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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ壱

507 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2016/06/26(Sun) 19:17

>>498（柚葉様）
＞はい、存じております。
＞向かいの家の軽部さんのお家の娘さんですね？
＞少し儚げな雰囲気の、あの娘のことでしたか。
やはりご存じでたか
柚葉さんのご近所づきあいの親密さからすれば、もしかすると言葉を交わされたこともあるかも知れませんわね
あの小さな体、儚げな雰囲気はわたくし当初より気がかりでございました

＞お嬢様と同じ制服を着ていらっしゃいますから、「よろしければ一緒に登校なさればいいのに」と思っていたのですが、そのような事が…。
＞大人しそうで、少し人見知りをなさる雰囲気でしたから少々気になっていたのですが…。
さすが柚葉さん、あの方に気を配ってくださっていたのですね
本当にわたくしが怯えさせてしまいますこと、申し訳なくて
むしろ、もし柚葉さんの温かくお優しい態度があの方の心を和ませることがございましたら嬉しゅうございますわ

＞彼女は、ホラーを連想させるものが大の苦手だったのですね。
＞無論、お嬢様を嫌っておられるわけではないと思いますしお嬢様に問題など何一つない事は私が一番よく知っています。
＞ですが、苦手と言うものは中々どうにもならないものですから…。
嫌っているのではない…その一言がとても救いでございますわ
ありがとうございます
ですが、魔を怖れるのは人の世にあっては普通のこと
むしろ、この街の方々の寛容をわたくしが承知せねばなりませんわね…
それでこそ、軽部さんのお悩みに思いが至ろうと言うもの

＞一応、私にも苦手な物は有ります。
＞無論、それが私に何か悪い事をするわけではない事は十分に分かっていてもどうにも近寄りがたかったり、
＞視界に入ってくるのは憚られてしまうんですよね…。
やはり左様でございますよね
理屈ではどうにもならない、そういうものはございましょう
ですから、できるだけあの方とは距離を置こうと思っているのですが

＞苦手を克服なさる事は決して容易な事ではありませんが、彼女もお嬢様にそのような態度を取ってしまう事を
＞心の中で申し訳なく思っていたのでしょうね。
＞…やはり、優しい心の持ち主であるのだと思います。
はい！はい、それはもうお優しい方なのでございましょう
あの雨の日、わたくしのことなど素通りしてもそれは当然のことでしたのに、何かもう決然としたように口を引き結ばれて、それでも目の端に涙の珠が浮かぶのがこらえきれないご様子で
あの時の彼女のことを、わたくし心のからの敬愛の心で見つめておりましたわ
傘に入ってからも、出来るだけわたくしと距離を置こうとしながら、でも傘はわたくしの方に差し掛けようとなさるのですもの
本当に申し訳ないことでございました…

＞軽部さんが、本当にお嬢様に心を開かれた時には是非ともお茶会に招待したいですね。
＞その日が来る事を、心から願っております…。
ありがとうございます
ええ、それはもう、わたくしにとりましても心からの願いでございます
昨日より今日、今日より明日、決して焦ることなくほんの少しずつでも、あの方のお心が安んじていただけますよう、わたくしも努めてまいりますわ


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