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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ六

387 名前:水橋 パルスィ@メイド服 ◆Parseejo 投稿日:2024/03/03(Sun) 13:47
>>380
お客様の深謀遠慮妬ましい限りでございます。
我が主は地域社会との交流・貢献を望んでおりますゆえ、小さなお客様に間違ってお出しすることがあってはなりません。
甘酒に吐息し、白き梅と蒼き天を仰いでは溜息を吐く、春の訪れに心踊らされる妬ましい日
これが白酒を含ませた刹那、阿鼻叫喚の地獄絵図と成り果てましょう、それもそれで旨味はございますが。

故にこの白酒は私の方で処分致しましょう、土や下水、虫や菌に呑ませる程私は寛大ではございません。
酒は鬼にとっての水、呑めば呑む程膂力が強くなり、脳髄冴え渡ること稲妻の如し。
景色は澄み渡り、気候は麗らか、我が主へ伺候される方は数え切れませぬ。
鬼のメイドにも燃料を注入せねばなりますまい。

さてさて、一斗樽を縁起良く三つ干したところで仕事に戻りましょう、姫様方の分もまだまだございましてよ。
我が祖国では七を吉兆として求めるのですが、二荷干したところで侍従長の眼が険しくなりましたゆえ。
主をはじめ当館の従者達、お客様の一部が桃の節句に因んだ装束でお迎えしております。
倭国の伝統的な料理も用意しておりますので甘酒、茶と併せて主からのもてなしを堪能下さい。

>>381
お客様も酷なことを仰いますね、好きな花を挙げろとはそれだけで千の夜が過ぎましょう。
まして名も知らぬ花を伝えようと無い知恵を搾って伝えようとすれば千秋あっても足りませぬ。
我が祖国では良い酒は蘇芳色と称え、しなやかな肢体は糸杉と囃され、瞳は水仙に例えられます。
三大陸を跪かせた国ではステップからジャングルまで様々な木々と花々が四季を通じて神と人を楽しませました。

春にはチューリップが愛らしい蕾を風に揺らし、ジャスミンが負けじと芳香を振り撒くので五感が甘美な春に酔いしれる。
夏には白いムクゲが蒼い空と緑の大地に彩を添え、一面に咲く彩鮮やかなガイラルディアは宴の絨毯が如く。
秋にはビオラが黄色い歓声を挙げ、冬にはシクラメンが凍える身体を慰めてくれます。
されど全てを兼ね備えた女王はやはり薔薇、ニザーミーもシーリーンを薔薇と称えておりますわ。

我が君は白い薔薇、花言葉の如く純潔
それでいて瞳と口元は緋色の薔薇の如く、そこから紡がれる美しい言葉と艶なる視線は芳香として一切を惑わせる。
高貴な方に流れる血は青、蒼い薔薇は「不可能」あるいは「神の奇跡」として知られます。
全ては運命、奇跡など存在しませんが我が主はもしかすればその例外かもしれません。

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