伝え、死を迎える場所や死が迫ってきたときにしたいことを示し、死後の臓器提供の意思を決定します。

重症または末期の患者のほとんどはかかりつけ医のケアを受け、その医師と長期にわたる信頼関係ができている可能性があります。ただし、これに当てはまらない場合もあります。たとえば、一部の医師は、終末期の鎮静や高用量のオピオイドの投与によって痛みを緩和する治療に反対しています。これらの治療はいずれも終末期の患者の苦痛を軽減しますが、わずかに死を早める可能性があります。患者がこうした治療を希望しているにもかかわらず医師がその提供を行わない場合、患者は他の医師による医療ケアを受けることを選択できます。ホスピス(死と終末期: ホスピスケアを参照)でも、終末期の患者のかかりつけ医とホスピスチームの共同ケアが可能な場合に、この種の緩和治療が行われることがあります。



医師の選択




医師(またはケアチーム全体)を選ぶ場合、致死的な病態となる可能性のある患者や高齢の患者は、以下に挙げるような終末期のケアに関する質問をするとよいでしょう:

?その医師は、終末期の症状すべてに対するケアを提供し、強力なオピオイドによって完全に痛みを管理しているか(緩和ケア)。


?その医師は、死期が近い人に対するケアの経験が十分か。


?その医師は、病院、介護施設、自宅など、場所を問わず死ぬまでケアしているか。


?その医師は、患者の希望に合わせて柔軟に終末期ケアの治療方法を調整することができるか。


?その医師は、地域の在宅ケアサービス、理学療法や作業療法サービスについて詳しいか。つまり、これらのサービスの資格を有する関係者、料金の支払方法、より集中的なサービスが必要となった場合に患者や家族に提供される支援内容などを把握しているか。


医師に終末期ケアの経験が不足していたとしても、医師と患者およびその家族との間の長年にわたる信頼関係によって、また、他の専門家に積極的に相談しようという医師の意思によって、その不足を補うことができます。





[41:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/01/19(Tue) 19:58)]
ケアを提供する医療従事者チームの選択: ケアシステムには、医師、病院、介護施設、在宅ケアサービスで構成されるケア提供プログラムが含まれます。ケアシステムでは、料金、保険による補償額、患者の受診時負担および免責額がさまざまです。医師、看護師、他の患者や家族、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなどに次のような質問をすることで、ケアシステムを構成する最適な医療チームとネットワークを見つけることができます:

?別のネットワークで、より容易に受けられる治療は何があるか。


?可能な治療のメリットに関する情報は、通常どのように提供されているか。


?そこでケアを受けた患者や家族に話を聞くにはどうすればよいか。


?どのような試験的な新しい治療を受けることができるか。


?終末期の間、チームは定期的に患者と家族の往診を行くか。


?チームが自信を持って、信頼できる快適さと尊厳を確保し、患者と家族の希望に合うケアを提供しているか。


死後の臓器提供の選択: 死期が近づいた人は、死後の臓器提供を希望することがあります。このような決断は、亡くなる前に家族の同意を得てなされるのが理想的です。

一般に、慢性疾患で亡くなる患者が提供できるのは、角膜、皮膚、骨だけです。突然亡くなった人の場合は、腎臓、肝臓、心臓、肺など、より多くの臓器を提供できます。臓器ドナーになるために通常必要なことは、標準ドナーカードに署名することと医師と家族に知らせることのみです。

臓器ドナーになるのをためらわせる多くの懸念は、軽減できる場合があります。たとえば、臓器を提供しても葬儀のときの見た目に影響することはありませんし、家族に費用がかかることもありません。また、亡くなるまで、臓器は決して摘出されません。医師は、患者が自宅や介護施設で亡くなる場合であっても、臓器提供の手配を行う方法を把握しておく必要があります。

原書最終査読/改訂月 2007年10月


メルクマニュアル医学百科

MSD











[42:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/21(Mon) 18:37)]
>>1これを読めば解決するはず
ガン細胞は39度で死滅する
ttps://www.youtube.com/watch?v=L2BjrQVLclo


[43:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/21(Mon) 22:51)]
テレビで紹介していたが、今、「精密医療」が抗がん剤に代わるガンに顕著な効果を示していて
注目されているそうだ!。


[44:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/21(Mon) 22:55)]
プレシジョン・メディシン(精密医療)

新たな情報はがん治療を根本的に変えつつある。最近まで、がんはその発生源となった組織を狙う治療が行われてきた。現在は患者の腫瘍に発生した正確な突然変異を知ることで効果的ながん治療が行われる事例が増えてきた。がんが発生した場所とは関係ない。この方法は「プレシジョン・メディシン(精密医療)」と呼ばれている。

特定の突然変異によるがん患者は今、その突然変異の影響を選択的に反転させるよう設計された薬剤によって効果的に治療されている。こうした薬剤治療は「標的治療法」と呼ばれている。この治療法の欠点は特定の突然変異を原因としないがんには通常、何ら恩恵がないということだ。がんの原因になる突然変異を標的にした治療例はまだ少数ではあるものの、こうした薬剤が利用できる場合は治療結果が劇的によくなる可能性がある。

免疫学者は最近、人間の免疫システムには初めから「オフスイッチ」が組み込まれていることを発見した。システムが作動した数週間後に自然にスイッチが切れるのだ。そこで、この通常の「オフスイッチ」を遮断し、突然変異が生じた細胞を認識し、破壊する能力を維持する治療法が開発された。適切に行われれば、この「免疫療法」は素晴らしい効果を発揮する。がんと闘う体の能力を高める治療を行い、広範囲に転移していたがんが消滅したという事例もある。

◆増殖が止まらないからくり

がんに関する私たちの知識はまだ拡大している最中だ。がんは組織を修復する能力をもった細胞の中で主に発生するということも分かってきた。組織がダメージを受けると、いわゆる「前駆細胞」がダメージを受けた部分を埋めるために大量に増殖し、それが完了すると、今度は元の組織に似るように分化する。がんの中で発見された突然変異を起こした細胞の中には、その分化開始の信号を受け取らないものや、信号に反応しないものがあった。その結果、前駆細胞の増殖が止まらなくなる。

細胞の分化能力を修復し、過剰な増殖を止めさせることに焦点を絞った治療法はすでに臨床現場で成功をおさめている。こうした治療法は、従来の化学療法にみられるような有毒性の副作用を避けることができ、体中にがんが転移していても効果的にがん細胞を取り除くことができる。

がんの治療法を見つけるのにどうしてこれほど長い時間がかかるのだろうか。主な理由は、がんはひとつの疾患ではないという事実にある。各組織にはそれぞれ個別の前駆細胞があり、それぞれの組織は両親から受け継いだ遺伝子の特定の部分だけを使う。また、環境から受けるダメージは組織ごとに異なる。私たちは多様ながんの発生につながるこうしたすべての要因の相互作用を理解し始めたばかりだ。これらの問題を理解することが最終的にそれぞれの患者の病気に対する治療法の最適化につながる。


[45:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/23(Wed) 19:59)]
Precision Medicineは「精密医療」と訳される場合もありますが、まだ一般に認知されたネーミングではありません。個人の遺伝子情報などを含む詳細な情報を基に「より精密な対応を行う医療」という意味と捉えると、個別化医療(予防・先制医療を含む)、あるいはゲノム医療の延長線上の概念と考えるほうがわかりやすいでしょう。
政策研のページ|刊行物|日本製薬工業協会
 と規定されています。
実際に今日見たNHKの番組では、がん患者にその遺伝子を解析して、より効果的な薬を投与するという方法が紹介されていて、その効果の高さに驚きを禁じ得ずにいられませせんでした。
アメリカでは国家戦略の柱の一つとなっていて、がん治療の新たなるステージとして期待されているだけでなく、増大する医療費の削減にも貢献すると考えれらているようですね。
 
従来のがん治療に代わる新たな治療法

番組では、長年のガン治療で苦しんでいた患者さんが、医師から勧められた臨床試験のプレシジョンメディシンを受けて、がん細胞の43%が縮小するという、驚きの効果が出ていました。
プレシジョン・メディシンの診療方法とは、患者から採取したがん細胞の遺伝子情報を解析し、そこからがんの原因となる遺伝子異常を発見すると、それに適応する薬を投与する、という手法のことです。
 

 
この際に使われる薬とは「免疫チェックポイント阻害薬」「分子標的剤」の2つで、従来の抗がん剤と比べて副作用が少ないといわれています。
このプレシジョン・メディシンによって、これまで抗がん剤によるがん細胞の減少が3割だったところが、7割にまで高まったという衝撃の臨床結果が出ています。
まさにがんに苦しむ人にとって「福音」ともいえる治療法ですよね。
 
プレシジョン・メディシンを受けられる病院と費用
 
スクラム・ジャパンに参加している病院が中心になります。
スクラム・ジャパンとは「産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業」のことです。

www.ncc.go.jp
現在日本全国で235の病院と15の製薬会社が同事業に参加している模様。
LC-SCRUM-Japan 参加施設
GI-SCREEN-Japan 参加施設
こうした遺伝子解析による「がん細胞」の特定には、現在3種類の段階があって、「保険適用される薬」「臨床段階の薬」「特定できない」となっており、このうちの「臨床段階」の投薬は自由診療になるため、治療額が高額になるようです。(40万円〜100万円)
これ以外の「特定できない」は、どの遺伝子が異常をきたしているのか、判別つかないパターンもあるので、その場合はプレシジョン・メディスンによる治療そのものが受けらません。
ただその時に判別できなかったり、適応する薬が無いという場合でも、後に臨床試験で認可される薬が出てくることもあるので、医師や関係機関との連絡は絶たないことが必要だといえます。
 


[46:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/23(Wed) 20:06)]
プレシジョンメディシンを受けられる病院は?

プレシジョンメディシンを受けたい場合には、スクラムジャパンに参加している病院を受診して、自分の遺伝子変異について解析してほしいと伝えるのが1番いいとのこと。
スクラムジャパンに参加している病院はこちら
h ttp://epoc.ncc.go.jp/scrum/
※上記URL内の「参加医療機関」をクリック。
いくつかの大学病院でもはじめているようなのですが保険適用がないので、自費診療での診断になるようです。

プレシジョンメディシンの費用

一般の患者さんに向けてプレシジョンメディシンを始めた北海道大学病院。
プレシジョンメディシンを取り入れて半年で62人の患者さんの遺伝子解析を行ってきたと言います。
保険がきかないため、検査費用は約40万円?万円だということ。
29人に効果ができる薬を紹介してきたそうです。
子宮体がんを患った女性が紹介されました。
使っているのは乳がんや腎臓がんの薬。
子宮体がんの治療に使うには保険が適用されないので、毎月の薬代は90万円にのぼっているということ。
北海道大学病院のガン遺伝子診断部・林秀幸先生は効果が大きい例には資金的な補助制度ができることが望ましいと言いますが、現在のところは費用面で諦めざるを得ない人がいるのも事実のようですね。
ただし、保険適用外の薬を違うガン種に応用することも、昔に比べると厚生労働省やPMDAという薬を承認する機関も積極的になっているので、これまでよりは少ない患者さんの数の臨床試験で認められるようになってきているとのことです。

まとめ
人には老若男女があり、例えば30代の女性の中でも結婚している人、していない人、子供がいる人、いない人があり、
さらにはペットやカーペットなどによるアレルギーがある人もいればない人もいる…
先天的なもの、後天的なものを含めれば「その人」を囲む物事は多種多様なわけですから、同じ薬や同じ医療が有効とは限らないのですね。
実は私もプレシジョンメディシンのことを知るまでは平均的な患者さんに対する医療が当たり前だと思っていたのですが、度重なる手術で再発していた方が治療法を変えただけで治ってしまうところを見ると、考えさせられました。
医学は日進月歩と言われますが、諦めないことが肝心。
そして研究者や医師の方々には頭が下がる思いです。










[47:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/29(Tue) 18:51)]
Nスペで話題沸騰 「遺伝子解析がん治療革命」とは
NEWS ポストセブン 11/29(火) 16:00配信



『NHKスペシャル』で話題沸騰(NHKのHPより)
「がん医療」の現場で、従来の常識を覆す新たな治療法が試みられている。遺伝子を解析することで、同じ部位のがんであっても患者によって異なる“原因”を突き止め、ピンポイントの治療を施す「プレシジョン・メディシン(精密医療)」と呼ばれるものだ。「オーダーメイド治療」ともいえる、がん治療現場の最前線を追う。
「がん治療に革命をもたらすことは間違いないでしょう。今までは、敵の正体がよく分からないまま“絨毯爆撃”をしていたようなものでしたが、この治療法はがんの『本当の原因』を調べ、新たな“武器”を使って狙い撃ちするようなものなのです」
 こう語るのは、世界最先端のがん研究を行なう国立がん研究センター東病院の大津敦・病院長だ。同病院の取り組みを紹介した『NHKスペシャル』(11月20日放送)の「“がん治療革命”が始まった〜プレシジョン・メディシンの衝撃〜」での内容は、がん患者やその家族、医療関係者をはじめ、多くの反響を呼んだ。
 番組では、肺がんのステージIVで「余命2年」と宣告された48歳の女性が、宣告から5年目を迎えた今も元気に生活している様子が映し出された。
 この女性に施された最新の抗がん剤治療法が「プレシジョン・メディシン」だ。この治療法は、近年明らかになった「がん細胞増殖のメカニズム」を利用したものである。
 そのメカニズムとは、「人間の体を構成する遺伝子が傷ついて変異を起こすと異常なたんぱく質を生み出し、それががん細胞を増殖させる」というもの。また、遺伝子変異の起こり方は、たとえ同じ部位のがんであっても患者によって異なることが分かっている。
 そこでプレシジョン・メディシンは、まず患者の体内からがん細胞を採取して遺伝子を解析する。遺伝子変異のタイプを見極めた上で、最適な「分子標的薬」を選び患者に投与するのである。分子標的薬とは、新種の抗がん剤で異常なたんぱく質の働きを抑える効果がある。前出・大津氏が次のように解説する。


[48:名無しさん@お腹いっぱい。 (2016/11/29(Tue) 18:54)]
「従来の抗がん剤は正常な細胞まで傷つけることで副作用が大きかったが、たんぱく質だけを標的にする分子標的薬は比較的副作用が少ない。加えて、がんの原因そのものに対応する薬を使うことで、従来の抗がん剤では効果が十分でなかった患者さんにも効く確率が高くなり、より長生きすることが期待できます」
 この遺伝子解析による最新治療は、海外でも注目されている。アメリカでは昨年1月、オバマ大統領がプレシジョン・メディシンを「今後の医療の柱にする」と宣言している。
◆「保険適用」が待たれる
 日本では、昨年2月から、全国200以上の医療機関と15の製薬会社が参加し、遺伝子解析を使ったがん治療を臨床試験する大規模プロジェクトが始まっている。プロジェクトを統括する事業代表者が前出の大津氏だ。
 実は、前述した肺がんの女性も、この臨床試験に参加した一人。遺伝子を解析したところ、見つかった遺伝子変異に対応する薬は、肺がんではなく、「甲状腺がん」のための分子標的薬だった。その薬を投与したところ、1か月でがんの縮小が見られた。
 同じく臨床試験に参加した48歳の男性は、22歳の時に大腸がんを患って、5回の手術と抗がん剤治療を受けてきた。今年5月に再発した際には、「もう手術は無理」と告げられた。遺伝子解析の結果、彼の遺伝子変異に対応する薬は皮膚がんの一種であるメラノーマの治療薬だった。そして投与から2か月後、なんとがんは43%も縮小したという。
 別のがんの治療薬によって“がんが消えた”のである。プレシジョン・メディシンが「がん治療の考え方を根本から変える」とされる理由はそこにある。これまでのがん治療は臓器別の“縦割り”で考えられていたが、最新治療では、どの種類のがんでも遺伝子変異別の“横割り”で治療を考えていくというのである。
 現在、プロジェクトは臨床試験の段階のため、限られた患者しか受けられていない。しかし、プレシジョン・メディシンを自由診療で行なっている医療機関がある。その一つが北海道大学病院だ。


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