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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ壱

439 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/06/16(Thu) 22:32
>>423(柚葉さん)
>きっと、お嬢様の様な闇の眷族の方々の力を己の欲望のために利用しようという方は幾らでも居る筈です。
>言葉巧みに取り入り、その力が取り返しのつかない惨事に使われたらと思うと…。
カルミーニオ家も長い歴史の中では、存続を図るためある程度は人間との接触は必要でございましたし、わたくしもグータラなこの身を以て人とお付き合いすることもございました
わたくしの場合、主に社交の場でございましたが
お仕着せのドレスを身に纏って誠意のこもらない会話を重ねていたのは、わたくしの黒歴史でございますわね
やはり人ならぬ身ゆえでございましょうか、『そこまで?』と思われるほど目の色を変えて誼を通じようという方が引きも切らず辟易することもございましたわね
それも、時代の波荒く高く、風雲急を告げるような状況の時は…生き残りさらにより大きな力を得ることに必死でしたのでしょうね
イタリアにもそんな時代が少なからずございましたから
誼を通じようとするだけならまだしも、力づくでこの身の力を我が身に宿そうとして…いやですわ、物騒なお話になりそうですので、お茶を一杯…ふう
結局彼ら彼女らの懇望をやり過ごして、闇の力を差し出さずに済みましたけれども
わたくしたち闇の眷属の力を時に崇め時に怖れ時に忌み嫌い…それも己が立ち位置で態度を変える方も多うございましたから、あの人の心と形の千変万化こそわたくしには時に恐ろしく思えたほどですわね
尤も、そうした人間の闘争と浮沈のまにまに自分たちの存続の機会を見出してまいったわたくしの実家も、褒められたものではございませんわね
…わたくしも含めて
ただ、幼き日の友に対して行ってしまったあの振る舞いを二度と繰り返すまい、との想いを貫けたのはせめてものことと思っております

>…ですが、今はメイドさんとして働いている娘さんのような、純粋な「願い」の為でしたら許されると思います…。
>親しい人の為に、自分に出来る精一杯の事をしてあげたいと思うのは当然でしょうから。
そう仰っていただけると幾らか心が休まりますわ
あの時はまさにそういう想いでございましたかしら
…ですが、思い起こしますわね
あの友達とそのお母様を独断で眷属にしてしまいました時、まあメイド長に手厳しく叱られましたことと言ったら…
『人間の運命に介入為さって、これからのあの方たちの行く末に責に任じるお覚悟あってのことでございますか?』

そう言われて初めて、人としての生を奪い取ることの怖さを思い知らされましたわね
あの母娘を、それまで生きてきた世界、人との絆から引き離してしまった意味を以て
たとえあの友から懇願されたことであろうとも

440 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/06/16(Thu) 22:33
>>428(柚葉さん)(つづきでございます)

>…申し訳ありません、お嬢様の心の内を勝手に推測するなど…。
>でも、善悪や正しさ、間違いといったもので判断出来ない事はあります。
>大切な人を救いたい…という気持ちは心ある方なら誰でも持ち合わせている筈ですから。
いえ、お気遣いありがとうございます
あの時のことは…今もわたくしの中で決着がついておりません
その様に言っていただけると嬉しゅうございますわ

>余談ですけど、母方の叔母は私の母には勿論、サクヤさんにもとても可愛がられてきたそうです。
>その方の歩む可能性のあった未来においては、贄の血を狙う邪な蛇神からサクヤさんを庇い、瀕死の重傷を負った際に
>サクヤさんは叔母を救いたい一心で、自分の血を飲ませたのだとか…。
…それは、わたくしにとりましてとても他人事とは思えませんわね
サクヤ様が戦いの重責を背負われてなおかつ、叔母様のためになさったその選択の重さは…よほどに考え抜かれてのことでございましょう
叔母様もまた、ご自身の運命の転変を受け入れられたこと、まことに強く清き方なのでございますね
今幸せな日々を送られているのもそうして心を強く保たれて道を拓き歩まれたゆえに得られたものなのでございましょう
そのお話を聞けて良かったですわ

>人の血と魔の血が合わさるというのはある意味禁忌かもしれませんが、
>純粋な願いによるものでしたら、救いとなるのかも知れませんね。
わたくしはその禁忌を犯しましたゆえ、あの日願ったことの生み出した結果をこれからも見据えてせめてより良きものといたしたいですわ

そういえば、前に触れた『出奔』の日にたいがいメイドさんたちを突破したと思った時にわたくしの前に立ったのがあの友達だったメイドでしたわね
剣戟を重ね、彼女の剣を弾き飛ばして、わたくしが飛び去ろうとしたときに彼女が
『アーチェロ!』
と声を限りに叫んでまいりましたわね
それまで屋敷ではずっと『姫様』としか呼んでくれなかったのですけれど

彼女とまたいつか…いつか、話してみたいです

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