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【涼宮ハルヒの憂鬱】SOS団、全員集合だぞ。part.3【そして俺も憂鬱】
- 536 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/08/04(Mon) 00:49
- 「よう、ハルヒ。」
今日はハルヒの誕生日。
進む事の無い時間。
俺はお前を置いて成長しちまったけど。
ハルヒの墓に向かって俺は一人で話し掛ける。
「今日がなんの日かわかってるか?」
覚えてるよな、お前のことだから。
人の誕生日まで突っかかってきてパーティー開くようなやつだもんな。
後片付けはいつも俺の仕事だったけど、まぁ楽しかったよ。
そんな風に過す事なんか今まで無かったんだからな。
「約束だ、ハルヒ。」
墓の手前にそっと俺は「それ」を置いた。
大学で勉強をしつつバイトで必死で溜めた金。
それを使って今日は「それ」を持ってきたんだぜ。
「綺麗だろ?お前の瞳みたいに・・・・・・光ってる。」
小さな箱から見える小さな指輪。
その輝きは本当にハルヒのあの頃の瞳のようだった。
何度でも思い出せる、何度でも描き出せる。
「お前に言ってない言葉があるよな。」
最後の最後まで言えなかった言葉。
今日までずっと我慢してきた言葉。
「この数年間はほんと、短かったよハルヒ。」
あれから1年間はただ生きているだけだった。それを乗り越えて俺はまたこうして生きてる。
あいつらにも随分世話になったよ。まさに、いい友達をもったってやつだ。
何度俺が後悔に押しつぶされそうになったか。
それを何度助けてくれたか。
まぁ、お前なら想像つくんじゃないか?
報告を終え、ゆっくりと墓を見つめ。
俺は最後の言葉を口にする。
「さよなら、ハルヒ。俺の・・・・・・俺の愛するハルヒ。」
その言葉と同時に風が優しく吹いた。
まるで俺を包み込むようにそれは吹き、そして去っていった。
空は青い。
いつか見た空と同じように。
雲は無く、まるであいつの爽やかな笑顔のように輝いてる。
俺は墓を背にして、来た道をゆっくり踏みしめるように歩き出した。
「最後まで決めてたんだけどな。」
呟く彼のその顔には、ゆっくりと涙が流れ落ちていた。
END
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