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ウマ娘プリティーダービー
811 名前:
名無しさん@お腹いっぱい。
投稿日:2021/08/02(Mon) 01:09
本拠地、東京競馬場で迎えた芝2400m戦
スタートから大きな出遅れ、末脚も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は100敗だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、昨年優秀賞のトレーナーは独り通路で泣いていた。
URAファイナルで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のスピカで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」トレーナーは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、トレーナーははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいコンクリートの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」トレーナーは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、トレーナーはふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
通路から飛び出したトレーナーが目にしたのは、6階席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに手が振られ、地鳴りのように手拍子が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするトレーナーの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「トレーナー、ウィンタードリームトロフィーだ、早く行くぞ」声の方に振り返ったトレーナーは目を疑った
「ウ・・・ウオッカ?」 「トレーナーさん、居眠りでもしてたんですか?」
「ス・・・スペシャルウィークコーチ?」 「トレーナーさん、スペちゃんはまだ引退してませんよ」
「スズカ・・・」 トレーナーは半分パニックになりながら掲示板を見上げた
1番:サイレンススズカ 2番:メジロマックイーン 3番:ウオッカ 4番:トウカイテイオー 5番:スペシャルウィーク 6番:テイエムオペラオー 7番:アグネスタキオン 8番:オグリキャップ 9番:エルコンドルパサー……
暫時、唖然としていたトレーナーだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
スカーレットからハイタッチを受け取り、最前列席へ全力疾走するトレーナー、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、通路で冷たくなっているトレーナーが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
ウマ娘の皆さんはチーム移籍とかって考えたりするものなんですか?
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