掲示板に戻る 前 10 次 10 1 - 10 最新 10

肺塞栓症

[1:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 21:43)]
肺塞栓症、軽いものはエコノミー症候群、血管に血栓が詰まる病気、重いのは肺や脳梗塞を起こす重篤な病気。


[14:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:05)]
[78] 肺塞栓症
肺塞栓症の診療については、国立循環器病研究センター病院『肺循環科』のページも参照ください。
「肺塞栓症」ってどんな病気?
どんな症状が?
息苦しさ
肺塞栓症で一番多い症状が息苦しさです。典型的な場合、突然、呼吸が苦しくなり、普段であれば何ら問題なく上れた階段や上り坂で、息が切れ、途中で休まないと、それ以上動けなくなります。
肺動脈が詰まるので、動脈血中の酸素濃度は低くなります。心臓は酸素不足を補うため、頻繁に血液を送り出し、安静にしていても脈拍が増え、1分間で100回以上となることも珍しくありません。当然、呼吸回数も増加します。
このように、肺はたくさんの酸素を取り込もうとし、心臓は酸素をなんとか体に行き渡らせようと懸命に頑張るのです。
息を吸うときの胸痛
次いで多いのは胸痛です。典型的な症状は息を吸うときの鋭い痛みで、胸膜炎の時の痛みと似ています。
肺動脈の血液が急にせき止められるので、肺動脈内の圧が上昇し、肺血管が太くなることや、血圧が下がり、心臓を養う冠動脈の血流が少なくなることも、胸痛の原因となります。
その場合は、前胸部の漠然とした痛みや、胸部圧迫感・不快感といった胸痛を生じることもあります。
失神やショック
このほか失神、ショックがあります。原因は心臓から流れる血液量が減って血圧が低下することや、神経反射の影響があるためと考えられています。病状が極めて重い場合は、突然死することもあります。
心筋梗塞や脳梗塞との違い
ところで、動脈が完全に詰まるか、もしくは狭くなって起こる病気は、心筋梗塞や脳梗塞がよく知られています。
これらの病気では各臓器の細胞の一部が死滅して、組織の一部に元の状態には戻らない「不可逆的」な変化(壊死)が起こり、機能は回復しません。
しかし、肺塞栓症の場合は、肺組織が破壊されるのは患者さんの10〜15%程度と考えられています。それは肺組織には、肺動脈とともに大動脈から枝分かれした気管支動脈からも、血液が供給されているからです。


[15:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:09)]
脚のはれや痛み、皮膚の色の変化
肺塞栓症の直接的原因の大半は、深部静脈血栓症<図1>ですから、この血栓症の症候(下肢のはれ、痛み、皮膚の色の変化)が約半数の肺塞栓症の患者さんにみられます。
同じような症状はほかの病気でも起こりますが、特に片側の脚に症状が出た場合は、全身性の病気による症状ではなく、深部静脈血栓症が原因である可能性が高くなります。
心臓病や呼吸器病の患者さんは、それらの臓器の予備能力が落ちているので、肺塞栓症は軽度でも重い症状が出やすくなります。こうした場合、もともとあった病気の症状なのか、肺塞栓症による症状なのか区別がつかず、診断はむずかしくなります。


[16:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:16)]
肺塞栓症の治療法
治療法は一律ではありません。肺塞栓症の重症度、合併する疾患、深部静脈血栓の有無、治療する施設の特性によって変わります。
大きく分けて、薬、カテーテル治療、外科手術の三つがあります。それに、大半の方は酸素吸入が必要です。重篤な肺塞栓症では心臓の働きを強くする薬(強心薬)、人工呼吸器、心臓と肺の働きを一部肩代わりする装置(経皮的心肺補助装置)も併せて用いられます。

1.血液をさらさらにする治療(抗凝固療法)

肺は本来、体の各部分から流れてきた小さな血栓をとらえ、頭や心臓などの動脈に流れ込まないようにする働きがあり、血栓を溶かす作用もあります。ですから、新たな血栓ができなければ、時間はかかりますが、肺血管内の血栓の大半は自然に溶けていきます。

しかし、肺塞栓症を起こした方は、出血性の合併症などがない限り、抗凝固療法を行います。使用する薬剤はヘパリンとワルファリンがあります。ヘパリンは静脈注射(あるいは皮下注射)で、ワルファリンは経口薬です。ワルファリンは、血液をさらさらにする作用を十分に発揮するまでに時間がかかります。


[17:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:20)]
しかし、肺塞栓症を起こした方は、出血性の合併症などがない限り、抗凝固療法を行います。使用する薬剤はヘパリンとワルファリンがあります。ヘパリンは静脈注射(あるいは皮下注射)で、ワルファリンは経口薬です。ワルファリンは、血液をさらさらにする作用を十分に発揮するまでに時間がかかります。


[18:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:23)]
ですから、治療はヘパリンで始め、その後、ワルファリンを追加し、ワルファリンの効果が出たら、ヘパリンを中止します。効果が得られるワルファリンの量には個人差があります。
後で説明するように、ワルファリンの効果は多くの要因に影響されるので、定期的に採血し、国際感度指数(INR)などの検査値を指標に使用量を増減します。
併用する薬、食べ物の種類や量、腸内に住みついている善玉の細菌の種類と数などによって、ワルファリンの効果は左右されるのです(反対に、ワルファリンが併用薬の効果に影響を与えることもあります)。
ワルファリンの効果を抑える納豆、クロレラなど
食べ物の影響でもっと知ってほしいことがあります。それらは納豆、健康食品のクロレラや緑の濃い野菜は、ビタミンKが豊富なためワルファリンの効果を弱くすることです。


[19:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:31)]
ワルファリン服用中に納豆は食べてはいけません。納豆そのものは体に悪いわけではありません。納豆にはナットウキナーゼという酵素が含まれ、この物質にも血液をさらさらにする作用がありますが、ビタミンKも含まれているため、ワルファリンの効果が抑えられるのです。
同じ理由で、健康食品のクロレラも摂取しないでください。緑の濃い野菜を完全に取り除いて食事をすることは現実にはできません。通常の量なら問題はありません。ただ、大量に食べることは控えてください。
ワルファリンの服用期間はどれくらいでしょうか。患者さんが抱えている肺塞栓症の危険因子の特徴と、この病気を過去に起こしたことがあるかどうかによって、3か月、6か月、できれば生涯服用した方がよい、に分けられます。実際の服用期間は、主治医が教えてくれると思います。


[20:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:36)]
2.血栓を溶かす治療(血栓溶解療法)
理屈では非常に有効な治療法といえます。しかし、血栓を溶かす薬(血栓溶解薬)は、残念ながら出血を起こしやすくします。また深部静脈血栓が残っている場合は、それがはがれて肺動脈に流れ着き、肺塞栓症をさらに悪化させてしまう可能性もあります。
だから、こうしたマイナス面を考えても、なおメリットがある場合にのみ、この薬が用いられています。つまり、どの肺塞栓症にも血栓溶解薬が有効であるとは限らないのです。
患者さんの重症度からみて、血栓溶解薬の適応となるのは、ショック(末梢の血液の循環不全による血圧低下、意識の混濁など)に陥っている場合です。こうした重症の肺塞栓症に血栓溶解薬を使用すると、死亡率が下がることがわかっています。
また、ショックにはなっていない段階でも、肺塞栓のため右心室に負担がかかっているときには、血栓溶解薬なしでの治療は極めて難しくなるので、用いた方がよいと考えられています。
ただし、この程度の重症度の患者さんに使用する場合は、死亡率は改善しません。死亡率は下がらないものの、血栓溶解薬を使用すると、短時間で状態が改善するメリットがあります。血栓溶解薬の一種である「組織プラスミノーゲン・アクチベーター(t-PA)」は多くの場合、投与後2時間以内に効果が現れてきます。
血栓溶解薬には欠点もあります。採血をした部位など針を刺したところから、じわりじわり出血したり、手術の傷口からの出血が起こったりします。その量が少なければ、自然によくなりますが、大量であれば輸血が必要になります。
さらに重い合併症は消化管出血、頭蓋内出血です。とくに頭蓋内出血では後遺症が生じることがありますし、致命的となる場合すらありますので、十分慎重に検討した上で使わなければなりません。
使ってはならない場合(禁忌)もあります。脳血管疾患の既往のある方では頭蓋内出血が生じる可能性が高くなると考えられ、血栓溶解療法はしないことになっています。
手術直後の場合、手術部位からの出血が起こりうるのですが、血栓溶解薬を絶対に使ってはならないわけでなく、手術した臓器、手術後の日数、肺塞栓症の重症度などを考慮し、個々の症例ごとに使用するかどうかを判断します。


[21:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:40)]
3.カテーテル治療
カテーテル(細い管)を使う治療法には、カテーテル血栓溶解療法、カテーテル血栓吸引術、さらに破砕術が含まれます。肺動脈内にできた血栓の近くまでカテーテルを進めて、色々な治療を行い血管を再開通させようとする方法です。
ただ単にカテーテルの先端から薬剤を流すだけでは、点滴で投与する場合に比べ、より優れた効果があるとはいえませんが、圧力をかけて薬剤をスプレー状に放出し、積極的に血栓内に薬剤を入れる投与法は、治療効果を向上させるのではないかと期待されています。
カテーテル血栓吸引術と破砕術は、言葉が示すように肺動脈内の血栓を吸い取ったり、粉々に砕く方法です。吸引できれば血液の流れの障害になっている血栓が消えるわけで、状態は劇的に改善します。
粉々に砕いてしまっても肺血管内にある総血栓量としては変化しませんが、粉々になった血栓が薬剤と接触する表面積は、粉々になる前より増加して、血栓は溶けやすくなります。
カテーテル血栓吸引術では、血栓が十分に取り除ければ短時間で病状が改善します。しかし、この方法に習熟したスタッフがいる病院でないとできませんし、治療成績も手術者の技術にかかっているといえます。次に説明する外科治療でも同じことがいえます。


[22:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:45)]
4.外科治療(血栓摘除術)
肺血管内にある血栓を手術で取り除くのが、外科的血栓摘除術です。血栓が取り除ければ状態は急速に改善します。手術の適応範囲については意見が分かれています。しかし、重症なのに血栓溶解薬が使えず、カテーテル治療ができない場合は、外科療法を最優先すべきです。


[23:名無しさん@お腹いっぱい。 (2019/11/30(Sat) 23:47)]
肺塞栓症は、命を奪うこともある重大な病気です。しかし、あなたがこの病気が起こりやすい状況にあることを知って、予防法をしっかり実行すれば、発症を抑えることができます。また、最近の医療機器の発達のおかげで、迅速で的確な診断ができるようになりました。
現在、治療法は完全ではなく発展途上ですが、以前なら救命できなかった重篤な肺塞栓症でも積極的な治療で救命できるケースが増えています。
このページが、肺塞栓症予防の知識をひろめ、患者さんや家族の方には治療の日々のガイドになるのを期待しています。
肺塞栓症の診療については、国立循環器病研究センター病院『肺循環科』のページも参照ください。
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 〒565-8565 大阪府吹田市藤白台5丁目7番1号 電話:06-6833-5012(代)


掲示板に戻る 前 10 次 10 1 - 10 最新 10

NAME:
MAIL:

read.cgi ver.4.21.10c (2006/07/10)