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卒業研究(太宰治の研究)

1 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 15:42
なんか連絡のためにこのスレを作ります。
荒らし禁止
個人情報流失禁止
問題が起きても責任をわたくしは一切持ちません
まさかここをほかの人が使っていたとは……

2 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 15:43
連絡がつかない人にはどうしよう……

3 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:04
連絡がつかない人、文章を簡略化したもの(事前資料としてみんなに配布する)とわからない単語を記したものをやってきてくれませんか。

4 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:15
一応卒業研究の割り振りの確認

0,作品背景と研究の方法
 @)作品背景
 A)あらすじと作品の評価
 B)問題設定と研究の方法

1,『人間失格』から読み取る
 @)はしがき
 A)第一の手記
 B)第二の手記
 C)第三の手記
 D)あとがき
 E)参考資料:太宰の一生(表)

2,登場人物
 @)葉蔵…@性格 A生涯
 A)ひらめ…
(以下同様)あげられるだけ人物

3,考察
 @)文学史的見地
 A)太宰治

4,研究の反省、今後の展望

5 名前:パラワン ◆.UNKO/.. 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:26
誰が作ったのか知らんが、使うことに問題は無い。
お互いあまりかかわらんようにしようや

6 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:27
OK了解

7 名前:パラワン ◆.UNKO/.. 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:28
できれば別の板でやってもらいたかったが・・・
ここのほうが都合がいいしな。

8 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:29
メールアドレスが連絡取れない人がいるからやむない処置。
迷惑かけんようにするんでまあ許して

9 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:30
一応卒業研究の割り振りの確認

0,作品背景と研究の方法
 @)作品背景
 A)あらすじと作品の評価
 B)問題設定と研究の方法

1,『人間失格』から読み取る
 @)はしがき
 A)第一の手記
 B)第二の手記
 C)第三の手記
 D)あとがき
 E)参考資料:太宰の一生(表)

2,登場人物
 @)葉蔵…@性格 A生涯
 A)ひらめ…
(以下同様)あげられるだけ人物

3,考察
 @)文学史的見地
 A)太宰治

4,研究の反省、今後の展望


10 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 16:30
連絡がつかない人、文章を簡略化したもの(事前資料としてみんなに配布する)とわからない単語を記したものをやってきてくれませんか。

11 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 19:42
早くメールください

12 名前:堀木 ◆X.e8/ucY 投稿日:2013/07/21(Sun) 20:26
お願いします

13 名前:ハトにえさを与えないでください 投稿日:2013/07/21(Sun) 21:55
そっか―合宿なのか―

14 名前:堀木 ◆8g73h.12 投稿日:2013/07/21(Sun) 21:55
頑張れ

15 名前:堀木 ◆8g73h.12 投稿日:2013/07/21(Sun) 23:01
aaaaaaaaaa

16 名前:堀木 ◆8g73h.12 投稿日:2013/07/22(Mon) 14:15
一応第一の手記まで乗せる。第三の手記の途中まで言ったけれど容量がでかい

@はしがき
L1「私は、その男の写真を三葉、見たことがある。」
『人間失格』はこの言葉から始まる。この作品中で印象的なのは文章がこの「はしがき」と「あとがき」がなくてもよさそうなのに組み込まれていることである。筆者は文章を、俯瞰的視点で書いている。また三葉というからにはこの文章を三つの段落に分けられると考えられる。また
L3「それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹《いとこ》たちかと想像される」
とわざわざ想像という言葉で書いていることが読者にますます俯瞰的境地に立って書かれていることをうかがわせる。
また写真に乗った子供のことをいやそうに記述していることより主人公を半ば自虐的(太宰とこの主人公の設定、境遇はほとんど同じであり、自叙伝と考えるのが妥当である)にえがいていることがうかがえる。また後段の記述は完全に主人公の初見の印象だけでも醜く人間らしからないということを形容している。子供のころからほかの人間とは違うということを言わんとしているのだと思う。
またこぶしを握りながら笑っているということで自分の偽装をおこない大方良かれと思ってやったのだろうがかえって人の心証を下げている面がある。

「ひどく変貌していた」という記述と「とにかく、恐ろしく美貌の学生である」という記述から前述の少年が如何に気持ちの悪い顔であったかが描写される。然し「巧みな微笑にはなってはいるが然し人間の笑と何処やら違う」「生きている人間の感じはしなかった」「血の重さとでもいおうか、そのような充実感は少しもなくそれこそ鳥のようではなく羽毛のような軽くただ白紙一枚そうして笑っている。つまり位置から十まで作り物の感じなのである……」というように前述の少年とは明らかに大きな差がある。少年は物理的に彼の不自然性が描かれていたが青年は感覚的に描かれている。また美貌という表現と会談じみた気味悪いものという形容は相反するように思われる。だからこそ見たことが一度もないのであろう。
さて、次の写真はもっと機械で年のころがわからず笑っていず表情もなく自然に死んでいるようなまことに忌まわしい不吉なにおいのする写真と形容されている。しかし「私は、つくづくその顔の構造を調べることができた」と書いていてこれもやはりすぐに捨てたくなるような少年の写真とは明らかな差異がみられる。この写真に写っている男は何も特徴がなく次のページに「死相にも表情がありそうなものなのに」と、かいていてこの本の題名でもある『人間失格』と結びつく。またひどく汚い部屋という表現も彼の人生そのものを物語っているのであろう。「すでに
私はこの顔を忘れている」というのは少年、青年の表記と随分違ったものだ。小さい火鉢は思い出せるのに彼のことは思い出せない。火鉢よりも価値がない、つまり人間失格。人間の体に駄馬の首でもくっつけたらこんな顔になるのでないかという表現から人間でもないし駄馬でもない。どうしようもなく価値がないものであることを如実に語っている。
「見る者をして、ぞっとさせ、いやな気持にさせるのだ。私はこれまで、こんな不思議な男の顔を見た事が、やはり、いちども無かった。」という記述はどれも同じである。
ここまででわかることは少年、青年のころは『人間失格』になるまいと頑張った結果があれなのであり末期はもうそれすらもあきらめているようである。最初から自分は人間ではない、ここに太宰の持った劣等感がうかがえる。


17 名前:堀木 ◆8g73h.12 投稿日:2013/07/22(Mon) 14:16
A第一の手記
「自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした……」
という記述から彼が幼いころからコンプレックスを持っていたことがうかがえる。恥の多い生涯というのを子供時代東北で送っていたことが所以であるとさも言いたげな文体である。また鉄道のブリッジを最も気の利いたサーヴィスとおもい実用品だったことにがっかりしたという記述がありさらに実用品について人間のつましさという記述がある。暮らしぶりが質素であることをさも愚弄するような記述であるしハイカラなものを好む傾向があるように思われる。ここで太宰の父親が議員だったことに注目したい。
@父親が議員……優越
A東北生まれ……劣等
B7男である……劣等
C成績が優秀……優越(後述)
というように彼は優越感と劣等感の板挟みになっていることがうかがえる。@については『斜陽』でも語られている。ことさら彼に関してはのちの生涯により劣等感の方が勝った。だから恥の多い生涯を送ってきましたと冒頭にあるようなことになるのであろう。
周囲の人々がそれおなかがすいたろうと言って無理矢理ものを食べさせる。だから空腹感というものはちっともわかってはいない。食べなければいいものをわざわざ食べるのはほかの人を怒らせたくないという人への恐怖感が根付いている。そんな体験を多々しているうち人間失格になったのではないか。そのような仕打ちを受ける食事の時間は最も苦痛な時刻だと書いている。食事の時間は珍しいもの豪華なものはないのでいよいよ恐怖するという記述。これまたハイカラなものを好む彼の性質が如実に出ている。もちろん一番下の座という記述も彼の劣等感があらわされている。優越感と劣等感を交互に出すことで対比的な効果を生み出している文体である。
「家中にうごめいている霊たちに祈るためのものかも知れない、とさえ考えた事があるくらいでした。」
普通の人はこんなことは考えない。霊とはいったい何のことを指しているのか。食べたくもない飯を食うのは、みんな厳粛な顔をして食うのはもしかしたらお供えのためにあるのではないかという考えの末なのか。太宰の死に関する恐怖もうかがえる。
自分には脅かしにしか聞こえな
いが不安と恐怖を与える「死」。
それが彼にとっては一番の敵で
あったらしい。またそれを難解で晦渋と形容していてハイカラでないものにがっかりする彼とはまた違った一面が読み取れる。
「つまり自分には、人間の営みというものが未《いま》だに何もわかっていない、という事になりそうです。」
ここで注目したいのは現在形で表記されていることである。つまり彼は未だに人間について理解していないということになる。彼の幸福の観念と世間の幸福の観念が食い違っていることは前の文章から読み取れ、言うまでもない。また自分を幸せ者だと思っていなくひたすら劣等感にさいなまれているようである。


18 名前:堀木 ◆8g73h.12 投稿日:2013/07/22(Mon) 14:21
連絡が取れない人、参考にしてください。なお、著作権は堀木に帰属するものとし、全文または一部のコピーも認めません。あくまで自分でやってください。

19 名前:堀木 ◆Regw7oEY 投稿日:2013/07/22(Mon) 19:22
一応

20 名前:堀木 ◆NiOLLqPY 投稿日:2013/07/22(Mon) 20:18
0,作品背景と研究の方法
 @)作品背景
 A)あらすじと作品の評価
 B)問題設定と研究の方法

1,『人間失格』から読み取る
 @)はしがき
 A)第一の手記
 B)第二の手記
 C)第三の手記
 D)あとがき
 E)参考資料:太宰の一生(表)

2,登場人物
 @)葉蔵…@性格 A生涯
 A)ひらめ…
(以下同様)あげられるだけ人物

3,考察
 @)文学史的見地
 A)太宰治

4,研究の反省、今後の展望

21 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 20:47
早くメールください

22 名前:game 投稿日:2013/07/22(Mon) 20:59
禍の塊が10個あるというのはもちろん比喩である外貨に太宰がそれに苦しんでいるかが読み取れる。
ここより隣人の苦しみの性質程度が理解できないと彼は書いている、つまり彼はそもそもがほかの人間とは異質であるということになる。ここで気になるのが非常に劣等感あふれる文章構成になっているが自己弁護と解釈できるところが多々ある。最初な「……阿鼻地獄なのかもしれない」と書いてあるが「エゴイスト…」と書いてある。村上春樹は彼の文章を
ため息の出るものと形容している。他にも彼の作品の関しては批判的な人が多い。それもこういう文章によるものだろう。飯を食うため、金のために生きているという表現からまさに彼は人間とは言い難いことを言ってのけている。積極的に世間のアンチテーゼになろうとしている。
「そこで考え出したのが道化でした」
以後彼はこれにより自分の本質を隠そうとしている。人間に対する最後の求愛と表現されている。七男坊として生まれた彼は幼いころから愛情をまともに受けなかったらしい。だから最後の求愛などという形容をしているのだろう。
「おもてでは、絶えず笑顔をつくりながらも、内心は必死の、それこそ千番に一番の兼ね合いとでもいうべき危機一髪の、油汗流してのサーヴィスでした。」
彼はそれにより少しでも人間というものに関して理解しようとしていたのだ。人間の仮面を着ることにより人間と少しでも交流を持とうとしていたのだと思う。奇妙な顔という自覚はあったらしい。なのにそれをやめられないのは幼いからでる故青年のころにはそれはすっかり克服できていた。
肉親に口答えするとの葉や人間と一緒に住めないというところから家父長的な考えがうかがえる。それにより反抗することもできなくなった。よって批判されることは彼にとって狂うほどの恐怖を与えた。かれはそこに動物の本性を見たと記述してある。普段は普通の、本性が読めない人間が急に野性的性質を見せる、まるで二重人格のようなことがわからない。かれはそれを、野性的性質を人間の本性と受け取った。だから道化のような馬鹿らしいことでもだましておけると考えたのではないか。所詮は動物なのだから。それと実利的なものに失望を感じたのは似たもののように感じる。わからないものが案外簡単、しかし逆にわかりづらくなったことに太宰は人間の矛盾、不条理を感じたのだ。次第に完成という表現から自分では成功と思っているのだろう。なんでもいいから笑わせておけばいいというのも太宰が彼らを動物としか見ていなかったことに拍車をかける。下男や下女という彼よりももっとランクが下の人々にも道化を演じたことより彼が如何に人間を恐ろしいものとみていたかがうかがえる。
次の例は道化で家族を笑わせたことが描かれてあるが「自分もそこまで変人ではない」と書いてあり、完全に自分を捨てたわけではなくプライドが残っているのだと思う。それがこぶしを固く握りしめたという表現に結びついてくるのだろう。
実におびただしい土産を持ってくる父は押しつけがましいように描かれている。そこに人間のエゴイズムが描かれてあり同時に主人公が最も解せないパートでもあったのだろう。子供とめったにしゃべらないというのにしゃべるというのが単細胞的な主人公に不可解なのだろう。
「何が欲しいと聞かれると、とたんに、何も欲しくなくなるのでした。どうでもいい、どうせ自分を楽しくさせてくれるものなんか無いんだという思いが、ちらと動く」
彼の悲観的な心情が書かれている。人間に関する絶望とでも形容すればよいのか、彼の葛藤はすさまじいものがある。

23 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:00
「自分には、二者選一の力さえ無かったのです。」
道化の道を選んだ以上それは免れようのないことでもあるが道化と同時に彼の人間に対する潜在的な恐怖もこれに拍車をかける。彼は自己逃避のために道化を選んだのだが、かえって悪化しているように思われる。左の父親の発言には誘導尋問(?)のような部分が見受けられる。その後の主人公の復讐が恐ろしいと書いているが完全にこれは被害妄想だと思う。自分だけが罪の意識にさいなまれている。人の心情に対して繊細だったという形容もできるが深読みし過ぎだという風にも考えられる。たぶん自分の予想できる範疇に人の行動がないとそれ自体に恐怖感を感じるのであろう。
また自分はちっともその獅子舞がほしくないのに父の買ってやりたいという意思を慮っている様子がうかがえる。このことから彼自身は自分の意志が全く反映されていないにもかかわらず人に対して前衛的になっている様子がわかる。深夜わざわざそれを行うほど彼は人に対して恐れを抱いていたのである。その後もわざとらしい彼の家族に対する必死のサーヴィスが描かれている。陰部という自分の大切な部分をもネタにするほどである。
学校というところで尊敬されてそれは本能的なものではなく意識的なものである。そうして自分で巻き起こしたものにはなはだしくおびえる。
ここで注目したいのがすでに女中や下男から哀しいことを教えられ犯されていたという記述である。人間の行いうる犯罪の中で最も醜悪で下等で残酷な犯罪だと自分は今では思っていると書いてある。またそれを人間の特質であると書いてある。今までの文章の中で太宰は人間というものに関して俯瞰的に語っている、まるで自分がそれに所属しないかのように。今ではという記述はその時点では人間というものに関して理解できなかったのでその時にはそう思っていなかったとも解釈できる。父親の前ではいい子ぶりいないところではおおっぴらに悪口を言う。太宰はその生まれた環境が故に幼いころから人間の裏表を見せられてきたのだ。「人を欺く人」と同じ「人」になりたいがため太宰も「道化」を演じて「人」を「欺いた。」人間が自分を本当に信頼してくれなかったから太宰も人を信用することができずに下男や女中から犯されたことを父母にも言えなかったのであろう。
ここで第一の手記の解説は終わりである。この文章で考えるのが父の表現は多いのに母親の表現がほとんどないということである。これは幼少期に乳母に育てられ母親と接する機会が少なかった太宰の体験がもとになっていると考えられる。


24 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:01
B第二の手記
彼が通った中学校に主人公は彼の家と遠い親戚の家から通ったとある。これも人を信用できない彼の気質に拍車をかけたのだと思われる。またこの場所も彼の父が選んだとある。太宰の家族が彼を排斥しようとしていたとまでは言わないが、厄介者扱いしていたのは堅実であろう。
「自分の人間恐怖は、それは以前にまさるとも劣らぬくらい烈しく胸の底で蠕動《ぜんどう》していましたが、しかし、演技は実にのびのびとして来て、教室にあっては、いつもクラスの者たちを笑わせ、教師も、このクラスは大庭さえいないと、とてもいいクラスなんだが、と言葉では嘆じながら、手で口を覆って笑っていました。自分は、あの雷の如き蛮声を張り上げる配属将校をさえ、実に容易に噴き出させる事が出来たのです。」
相当な自分に関する自信とでも形容しようか、そういったものが如実に出ている。人間を恐れているものの態度とは到底思えない。
「クラスで最も貧弱な肉体をして、顔も青ぶくれで、そうしてたしかに父兄のお古と思われる袖が聖徳太子の袖みたいに長すぎる上衣《うわぎ》を着て、学課は少しも出来ず、教練や体操はいつも見学という白痴に似た生徒でした。自分もさすがに、その生徒にさえ警戒する必要は認めていなかったのでした。
 その日、体操の時間に、その生徒(姓はいま記憶していませんが、名は竹一といったかと覚えています)その竹一は、れいに依って見学、自分たちは鉄棒の練習をさせられていました。自分は、わざと出来るだけ厳粛な顔をして、鉄棒めがけて、えいっと叫んで飛び、そのまま幅飛びのように前方へ飛んでしまって、砂地にドスンと尻餅をつきました。すべて、計画的な失敗でした。果して皆の大笑いになり、自分も苦笑しながら起き上ってズボンの砂を払っていると、いつそこへ来ていたのか、竹一が自分の背中をつつき、低い声でこう囁《ささや》きました。
「ワザ。ワザ」
 自分は震撼《しんかん》しました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地がして、わあっ! と叫んで発狂しそうな気配を必死の力で抑えました。」
太宰にとってこのとき恐ろしかったのは
@自分の道化を見破られたこと
A竹一という警戒すべき対象ではない生徒ごときに見破られてしまったこと
だと思う。文章を見る限り後者の方が傾向が強い。


25 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:01
葉蔵は日陰者として生きていくことを望み美徳のように感じていたと思われる。お化けの絵を主人公は自画像と形容している。道化を続けることで他人とは異なる自分の存在を認識しそれと同時に「他人を欺いている」事実にくるしむ。つまり道化とは主人公の存在を証明するものである。自分はお化けである、だから道化を演じ続けなければ彼がこの世の中に存在することができず彼そのものが道化なのである。主人公は自分の中に存在するお化けに気付いたとき絵を描くことで自分の素顔を再認識したかったのである。
また竹一の「お前は女に惚れられるよ」という発言は後年になっても変わらないと書かれてある。つまり、主人公は時系列の流れに関係なく主人公なのであり、「はしがき」に合った変化も微細なものでありいささか違うように見えるが奇妙という根本は全く変わっていないのである。
堀木という人物は太宰に少なからずとも影響を及ぼした。彼は
この世の人間の営みから完全に遊離してしまって戸惑いしている点が同じであるが
道化を意識せずに行いしかもその道化の悲惨さに全く気付いていないという点が違うのである。
彼に対して主人公が抱いた軽蔑は同時に自分に対する軽蔑でもあったのだろう。このころの彼は堀木に対し仲間意識を持っていた。
また彼から教わった淫売婦なるものが人間でも女性でもない存在であり存在自体が道化である主人公の心のよりどころになった。
非合法、日陰者という形容を自分に用いていてそれは生まれつき自分に備わっていると解釈している。また女と情死事件を起こしたりしていて積極的に世間のアンチテーゼになろうとしているようである。『人間失格』には多くの女性が登場する。その女性の多くは主人公に好意を寄せていて手記中にも女性について書かれているところが多々ある。然し主人公にとって「惚れられる」というのは不名誉なことであった。なぜなら「惚れられる」ということは自分の道化を許されることであるからだ。他人を欺きながらも平気で生きていられる人間に疑問を持っていた主人公にとって他人を欺く道化を受け入れられるのは不本意であった。
堀木が女に対して積極的であるのに対し主人公は女に対して受動的である。ここに自分というものを理解しているかどうかの差異が生まれてきているように感じる。堀木にとって
女、しいては人間は一義的なものでしかなくそれゆえ人を欺きながら「清く朗らかに」生きて行けたのである。


26 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:02
貧乏くさくみじめなツネ子は限りなく主人公と同類であり金の切れ目が縁の切れ目という言葉に代表されるように入水自殺によって死んだ彼女は主人公にとっての世間とつながる切れ目となってしまったのである。世間とのつながりを失った彼は家族から感動されることになる。彼の『人間失格』までの道のりにより一層拍車をかけた。
ここで彼が自殺幇助罪で保護室で警官の監視下に置かれているとき、警官から猥談の目的で彼の女とのつながりを聞かれた。答えなくてもいい質問なのだが彼は「秋の夜長に興を添えるため」それを語った。その時点で女に対する未練は全くないものだとうかがえる。この後横浜まで護送されるのであるが罪人としている方が気楽であるという記述がある。世間と真反対でいることが彼にとっての生きがいであり道化を演じるゆえんでもある。
@竹一に道化を見破られた
A検事に血痰のことがばれた
二人が登場するのは主人公が油断しているときや自分の有益のために道化を演じるときである。二人に道化を見破られるたびに主人公は地獄を見る思いをして不安や恐怖を感じることになる。欺いていることに後ろめたさを感じ罪とは何かと苦悩する存在が主人公だとすれば二人は彼にその存在証明を思い出させる役割を果たしていたといえよう。


27 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:02
C第三の手記
主人公はヒラメというあだ名の父の同郷人でまた父の太鼓持ちの部屋の二階に住んだ。本来主人公よりもランクが下の人間に世話になっていてこれ自体がもう堕落しているといえる。気持ちのしっかりしていない男で将来の方針も何も主人公にはまるで見当がつかずでいるのにヒラメから援助されるのがいたたまらないと記述してある。ここにもまだ貴族生まれの傲慢があるのであろう。誰とも付き合いがない。何処へも訪ねてゆけない。という道化として存在しているからこそ、世間のアンチテーゼとして存在しているからこそこのような現象が起こるのだろう。ここの場面あたりから主人公は自分と堀木の違いが如実に表れてくる。彼の父親が絶対的な世間であれば堀木は個人個人で変化する可変的な世間と形容できる。
また堀木でさえ、かれと同じだと思っていた堀木でさえ彼を厄介者扱いしている記述が多々見られる。堀木は主人公のことを軽蔑していたのである。
主人公の脳裏に浮かびあがってきたのは中学時代の竹一の絵であると書いてある。このような狂った人生、その原因を作ったのはまさにあの時ではなかったのか。お化けの絵はその時の作者を象徴していた。それを傑作と形容するほどなのだから現在の作者はあの時の状態よりもひどいことが推測される。


28 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:03
新しく交際している女性の子供の言葉を引用する。
「お父ちゃん。お祈りをすると、神様が、何でも下さるって、ほんとう?」
 自分こそ、そのお祈りをしたいと思いました。
 ああ、われに冷き意志を与え給え。われに、「人間」の本質を知らしめ給え。人が人を押しのけても、罪ならずや。われに、怒りのマスクを与え給え。
「うん、そう。シゲちゃんには何でも下さるだろうけれども、お父ちゃんには、駄目かも知れない」
 自分は神にさえ、おびえていました。神の愛は信ぜられず、神の罰だけを信じているのでした。信仰。それは、ただ神の笞《むち》を受けるために、うなだれて審判の台に向う事のような気がしているのでした。地獄は信ぜられても、天国の存在は、どうしても信ぜられなかったのです。
「どうして、ダメなの?」
「親の言いつけに、そむいたから」
「そう? お父ちゃんはとてもいいひとだって、みんな言うけどな」
 それは、だましているからだ、このアパートの人たち皆に、自分が好意を示されているのは、自分も知っている、しかし、自分は、どれほど皆を恐怖しているか、恐怖すればするほど好かれ、そうして、こちらは好かれると好かれるほど恐怖し、皆から離れて行かねばならぬ、この不幸な病癖を、シゲ子に説明して聞かせるのは、至難の事でした。
「シゲちゃんは、いったい、神様に何をおねだりしたいの?」
 自分は、何気無さそうに話頭を転じました。
「シゲ子はね、シゲ子の本当のお父ちゃんがほしいの」
 ぎょっとして、くらくら目まいしました。敵。自分がシゲ子の敵なのか、シゲ子が自分の敵なのか、とにかく、ここにも自分をおびやかすおそろしい大人がいたのだ、他人、不可解な他人、秘密だらけの他人、シゲ子の顔が、にわかにそのように見えて来ました。
 シゲ子だけは、と思っていたのに、やはり、この者も、あの「不意に虻《あぶ》を叩き殺す牛のしっぽ」を持っていたのでした。自分は、それ以来、シゲ子にさえおどおどしなければならなくなりました。」
道化が通じる、そして彼のことを父親だとあがめていたと思っていたシゲ子にも太宰は裏切られたのだ。
この後、堀木は「これ以上は(女道楽を)世間が許さないからな」という。堀木にとっての世間は彼が一義的であるゆえに、彼が無意識のうちに道化を行っているがゆえにそれは太宰の思う世間ではなく、堀木自身なのである。ゆえに堀木に
「汝は、汝個人の恐ろしさ、怪奇、悪辣、古狸性、妖婆性を知れ!」
と心の中で思っているのである。しかし堀木自身はそれに気づいていない。だから軽蔑しているのである。主人公は堀木を通して世間というものの実態をつかもうとしているのであろう。


29 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:04
一応こんな感じ

30 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:04
なんかあったらご連絡を

31 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:04
合宿終わった?

32 名前:堀木 投稿日:2013/07/22(Mon) 21:05
え?

33 名前:堀木 投稿日:2013/07/23(Tue) 00:00
やっと終わった!

34 名前:堀木 投稿日:2013/07/23(Tue) 17:18
後ろに行ってしまった
一応卒業研究の割り振りの確認

0,作品背景と研究の方法
 @)作品背景
 A)あらすじと作品の評価
 B)問題設定と研究の方法

1,『人間失格』から読み取る
 @)はしがき
 A)第一の手記
 B)第二の手記
 C)第三の手記
 D)あとがき
 E)参考資料:太宰の一生(表)

2,登場人物
 @)葉蔵…@性格 A生涯
 A)ひらめ…
(以下同様)あげられるだけ人物

3,考察
 @)文学史的見地
 A)太宰治

4,研究の反省、今後の展望



35 名前:パラワン ◆.BENJO.. 投稿日:2013/07/24(Wed) 00:31
     ∧_∧      ∧_∧
     _( ´∀`)    (´∀` )
  三(⌒),    ノ⊃    ( >>1 )   糞スレは・・
     ̄/ /)  )      | |  |
    . 〈_)\_)      (__(___)

         ∧_∧  .∧_∧
         (  ´∀) (´∀` )
       ≡≡三 三ニ⌒) >>1 .)    立てんなって
        /  /)  )  ̄.| |  |
        〈__)__)  (__(___)

           ∧_∧  ,__ ∧_∧
          (    ´)ノ ):;:;)∀`)
          /    ̄,ノ'' >>1  )   言ったろうが
         C   /~ / /   /
         /   / 〉 (__(__./
         \__)\)
                      ヽ l //
            ∧_∧(⌒) ―― ★ ―――
            (    ) /|l  // | ヽ   ヴォケがーー!
           (/     ノl|ll / / |  ヽ
            (O  ノ 彡''   /  .|
            /  ./ 〉
            \__)_)


36 名前:堀木 投稿日:2013/07/24(Wed) 00:31
100まではまだ遠いね

37 名前:堀木 投稿日:2013/07/24(Wed) 22:31
一応バドミントン部が来たら卒業研究の僕の分担分の全文を載せます。
一応テニス部には送りました。メールを確認してください。
いちいちメールするのも面倒なのでここでほかの部分の話し合いを行いと思います。




38 名前:堀木 投稿日:2013/07/24(Wed) 22:54
集まる期日などはまた後日話し合いましょう
一応僕は平日OK(お盆など特別な日を除く)

39 名前:パラワン ◆.BENJO.. 投稿日:2013/07/25(Thu) 18:20
     ∧_∧      ∧_∧
     _( ´∀`)    (´∀` )
  三(⌒),    ノ⊃    ( >>1 )   糞スレは・・
     ̄/ /)  )      | |  |
    . 〈_)\_)      (__(___)

         ∧_∧  .∧_∧
         (  ´∀) (´∀` )
       ≡≡三 三ニ⌒) >>1 .)    立てんなって
        /  /)  )  ̄.| |  |
        〈__)__)  (__(___)

           ∧_∧  ,__ ∧_∧
          (    ´)ノ ):;:;)∀`)
          /    ̄,ノ'' >>1  )   言ったろうが
         C   /~ / /   /
         /   / 〉 (__(__./
         \__)\)
                      ヽ l //
            ∧_∧(⌒) ―― ★ ―――
            (    ) /|l  // | ヽ   ヴォケがーー!
           (/     ノl|ll / / |  ヽ
            (O  ノ 彡''   /  .|
            /  ./ 〉
            \__)_)


40 名前:堀木 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:14
>>39
荒らすな

41 名前:パラワン ◆.BENJO.. 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:20

    /\___/ヽ  ?       
   / --=  、_:::::\nn     
  .| (●),ン <(●) 、.:|..| |^n   
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .:::::|.|..| |.|   
  .|   _,ィェエヲ`  .::::::|! : :|   
   \  `ー'´  .::::_人  :イ  
   /`ー‐--‐‐―´\|  │


42 名前:夏目漱石 ◆aRBXKNII 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:23
   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、
  /   ⌒   ⌒  ヽ   ./
  |      l _ l    |  .|
  |   ::::::::)(_)(::::::: | < 荒らしたらだめだよ
  |     ___   |  .|
  \    \_/   ノ   \
    \____/


43 名前:堀木 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:24
>>41
??????????????????????????

44 名前:夏目漱石 ◆aRBXKNII 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:26
>>41
パラワン作業終わったの?
そもそも普請中はみつかった?

45 名前:堀木 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:32
ってかうちの班員はまだ来ないの??

46 名前:夏目漱石 ◆aRBXKNII 投稿日:2013/07/25(Thu) 21:33
>>45
デブも来ないから大丈夫。

47 名前:パラワン ◆.BENJO.. 投稿日:2013/07/25(Thu) 23:41

       ,、、、----‐‐‐‐‐--、,
     /           :ヽ
    /              :\
   ./            ,,,,;;::''''' ヽ
  /    ,,,,;;:::::::::::::::       __   ヽ
  |   .  __       '<'●,   |
  |.   '"-ゞ,●> .::            |
  |           ::: :⌒ 、      |
  ヽ.      ;ゝ( ,-、 ,:‐、)      |  ごめんもっかい言って
   l..            |  |      |
   |        __,-'ニ|  |ヽ_     |
    ヽ:        ヾニ|  |ン"    /__
    .ヽ:        |  l, へ      ::::ヽ,
     l.:`.         / /  , \  /ヽ  ::\
     `、:::::       |    ̄ ̄\/ ノ    :::ヽ
      |::::::      |      ー‐/ /      ::::\




48 名前:堀木 投稿日:2013/07/30(Tue) 13:04
一応卒業研究の割り振りの確認

0,作品背景と研究の方法
 @)作品背景
 A)あらすじと作品の評価
 B)問題設定と研究の方法

1,『人間失格』から読み取る
 @)はしがき
 A)第一の手記
 B)第二の手記
 C)第三の手記
 D)あとがき
 E)参考資料:太宰の一生(表)

2,登場人物
 @)葉蔵…@性格 A生涯
 A)ひらめ…
(以下同様)あげられるだけ人物

3,考察
 @)文学史的見地
 A)太宰治

4,研究の反省、今後の展望

49 名前:太宰治君 ◆NQQGWHs6 投稿日:2013/07/30(Tue) 13:06
バドミントン部、事前資料の要約(文章)と分からない単語もお願いします。

50 名前:UNKO ◆.UNKO/.. 投稿日:2013/08/01(Thu) 23:34
太宰治君、君の貼るAAっていつも思うけどセンスないね^^

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