【オリジナル･版権対応】続･星のよろず屋が色んな人と話します

70 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。 投稿日：2012/05/20(Sun) 20:24

灰色の『それ』に10人が襲い掛かる。
話にならなかった。
動いた、と思った瞬間には最初の一人が血飛沫を撒き散らしていた。かと思えば二人目が死んでいる。怯えた兵は突撃をやめたが今更遅すぎた。
南の平原で恐れられる御伽の獣の牙と爪が、次々にドートメルの兵を喰い散らかした。斬り飛ばされた肉片が、首から上とその下が、あるいは腹の中身が、地面に溢れて地獄を描く。
獰猛で、過剰で、迅速で、そしてあまりにも容赦がない。完全に戦意を喪失していた兵も、逃げ出そうと背中見せていた兵も一切の区別はなく『灰色狼』等しく食い殺された。
深ーと静寂。
敵の全員が死んだ事を確認すると、狼は鮮血に塗れた短剣を乱暴に振るって血糊を飛ばし、腰の後ろに得物を納めた。そして、その場の全てに対して興味が失せたかのように、何も見ないで去ってゆく。
小説ー幽霊街と呪いの笛吹きーより。
『灰色狼』の短剣は切り裂く物よりも鉈（なた）に近く、それを神速で振ることによって喰い散らかしたかのような死体が完成する。
小説ー妖精姫と灰色狼ーより

お前はコイツを倒せるか！？

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