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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ壱

473 名前：十六夜月華 ◆cpOjEn7E 投稿日：2016/06/21(Tue) 00:20

>>448
まあ、それが真の姿ゆえ理性は失わぬな。
そもそも、人の理智に狼の姿……というのが我ら妖狼族の特徴じゃからのう。
我が魔力を他者に注ぎ込めば、新たに同族を増やすことも出来るが……極力、それは控えておる。
安易に魔の道を進まんとすれば、果てに待つは破滅のみ。力求むるあまり、誤った選択をせぬようにな。

>>449
ふむ、確かに……だからこそ、アーチェロの言うような後日談があるのではないか?
我も詳しくは解らぬが、さすがにあの終わり方は些か納得が行かぬ部分もあるしのう。
仮になかったとしても、北風が吹くのも太陽が照りつけるのも自然現象。
アイソーポス……イソップはそこから想像を膨らませ、あの物語を作り上げたのではないか?

>>451　アーチェロ
＞わたくし、メイド長にいくら言われても『主従』の立場を弁えていなかったらしくて
＞メイドは家族とあまり変わらぬ感覚、姉妹のような気でいましたから
＞もちろん、そう思えたのもメイドさんたちがどこまでもわたくしを大事にしてくれたからですけれど
なるほど……しかし見方によっては、「立場に縛られない」とも言える。
そういったところも、ぬしの良いところじゃと思うがな。

＞それぞれ理由は違えど、3人いた兄たちがいなくなってしまった後、父から次期当主と宣告されても
＞「なんで？跡取りならメイド長がなった方がいいでしょ？すごくえらくてかっこよくてお姉さんだよ？」
＞と言ったものですから、父は文字通り頭を抱えてしまいましたわね
……確かに、それはそうじゃろうな。父上殿もまさか己の娘が使用人を後継者に推すとは思うまい。
しかし、父上殿の気持ちも解るが……ぬしの気持ちもまた良う解る。
姉妹と思っておったならば、自然そういった考えにもなろう。

＞本当にできた人で…どこまでも透徹した何物にも侵されがたい輝く瞳を持った、威厳のある人ですわ
＞そのようなところは…敢えて申させていただけるなら、月華様と似ていましょうか
む……己の事ではないというに、何か気恥ずかしいものがあるわ。
話を聞くにその者は、さぞ気高き魂の持ち主なのじゃろうな。

＞いえ、わたくしの臣下と似ていると申しては月華様には不本意かもしれませんが
否、むしろ光栄に思う。そのような評価は、我如きには勿体無い気もするがの。

＞正直、わたくしが彼女の主人だというのが申し訳ない気分になってしまいますのですよ
そう謙遜するでない。ぬしは己の思うておるより、余程確りしておるぞ。

＞その様なお話を伺いますと、『何処も同じ』と思えて溜息が出てまいりますわね
＞でも、主人がほかならぬ月華様でいらっしゃいます
＞皆様、月華様に心酔していらっしゃることでございましょう
＞月華様が今のそのお心を示し続けられれば、いずれその方たちもお考えを改めるであろうこと、必定でございましょう
うむ……あやつらも、決して悪しき者ではない。ただ、未だ割り切れずにおるだけよ。
我とて、初めから人を守る事に疑念や迷いが無かったわけではないからのう。

＞お父上様は本当に人との和合を真剣に考え、そして月華様の御身を大切にお考えでいらっしゃいますのね
＞お父上に心配を…それを言われますと身に覚えがあって、ちょっと身の置き所がございませんわ
＞…わたくしも、少しは父のことも考えねばなりますまい
うむ。我が父もまた人間に救われた身ゆえ、人を守る事に一点の迷いも躊躇もない。
厳しくもあるが、時に優しくもあり……そして、常に我を案じておった。
ぬしの父も、きっとぬしの身を案じておる筈……子が心配でない親など、この世にはおらぬ。


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