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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ壱

907 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2016/10/31(Mon) 11:48

>>899（柚葉さん）

＞ふふっ、三姉妹さんたちもわくわくしているみたいですね。
＞実際に京都の文化に触れて、京都のお料理を召し上がるのは初めての体験の筈ですから。

はい、三姉妹が歓んでくれているようで、わたくしもとても嬉しゅうございますわ
わたくしが出奔しました時、わたくしの身を心配してついてきてくれた娘たちですから
まだ幼い身であるがゆえにメイド長もお目こぼしで見逃してくれたのかと面ますが、その分まだまだわたくしが護ってあげなければ異国での生活には大いに不安のある娘たちでございますから
え、なんですか、次女ちゃん
『姫様だって似たようなものだろー』
って、もう、そういうことをはっきり言わないの…

とにかく、日本へ着くまでの道すがら、日本のことをできる限り伝えはしたのですが、イタリアのことわざに曰く『信じる為に見る』…
すなわち『百聞は一見に如かず』でございますれば、この国で戸惑うことも多かったと存じますわ
それがこうして、日本の文化、日本のお料理をすっかり楽しみに出来ている、というのは本当に喜ばしいです

これも、日本で柚葉さんという日本人の最良のお姉さんを得、美味しい日本のお料理をいただけたからこそでございます…
初めて柚葉さんがいらっしゃったときは、異国の、それも人間が一つ屋根の下で暮らすということで少なからず緊張していたようですが…
柚葉さんの微笑み、優しい言葉、美味しい料理…
ふふっ、いらっしゃったその日のうちにもう警戒から慕情、三日と経たず、憧憬へと、その瞳の色が変わっていったのも今は懐かしい思い出でございます

そして本日こうして、日本料理の粋を味わえることになり…あらあら、早くも三女ちゃんのお腹が鳴っていますわ
本当に三姉妹ともすっかり日本が新たな故郷となりましたわね…

＞あ、そういえば叔母も母も、京都の修学旅行で若杉の総裁一行と合流した際には
＞湯葉料理を随分と御馳走になったとか。
＞そして今度は、私もお嬢様と共に湯葉料理を召し上がる機会に恵まれようとは…。
＞ふふっ、縁とは不思議なものですね。

まあ、そうなのですか？
わたくしにとりましては未だお目にかからずして既に慕わしく想いますこと一方ならぬお二方と同じものを、こうして柚葉さんと一緒に食す…
なんだか、お二方も交えて一緒にお料理をいただけるような気分でございます
とても嬉しくて、いよいよお料理が出てくるのが待ち遠しいですわね

まあまあ、これはなんと、賑やかでしかも目にも楽しいお料理の数々…
それでは、いただくといたしましょう…

（食後の一時）

はあ…、ご馳走様でございました
まことに美味しゅうございました
お腹のあたりがほんわりと温められて、なんとも心安らぐ満足感でございますわ


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