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日本の歴史における「男色」について

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2012/09/12(Wed) 14:18
日本の歴史には古く寺院に始まり、武家社会で謳歌され明治に引継がれた
男色=少年愛と言うのが有ります。

これを無視して武家社会=日本史を正しく語ることはできません。

「男色」って知ってましたか?。

男色って?・・

144 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/08/11(Fri) 22:05
森鴎外 ヰタ・セクスアリス

十三になった。
 去年お母様がお国からお出になった。
 今年の初に、今まで学んでいた独逸語を廃(や)めて、東京英語学校にはいった。これは文部省の学制が代ったのと、僕が哲学を遣りたいというので、お父様にねだったとの為めである。東京へ出てから少しの間独逸語を遣ったのを無駄骨を折ったように思ったが、後になってから大分益(やく)に立った。
 僕は寄宿舎ずまいになった。生徒は十六七位なのが極若いので、多くは二十代である。

中には貸本屋に借る外に、蔵書としてそういう絵の本を持っている人もあった。硬派は可笑しな画なんぞは見ない。平田三五郎という少年の事を書いた写本があって、それを引張り合って読むのである。鹿児島の塾なんぞでは、これが毎年元旦に第一に読む本になっているということである。三五郎という前髪と、その兄分の鉢鬢奴(ばちびんやっこ)との間の恋の歴史であって、嫉妬(しっと)がある。鞘当(さやあて)がある。末段には二人が相踵(あいつ)いで戦死することになっていたかと思う。
 軟派は数に於いては優勢であった。何故というに、硬派は九州人を中心としている。その頃の予備門には鹿児島の人は少いので、九州人というのは佐賀と熊本との人であった。 僕は硬派の犠牲であった。何故というのに、その頃の寄宿舎の中では、僕と埴生(はにゅう)庄之助という生徒とが一番年が若かった。埴生は江戸の目医者の子である。色が白い。目がぱっちりしていて、唇は朱を点じたようである。体はしなやかである。僕は色が黒くて、体が武骨で、その上田舎育である。それであるのに、意外にも硬派は埴生を附け廻さずに、僕を附け廻す。僕の想像では、埴生は生れながらの軟派であるので免れるのだと思っていたのである。
 学校に這入(はい)ったのは一月である。寄宿舎では二階の部屋を割り当てられた。同室は鰐口弦(わにぐちゆずる)という男である。この男は晩学の方であって、級中で最年長者の一人であった。白菊石(あばた)の顔が長くて、前にしゃくれた腮(あご)が尖(とが)っている。痩(や)せていて背が高い。若(も)しこの男が硬派であったら、僕は到底免れないのであったかと思う。
 幸に鰐口は硬派ではなかった。どちらかと云えば軟派で、女色の事は何でも心得ている 教師が憚るくらいであるから、級中鰐口を憚らないものはない。鰐口は僕に保護を加えはしないが、鰐口のいる処へ来て、僕に不都合な事をするものは無い。鰐口は外出するとき、僕にこう云って出て行く。
「おれがおらんと、又穴(けつ)を覗う馬鹿もの共が来るから、用心しておれ」
 僕は用心している。寄宿舎は長屋造であるから出口は両方にある。敵が右から来れば左へ逃げる。左から来れば右へ逃げる。それでも心配なので、あるとき向島の内から、短刀を一本そっと持って来て、懐(ふところ)に隠していた。
 
 盲汁仲間はがやがやわめきながら席を起(た)った。鰐口も一しょに出てしまった。
 僕は最中にも食い厭(あ)きて、本を見ていると、梯子(はしご)を忍足(しのびあし)で上って来るものがある。猟銃の音を聞き慣れた鳥は、猟人(かりゅうど)を近くは寄せない。僕はランプを吹き消して、窓を明けて屋根の上に出て、窓をそっと締めた。露か霜か知らぬが、瓦は薄じめりにしめっている。戸袋の蔭にしゃがんで、懐にしている短刀のをしっかり握った。
 寄宿舎の窓は皆雨戸が締まっていて、小使部屋だけ障子に明(あかり)がさしている。足音は僕の部屋に這入った。あちこち歩く様子である。
「今までランプが付いておったが、どこへ往ったきゃんの」
 逸見の声である。僕は息を屏(つ)めていた。暫(しばら)くして足音は部屋を出て、梯子を降りて行った。
 短刀は幸に用足たずに済んだ。



145 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2017/08/14(Mon) 16:31
>>139-143

上野 篤「健児之社」(中文館書店 昭12) ソメ2-60(国会図書館。浜松町、三庚図書館蔵)

146 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2018/07/27(Fri) 16:27
年齢的にそういう菊の強制を社会システムとして受け入れた人らって、今何歳くらいの長老達だろうか?自分の見当では現在90歳半ばで、高学歴で社会的身分の結構高い人たちに見える。敗戦後、アメリカ合衆国のいいなりになって、おとなしく、正常愛の仮面をつけて暮らしてきたわけだ。なんか、からくりがさらけ出されると、笑っちゃうな。

147 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2018/08/03(Fri) 21:15
笑った

148 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2018/10/03(Wed) 23:01
日本の歴史における「男色」について

http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=history&key=347427116&ls=50

149 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2019/07/30(Tue) 13:16
新薩藩叢書 第3巻
頼山陽 [賤のおだまき]
鹿児島県立図書館

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