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【零】地図から消えた村…【質雑】
394 名前:
壁に書かれた血文字
投稿日:2020/08/02(Sun) 22:57
殺人、誘拐、偽造、傷害、詐欺、横領………
これらの罪で裁かれた者たちの中に、一人だけ冤罪者がいる。
どうか、その冤罪がどれかを真の眼で見抜き、冤罪で裁かれた者を救ってほしい。
……もし間違えた場合、裁かれた者達全ての苦しみを永劫に味わう呪いが降り掛かることになるだろう……。
『私は何もやっていない。本当に罪など犯してはいない。
それなのに明朝、私は死ぬ。十三階段を上がらねばならない。
誰か答えをくれないだろうか。何故私は処刑されなければならないのか。
『あいつらが狂っているからさ。』 隣の房にいた男は私を信じてくれた。
それで何が変わるという訳でもないけれど。『俺が殴りたくなった気持ちも分かるだろう?』
一昨日処刑された、夢を売るのが仕事と言っていた男は、それを否定した。
明後日処刑される、子供を攫って監禁した男は、それを肯定した。
今日、吊るされた男は何も答えをくれなかった。『どうせ死ぬのだから。』
彼には公金横領という、殺される理由がある。だから諦められるのだ。
いつも一人でいる物静かな男は、悟ったように呟く。
『私は嬉しいよ。これで彼女に会える。』
私は死にたくない。帰りたい。
だが私は死ぬ。いや、殺される。
何もしていないのに、罪を宣告された。
誰か助けてくれ。これは神聖な正義の裁きなどではない。
血に飢えた人々へ捧げられる、生贄の儀式だ。』
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