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茨城県五浦に幻の巨大油ガス田

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/07/29(Wed) 20:54
茨城県五浦に幻の巨大油ガス田
―天然ガスが築いた世界最大級の層状炭酸塩コンクリーション
 茨城大学大学院理工学研究科の安藤寿男教授、北海道大学大学院理学研究院の鈴木コ行名誉教授・学術研究員らの研究チームは、茨城県北茨城市の五浦海岸周辺に広く分布する炭酸塩コンクリーションが、地下深部の油ガス田から流出した天然ガスが嫌気的メタン酸化アーキアの活動によって化学変化し形成されたものであることを初めて明らかにしました。

>>詳しくはプレスリリースをご覧ください。



2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/07/29(Wed) 20:55
五浦巨大油ガス田1

背景
 茨城県最北部の北茨城市五浦海岸には奇岩奇礁が広がり、近代日本美術の発展に多大な功績を残した岡倉天心の旧宅や庭園があることから、国の登録記念物(名勝地・遺跡関係)に指定されています。日本の音風景100選(環境省)や日本の渚百選(大日本水産会など)にも選定されており、景勝地として知られています。同海岸周辺の奇岩奇礁は、炭酸塩コンクリーション(主に方解石CaCO3)からなる硬い塊状や層状の堆積岩からなり、初期中新世末期の九面層(約1670万年前〜1640万年前)に含まれています。五浦海岸の炭酸塩コンクリーションは、シロウリガイ、ツキガイモドキ、キヌタレガイ、オウナガイなどの化学合成細菌と共生する二枚貝を多産し、炭酸塩の炭素同位体組成が海水に溶存する炭素と異なることから、海底の冷湧水に伴うメタンに由来するのではないかと考えられていました。しかし、メタンの起源や成因など不明な点が多くありました。

研究手法
 五浦海岸周辺に広く分布している炭酸塩コンクリーションから多数の試料を採取し、野外観察や光学顕微鏡観察によって試料の特徴を明らかにしました。プラズマ放電ヘリウムイオン化検出器を用いた高感度分析法によって、炭酸塩コンクリーション中に存在している微量なガス成分(水素、メタン、エタン、二酸化炭素など)の測定に世界で初めて成功しました。また、気体同位体比質量分析計により残留ガスの炭素・水素同位体組成や炭酸塩の炭素・酸素同位体組成を測定しました。さらに、嫌気的メタン酸化アーキアを検出するため、アーキアの分子化石とそれらの炭素同位体組成を測定しました。

研究成果
 以上の分析結果から、炭酸塩コンクリーションを構成するほとんどの炭素が、地下深部の熱によって生成した天然ガスに由来していることが初めて明らかになりました。嫌気的メタン酸化アーキアの分子化石も十分に検出され、天然ガスに含まれるメタンから生成した重炭酸イオンが海水中のカルシウムイオン(Ca2+)と結びついて炭酸塩コンクリーションを形成したことも確認できました。最初に形成された炭酸塩コンクリーションは塊状のものが多く、化学合成細菌と共生する二枚貝を多産します。これは天然ガス流出量が比較的小さく、海底でのメタン湧出が場所によって異なっていたためで、その後、層状のものが広大に形成されます。これは天然ガスの流出量が大きくなり、大規模な天然ガスの海底湧出があったことを示し、その後突然のように炭酸塩コンクリーションの形成が終了しました。五浦炭酸塩コンクリーションが形成された約1650万年前は、ユーラシア大陸から日本列島が分離され日本海が拡大する地質時代(約2000万年前〜1500万年前)に対応しています。また、五浦海岸の約30km西方内陸部には、日本海拡大に伴って形成された日本有数の大断層である棚倉破砕帯が位置しています。五浦炭酸塩コンクリーションは、日本海拡大に伴う激しい地殻変動によって地下の油ガス田に亀裂が生じて天然ガスの流出が開始し、次第に激しくなり、やがて急激に終了したことを物語っています。九面層の地質年代と層厚から、天然ガスの海底湧出は数万年間以上にわたって断続的に継続したと考えられます。メタン、エタン、プロパンの炭素・水素同位体組成から、天然ガスは海洋の動植物プランクトンに由来するケロジェン(石油天然ガスの先駆有機物)が地下深部で熱分解し生成したものであることや、原油も存在していた可能性が高いことがわかりました。茨城県沖海底下の地質情報から、油ガスを生成した石油根源岩は中生代白亜紀の海成堆積岩だと予想されます。
 なお、本研究で炭酸塩コンクリーションと共存する二酸化炭素の炭素同位体組成が世界で初めて測定され、自然界での炭酸塩析出に伴う炭素同位体分別が初めて解明されたことも特筆すべき点です。



3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/07/29(Wed) 21:01
今後への期待
 現存する五浦炭酸塩コンクリーションを形成する炭酸塩の体積は少なくとも600万m3以上あります。この炭酸塩炭素のほとんどが天然ガスに由来しており、約73億m3以上のメタンガスが変化して形成されたものです。風化侵食によって既に消失した炭酸塩が大量にあるので、実際にはさらに多くの炭酸塩コンクリーションが形成されており、また、海底に湧出した天然ガスの一部だけが炭酸塩を形成するので、実際に油ガス田から流失した天然ガス量は73億m3よりもはるかに大量であったと考えられます。これは五浦地域に巨大ガス田に匹敵する大規模な油ガス田が存在していたことを示しています。このように長期間にわたる天然ガスの海底湧出によって形成された大規模な炭酸塩コンクリーションはこれまで報告されておらず、五浦炭酸塩コンクリーションは世界最大級のものです。幻の「五浦油ガス田」は日本ではこれまで知られていなかった新しいタイプのもののため、茨城県沖の石油天然ガス資源ポテンシャルが一挙に高まりました。2019年度より日本の新しい三次元物理探査船「たんさ」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が日本周辺海域の地下資源探査に携わっています。茨城県沖も重要な調査対象海域とされており、今後の進展が期待されます。


論文情報
論文名:Residual gas in extensive stratified Miocene Izura carbonate concretions exhibiting thermogenic origin and isotopic fractionation associated with carbonate precipitation (広大で層状の中新世五浦炭酸塩コンクリーション中の残留ガスが示す熱分解起源と炭酸塩析出に伴う同位体分別)
著者名:前山大地、鈴木コ行、數川恵輔、安藤寿男
雑誌名:Marine and Petroleum Geology(Elsevier社の海洋石油地質学の国際専門誌)
DOI:10.1016/j.marpetgeo.2020.104466
公表日:2020年5月15日(金)(オンライン公開)※紙媒体は同年7月14日(火)に発行予定
参考図
五浦巨大油ガス田2

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/07/29(Wed) 21:05
茨城大学

h ttps://www.ibaraki.ac.jp/news/2020/07/08010886.html

5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/07/29(Wed) 21:08
茨城・五浦海岸に巨大油ガス田痕跡 茨城大・北大解明
茨城
2020/7/9 19:46 日本経済新聞
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五浦海岸の奇岩岩礁と、岡倉天心が築いた六角堂(右手)
五浦海岸の奇岩岩礁と、岡倉天心が築いた六角堂(右手)

茨城大学と北海道大学の研究チームは、茨城県北茨城市の五浦海岸に広がる奇岩岩礁が約1650万年前に存在した巨大油ガス田の痕跡であると解明した。地殻変動に伴い流出した天然ガスが化学変化して奇岩を形成。油ガス田が茨城沖に存在する可能性が高まった。茨城大の安藤寿男教授は「今後の地下資源探査に期待したい」と話す。

五浦海岸は奇岩岩礁が広がる景勝地として知られる。岩礁は炭酸カルシウムが凝結してできた岩塊の炭酸塩コンクリーションからなるが、形成の経緯は不明だった。今回、成分を分析すると天然ガス由来と分かった。

安藤教授によると、約1650万年前の地殻変動で海底の油ガス田に亀裂が発生し、天然ガスの大規模な流出が始まって数万年間続いた。天然ガスは海底で化学変化して炭酸塩コンクリーションができ、地表に出て奇岩岩礁となった。

五浦の炭酸塩コンクリーションは世界最大級だ。岩礁の体積から推定し、海底に巨大ガス田(可採埋蔵量950億立方メートル以上)に匹敵する規模の油ガス田が存在していたと考えられる。

2019年度から石油天然ガス・金属鉱物資源機構の探査船「たんさ」が日本近海の地下資源を探査しており、茨城沖も調査対象。今後、さらに調査を進める後押しになりそうだ。

6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2020/08/25(Tue) 21:13
茨城大研究チームらが五浦海岸に巨大油ガス田跡発見 「地下資源探査に期待」
2020 8/24(月) 21:30配信


みんなの経済新聞ネットワーク
"層状コンクリーションと灯籠・六角堂"

 茨城大らの研究チームが7月、五浦海岸(北茨城市)周辺に約1650万年前に巨大ガス田に匹敵する大規模ガス田が存在していたことを解明したと発表した。(水戸経済新聞)

【写真】六角堂と奇岩

 同研究は茨城大大学院理工学研究科の安藤寿男教授の研究チームと北海道大学大学院理学研究院の鈴木コ行名誉教授・学術研究員で実施。研究成果は地質学の国際学術誌に公開された。

 研究では、五浦海岸の炭酸塩コンクリーション(層状の堆積岩)が海底地下深部の油ガス田から流出した天然ガスによって形成されたものであることを初めて明らかにしたことで、原油が存在する可能性を示した。

 安藤教授によると、約1650万年前、大陸から日本列島が分離する地殻変動によって海底地下深部の油ガス田に亀裂が発生。その結果、海底に天然ガスの大規模湧出が始まり、それが数万年間にわたって断続的に続いたことで、その一部が炭酸塩を形成したという。

 現存する五浦海岸の炭酸塩コンクリーションを構成する炭酸塩の体積は少なくとも600万立方メートル(東京ドーム5個分)以上。炭酸塩を形成するのは海底湧出した天然ガスの一部に過ぎないことと、風化・侵食で消失していることを考慮すると、実際の天然ガス量は巨大ガス田(可採埋蔵量950億立方メートル以上のガス田)に匹敵するとしている。

 炭酸塩の炭素と海水に存在する炭素が異なると分かっていたが、その成因が判明していなかったという。研究チームは2013(平成25)年以降、炭酸塩コンクリーションから多くの試料を採取。野外観察や光学顕微鏡によって特徴を明らかにし、イオン化検出器を使った高感度分析法により、微量なガス成分の測定に世界で初めて成功した。

 安藤教授は「かつての学部、修士卒業生との共同調査を基礎にした五浦海岸に関する論文を複数発表しており、これらの基礎的な研究なしに今回の論文はあり得ない。今後の地下資源探査の進展に期待する」としている。

 2019(平成31)年度開始の三次元物理探査船「たんさ」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による日本周辺海域の地下資源探査は、茨城沖も調査対象海域となっている。

 五浦海岸は岡倉天心の旧宅や庭園があり、横山大観らを指導した場所として知られていることから、国の登録記念物に指定されている。

 論文は今年5月15日に国際学術誌「Marine and Petroleum Geology」でオンライン公開され、7月14日に雑誌が発行となっている。

みんなの経済新聞ネットワーク

 
最終更新:8/24(月) 21:30
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