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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ壱

451 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2016/06/18(Sat) 23:34

>>430
前にも申しました通り『悪魔』という種族はございません
人間の中にも魂を泥濘に沈めて醜く変わり果てた『悪魔』が在りますわね
己が欲望を最優先し、他を蔑ろにして恥じないどころか快楽とさえする者たちが

ですが、真摯に世界と向き合い怠惰に溺れず己が最善を尽くそうとする方の中からさえ現れるのは何故なのでございましょうか
この世の理不尽と不条理を憎み、世界をより良き高みへと導こうとするからこそ、悪しき物と己が認めた存在を除くためにはあらゆる非道を是とする人たち
わたくし何度となく出会ってまいりましたわね
何が善で何が悪か、全てに正解を出すにはわたくしの頭は残念な出来でございますが
ですが、故なくこの身を傷つけようとする方、そしてわたくしの大切な方たちを危険に晒すような方は『悪魔』と見做させていただきますわ
所詮は平凡な小娘でございますれば、ただ細やかな平穏こそが掛け替えのない大切なものでございますから


>>431（月華様）
＞まあ、それはそうよな……なれど、使用人に対しても恩を忘れぬその心、実に見事なり。
いえ、そんな…
わたくし、メイド長にいくら言われても『主従』の立場を弁えていなかったらしくて
メイドは家族とあまり変わらぬ感覚、姉妹のような気でいましたから
もちろん、そう思えたのもメイドさんたちがどこまでもわたくしを大事にしてくれたからですけれど

それぞれ理由は違えど、3人いた兄たちがいなくなってしまった後、父から次期当主と宣告されても
「なんで？跡取りならメイド長がなった方がいいでしょ？すごくえらくてかっこよくてお姉さんだよ？」
と言ったものですから、父は文字通り頭を抱えてしまいましたわね

まあ、そんな気分が成長してからも続いていましたから、メイドさんたちから剣の切っ先を向けられても、受けて受けて受けきるしかございませんでしたわ

＞うむ…その者は恐らく、ぬしの意思を尊重したのじゃろうな。
＞良き臣下に恵まれたのう…そしてその者もまた、良き主に巡り逢うたものよ。
良き臣下…、まことにそのとおりでございますわ
本当にできた人で…どこまでも透徹した何物にも侵されがたい輝く瞳を持った、威厳のある人ですわ
そのようなところは…敢えて申させていただけるなら、月華様と似ていましょうか
いえ、わたくしの臣下と似ていると申しては月華様には不本意かもしれませんが

正直、わたくしが彼女の主人だというのが申し訳ない気分になってしまいますのですよ

＞強硬派か……我らの中にも、そういった者はおると以前言うたな。
＞その者らはかつて人間の犯せし過ちを、未だ許し切れずにおるのじゃろうな……。
＞決してそれを忘れよなどとは言わぬが、人間達も少しずつ己の罪を認めそれを償おうとしておる……
＞そもそも非があるのは我らとて同じ故、もう少し態度を軟化させても良いと思うがのう……。
その様なお話を伺いますと、『何処も同じ』と思えて溜息が出てまいりますわね
でも、主人がほかならぬ月華様でいらっしゃいます
皆様、月華様に心酔していらっしゃることでございましょう
月華様が今のそのお心を示し続けられれば、いずれその方たちもお考えを改めるであろうこと、必定でございましょう

＞それ程大したものでもない。第一、我が左様な状況に陥るは一度や二度では無かったからのう。
＞その度に、父の言葉に引き戻されておったわ。かつては十六夜家きっての問題児とまで言われておったし……
＞父上には、かなり心配をかけたであろうな。
お父上様は本当に人との和合を真剣に考え、そして月華様の御身を大切にお考えでいらっしゃいますのね
お父上に心配を…それを言われますと身に覚えがあって、ちょっと身の置き所がございませんわ
…わたくしも、少しは父のことも考えねばなりますまい

＞まあ、何でもないような瑣末事で悩む事も多いのじゃがな。下らぬ事で悩むは、我が悪癖の一つよ。
＞ ……礼を言う。我もまた、実に良き友を持ったものじゃな。
真摯に悩まれるのは、物事を大切にお考えゆえでございましょう
考えることを止めることは逃げることに繋がる、そう思いますゆえ

良き友…何よりうれしいお言葉をありがとうございます
どうぞ何時なりとお声をおかけくださいませ


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