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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ六

317 名前:人狼メイドグリッタ ◆1hgZO.RI 投稿日:2024/02/16(Fri) 23:14
(演劇の脚本を見ながらお茶を飲んでます)

白鹿:「グリッタ、先週の地域センターの演劇お疲れ様。
それにしても良かったね。『赤ずきんとお姉ちゃん狼』か…。」

うん、普通の『赤ずきん』なら誰でも知ってるからって…。
わざわざ劇団の人がオリジナルで作ってくれたの。

白鹿:「そのお話って、グリッタの思い出の部分も入ってるんだよね?」

うん…。私にもいたの。私だけの赤ずきんちゃん…。
好奇心旺盛で、勇気があって優しくて…。
それでいてちょっと危なっかしくて放っておけない…。
その赤ずきんちゃん…アンナとは20年近く一緒に暮らしたの。
あの子が迷子になっていたのを、旅をしていた私が森の中で助けたのがきっかけだったわ。

それでお祖母さんのお家へお使いに行くところだったって聞いて…。
まるでおとぎ話の赤ずきんみたいって思ったわ。
それで少し身体を悪くしていたお祖母さんのお世話をしながら
私もお祖母さんのお家でお世話になっていたの。

その内に森の中で「悪魔憑き」が居るって噂が流れちゃって山狩りが始まっちゃって…。
でもアンナは私の前にたちはだかって、

「お姉ちゃんをいじめないで!お姉ちゃんはとっても優しい狼さんなの!」
とかばってくれた…。そしてお祖母さんも…。
そして誤解が解けて、私も安心してその地で暮らせるようになったの。

それからは私も得てきた知識を生かしたり、遭難した人や迷子の子を助けたりして
少しずつ村の人たちにも頼られるようになって…。
私のお母さんみたいなことが、私にも少しは出来るようになったかなって思えたわ…。

そしてその後、私はお祖母さんから受け継いだお家を喫茶店に改装して暮らしたの。
アンナも私が教えたお料理やお菓子作りの技術を覚えてくれて、一緒にお店を切り盛りして…。
アンナが結婚して子どもが生まれ、子育てが落ち着いた頃に私はお店をアンナ夫婦に継がせてまた旅に出たわ…。

そのお店は、今もあの子の子孫が受け継いでくれているの。
地元ではそれなりに有名店みたい。

白鹿:「素敵な思い出だね…。そういえば、アーチェロさんからバレンタインの贈り物が届いているよ。
僕はもう、グリッタから十分すぎるくらい貰ったけれど。」

………。(赤面)
え?アーチェロさんから?
そ、それより早く開けてみよう?
うわ〜…。忙しくてアーチェロさんたちにはチョコレート贈れなかったなあ…。
ごめんねアーチェロさん…。
遅くなっちゃったけど、私もちゃんとお礼を贈らなきゃ。

(プレゼントを開けて)

わあ!アーチェロさんのチョコレート、薔薇のいい香り〜!
袋に入っていても、私には分かっちゃうよ!
柚葉さんは、苺のチョコレートだね!私の好物、覚えててくれて嬉しい!

(柚葉さんのアートチョコを見て)

え…?私と赤ずきんちゃんのチョコ?ど、どうして知ってるの!?

白鹿:「多分偶然だと思うよ。(笑)でも、グリッタが最近オリジナルの演劇に出たように
これもまた素敵な運命の神様のお導きじゃないかな。
それだけグリッタとアーチェロさんたちが、強い絆で結ばれている証拠だよ。」

本当にありがとう…。アーチェロさん、柚葉さん…。
春が訪れたら私、またあの町へ貴女たちに会いに行きます…。

(後日、演劇のときの写真と私の思い出話やお礼のメッセージを込めたお手紙と一緒に
お礼の手作りのチョコレートを贈りました。)

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