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「検事長違法定年延長」のブーメラン、河井前法相“本格捜査”で安倍政権「倒壊」か

[1:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/04/27(Mon) 20:33)]
「検事長違法定年延長」のブーメラン、河井前法相“本格捜査”で安倍政権「倒壊」か

ハフポスト日本版 2020/04/27 18:29


© ハフポスト日本版
【安倍政権「ガバナンス崩壊」のままで、「国難」を乗り越えられるのか】でも述べたように、新型コロナ対策で「ガバナンス崩壊」状態に陥った安倍政権は、「アベノマスク」配布などをめぐって、その後も迷走・混乱を続けており、常識的には「終了モード」に入ったように思える。
しかし、これまで、森友・加計学園問題などで、危機的事態に追い込まれ、「桜を見る会」問題では、「説明不能」の完全な“詰み”の状態に陥ったが、「投了」せず、そのまま、「居座り」を 続けてきた「安倍“一強”政権」である。安倍首相が、自ら首相の座を降りるということには、なかなか現実感がないという人が多いであろう。
しかし、今、大規模捜査体制で臨んでいる河井克行前法相の公職選挙法(公選法)違反事件の捜査の展開によって、さすがの安倍長期政権も音をたてて「倒壊」することが必至の状況になっている。


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この事件の捜査は広島地検特別刑事部が行っているが、20年前に、私もその部長を務めていた。「海砂違法採取事件」等の検察独自捜査で、元県議会議長など広島県政界の有力者に何回も挑んだ。当時と同じ政治家の名前が今回の事件の関係者としても出てきている。地方地検の特別刑事部の捜査体制は誠に貧弱で、検察独自捜査には限界があった。しかし、今回の広島地検の捜査の様相は全く異なる。東京地検特捜部などから大量の応援部隊が投入され、「検察連合軍」の捜査が、安倍首相側近と言われる河井克行前法相(以下、「克行氏」)に迫っているように思える。
捜査は河井前法相自身の事件に波及
当初の公選法違反事件は、克行氏の妻の河井案里参議院議員(以下、「案里氏」)が、昨年7月の参議院議員選挙で、ウグイス嬢に法定の金額を超えて違法に報酬を支払った容疑で、案里氏の秘書と克行氏の秘書などが、3月3日に逮捕され、24日に起訴されたものだ。この事件は、「百日裁判」の公判が既に始まっており、有罪となれば案里氏は議員を失職することになる。
問題は、それでは終わらない。今、検察が大規模体制で捜査しているのは、克行氏自身の公選法違反の容疑だ。
報道によると、広島地検は、案里氏と夫の克行氏(衆院広島3区)が参院選の公示前の昨年4月頃、広島県内の首長や地方議員らに票の取りまとめを頼む趣旨で広く現金を渡したとして、案里氏の事件と並行して、3月下旬頃から、50人を超える県政界関係者の任意聴取を行っているとされており、元広島市議会議長、元広島県議会議長などの広島県政界の有力者の関係先への家宅捜索も行われている。


[2:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/04/27(Mon) 20:39)]
「地盤培養行為」と買収罪の微妙な関係
広島県内の自民党有力者に、参議院選挙での案里氏への支持を呼び掛けて多額の現金を渡していたということであれば、買収罪が成立するのが当然のように思われるかもしれない。しかし、選挙に関する資金提供をめぐる刑事事件というのは、決して、そのような単純なものではない。
公職選挙への立候補者が当選をめざして行う活動としては、当該候補者が立候補を決意した後、政党の公認、推薦を獲得する活動、選挙区内での知名度向上に向けての活動などが行われた後に、選挙運動組織の整備、選挙事務所の設置、ポスター・チラシ等の文書印刷などの選挙準備が行われた後に、選挙公示となり、投票日までの間、本格的な選挙運動が行われるという経緯をたどる。
このような活動は、すべて公職選挙での当該候補者の当選を目的として行われるものであり、それに関して他人に何らかの依頼をし、それにかかる費用のほか、対価、報酬が支払われることもあるが、そこには、「選挙に向けての自分への支持拡大のための政治活動」としての「地盤培養行為」という要素もあり、それは、従来、「選挙運動」とは別のものと扱われてきた。公示日から離れた時期であればあるほど、「選挙運動」ではなく「地盤培養行為」としての性格が強くなるが、両者の境目は曖昧だった。
公選法上の「買収罪」というのは、「当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束」(221条1号)をすることである。
「当選を得る目的」「当選を得しめる目的」で、選挙人又は選挙運動者に対して「金銭の供与」を行えば、形式上は、「買収罪」の要件を充たすことになる。しかし、従来の公選法違反の摘発の実務では、「買収」罪が適用されるのは、選挙運動期間中など、直接的に、投票や選挙運動の対価として金銭等を供与する事例に限られ、選挙の公示から離れた時期の金銭の授受が、買収罪で摘発されることは殆んどなかった。
選挙人や選挙運動者に対する「供与」であっても、「地盤培養行為」としての「政治活動に関する寄附」の性格を有するものは、投票や選挙運動の対価・報酬という要素が希薄なものとされてきたからだ。
河井夫妻から広島県政の有力者への現金の授受があったとされる時期は2019年4月頃ということであり、参議院選挙の約3か月前だ。従来の実務からすると、このような事例は、「買収」としての摘発のハードルはかなり高い。
河井克行氏立件に向けての検察捜査と「検事長定年延長」問題
しかし、広島地検が、広島県政の有力者の自宅等に次々と捜索差押を行っていることからすると、検察は、敢えて、その立件のハードルの高さをクリアしようとしているように思える。
検事長定年延長問題で、検察の独立性が大きく損なわれかねない状況にあり、安倍首相の側近と言われた克行氏の事件が「腰砕け」で終わってしまったのでは、検察の信頼が地に堕ちてしまうという事情も影響しているのであろう。
従来の実務からはかなり逸脱したものとなるが、検察が、敢えて「買収」の容疑で、克行氏本人の逮捕などの強制捜査に及ぶ可能性も十分にあると思える。
では、もし、検察が、この事例で、「買収」による摘発に踏み切った場合、捜査・公判の見通しはどのようになるのか。
これまで、このような、公示日から時期的に離れた金銭の授受の事案が「買収」による摘発の対象にされなかったのは、有罪か無罪かという判断において、法律上、公選法の解釈として違反が成立しないというより、従来の日本の公職選挙の慣行に配慮した面が大きいと考えられる。公示日よりかなり前の時点で選挙に関連して、相当な金額の資金提供や金銭の授受が行われることは珍しいことではなく、それをいちいち買収だとしていたのでは、ほとんどの選挙が、買収だらけになってしまうということから、警察は摘発を抑制し、検察も起訴を敢えて行ってこなかったのである。
しかし、公選法には買収罪の要件として「当選を得させる目的」で「金銭を供与」としか書かれていないのであるから、それに該当する限り、「地盤培養行為」としての政治活動としての性格がある場合であっても、買収罪の成立を否定されるわけではない。


[3:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/04/27(Mon) 20:46)]
買収罪で起訴した場合の「有罪の見通し」と政治的影響
もし、今回の事件で、検察が、現金授受の事実が明らかな事例について、敢えて「買収罪」で起訴した場合、「地盤培養行為」としての政治活動に関する寄附という要素があっても、それが参議院議員選挙で、案里氏を「当選させる目的」で供与されたものであることを否定することは困難であり、裁判の見通しとしては、「無罪」になる可能性は低いと思える。
もし、検察が、公選法の買収罪で克行氏らを起訴した場合、極めて大きな政治的影響を及ぼすことは間違いない。
まず、従来の公職選挙のやり方を大きく変えることになる。
国政選挙においても、地方選挙においても、選挙に向けての支持拡大のために相応の資金が必要となり、その一部は、政治的影響力の大きい有力者に対して使途を限定しない形での金銭の提供が行われることは、決して珍しいことではない。立候補を表明した後であっても、公示から離れた時期であれば、「政治活動の寄附」という説明が可能なので「買収」での摘発の対象とされることはない、というのが、選挙の世界の常識であった。
それが、今回の事件で、克行氏らが買収罪に問われるとすると、そういった、これまで横行してきた「選挙に関する金銭の授受」が、公示日から離れた時期のものであっても買収による摘発の対象になるということになり、選挙をめぐる「不透明な資金のやり取り」は原則としてできないということになる。
それによって、日本の公職選挙の情景は大きく変わることになる。
1億5000万円の選挙資金の提供が「交付」罪に当たる可能性
それに加えて、現在の政治情勢に重大な影響を与えることになるのは、買収資金の原資の提供も、捜査の対象となり、捜査が、自民党本部・安倍政権にも及びかねないということである。
案里氏が初当選した昨年7月の参議院議員選挙の際、昨年4月から公示前までの間に、案里氏と夫の克行氏(衆院広島3区)が支部長を務める二つの自民党支部の口座に、1億5000万円が党本部側から提供されたことを、案里氏本人のほか、自民党の二階俊博幹事長も、1月27日の記者会見で認めている。
一方、同じ参院選の広島選挙区に自民党公認で立候補して落選した溝手顕正氏への拠出は1500万円だった。
溝手氏への1500万円を大幅に上回る1億5000万円が提供された理由は、事務所費、ポスター代等の使途が明確な選挙費用ではなく、参議院議員選挙に向けて河井案里氏への支持を拡大し、当選させる目的で提供する資金であることは明らかだ。
つまり、河井氏らが、「(案里氏に)当選を得させるために」金銭を提供したことが「選挙人又は選挙運動者」に対する「供与」として買収罪に問われるのであれば、その資金の提供者は、「第一号から第三号までに掲げる行為(当選を得る、得させる目的での金銭等の供与)をさせる目的をもつて選挙運動者に対し金銭若しくは物品の交付」(221条3号)をしたことになり、(少なくとも、「選挙運動者」である克行氏本人に提供された分については)「交付罪」が成立することになる。
そういう意味で、今回の克行氏に対する公選法違反の容疑は、自民党本部、そして、安倍政権の中枢への捜査に直結することは必至なのである。


[4:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/04/27(Mon) 20:53)]
河井前法相への本格捜査が安倍政権に与える“致命的打撃”
東京地検特捜部からも多数の応援が加わって、新たな県政界の有力者の関係先の家宅捜索が行われるなど、克行氏に対する広島地検の捜査は、重大な局面を迎えている。
検察は、安倍政権下で、ほとんど「牙を抜かれた状態」であったが、ここに来て、政権そのものにも弓を引くことになりかねない状況になっているのは、安倍首相が、政権の長期化による「傲慢」ゆえに、二重に、常識を逸脱した「暴挙」を行ったことに起因している。
一つは、それまで、二人区で、自民・野党で議席を分け合ってきた参議院広島地方区に、案里氏を強引に擁立し、何とかして案里氏を当選させるため、自民党本部から溝手氏の10倍もの選挙資金を提供するという常識を逸脱したやり方をとったことだ。
週刊文春2019年6月19日号は、2007年夏の参院選で安倍首相が小沢民主党に惨敗した際、当時防災相だった溝手氏が会見で「首相本人の責任はある。(続投を)本人が言うのは勝手だが、決まっていない」と痛烈に批判したこと、12年2月にも、野田佳彦政権に対し、消費税増税関連法案への賛成と引き換えに衆院選を迫る「話し合い解散」を主張した安倍氏を、会見で「もう過去の人」とこき下ろしたことなどで、安倍首相には、溝手氏に対する「積年の恨み」があったことが、案里氏の擁立の背景にあったと指摘している。
森友・加計学園問題、「桜を見る会」問題では、自身や昭恵夫人の「お友達」優遇という安倍首相の「個人的事情」が発端となって、官僚組織の「忖度」や「隠蔽」による権限の「私物化」が行われ、厳しい批判を受けたが、その度に、「違法性」を判断する権限を有する検察の動きが封じ込められ、「違法ではない」との言い逃れを可能にして批判をかわしてきた。
今回の事件が、上記文春報道で報じるように、それまで長年自民党議席を維持してきた溝手氏に対する安倍首相の個人的な悪感情が発端となったのだとすると、それは、「お友達」優遇とは真逆の「嫌いな人」に対する党の選挙対応の「私物化」が行われたということである。
法務副大臣も務めた現職議員であった克行氏が、参議院議員選挙に立候補する妻への支持を呼び掛け、自ら多額の現金を県政界の有力者に配って回るという信じ難い行動に及んだのは、まさにそういうことをしてでも、何が何でも案里氏を当選させるようにと、自民党本部から巨額の資金が提供されたからである。
安倍首相の二つ目の「暴挙」は、これまで安倍政権には一切逆らわなかった検察組織に対し、閣議決定で「違法な検事長定年延長」を行うことで、安倍政権による検察支配を完結させようとしたことだ。
私も、閣議決定直後から、このやり方を徹底批判したが(【黒川検事長の定年後「勤務延長」には違法の疑い】)、そのような、検察の歴史に泥を塗るような方法で、検事総長人事まで捻じ曲げようとしたことが、検察組織からの強烈な反発を招き、自民党本部にも波及する前代未聞の公選法違反の強制捜査が行われようとしている。広島地検に集結した東京地検特捜部等からの応援を含む検察連合軍は、コロナ感染拡大の厳しい状況にもめげず、克行氏への公選法違反事件の捜査を着々と進めている。
まさに、権力一極集中による「政権の私物化」が招いた、二つの究極の「傲慢なふるまい」が、鋭利な「巨大ブーメラン」となって、安倍首相自身の身に突き刺さろうとしているのである。
(2020年4月27日郷原信郎が斬る掲載記事「『検事長違法定年延長』のブーメラン、河井前法相“本格捜査”で安倍政権『倒壊』か」より転載)


[5:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/04/28(Tue) 11:30)]
検事長「定年延長問題」の深すぎる闇 異例人事の裏で暗躍していた官邸官僚

「文藝春秋」編集部 2020/04/28 06:00


16日、国家公務員の定年を60歳から65歳に引き上げる国家公務員法改正案が衆院本会議で審議入りした。これとあわせて、検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案も審議される。
 安倍内閣はこれに先立つ1月31日、まだ二つの法改正が行われていないにもかかわらず、2月7日に63歳で退官予定だった東京高検検事長の黒川弘務氏の定年延長を閣議決定した。安倍晋三首相の肝いりとみられる異例の人事には、どんな背景があるのだろうか。

© 文春オンライン 不祥事が絶えない安倍政権 ©AFLO
官邸が描いたシナリオ
 東京高検の黒川弘務検事長は2月8日の誕生日をもって、63歳の定年を迎える予定だった。東京高検の検事長といえば、次期検事総長をほぼ手中に収めたといえる待機ポスト。このポストの人事は検察内の幹部人事にも大きな影響を与えるため、通常、ひと月前の年初にはその内示がある。ところが、松の内が明ける1月7日の初閣議前になっても、その動きが見られなかった。


 検察内部でさまざまな憶測が行き交うなか、黒川検事長の誕生日が日一日と迫り、このまま定年を迎えるとみる向きが増えていった。ところが1月31日、検察関係者はこの日の閣議決定に仰天することになる。
 黒川氏の半年間の勤務延長だった。退官するはずだった黒川氏は、この決定により8月7日まで東京高検検事長として勤務を続けることになった。この間の7月には、稲田伸夫検事総長が任期の2年を迎えるため、慣例通りなら黒川検事総長が誕生する。この異例中の異例ともいえる人事に安倍首相の強い意向があることは誰の目にも明らかだった。
安倍政権と検察の熾烈な攻防
 すぐさま野党が、検察庁法で守られてきた司法の独立をないがしろにした政治介入だ、と追及の火の手を上げた。対する安倍首相は、従来の法解釈を変更したと言い逃れる。この首相答弁に森雅子法相や、法務省・人事院の役人は焦り、答弁は二転三転していった。まるでモリカケ国会の再来だった。
 総理の意向で「政権の守護神」(黒川氏の異名)が検事総長に就任すれば、国民の目には、もはや検察は政権の軍門に降ったと映る。なぜ安倍首相は、検察組織の独立性に触れる禁じ手に手を出したのか。それには、首相官邸と法務検察との深くて長い因縁がある。
 実はこの異例の人事の裏で、例によって「官邸官僚」たちが暗躍していた。「文藝春秋」5月号及び「文藝春秋digital」に掲載した「 安倍首相vs検事総長の信念 」では、ノンフィクション作家の森功氏がこの人事の緊迫した裏側を徹底取材。官邸と検察の水面下での攻防に加え、安倍首相の意を受けた官邸官僚の実名を挙げ、検察側にかけ続けた「圧力」についても詳述している。
※「文藝春秋」編集部は、ツイッターで記事の配信・情報発信を行っています。 @gekkan_bunshun のフォローをお願いします。
※音声メディア・Voicyで「 文藝春秋channel 」も放送中! 作家や編集者が「書けなかった話」などを語っています。こちらもフォローをお願いします。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年5月号)



[6:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/04/28(Tue) 11:39)]
検事長違法定年延長」のブーメラン、河井前法相“本格捜査”で安倍政権「倒壊」か

http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=politics&key=587987235&ls=50

要拡散!


[7:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/05/06(Wed) 13:21)]
新型コロナ騒動の裏で与党が暴走、矛盾だらけの「検察官の定年延長」に専門家もア然
2020 5/6(水) 11:00配信


安倍晋三首相
 ニュースもワイドショーも新型コロナウイルス騒動で一色。この間に国会でほかに何が起きているのか、なかなか伝わってこないところだ。そんな状況のなか、衆議院では4月16日、検察官の定年を引き上げる『検察庁法改正案』の国会審議が始まった。これに対し、検察の独立性が危ぶまれる事態ではないかと懸念の声があがっている。問題点をあぶり出すべく、元検察官の郷原信郎氏と弁護士の倉持麟太郎氏に事情を聞いた。

【写真】たかまつなな、オンラインでの郷原氏と倉持氏への取材風景
検察の人事権を手中に収めたい官邸
 言わずもがな、検察は強大な権力を持っている。必要があれば総理大臣を逮捕することもできるし、死刑を求刑することもできる。1976年の『ロッキード事件』では、商社などから多額の賄賂(わいろ)を受け取っていた田中角栄元首相を逮捕し、最近ではカジノなどの総合型リゾート(IR)を巡る収賄罪で、衆議院議員の秋元司被告を追起訴した。起訴権限をほぼ独占しているため、政治の腐敗に切り込むことができるのだ。それゆえ、検察には高い「独立性」が常に求められている。

 だが、このたび、その独立性が脅かされる事態が発生した。事の発端は今年1月31日。事実上“検察庁ナンバー2”のポジションにある黒川弘務東京高検検事長について、政府が「国家公務員法の規定に基づき、勤務を6か月延長する」と閣議決定したことにある。

 検察官は検察庁法で定年が63歳と定められており、一般の国家公務員のような定年制度にはとらわれないことになっている。そして、これまで検察官の定年が延長された例は一度もなかった。それにも関わらず、本来であれば63歳の誕生日前日にあたる2月7日に定年退官する予定だった黒川氏の勤務が、半年後の8月7日まで延長されたのだ。

 弁護士の倉持麟太郎氏は、閣議決定までの流れをこう説明する。

「内閣には検察庁側から“次の(東京高検の)検事長は(現名古屋高検検事長の)林真琴さんでいきます”と報告があった。官邸側はこの検察庁サイドからの人事提案に従うのが慣例ですが、“お気に入り”である黒川氏をその後の人事で検事総長に据えたいため、提案を蹴った。そして、立ちはだかる定年の壁を壊すべく、黒川氏が誕生日を迎える前の1月31日に急きょ、従前の政府解釈に反する異例の閣議決定がなされたのです。

 安全保障法制のときの内閣法制局長官人事など、今までのルールを無視し、属人的な理由で人事権を行使することは安倍政権の“得意技”ですが、これでは“法の支配”ではなく“人の支配”になってしまいます。ただ、日本はそもそも“人の支配”に親和的な法体系で『慣例』や『不文律(明文化されていない法)』が多すぎるのも問題です。安倍政権は、これを見事に顕在化してくれました」

 なぜ、政府はそこまで黒川氏にこだわるのだろうか。かつて黒川氏と同期であった、元検察官で弁護士の郷原信郎氏は、

「黒川氏は法務省の官房長、次官を計7年以上も務めており、法務官僚としての経験がほとんど。今まで官邸ととても近い位置にいたことは間違いありません。ですから、政府の目的のひとつは“彼を検察のトップである検事総長にして、自分たちの思うがままにコントロールしたい”ということだと思われます。そうなれば、検察は安倍政権に強い影響力を及ぼされる存在になってしまい、与党の政治家を摘発しにくくなることなどが考えられる。非常に由々しき問題です」

 と話す。


[8:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/05/06(Wed) 13:30)]
 政府は『国家公務員法』を根拠に勤務延長を決めた。この法律では《職務の特殊性や特別の事情から、退職により公務に支障がある場合、1年未満なら引き続き勤務させることができる》といった旨を定めているため、この規定を適用しようとしたのだ。

 しかし、これは従来の政府の見解とは違う。'81年、国家公務員法の改定案に検察官の定年延長が盛り込まれた国会審議で、衆議院内閣委員会・人事院の斧誠之助事務総局任用局長が「検察官と大学教官については、現在すでに定年が定められている。今回の(改定)法案では、別に法律で定められている者を除き、ということになっているので、今回の定年制は適用されない」と答弁し、検察官には国家公務員法が適用されなかった。したがって、政府は自ら検察官の定年延長を否定しているのである。

 与党はこの答弁との矛盾を野党に指摘されると「解釈を変えた」と開き直った。しかも、解釈変更を「口頭で決済した」とし、検討の経緯をたどる記録は残されていない。本来、最低でも立法府による法改正でなければできない変更を、またもや行政の“解釈”で行ってしまった。
次ページは:検察が暴走したら大惨事に


[9:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/05/08(Fri) 15:18)]
65歳定年法案、野党が審議拒否 検察官対象に反発 衆院委
2020 5/8(金) 9:52配信


衆院内閣委員会で野党議員が欠席する中、国家公務員の65歳定年法案が実質審議入りし、答弁する武田良太担当相(中央上)=8日午前、国会内
 国家公務員の定年を65歳へと段階的に引き上げる関連法案は8日、衆院内閣委員会で質疑が行われ、実質審議入りした。

 ただ、関連法案に含まれる検察官の定年を63歳から65歳に延長する検察庁法改正案をめぐり、立憲民主、国民民主両党などが与党の対応に反発し、同日の審議を欠席した。

 野党側は、黒川弘務東京高検検事長の定年延長に関する法解釈変更を問題視。森雅子法相への質疑が必要だとして、衆院法務委員会との連合審査を求めたが、与党側が拒否した。8日の審議には与党と日本維新の会のみが出席した。

 関連法案は、現在60歳の国家公務員の定年を2022年度から2年ごとに1歳ずつ引き上げ、30年度に65歳とする内容。60歳に達した職員を管理職から原則外す「役職定年制」も併せて導入する。 

【関連記事】
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検察官定年、65歳に 法務省、自民に引き上げ案提示
最終更新:5/8(金) 12:28


[10:名無しさん@お腹いっぱい。 (2020/05/10(Sun) 13:42)]
“定年延長”黒川弘務検事長に直撃取材 検察庁法改正で「安倍政権ベッタリ」の検事総長が誕生する
2020 5/10(日) 12:30配信


黒川東京高検検事長 ©共同通信社
 検察官の定年を65歳に引き上げ、内閣の判断で検察幹部の「役職定年」を延長できるようにする法改正案。ツイッターを中心に抗議の輪が広がり、「#検察庁法改正案に抗議します」の投稿は5月10日午前中に250万件を超えた。

【写真】この記事の写真を見る(5枚)

 議論の発端となったのは、今年1月31日、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を、政府が閣議決定したことだ。定年延長の裏に潜む問題の核心とは――。黒川氏に直撃取材を行うとともに、内情に迫った「週刊文春」2020年2月13日号の記事全文を再公開する。

◆ ◆ ◆

 異例の人事が発表された2日後の日曜日。渦中の“官邸の守護神”はこの日も朝の日課を欠かさなかった。

 自宅から姿を現した黒川弘務東京高検検事長に「週刊文春」記者が声を掛けると一旦は駆け出したものの、やがて大型犬を連れて歩き始めた。

――今回の定年延長は検事総長就任含みですか?
「……」

――「安倍政権ベッタリ」と言われる黒川さんが検事総長になって部下の検察官はどう思うのでしょうか?
「……」

――“黒川検事総長”で政界捜査はできるんですか?
「……」

 黒川氏は「取材は法務省を通して下さい」と答え、こう付け加えた。
「あなたのせいで僕の趣味の犬の散歩ができなかった」

 黒川氏を巡る“横紙破り”の人事発令の衝撃は、コロナウイルス禍で揺れる霞が関に瞬く間に広がった――。
政治介入を許さない“聖域”だったはずが……
 1月31日、政府は2月7日に63歳の定年を迎える黒川氏を8月7日まで勤務延長とする閣議決定を行なった。検察庁法は検察トップである検事総長の定年を65歳、ナンバー2である東京高検検事長以下の定年を63歳と定めている。法務省側はこの規定に従い、黒川氏を退官、後任に黒川氏の同期で名古屋高検検事長の林真琴氏を据える人事案を練っていたが、これを官邸が土壇場でひっくり返したのだ。

「次期検事総長に黒川氏を起用するために国家公務員法に基づく定年延長の特例規定を持ち出した形です。林氏は今年7月30日の誕生日で定年を迎えるため、検事総長の目はほぼ消えた。現検事総長の稲田伸夫氏も7月には検事総長の平均在任期間の2年を迎えます。稲田氏が退官すれば今夏には安倍政権寄りの黒川検事総長が誕生する可能性が濃厚になった」(司法記者)

 法務省は、政官界の不正に捜査のメスを入れる検察庁という特別機関を抱えており、検察首脳人事はこれまで政治介入を許さない“聖域”とされてきた。政権側も検察組織の中立性を尊重し、法務検察側の人事案を追認してきたが、その不文律を踏みにじる前代未聞の事態に、ある検事総長経験者もこう危惧する。

「この人事で官邸は『法務検察も聖域ではない。いつでも人事権を行使できる』と言いたいのかもしれません。ただ、今回の件は将来に禍根を残す。ルールを曲げてまで黒川氏を残せば、官邸に嫌われると総長にはなれないという、ご都合主義が罷り通ってしまう」

 折しも昨年12月25日にはIR汚職で東京地検特捜部が秋元司衆院議員を逮捕。“最強の捜査機関”が10年ぶりにバッジを挙げ、息を吹き返したとされる中、官邸と法務検察との間で何が起こっているのか。
次ページは:菅官房長官と黒川氏は“相思相愛”


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