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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ弐

188 名前：羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日：2017/02/05(Sun) 18:54

>>179-180 アーチェロお嬢様

＞糀を使ったスイーツはまだまだお店にございますのよ
ジェラート、メレンゲ、フロマージュ、パンケーキ、キャンディー…
ふふっ、またときどきご一緒に頂きたいですわ

そうなのですか？ふふっ…。何だか、創作意欲を刺激されてしまいますね。
勿論、本格的なパティシエさんや職人さんには敵いませんけど…。
自分で作り方を調べてみて、試作して自信が持てたらお嬢様にも召し上がって頂きたいです。

ふふっ、遠慮なさる事はありませんよ。だって、お菓子作りは「趣味」でもあるんですから♪

＞それとも、わたくしが話せないような話をガルシア様からお聞きになりたいのでしょうか？
いやですわ、そんな話などあるわけが！ええ、ございませんわ、勿論

あっ、いえいえ…決して深い意味があるわけではなく…。（汗）
何となくですけど、お嬢様の故国を知る方や故郷の皆様のお元気な様子を知る事が出来ればと思っただけで…。

一緒にこのお屋敷でお暮しになって以来、お嬢様にはやはり「和」が見事にマッチしたイメージが強いですね。
でも、故郷におけるお嬢様の雰囲気も出来れば見てみたいなという気持ちもあるんですよ。

＞また、ヴァチカンの側からも、己の在り方に疑問を感じ、我が種族への理解を深め、手を取り合う道を選んだ者、さらには、その血潮を以てわたくしたちの一族となった者もいるのですよ

まあ…そのような方もいらっしゃるのですね。
それを聞いて…少し安心致しました。
私達日本人と違い、信仰というものが深く根付いた暮らしをなさっている方々、
それもその教えを「実行」する方々が理解を示して下さったというのは、素晴らしいと思います。

フリューゲル神父様も信仰の対象とされている「主」が、生きる世界が違うために
互いに争い、傷付け合う事を望んでいるとは思いませんから…。
御自身の想いで、共に生きる道を選んで下さったのならそれもまた一つの道なのだと思います。

＞確かに、『役者が違う』、その通りですわね
わたくしなど、あと百年二百年かかっても、あの域には達し得ないのでしょうね…

ふふっ…例えそうだとしても、無理をして旦那様の様な当主になろうとする事は無いと思いますよ。
それはお嬢様が、一番解っていらっしゃる事だと思いますが…。

＞若杉の総裁様にもいつかお会いできるなら幸いでございます
どんな方なのでしょうか…・
…風の噂に伺うには、若杉家には年若いお嬢様がいらっしゃるそうですが、
日本最大の財閥の娘として、どんな生活をなさっているのか、わたくし気になりますわ

今の総裁が、初めて私の叔母に出会ったのは確か10歳の頃だったとか…。
その頃から「神童」とも目される才能の持ち主だったと言われておりますが、
家督を巡る弱肉強食とも言える争いに嫌気がさし、当時空き家になっていた経観塚のお屋敷、
即ち私の実家に住みついていたそうです。

（叔母と出会った直後、住居不法侵入その他もろもろを含めて平謝りだったそうです…（汗））

でも、笑顔の裏にある寂しさや孤独を叔母によって解き解され、オハシラサマの封じを巡る蛇神との戦いに
共に決着を付けた後、決意を固めて総裁の座に就かれたのだそうですよ。

私の母が、娘である私がいる年齢なのですからその方も既にお嬢様がいる年齢なのですね…。
普段は表と裏でこの国の重鎮とも言える立場にありますから実に多忙だとは思いますが…。
友情を育んだ私の叔母や母と会った時には、昔と変わらぬ笑顔を見せて下さるそうです。

あ、ちなみにいつも総裁は「尾花」と名付けられた白狐を連れているんですよ。
とても可愛らしくて…叔母や母にも、私にも懐いてくれるんです。
または、総裁が鬼斬り頭として真の力を解放する際には互いの身を一つにし、
「言霊（ことだま）」の力を自在に操り、その力は天（天候）さえも左右するのだそうです。

総裁とは家出している最中に出会ったそうですが、その「尾花」ちゃんとは「一言主神」であり、
私達一族の封印を巡る戦いを予言してその傍にいたそうで…。

思い返すと、紡がれていく縁とその因果とは無限に広がっていくものなのですね。
それを大切にしていけばいくほど、良き形で巡り会える事を願わずにはいられません。

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