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【第六猟兵】東方妖怪(雉鶏精)の小雉子吉備の待ち合い茶屋【第六猟兵のPC(プレイヤーキャラ)ってこの板的には半オリか?】

54 名前:水橋 パルスィ ◆Parseejo 投稿日:2020/10/06(Tue) 06:48
―――今振り返ればあまりにも軽率だったと言わざるを得ない。
かの祭典で得た妖力を用いて世界を越えようなどという試みは。
そのために伴侶を危険に晒し、新しく出来た友人を巻き込んでしまった。

強すぎる力を急に得れば様々な方面の疑いを招き、関心を呼ぶ。
そう考えて適当に発散させる術として新しい友人である小雉子吉備の住む世界へ旅をしようとした。
このことを伴侶である勇儀と地底世界の管理人たる地霊殿の主に伝えた所、勇儀が同伴するという条件の下快諾された。
地霊殿の主は薄々感づいていたのだろう。いくら強大とは言え、世界の理を捻じ曲げるほどではない、と。
だから保険として勇儀と共に行くよう勧めたのだ。

案の定、たどり着いた時には自身も勇儀も疲労困憊、人目も憚ること無く倒れ伏してしまった。
次に気がついた時は勇儀の姿をした何かが近寄ってきて、また気がついた時は
―――新しい友人を手に掛けようとしていた。

自らの意志とは関係なく距離を空けては自らの弾幕の嵐を吉備に見舞い、近付いては勇儀の膂力を振るった。
幸いにも吉備は新しい甲冑を身に纏い、身を守り、すんでの所でこちらの攻撃をひらり、ひらり、と躱す。
何故攻撃をしてこないのか。こちらは貴女を取り込もうと、それを邪魔する者達を排除しようとしているのに。
そしてある時彼女が大音声を張り上げて宣うは―――

『そんな事がなければ、人生を歩めるならそれぞれ一緒に居た方が良いに決まってるよ
 こんなので1つになってもパルパルしてるのはあの人形で、パルスィちゃん嫉妬を感じられないだよっ!
 それでも良いの?』

最初に良いことを言いかけたと思ったが、もう台無しだ。
だが、私が自分を取り戻すには十分すぎる切欠となった。
私の感じた呆れに呼応して私を取り込んだ人形が転んだのだ。
主導権を奪い返す、とまでは行かないが勇儀とともに邪魔をするには十分だ。
既に私の中でやることは決まった。

1つはこの人形を邪魔し、吉備達の力を借りて滅ぼすこと。
もう1つは吉備に自分の言葉であることを伝えること。
オブリビオンとやらに取り込まれても本体が破壊されれば取り込まれた者達は助かる―――
それを信じて今はひたすら邪魔をする。
見当違いの方向に弾幕を放ち、その拳は空を切る。最早先程までの猛攻とは言い難い。
吉備達が勝利するのは明白、そう感じた所で私の記憶はまた途切れた。
次に気がつくのは、吉備の腕の中で勇儀とともに抱かれている時であった。


―――吉備、相変わらずやることもその鎧も格好良いわね。妬ましいわ。

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