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UC.ガンダム全般(総合質雑)

1 名前:アムロ・レイ ◆S1o.kilU 投稿日:2006/02/20(Mon) 10:34
僕がここのスレ主、アムロ・レイだ。ここでは宇宙世紀でのキャラクターのみの入室しか受け付けていない。SEEDキャラやアナザーは立ち入り禁止だ。よし、ルールを説明しておこう。
・キャラは名無しとUCガンダムキャラのみ
・キャラハンはトリップ必須
・荒しは無視、キャラ被りは禁止

...と、まぁこんな所か。さて僕はνガンダムの整備があるから、楽しくやってくれ。

781 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:35


(41/51)


8両の61式戦車と5機のジム、そして歩兵部隊が密集隊形で進む。


彼らへ向かって、塹壕から小型ミサイルが発射された。
それは塹壕の守備隊による、なけなしの重火器による必死の反撃だった。


だが、ジムは盾を掲げ、手も無くそれを防いでしまう。


「ジオンの死に損ないが!
生意気なんだよ!」


ジムは、バズーカを発射した。
バズーカ弾が、塹壕の前後に着弾し、さらにジオン兵の命を奪う。


「ざまをみろ、ジオンめ!」


ジム隊が走る。
あっという間に彼我の距離が縮まり、ついに彼我の距離が100メートルを切ろう
としていた時だった。


走っていたジムの足が吹き飛んだ。


凄まじい爆発音が辺りの空気を震わせた。


その爆風は隣のジムをも吹き飛ばす。
そう、数十トンもの鋼鉄の塊が、文字通り吹き飛んだのだ。


膨大な風圧を持った爆風は、さらに連邦軍歩兵を薙ぎ倒し、塹壕のジオン兵を
も襲う。

彼は危うく頭を引っ込める。
もし、頭を下げるのが一瞬遅れていれば、彼の首と胴は永遠の別れを告げて
いたかもしれない。


「ど、どこだ、一体どこから!」


「いや、それよりもこの威力は何だ!」


連邦軍は密集隊形の危険性に気づき、慌てて互いの距離を取る。

その中心には、先ほどの爆発による巨大な破腔が穿たれていた。

その大きさから察するに、戦車砲弾などではありえない。
まるで戦艦の艦砲射撃だ。


散開しようとした連邦軍の中で、転倒したジムは起き上がるのが遅れた。
そこへ二発目の砲弾が飛来し、彼を木っ端微塵にし、周囲の戦車をも砕く。


連邦軍は、たった二発の砲弾で甚大な被害を受けた。

連邦軍部隊は、狼狽しながらも砲撃が来た方角から相手の位置を算出し、
自分達を攻撃したのが何者なのか、ようやく気付いた。


「なんだ、あいつは!」


「戦車・・・なのか?
だが、馬鹿に大きいぞ!」


彼らの視線の先、第4地下停車場を見下ろす高地に、それは姿を現した。


「どうやら、間に合ったみたいだな」


ヴィットマンは安堵の呟きを漏らす。

塹壕を守る守備隊は、なんとか全滅を免れたようだ。
守備隊の、マルコヴィッチのザクを出せとの要求を突っぱねた手前、彼らを
救わぬわけにはいかなかった。


しかし、なんという威力だろうか。
彼は、自らの操る兵器の威力に、戦慄にも似た高揚を覚えていた。




782 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:37


(42/51)


ヴィットマンの操るそれは、『YMT−05 ヒルドルブ』
ジオン軍の試作モビルタンクだった。


全長は35.3メートル。
同12.5メートルのマゼラアタックの3倍に迫る。


だが、見る者が圧倒されるのは、その巨大な主砲だろう。
その口径は30サンチ。
砲弾の重量は400kgにも達する。


この巨砲に比べれば、連邦の61式の主砲など豆鉄砲のようなものだ。
61式の15サンチ砲の砲弾重量は50kgに過ぎない。


この差は、そのまま破壊力の差にも通じる。
つまり、ヒルドルブの主砲は、61式の8倍の威力を持つということだ。


仮に61式の主砲弾が、ある条件下で15センチの標準的な鋼板を貫通する
能力を持つのだとすれば、ヒルドルブの主砲は、同条件で120センチの鋼板
をぶち抜く事ができる計算になる。


この主砲に狙われては、巨大戦艦とてただでは済まない。


「ふん。
まあ、初めてにしては上出来か」


ヴィットマンは、あえて口ではそう言った。
そうしなければ、体内から溢れ出る興奮を抑えれらそうもなかったからだ。


彼は思い切りアクセルを踏みこみ、猛然と斜面を駆け下りた。

ヒルドルブは桁外れのパワーで加速する。

その巨体に似合わず、カタログスペックの最高速度は110キロを誇るだけに、
セヴァストーポリの悪路にあってもかなりのスピードが出せる。


ヒルドルブは真直ぐ連邦軍へは向かわず、第4地下停車場とは反対の方向へと
走った。


誰の目にも連邦軍を誘っているのは明らかだ。


「野郎、舐めやがって!」


だからこそ、連邦軍はこの誘いに乗った。
ジム部隊は隊列を離れ、ジオンの怪物戦車を追う。


ヒルドルブはしばらく走行を続けると、車体の向きを180度変えた。
しかし、前進するのではなく、後進を続け、あくまでジム部隊との距離を保つ。


ジム部隊は100ミリマシンガンの銃撃を浴びせる。
それらはヒルドルブに着弾するが、その分厚い装甲に全て弾き返されてしまった。


「さすがはヒルドルブだ。
機銃弾くらいじゃビクともしないぜ」

ヴィットマンは、新しい相棒の頼もしさが嬉しかった。
そしてここまで、自分の狙いが奏効している事にほくそ笑む。

彼が警戒していたのはジムのビーム砲だった。


100ミリマシンガン程度の直撃ならば、よほどの近距離でない限り、ヒルドルブ
の装甲を貫通することは不可能だ。


しかし、ビーム砲はそうはいかない。
その超高熱のエネルギーの塊は、いかにヒルドルブの装甲が分厚くとも防げない
だろう。


だが、圧倒的な物量を誇る連邦軍とて、このビーム砲を全ての実戦部隊に配備
できた訳ではなかった。


主力を担うレビルの第一軍集団はともかく、マザーウェルの第三軍集団のジム
部隊には、ビーム砲が十分に行き届いていなかったのだ。


現に、ヴィットマンが交戦した5機のジムのうち、ビームスプレーガンを装備
しているのは一機に過ぎなかった。


それ以外に、ヒルドルブを撃破する可能性を秘めたジムは、バズーカ装備の
一機でしかない。


そして、ビームとバズーカを装備したその二機を、ヴィットマンは真っ先に撃破
していたのだ。


「ようやく、上層部の石頭どもを見返せそうだな」


彼は今まで、他の多くの戦車兵がそうだったように、機会さえあれば戦車で
敵を薙ぎ倒し、自分たちを役立たずと断じた軍上層部を見返してやりたいと
渇望し続けていた。

そして彼は、ほとんどその一心で、軍にしがみついているような男だったのだ。


モビルスーツの登場以来、時代に取り残され、日陰に追いやられていた戦車
兵達が、モビルスーツを圧倒する戦車の登場を待望するのは当然だ。

そしてついに、彼はそれを手に入れたのだ。




783 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:38


(43/51)


「見ていろ。
本当の戦争ってやつを教えてやる」

彼は照準機を覗き込み、トリガーを絞った。


ヒルドルブの巨砲が咆哮した。


砲弾は、ジムに向かって飛ぶ。
ジムは回避しよとしたが、その前に砲弾が空中で炸裂した。

その砲弾は対空散弾だった。


「な、なんだこれは!」


ジムはその場に立ち尽くす。
そしてヴィットマンが狙っていたのは、まさにその瞬間だ。


立て続けに二弾目が発射される。
今度は徹甲弾だ。

動きを止めたジムは、巨大な徹甲弾の直撃をまともに受け、ばらばらに吹き飛ば
された。


「こいつら、素人だな」

ヴィットマンは確信する。
ジム部隊は彼を真っ直ぐに追いかけてくる。


多少でもコースを欺瞞しようだとか、二手に分かれて迂回しようだとか、そういう
発想に至らないらしい。


ヴィットマンほどの熟練の戦車兵ともなれば、直線的に追いかけてくる敵の予測
位置を割り出すなど、朝飯前だ。


さらに一機のジムを、まったく同じ手口で撃破する。
残るはあと一機。

だが、もう同じ手は使えまい。
ヴィットマンはここでギアを入れ替え、前進に転じた。


ヒルドルブは猛然と最後のジムに突進する。
このまま接近しても、ヒルドルブの大砲が接近戦に向かない事は承知の上だ。


「う、うわあ!
化け物め、来るな、来るな!」


ジムはマシンガンを連射する。
ジムのパイロットは、蒼白になりながらも不思議な感覚に陥っていた。


怪物は、彼が叩き込んだ銃弾を弾きながら近づいてくる。
近づいてくる以上、その姿が次第に大きく見えるのは当然だ。

だが、距離的な視覚効果以上に、その怪物が大きくなっているように感じる。


いや、大きくなっているのは砲塔部だけだ。
砲塔部だけが上に伸び、伸びた”胴体”には”両腕”が生えた。

その両腕に、ザクマシンガンを握ったそれは、もはや砲塔ではない。
戦車の車体に乗った、モビルスーツの上半身そのものだ。


上半身のみ、モビルスーツ形態への変形機構を有する戦車――
それがモビルタンク、ヒルドルブの正体だった。


「これで終わりだ!」


ヴィットマンは、パイロットの心情を反映してか、呆然と立ち尽くす最後のジムに
銃口を突きつけ、撃砕した。


連邦軍のモビルスーツ隊は全滅した。
こうなれば、戦いは一方的だ。


モビルスーツを全て失った連邦軍は、算を乱して逃げ出す。
それにヒルドルブの巨砲が追い討ちをかける。


連邦軍は、おびただしい数の死体と機材を遺棄して敗退した。


「勝った、な。
ようやく。
モビルスーツに」


硝煙の立ち込める戦場を見渡し、彼は息を吐き出した。


ここまでの道のりは長かった。
彼はついに戦車兵の誇りを取り戻したのだ。

だが今、彼の心にあるのは、爆発する歓喜でも沸き立つような喜びでもない。
彼は快哉を叫ぶでもなく、ただ心に拡がる充足感に身を委ねていた。



そのとき、敗退した友軍から離れ、じっと戦況を伺っていた者がいた。

頭に巨大な狙撃用のゴーグルカメラを装備したそれは、『RGM−79SC
ジムスナイパー』だった。

その狙撃型ビームライフルの銃口の先に、ヴィットマンのヒルドルブがあった。




784 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:40


(44/51)


ヴィットマンは、若い戦友の事を思い出していた。
マルコの馬鹿は、無事HLVに乗れただろうか。


ヴィットマンが、ザクの出撃を望む守備隊を説き伏せ、ヒルドルブでの出撃を
決めたとき、マルコヴィッチも一緒に出たがった。


が、このヒルドルブはマゼラアタックと異なり、一人乗りだ。

これは大人のピクニックだ、お前みたいな餓鬼は連れて行けない。
そう言って、マルコヴィッチを無理やり列車に乗せたのだ。


あの時のマルコの顔といったらなかった。

まるで、菓子を買ってくれとせがんだ挙句、呆れた親に置き去りにされて
焦って泣く子供のようだった。


ああいう餓鬼が一人前になるには、もっと人生経験を積まなければどうにも
なるまい。

だから、あいつには生きてもらわないとな。

それが、俺達大人の社会に対する義務と言うものだ。


もっともらしいことを、もっともらしい表情を作って考えてみる。
しかし、どうも自分には似合わないな、そう思って一人苦笑する彼だった。


その時、腹の底から響くような振動が伝わってきた。


ヴィットマンは空を見上げた。

彼の視線の先で、HLVが飛翔していく。

それは、高く、どこまでも高く昇っていく。


彼は満足していた。
軍人として、こんな満足感を味わったのは初めてだった。


それは戦車が陸戦の王者である事を証明できたからではない。
もっと別のものだ。

それが何なのか、彼自身にも良くは分からない。


ただ、彼が思い出していたのは、自分の入隊の経緯だ。

彼は、小さい頃から軍人に憧れていた。
格好良い戦車や宇宙戦艦にのって、敵を倒し、味方を守る。


女手一つで育ててくれた母親は病弱だったし、年の離れた妹は幼かった。
だから、自分も大人になったらああなるのだと決めていた。


今は、その妹も大人になり、母娘で小さな喫茶店を切り盛りしている。
出来の悪い兄とは違い、立派なものだ。


彼女らは元気にしているだろうか。

以前に連絡を取ったときは、戦時経済による生活物資の不足で、なかなか
食材が手に入らないと嘆いていたが。


それと、変な男に引っかかっていないかも心配だ。

少なくとも、軍人とは結婚しないほうがいいだろう。
今度故郷に帰ったら、それだけは言っておかないとな。



さあ、俺も帰るか。
列車はまだ残っているだろうか。


いや、別に残っていなくても構わない。
俺には、このヒルドルブがある。

こいつがあれば、俺はどこにだって行ける。
何と言っても俺は、戦車兵なんだからな。


彼は、ギアを入れ、アクセルに足を乗せようとしていた。



その彼に向かって、ビームが放たれた。



光が、彼のコクピットを包んだ。




785 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:41


(45/51)


【同日 11::00
地球軌道上】


漆黒の宇宙を青い地球に向かって疾走する艦隊がある。
ムサイ級軽巡洋艦『カウリバルス』を旗艦とする小艦隊だ。


その格納庫内、出撃準備中のリックドムのコクピットで、ガトーは目を閉じていた。

彼の耳に、ブリッジと一足早く地球軌道上に達した試験支援艦とのやりとりが、
スピーカーを通して届いてくる。


報告者は、エーリッヒ・クリューガーという大尉だった。
彼の話から、ガトーは一つの推論が確定した事を思い知らされた。


オデッサが陥ちた。

信じたくない情報だったが、クリューガーの話からそれが事実であることを認めざる
を得ない。


また、先刻、『カウリバルス』の艦長、リンデマン少佐から、そもそも宇宙のジオン軍
に対し、軌道上への集結を要請したのが、当のオデッサのマ・クベ司令だということも
聞かされていた。


それにしても思いやられるのは、退却軍の事だ。
一体、どれだけの兵が宇宙へ脱出できるというのだろうか。


「前方に反応!
友軍の脱出船のようです!」


目を見開く。


モニターに目を凝らすと、地球軌道上を模した映像に赤い光点が表示された。

光点は一つ、二つと浮かび上がり、そして急激に数を増やし、ついには彼の
モニターを埋め尽くした。


「これが・・・全てそうだというのか!」

数百の光点によって埋め尽くされたモニターを見て、ガトーは愕然とする。

一基のHLVで、最大数百人の兵士を運搬できることを考えれば、数万人の
同胞がそこにはいることになる。


無力な彼らは難破船のように漂い、ひたすら救いの手を待っていた。



「ブリッジ、すぐに出る!
発進の許可を!」


彼は叫んだ。




マルコヴィッチは目の前の光景に魅入っていた。


彼の前には、黒と青だけしかない。
漆黒の宇宙を背景に、視界の半分以上を青い地球が占めている。


圧倒的な光景だ。
しかし、それはある事実を示唆している。

つまり、彼はオデッサを脱したものの、完全に地球の重力圏から離脱したとは
言い難い。

地球周回軌道の、それもごく低軌道に留まっているのだった。


理由は明らかだ。

彼の乗るHLVには積載量一杯まで人員や機材を積み込んでいた。

それらを制限すれば、サイド3まで到達する能力を有するHLVも、ここまで物資
を積み込めば、地球周回軌道を脱することは出来ないのだ。


そしてそれは彼の乗るHLVだけではなかった。
脱出したすべてのHLVがそうだった。

結果、この狭い空間に大量のHLVが漂うことになってしまったのだ。


マルコヴィッチのHLVに、非常事態を告げる通信が入ってくる。
それは悲鳴にも似た叫び声だった。


「こちらホートル090、コントロール不能!
機体の制御ができない!」


制御不能となった地球往還機が、HLVの海を砲弾のような勢いで突っ切って
ゆく。

だが、密集したHLVの中を、制御不能のまま走りぬけることなど不可能だ。
ついに一基のHLVと衝突し、爆発した。


すでにHLVの密度は安全と言えるようなレベルをはるかに超えている。


一つの激突が新たな衝突を生み、将棋倒しのようになって被害を拡大させて
しまうのだ。


ようやくの思いでオデッサの死地を脱し、宇宙に上がりながら、このような事故の
為に死んだ不幸な兵は、数千に達した。


だが、彼らにとっての不幸はそれで終わらない。
さらなる災厄が、彼らに降りかかりつつあった。


このHLVのもとに集まったのは、ジオン軍だけではなかった。

追撃戦の戦果を拡大すべく、ルナツーの連邦軍艦隊も、この宙域を目指していた
のだ。




786 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:42


(46/51)


そして、この宙域へ戦闘部隊を到着させたのは連邦軍の方が早かった。


サラミスからモビルポッド、『RB−79 ボール』が発進する。
ボールは加速し、HLVの群れに飛び込むと、手当たり次第に砲撃し始めた。


ボールの180ミリキャノン砲は、卵を砕くようにしてHLVを破壊していく。


彼らは殺戮をほしいままにした。
爆光が一つ発生するたびに、数百のジオン兵が虚しく宙空に散華した。


一方、ジオン軍も必死だ。

ボールの蹂躙を阻止すべく、一基のHLVのハッチが開き、二機のザクが姿を
現した。


「くそ、くっそお!」


彼はザクマシンガンをボールに向かって乱射する。
だが、マシンガンの射線は安定しない。


そのザクは地上用に改修されたJ型であり、宇宙での運用には適しておらず、
姿勢を制御し、安定させることすら困難であったからだ。


それに比べれば、ボールの機動力は悪魔的でさえある。
ボールが大きめの回避運動をとると、ザクの対応が追いつかない。

ボールはザクの銃弾を回避しつつ前進し、易々とザクの背後を奪ってみせた。
ボールのキャノン砲を食らって、ザクが吹き飛ぶ。


「馬鹿野郎、こんなところで!」


部下を失ったザクは悲憤の叫びを上げた。
彼は必死にマシンガンを撃つ。


彼らは、オデッサで辛酸を舐めながらも、ようやくここまでたどり着いた。

だが、犠牲になった同胞のことを考えれば、彼らはその幸運を素直に喜ぶ事は
出来なかった。


彼らモビルスーツ隊は、多くの友軍が彼の地で壊滅し、あるいは敵中に取り残
される中、特に優先してHLVに乗せられ、脱出させられていた。


それは何のためか。

オデッサ陥落後も、彼らモビルスーツ隊が、ジオンを支えるべき貴重な戦力で
あることに変わりはないからだ。


そう、彼らは今後の雪辱戦の為に宇宙に上がったのだ。

多くの同胞たちの犠牲のもとに。
彼らから遺志を託されて。


それがこんなところで、それもモビルポッドごときに手も足も出ないままなぶり
殺しにされるのか。
冗談ではない。


だが、地上用のザクは、宇宙では自由に泳ぐことが出来ない。
彼が溺れ、もがきながら放った銃弾は空しく宙を薙ぐ。


ボールの群れは彼を翻弄するようにして群がる。
まるで狩りを楽しむかのように。


ザクは、四方からの砲弾を浴びて撃破された。


ボール部隊は次の獲物を探して機首を巡らせる。
そのキャノン砲の向く先には、マルコヴィッチのHLVがあった。




787 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:44


(47/51)


四機のボールがこちらに向かってくる。


それは死神というにはあまりにも不恰好だったが、この時のジオン兵にとっては
紛れもなく死神そのものだった。


ボールは、マルコヴィッチの乗ったHLVの手前に位置していた獲物を仕留めた。


爆発の光に照らされるカーゴの中で、マルコヴィッチは思う。


自分は、あの地下停車場で何も出来なかった。
代わりに戦ってくれたヴィットマンは、自分だけでなく、多くの味方を救った。


ならば、彼に救われた自分も、味方を救うために戦うべきではないのか?


彼はザクの腕を操作し、補充用として積み込まれていたザクマシンガンと、予備
弾槽を掴み、叫んだ。


「迎撃する!
ハッチを空けてくれ!」


HLVの船長が眉を吊り上げて怒鳴り返した。


「馬鹿を言うな、坊主!
死にに行く気か!」


「どうせ、ここにいたって殺されるだけだ!
だったら外に出て、戦ったほうがいいじゃないか!」


返答に窮する船長の顔を新たな爆光が照らす。

ついに隣のHLVも撃破された。
次に狙われるのはこの船か。

彼は肩を落とし、息を吐き出した。
こうなっては止むを得ない。


「わかった。
だが、無理はするんじゃないぞ、伍長」


彼はマルコヴィッチを階級で呼び、敬礼を送った。
それ以外に彼に出来るのは、祈ることだけだった。



HLVのハッチが開いてゆく。
カーゴの中に、眩しいほどの青い光が差し込んでくる。


マルコヴィッチの足元には、巨大な地球があった。


このままザクの足を踏み出したら、地球に落ちるのではないか?
そんな恐怖に抗いつつ、前へと歩を進める。


ザクは宙へと泳ぎ出した。


「敵はどこだ・・・うわあ!」


彼のザクを180ミリ弾がかすめた。
ボールが迫る。


「この、堕ちろ、堕ちろ!」


マシンガンを撃ち放つが当たらない。

ボールの方を向くべく機体を捻ったが、ザクはそのまま停止せず、余分な回転を
し続けてしまったからだ。


彼はザクをまともに静止させることすら出来ない。
さらに撃ち続けるが、照準がまったく定まらず、一発も当たらない。


ボールは軽快に機動し、ザクに照準を定めた。


「やられる!」


マルコヴィッチは全身が総毛立つのを感じた。

彼は無我夢中で操縦桿を操作する。
どこに動こうなどと考える余裕は無い。


その操縦に応えて、ザクもでたらめな方向に向かって動く。
それが却って功を奏した。


ボールのパイロットは、ザクの動きが読めず、必殺の一撃を外してしまった。

彼は失望の呻きを上げる。
だが、その失望はすぐに驚愕に変わった。


ザクは、まったく予想外の動きをしたあげく、ちょうど突進する彼のボールの
脇をすり抜け、背後に回ってしまった。


マルコヴィッチは、ただトリガーを引くだけでよかった。
この距離では外しっこない。


火球に変わったボールを、彼は呆然と見つめた。
それは彼がはじめて、敵と言う名の人間を直接殺した瞬間だった。


あの敵にも母親や兄弟がいたのだろうか。
ヴィットマンのような先輩や戦友がいたのだろうか。

彼はその敵に殺されかけた事実も忘れて、その光を見続けた。


だが、戦場では、一瞬たりとも気を抜いてはならない。
無論、マルコヴィッチはそれを頭では知っている。

しかし、感覚として身体に染み付いていたわけではなかった。


動きを止めたザクに、復讐に燃えるボールが照準をつける。
マルコヴィッチのコクピットに危険を報せる警報が鳴るが、もう遅い。


ボールが主砲を放つ寸前。
何者かが視界に飛び込み、ボールを弾き飛ばした。


ボールに蹴りを入れたのは黒いモビルスーツだ。

マルコヴィッチは、そのモビルスーツを見たことがなかったが、その黒い機体は、
MS−09、ドムだった。




788 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:46


(48/51)


そのドムは、いきなりマルコヴィッチのザクに組み付いて来た。
そして、強引に彼の手から、マシンガンを奪う。


「な、なにをするんだ!」


ドムはマルコヴィッチの抗議を無視し、手足を巧みに動かし、AMBACのみで
機体の向きを変え、三機のボールに正対した。


マシンガンから放たれた銃弾が、正確に一機のボールを撃ち抜く。

僚機を撃破されたボールは左右に散開しつつ、キャノン砲弾を弾き出す。
ドムは機体を捻ってそれを回避した。


さらに慣性によって機体を回転させながら、銃撃を浴びせる。
爆発するボール。


その動きは、とても地上用のモビルスーツとは思えぬ華麗なものだった。
射撃の正確さともども、パイロットの技倆は神技に近い。


そしてドムのマシンガン弾は、最後のボールをも撃ち抜いた。


間違いない。
このパイロットは、間違いなくエースパイロットだ。

その戦いぶりに舌を巻いたマルコヴィッチを、ドムが振り返る。


「そこのザクのパイロット、生きているか?」


ドムから通信が送られてくる。
その声が高い。


「お、女なのか?」


モニターに映った相手のパイロットを見て、マルコヴィッチは思わず声を上げた。


「子供だと?」

一方、エミリアも相手の意外な幼さに驚く。


彼女は生きていた。

彼女が所属した第9師団が全滅する中、彼女のドムはかろうじて連邦軍の重囲
を脱け出し、HLVの飛行場に辿り着き、宇宙への脱出に成功していたのだ。


それにしても、とエミリアは思わざるをえない。
この若い兵も、あのオデッサの激戦を生き延びたと言うのか?


だが、ありえないことではない。
戦争の長期化で、どの部隊も人材が払底している。

戦死、戦傷、戦病などの欠員分を10代の若年者によって補わねば、到底兵が
足りないのだ。


ならば、あの戦場で戦った若年兵も多くいただろうし、そのうちの何人かが、こう
やって脱出してきても不思議ではない。

だが、ようやくここまで生き延びた若者を、これ以上無駄に死なせてはならない。
明日のジオンの為にも。


「先ほどはすまなかった。
私はエミリア・ライヒ大尉だ」


「あ、俺、いえ、私はエンリケ・マルコヴィッチ伍長であります」


しゃちほこばった返答をする若者に苦笑しつつ、一つ提案をする。


「伍長、すまないついでに、私にこのマシンガンを預けてはくれないか。
君はこいつを持て余していたのだろう?」


「で、ですが」


彼女の言う通りだが、しかし反発も無くはない。
言い澱むマルコヴィッチに、エミリアは優しく微笑む。


「信用しろ。
女でも、君よりは上手くやれるつもりだ」


それはマルコヴィッチを安心させる為の笑いであると同時に、先程、女である
ことに驚いた彼への多少のからかいを込めているようだ。

だが、マルコヴィッチは彼女の笑う姿にさえ、エースパイロット特有の迫力の
ようなものを感じた。
マルコヴィッチは、このままエミリアにマシンガンを委ねることに決めた。


「ありがとう」


彼女は今まで徒手空拳で、それでも味方を救うべく駆け回っていたのだろう。
待望の武器を得た彼女の声が躍ったのが分かった。


「だが、君はこれで丸腰だ。
無理をせず、敵の目に付かぬところに退避していろ」


そこで彼女は何かを思い出したように笑う。


「と、言われても、その様子では動くに動けんか」


その語尾に警報音が重なった。
新たな敵の編隊が急速に接近していた。


先ほどのボールは爆発して四散する寸前、後方の本隊へ緊急信号を発して
いた。


それを受けたモビルスーツ部隊が、この場に急行してきたのだ。




789 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:47


(49/51)


「やれやれ。
もうお出ましか」


連邦のモビルスーツ隊の接近を察知したエミリアは、マルコヴィッチのザクを
抱え込み、ホバーエンジンを噴かした。


二機のモビルスーツはのろのろと機動する。

もともと地上用の機体で、ザクまで抱えていては速度が出るはずもない。
それでもエミリアは、あくまでマルコヴィッチを守ろうとしていた。


彼女は彼から武器を奪った。
ならばせめて、自分が彼を守らねばなるまい。


ジムが急接近し、100ミリマシンガンの撃ち掛けて来た。
数は7機。


「まずいな、まさかこんなに来るとは」


さすがのエミリアも、表情を曇らせた。
思わずマルコヴィッチが叫ぶ。


「大尉、自分のことは捨てて逃げてください!」


「半人前が生意気を言うな!」


エミリアは敵弾を回避するが、ザクを抱えたままではAMBACにも限界がある。
ジムが彼女らを取り囲み、銃撃してきた。


エミリアの反撃のマシンガン弾を受けて、一機のジムが爆発する。
しかし、ジムの銃弾もエミリア達を捉えた。


「うあっ!」


エミリアのコクピット内に火花が飛ぶ。
何発かが機体に命中したようだ。


ヒックスか、カラマーゾフが生きていてくれれば――


そのような考えが、詮の無いものだとは分かる。
だが、それを思わないではいられなかった。


止めを刺そうと彼女らに銃口を突きつけていたジムが、側方からの攻撃を受けて
吹き飛ぶ。

ジムを倒したのは何者か。


視線を転じると、そこには黒いモビルスーツ、ドムがいた。


「ヒックス?」


いや、ヒックス達であろう筈がない。


「違う、あれは・・・」


それは宇宙用に改修したと思われるドムだった。


エミリア達が乗った地上用のドムでさえ、ようやく量産体制が整い、各地に配備
されはじめたばかりだ。

見たところ、まだ制式配備前の試験中らしいとはいえ、もう宇宙用のドムを開発
していたとは。

自軍の兵器開発スピードは見上げたものだと思う。


その間にも、宇宙用のドム――リック・ドムは、さらに二機のジムを撃破していた。
エミリアの目から見ても、パイロットは怖ろしい程の手練だ。


それはガトーの操るリック・ドムだった。


ジムの反撃の銃撃は、リック・ドムにかすりもしない。

リック・ドムの動きは、ザクとは比べ物にならない。
データに無い動きとスピードに、ジムの射撃管制システムが追いつかないのだ。


「貰った!」


ガトーは、ジム隊の真上を取ると、バズーカを二発放った。
二発のバズーカの弾体は、二機のジムを破壊する。


その間に、最後の一機がガトーの背後に回りこんだ。
ジムはビームサーベルを背中のランドセルから抜き放ち、突進する。


一方、ガトーもヒートサーベルを引き抜き、突っ込んでくるジムに突き出す。
不幸なジムは、自らヒートサーベルに刺さりに行くようにして突っ込み、串刺し
になった。


最後のジムの爆発光で、リック・ドムのシルエットが浮かび上がる。


エミリアは、その美しいコントラストに魅入っていた。
そしていつしか彼女は、それに共に戦った部下達のドムを重ね合わせていた。


ヒックス、カラマーゾフ。

私達が命を預けたドムは、やはり、最高の機体だったぞ。
このドムが、宇宙でもこれだけのパフォーマンスを発揮できるのならば、連邦の
モビルスーツなど恐れることはない。

この差がある限り、ジオンはまだまだ戦える。


戦いの緊張から解放された彼女は、肩の力を抜き、目を閉じた。




790 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:48


(50/51)


【同日 12:30】


兵士達が生存を懸けて戦う地球軌道へ、大艦隊が機動している。
その先頭を走る巨艦は、翼を広げた大鷲を思わせる。


それは宇宙最強を謳われるグワジン級大型戦艦、そのネームシップでも
ある『グワジン』だった。

『グワジン』は、ザビ家の一員で、月のグラナダを拠点とする突撃機動軍の
領袖、キシリア・ザビ少将の座上艦だ。


彼女は4隻のチベ級重巡、28隻のムサイ級軽巡という、強力な騎士団を
従えていた。


だが、艦列はこれで終わりではない。
この戦闘部隊のあとに、支援用艦艇の大群が続いている。


パプア級輸送艦や大型貨物船など、運搬能力を持つ船が可能な限り動員
され、大集団を形成していた。

さらにこれを護衛すべく、6隻のムサイの戦隊が並走している。


このグラナダから大挙出撃した艦隊の目的は、無論、オデッサを脱出した
友軍を救うことにあった。


キシリアがこれほどの大動員を掛け、このタイミングで現場に到着しえたのは、
事前にマ・クベからの救援要請を受けとっていた為だ。


現に、ルナツーの連邦軍は、すでにいくつかの小艦隊を地球軌道に派遣は
したものの、それに続くべき大艦隊を出港させるには、なお多くの時間を要する
状態であった。


それに、キシリア自身も決して連邦軍との交戦を望んでいたわけではない。
この大艦隊を編成した理由は、一にも二にもそこにある。


もし、こちらが小艦隊を派遣し、敵と交戦すれば、容易に決着がつかず、戦闘
は長期化するだろう。

下手に戦闘が長期化し、ルナツーからさらなる増援が現れたりしては、より
一層、友軍の救助が困難になる。


それよりも、早い段階で敵に戦闘を諦めさせ、早期撤退に追い込む方が良い。

その為には、こちらは最大限の戦力で出撃し、数で敵を圧倒し、その戦意を
挫いてしまうのが最良なのだ。


はたして、この大艦隊の接近を知った連邦軍は狼狽した。
彼らは、HLVの攻撃を諦め、全面的な退却を始めた。



ガトーのリック・ドムの周囲に宇宙仕様のザクが集まり始めた。
ボブ少尉のザクが話しかける。


「中隊長殿、敵は退却を始めました。
もうこの宙域は安全です」


「うむ、それは良かった。
これで友軍の救助に専念できる」


ガトーは、傷付きながらも抱き合うようにして漂う、ドムとザクを振り返った。


「貴官ら、無事か?」




791 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:49


(51/51)


マルコヴィッチは、脱力しながら答える。


「ええ、なんとか・・・」


だが。
エミリアからの返事が無い。


「エミリア大尉?」


マルコヴィッチは、モニターの中に映るエミリアの姿を注意深く見た。


彼女は眠っているようだった。
操縦桿を握ったまま、目を閉じ、少し俯いている。


マルコヴィッチは絶句した。


彼女のノーマルスーツには、ところどころに鮮血の華が咲いていたからだ。
そして、その華はただならぬ大きさだった。


「大尉?
返事をしてくださいよ、大尉!」


エミリアは返事をしない。
マルコヴィッチはなおも呼びかけ続ける。


そのやりとりを聞いていたガトーは、目をつぶり首を左右に振った。
歴戦の彼でさえ、このような光景にはやりきれなさを感じる。


彼自身、こういう場面には何度も立ち会ってきた。
しかし、どれだけ見ても慣れる事はない。

いや、慣れることなどあろう筈がない。


戦場に立ち続け、多くの戦友と関わりを持てば持つほど、その死には覆い
きれぬ喪失感や、哀しみを感じる機会も多くなる。

やがて、面識の無い兵の死に対しても、それがいかに重いものであるかを、
頭ではなく、感情で認識できるようになっていくからだ。


心に傷を負い、自責の念や、罪の意識を蓄積させながら、それでも戦場に
立ち続ける。
それが歴戦の戦士というものだろう。



マルコヴィッチは肩を落とし、震わせた。

彼は、またしても命の恩人を失った。
ヴィットマンや、エミリアだけではない。


自分を生かすために、いったいどれだけの人が死んだのか。
いや、彼らは別に自分だけを助けようとしたわけではないだろう。

だが、同胞を助けるためとはいえ、これほど多くの人々が命をなげうたねば
ならないものなのか。


そもそも戦争とは何だ?
ジオンの独立とは何だ?


彼には何も分からなくなった。

だから、彼は泣いた。
もう彼には、何も分からない赤ん坊のように泣くしかなかったからだ。


ガトーは子供のように泣く少年を黙って見ている。
叱咤するでも、同情の言葉を掛けるでもない。


どんな男でも、長い人生の中では泣きたい時の一つや二つはあるものだ。
また、自分の歩むべき道を見失い、途方に暮れる事だってあるだろう。


だが、男とは、それを乗り越えてこそ強くなれるものなのだ。

彼はそれを知っていた。




792 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:52


(Epilogue)


オデッサを巡る一連の戦闘は、この時点をもって終了した。


ジオン軍の参加兵力は97万。
このうち死傷者が40万以上、捕虜となった者は30万以上。


宇宙または他の地域に脱出しえた者は20万強に過ぎない。


一方、連邦軍の参加兵力は380万。

このうち死傷者数はジオン軍を上回る60万を算したが、捕虜は出ず、
人的損失はジオン軍よりも軽かった。


元々兵力の少ないジオン軍にとって、この巨大な損害は地球侵攻作戦の
根幹を揺るがすものだった。


また、オデッサを失うことにより、アジア、アフリカ、ヨーロッパ間の連絡線が
断たれ、各地の拠点が孤立することになった。


連邦軍にしてみれば、それらを各個に撃破してゆけば良い。

つまり、戦いはそれまでの膠着状態から、一気に掃討戦の様相を呈する事に
なったのだ。


もはや、ジオン軍が地球上での劣勢を挽回するのは不可能に近い。



だが、宇宙の戦いはそうではない。


宇宙はスペースノイドの領域だ。
地の利はジオン軍にある。


また、ジオンには、なお多くの戦力と優れた兵器がある。
容易に勝敗が決するものではないだろう。


HLVの積み込み作業を進める友軍を護衛しながら、ガトーは思う。


そうだ、まだ我々は負けたわけではない。
勝ち目が無いと諦めたい者は諦めればいい。


彼は決意する。
自分は軍人としての本分を尽くす。


勇気を臆病に置き換え、傷付くことを恐れ、戦いもせず、相手に尻尾を振る
以外に能を持たぬ負け犬に堕するなど、自分には出来ない。

それでは、戦場の露と消えた者達や、後世のスペースノイドに顔向けできぬ。
我々は立って、最後まで戦わなければならない。


ガトーが視線を転ずると、曳航してきたザクの中のマルコヴィッチは、すでに
泣き止んでいた。
が、彼は言葉を何も発しない。









立ち上がれ―――




ガトーはドムの手を差し伸べ、少年の背を押した。






793 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/08/12(Tue) 00:53


今回は長い報告になった。
付き合ってくれた者には感謝する。



さて、長話ついでに、一つ後日談を披露しようか。

この手記の筆者である、エンリケ・マルコヴィッチ元軍曹は、
現在はサイド3に住んでいる。

彼は退役後、仕事の合間を縫って元軍人達に取材し、彼なりに
あの戦いが何だったのか、答えを探そうとしていたらしい。


そして、退役後の彼の仕事とは・・・

上官だったヴィットマン少佐の母娘とともに、喫茶店の経営をすることなのだ。


決して大きくはないが、清楚で、常に木漏れ日の下にいるような、
居心地の良い店であるらしい。
自慢の料理は鱈とほうれん草のキッシュだそうだ。

もし、君がサイド3に立ち寄る事があれば、行ってみるといい。



もっとも、私自身はまだサイド3に帰るわけにはいかんがな。
いずれ事を成した暁には、そういう時間を持ちたいものだとも思う。


さて、今宵はそろそろ行かねばならんな。


では、また会おう!





794 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/08/12(Tue) 13:38
いやいや、お久しぶり&お疲れ様でした。
レポートはじっくり読ませていただきました。
手記が出版されていれば書店で探してみたいですな。

オデッサの英霊と、
なおスペースノイドの未来のために戦うジオン軍将兵に敬礼!

地球の日本では、もうすぐお盆という時期で
先祖の霊が家に帰ってくるといわれます。

795 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/08/17(Sun) 15:01
あえて言おう、やりすぎであると

796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/08/17(Sun) 15:37
気持ちは分かるがそういうなって

797 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/08/25(Mon) 12:32
ジーク・{半拍}ジオン

798 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/09/04(Thu) 02:54

>>696
【ジオン士官A「サイド3の決戦も行わず何が終戦だ!クソ!」
ジオン士官B「そうだ!我々はまだ充分な戦力を蓄えているではないか!」
ジオン士官C「甘い!連邦軍の戦力を見極められんのであれば結果は見えている」
ジオン士官A「てめぇ!それでも公国軍士官か!!」
ジオン士官D「今は再起を待つんだ!その間に戦力を再編をして…」 】

(宇宙暦0080 1月15日
L2付近 暗礁宙域 『カラマ・ポイント』 )


老臣どもが!
この期に及んで小田原評定とは!

まだ戦うと言うのならば、何故あのア・バオア・クーでは死力を尽くさなかったのか!


敗残の恥辱に堪えられぬだと?
そのような境遇に、自らを追いやったのは誰か!

己の定見を持たず、付和雷同して流されるばかりだからそうなるのだ!

事が終わってから雄弁を奮ったところで何の意味がある!
奴らに口で言うほどの勇気があるのならば、今からでも遅くはない!

連邦軍に特攻して玉砕し、先に逝った同胞達にあの世で自らの不明を詫びれば良いのだ!



だが、我々は奴らとは違う。
我々はア・バオア・クーを離脱し、生きる途を選んだ。

たしかに、死して名を取るも良かろう。

だが、たとえ何度戦いに敗れようと、いかに汚辱にまみれようと、卑怯者と罵られようと、
泥を被ってでも生き、勝つまで戦い続けるのも武人の在り様ではないのか?

・・・そう。
生きてこそ得る事の出来る、真の勝利を掴む為にな!



我々にはスペース・ノイド解放という大義がある!
それに比べれば、個人の武功の多少など小事に過ぎん。

ジオン共和国を僭称する売国奴どもの手から祖国を回復し、ジオン再興を成し遂げる!
その為の戦いは、今、始まったばかりなのだ!



799 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/09/04(Thu) 02:55

>>697
【バーニィ!もう戦わなくていいんだよ、バーニィィィイイイイ!!
ああ、バーニィ…! 】


バーニィ?
そうか、君の友人は軍人だったのか。

それも、あのサイクロプス隊の一員だったとはな・・・。


サイド6は中立を謳いながらも、実質は連邦寄りだったと聞く。
それどころか、連邦のモビルスーツ開発を手伝っていたとも言う。

そこに少数で乗り込んだサイクロプス隊の任務は重要であり、また、だからこそ
彼らの特殊部隊としての能力の高さを伺い知る事が出来る。


だが。
隠密裏の行動を要求されるこの部隊の兵が、よもや民間人の、それも君のような
少年と親しくなっていたとは。

いや・・・。

君のような少年だからこそ、彼も心を開いたのかも知れん。
ジオンの軍人としてではなく、一人の人間としてな。



アルフレッド・・・と言ったな?

戦争とは軍人と軍人の殺し合いではない。
軍人である以前に、人と人との戦いなのだ。
そしてそれは、人間同士の営みの一つとすら言える。

君がその小さな目で見て、感じたものは、一過性の災害などでは決してない。
人々が”生きる為に”やったことなのだ。

少なくとも、我々ジオン軍にとってはそうだし、我々と戦った連邦の兵士の多くもそうだろう。


君は戦争の悲惨さ、友人を喪った哀しみに、胸が張り裂けんばかりの思いをしたことだろう。
だが、それを戦争という、”災害”のせいにしてはならない。

間違いなく、人が引き起こしたものなのだと言う事を忘れるな。



だが。
スペース・ノイドの解放が成り、この戦いが終れば、そのような悲しい思いをすることも無くなるだろう。

すべてのスペース・ノイドが地球に住む者達と同様、安全で豊かな暮らしを享受できるようになれば、
君と、君の周囲の人々は常に笑顔で居られるようになるはずだ。

君が友人の魂へ祈りを捧げる時、そのような日が早く来るようにとも祈ってはくれまいか?


故人も、いや、バーニィもそれをこそ望んでいよう。



800 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/09/04(Thu) 21:38
ガトーは核弾頭を使い、その信念と理想を汚した

それでもやらなきゃならない事でもあったのかよ、ガトー!
俺はお前を許さない!!


by職務怠慢でガトーに怒られた事を恨んでる雑魚兵

801 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/09/10(Wed) 17:43
アナベル・ガトー・・・ジオンを再起させるため、エギーユ・デラーズと
共にデラーズ・フリートを作った志高き軍人であり凄い人です。
でも、早とちりしてその目標以外全てを見失っていた・・・バカな人です・・・
byカミーユ・ビダン

802 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/09/21(Sun) 22:30
>>655
【「ギレン総帥の緊急放送だとよ」 】

ふむ。
非業の戦死を遂げられた地球方面軍司令、ガルマ大佐を弔われるとの事だったな。

確かに経験不足からか、あるいは親の七光りと揶揄されるのを気にしてか、
スタンドプレイに走る傾向にあったのは事実だ。
此度の敗戦にしても、いささか功に焦ったような節があるのだともいう。


・・・だが。
あの方は生まれながらの将器だった。

前線の指揮官ならば、鉄をも打ち砕く勇猛さや、生き馬の目を抜くがごとき才気も必要ではあろう。
そして、そのような人材ならば我が軍にも多く居る。
しかし、それら多士済々の豪傑というものは、一家言の持ち主が多く、得てして他人の言を信用せぬものだ。

それらが一つの軍組織に組み込まれたとき、その軍はまとまりを欠き、一騎当千の勇者揃いの軍が、
素人の集団に敗北させられることすら有り得るのだ。

フフン。
古代の英雄が言ったという、使い古された諺があるだろう?


”一頭の羊に率いられた獅子の群れなど恐るるに足らず。
しかし、一頭の獅子に率いられた羊の群れは恐るるに値ふるべし”、とな。




『我々は、一人の英雄を喪った・・・』




・・・ガルマ・ザビ大佐。
あのお方こそ、獅子になり得る方だった。

いや。
獅子の群れを束ね、導くことの出来る、まさに将器の持ち主だった。

そして、その器は日々の修練などで身に付くものではない。
それこそ、生まれ持った才と言うものだ。

惜しい人物を亡くしたものだ。
だが・・・。




『これは、敗北を意味するのか?

・・・否!
始まりなのだ!!』




・・・そうだ。
これは、我々の敗北を意味するものではない。




『国民よ!
悲しみを怒りに変えて・・・

立てよ、国民よ!!』




・・・これは戦争だ。
優れた人間、良い人間だけが生き残るとは限らない。
そして、死んだ人間は二度とは生き返らない。

生き残った者は、その死んだ人間の意志を継ぎ、彼らの分まで戦い、勝利せねばならんのだ。
なればこそ、私は戦おう。


ジオンの栄光のために!!



ジーク・ジオン!!




803 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/09/21(Sun) 22:31

>>653
【どうすれば大佐になれるんだ? 】
>>700
【夢を叶えたい 】


君は大佐になりたいのか?
なぜ、大佐に拘るのかは分からぬが・・・

君の憧れの人物が大佐だったのか?

・・・フン、まあいい。
それ以上は聞くまい。


兵科にもよるが、大佐といえば相当の地位だ。

地上軍の歩兵科ならば、通常は連隊長として2500名程度の人数を指揮下に置くことになる。
宇宙軍ならば、大型艦の艦長か、小中規模の艦隊の司令に就く事が多い。
その場合も、やはり数百人から数千人を指揮下に置くこととなろう。


そのような地位に、素人を就けるわけにはいかん。

士官学校を優等の成績で卒業し、軍に入ってからも功績を重ね、
同時に軍事、科学、政治、経済、歴史など、各種の学問にも励む。

士官学校卒業後も、そういう努力を続け、かつ、実績を挙げた人物で無ければなることはできん。


それに、それほどの地位ともなれば、人を統べる力も必要だ。
いわゆる、徳というものだな。


・・・しかし。
それは決して、君の手の届かぬところにあるのではないぞ?

”努力は人を裏切らず”という。

しかし、実際には努力をしたからといって、必ず望んだ結果が出るとは限らん。
それが人生というものだ。


だがな。
それに君が費やした時間と、流した汗と涙は決して無駄にはならん!

それが多ければ多いほど、君は強くなる事が出来る。
そして強くなればなるほど、君は他者に対して優しくなる事が出来るはずだ。

他人を気遣い、優しく出来る人間こそが、真に強い人間なのだ。


・・・兵と言うものはな。

自分の上官が、命を預けるに値する人間かどうかというものを、実に良く見ているものなのだ。
もし、君が弱い人間であれば、彼らはたちどころにそれを見抜き、君の命令には従うまい。

だが、君が、命を預けるに足る強さと、優しさを備えた人物であれば、彼らは喜んで君の為に
命を投げ出して戦うだろう。

そういう軍は、強い。


いいか。
夢を叶えたくば、不断の努力を続けよ。
そして強くなれ!

さすれば、君の夢への途も、おのずと開けよう。


君の健闘を祈る!!




804 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/09/22(Mon) 04:23
ガトーはジオン厨
だから連邦厨の俺が成敗してやる

805 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/10/06(Mon) 20:45
祭りが開催されてるようですよぉ〜
ご参加くださぁい
http://www.10ch.tv/bbs/test/read.cgi?bbs=narikiri&key=222954810&ls=50

806 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/10/07(Tue) 21:16
いよいよ戦争も終わりか…
これで俺達の独立は
ジオン兵A「おい!テレビ見ろおまえら!」
ジオン兵B「何だ?そんな大声出して…!!お、おいコイツまさか!」
一体なんだ?そんな慌てて?
!!…な!?レ…レビル!?

807 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/10/23(Thu) 17:59
ガンダム一号機(フルバーニアン)とガンダム二号機(サイサリス)はどっちが強いの?

808 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/10/24(Fri) 23:37
連邦兵「敵防衛線健在!友軍の突破を拒んでます!」
さすがにジオンの抵抗も必死か…
しかし関心ばかりもしていられんなんとか突破しなければ…
連邦兵「後方より艦隊接近!」
何!?(命運尽きたか…)
連邦兵「あ…待ってください…第6艦隊です!第6艦隊が間に合いました!」
ダグラス中将が!よし!流れはこちらに傾いた!
全艦進撃!一気に突破するぞ!

809 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/11/21(Fri) 15:16
フッ、もう遅い
ソーラ・システム発射まであと1分を切った。
地球に落とす悪魔の矢は我が軍の正義の光によって消される!
最後に勝つのは我々連邦軍だ!!
(ガンキャノン爆散)

810 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/11/21(Fri) 22:08
ジオン軍の襲撃だと!?ルナU近辺のこの宙域にか!?
連邦兵「はい、敵に追撃されてたと思われます…」
ったく、ルナUまであと一息だというのに…

コロンブスには何機機体を積んでいる?
連邦兵「2番艦にはボール3機、鹵獲機のザクが3機います、1番艦には…」
新型のRGM−79が6機か…出来ればジオンに見せたくないが…
やむを得ん、総員!第一戦闘配置!モビルスーツ隊発進準備!
本艦以下サラミス級3隻は援護砲撃!コロンブス級は後方へ退避!
ルナUの増援が間に合うまで持てばいい!急げ!

811 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/11/23(Sun) 14:15
さすがにそう簡単には入れさせてくんねぇか…
結構抵抗も激しいし…ん?(GMコマンドが取り付こうとするのを見る)
野郎!ここの一番乗りを先取りする気か!?
(GMコマンド爆散)
そそっかしいからよ、こういう時は臆病なくらいがちょうどいいのよね…
(岩陰からバズーカでザクの頭部を撃ち抜く)

812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/12/09(Tue) 21:22
ガンダムって壊れないの?

813 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/12/20(Sat) 22:46
>>718
【ガンダムに会ったら逃げてもいいですか?
なにせこっちはザクなもんで。 】

(宇宙世紀0079 12月24日
宇宙要塞『ソロモン』の宙域)


馬鹿なことを!

貴様、それでもジオンの戦士か!
言語道断である!

連邦の白い悪魔がニュータイプだという噂は知っている!
だが、だからといって己の任を放擲するなど、武人の風上にも置けぬ!


いいか!
このソロモン攻防戦こそ天王山なのだ!

我々は、連邦の軟弱どもにジオン軍人としての力を見せつけ、再起できぬほど叩きのめし、
奴等をして、このソロモンを攻めるがごとき増長を二度とさせてはならんのだ!

連邦の蛆虫どもは、一人たりとも生かして返さん!
それは、連邦の白い悪魔とて例外ではない!


なればこそ!
貴様も命を棄てろ!
祖国の名誉と勝利の為に、死ぬも武人の誉れではないか!


・・・フン。
とはいえ、若く、兵になって間もなき貴様に、このような話は実感が伴わぬか。

ならば、こういう話をしてやろう。

真に生を欲するのならば、生きようとするな。
生に執着すれば、恐怖の虜になる。
その恐怖こそ、死神にとって、この上ない馳走なのだ。

だが、生を棄て、鬼になった者に死神は寄り付かぬ。
奴等にとって、死を恐れぬ人間を殺すことほど、つまらぬものはないからだ。

そう思えば、この非情なる戦場において、生に執着し、己が一身の安全を図るなぞということが、
如何に愚かしいことであるか分かろう?


心を恐怖に支配された兵など、何の役にも立ちはせぬ。
おののき、恐れ、足が竦む。
身体は動かず、頭は働かず、目に映るものすべてが自分を害そうとしているように見え、正常な判断力を失う。

戦場では、そういう者から真っ先に死ぬ。
敗者は、敵に敗れるのではない。
己の恐怖心に負けて死ぬのだ。


私は、戦場は非情だと言った。

残念なことではあるが・・・戦場で生き残るのは、正しい者ではない。
最後まで諦めず、敵を斃すために知恵を絞り、行動したものだけが生き残るのだ。

正しさとは、その行動の源泉にはなり得る。
が、ただ正しい側に所属しているというだけでは生き残れん。


・・・己の正義を信じ!
何があろうと敵を斃し、斃し続ける!
戦う理由すら解せぬ者どもに、負けてなるかという意地が、我々の力となるのだ!


そして!
連邦の奴等にそのような正義などありはせぬ!

ならば、何を恐れる!?
連邦の白い悪魔が来るならば来るがいい!
我々の正義の剣を、彼奴の脳髄に叩き込んでやればよい!

恐れてはならん!
ジオンの明日を信じ、迷わず進め!




814 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2008/12/20(Sat) 22:48

>>737
【なぁガトー、お前はこの戦いをどう思ってるんだ?
俺?俺はこの戦いの閃光の果てに何かを見出したいんだよ…
俺にはジオンの独立なんて二の次、ただこの閃光の果てに何が見出せるのか知りたいんだ
もしかしたらこの戦いの閃光の果てに何かが分かるかもしれないな…
ん?連邦軍のご登場か、それじゃあ行くとしますか。 】



フ・・・君らしいな、ケリィ。
ジオンの独立など、二の次、か。


君は昔からそうだったな。
国の為ではなく、自分の為に戦う。
士官学校で、初めて君という人間を識ったとき、私はそれが気に食わなかった。

ジオンの独立、解放を志さずして、何故軍人になる必要があるのか。
そのような人間が、兵士として役になど立つものか。

そう思っていた。


だが・・・あれは、シャトルの操縦訓練の時だったか?
それは、教官の同乗しない、8人の訓練生のみでシャトルを運航し、月を一周してからサイド3に戻るというものだった。

何でもない訓練の筈だった。
士官学校の生徒の中でも、操縦センスと知識に関しては歴代10指に入ると評された私達にとってはな。

しかし、サイド3の宙域に向けて進路を取ろうとしたとき、シャトルの航法システムが故障。
我々は座標を失った。

さらには各種電気系統のトラブルも続発し、外部との通信も断たれた。
電源が予備電源に切り替わり、真っ暗になった船内は、急速に室温が低下し、凍てついた。

我々は必死になって修理を試みたが、原因が分からない。
気付けば3日、4日と日が経ち、元々多く積み込んでいない携帯食料も少なくなり、予備電力も底を付こうとしていた。


我々はスペースノイドだ。

幼き頃より、宇宙の深淵と向き合ってきたし、それを近しいと感じることはあっても、
怖ろしいと思ったことは無かった筈だった。

しかし。
あの時ほど、広漠なはずの宇宙の暗闇に押し込められることが、息苦しく、怖ろしいと感じだ事は無かった。
あまりの孤独と絶望感に、ついには泣き出す者、無気力になる者も現れた。


だが、君だけは違った。

俺はこんなところでは絶対に死なない、死んでなるものか。
必ず生きて帰るぞ。

そう言う君の目は、暗闇の中に在って太陽よりも眩しく輝き、
力強い声は、神の声の如く、私に響いた。


そして・・・ついに私達は、シャトルの修理を成し遂げた。

ようやくの思いで、故郷のコロニー群を見たとき、心が震えた。
私には、還る場所が在るのだと。

これほどに、自分にとって懐かしきものが他にあるだろうか。
私は命を賭してでも、これを守り抜かねばならない、と。


・・・だが、君を見て、こうも思った。
戦士としての強さは、国への想いだけでは測れぬ。
己を信じ、己の道を定め、進む者こそが強いのだと。

私は、祖国を守りたいと思って軍人になった筈だった。
だが、それは周囲の人間の声や熱気に流されてそう思っていただけのことで、
私自身の意思や想いなど、軽いものに過ぎなかった。
それは、頭の中で思い描いていただけのもので、実感のこもった生の感情ではなかったのだ。

そして私は、その時初めて実感出来たのだ。

私の眼前にある、この人口の大地と、そこに向けられるこの懐かしさと愛おしさこそが、
真の私の戦うべき理由であるのだと。

フ・・・そう。
今の私があるのは、君のお陰だ。
君の強さが、己を信じて進む姿が、私に戦うべき理由と、進むべき道を教えてくれたのだ。


・・・ケリィ。
あの時・・・、士官学校を卒業する時、君は言ったな?

軍人になって戦う。
戦いこそが、俺の道なのだと。
何の為に生きるか、それはまだわからない。
だが、敵と命を剣を交え、飛び散る火花の中に、自分の生きる道があるような気がする、と。


この戦いの閃光の果てに、君の求めしものがある事を祈ろう。
我が戦友よ。




815 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/12/23(Tue) 09:39
こちら第37パトロール艦隊旗艦『ゴロメル』、『カウリバルス』聞こえるか?

我々第37パトロール艦隊は通信が途絶したキャメルパトロール艦隊を捜索
衛星軌道上で旗艦『キャメル』を始め『スワメル』、『トクメル』の残骸を確認しました。
突撃機動軍の『ザンジバル』のシャア大佐から確認したところ
衛星軌道上から上がった木馬の攻撃により全滅した模様です。

816 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/12/27(Sat) 21:32
よし!10機めいただき!さぁ次は誰だ?

ん?あれは最近噂のソロモンの悪夢ってヤツか?
敵とはいえかなりのエースだ、こちら本気でやらせてもらうか!(鹵獲ザクUF2が突撃する)

お?連邦兵がザクを使って怒ってるか?まぁ他のヤツはみんな返り討ちにされたがな!

悪いな!格闘戦が本命なのでね!一気にやらせてもらう!11機めいただくぜ!

817 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/01/01(Thu) 02:33
ウラキ少尉なんかに手こずるガトーはガトーじゃない!

818 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2009/03/19(Thu) 01:39
>>728
【ガトーはそろそろ大佐になったかな? 】

私が、大佐に?


……フ、いや、私は少佐だ。

だが、少佐という地位でさえ、この若輩の身には余るものだと思っている。
その地位は本来、齢二十五の青二才の手に届くものではないのだからな。
まして、大佐などは。


君は、こういう言葉を知っているか?
曰く、『軍は、二十年をかけて中佐を作る』。

つまり、こういうことだ。
通常、士官学校を卒業し、将来の幹部候補として軍に入った者は、
その後二十年もの間、徹底的に鍛え上げられる。

実務でも、小隊長、中隊長などを歴任し、
あるいは将官の副官や、参謀として経験を積み、
部隊運用のイロハを身体で覚える。

そうやって、気力、体力、知識、経験がもっともバランスよく充実した
四十代の人間が就くのが、中佐であり、大佐という地位なのだ。

そして、この大佐こそが、軍組織の要ともいうべき機能を担うことになる。

ある者は、艦隊決戦の主力となるべき大型戦艦の艦長の任を拝命するだろう。
またある者は、それらを護衛すべき、快速艦隊の司令に任じられるだろう。
あるいは、軍の攻撃力の中核となるべき、モビルスーツ隊の大隊長に指名されるかもしれん。


そう、大佐の地位にある者は、その指揮下に入る数千人の部下の命を預かるに留まらず、
その行動によって、数十万の味方の運命を左右するほどの重責を負う事になるのだ。

そのような地位に、二十やそこらの若造を就けられると思うか?
そういう意味では、シャア・アズナブルは異常なのだ。

彼が有能なのは認める。
しかし、彼がいかに知力と勇気を兼ね備え、豊かな才能を持とうとも、
『二十歳の彼』が、大佐という地位に見合う男だったかについては、私は疑問を禁じ得ぬ。


あるいは、諸君等、平和を享受する国々に住まう者達には実感しにくいのかもしれぬが……
四十代といえば、一般企業においても「働き盛り」とされる世代であろう?

たとえば、そう、ある社運を懸けた、一大プロジェクトがあったとする。
君たちの国の通貨でいうところの、数百億円もの資金を投入する、一か八かの勝負だ。

そのようなプロジェクトの責任者に、二十や三十の若造をあてがうなぞ、普通は考えられぬ。
よほど、若い企業で無い限りはな。
第一、そのような者の指示に、海千山千の猛者達が、黙々と従うはずがないではないか。


元来、軍というものは、職能者の集団なのだ。
例に挙げた、一般企業など及びもつかぬほどにな。

軍には、数十年に渡り、その道の技能を磨いてきた下士官も多く在籍している。
中には、昔気質の職人のような頑固者もいる。

それも当然であろう。
彼らの持つ技能とは、自らの生死に直接関わるものなのだ。
上官はもとより、誰よりも己の技能を信じなければ、また、それに見合うだけの
技倆を持たねば、軍人など務まらん。


彼らのように、ひと癖もふた癖もある者達を指揮統率し、時には命を投げ打たせ、
進んで死地に赴かしめるものは、指揮官の知能や才能によって紡ぎだされる弁舌などではない。

それは、命令者が持つ、豊富な経験と実績に裏づけされた自信と、人間としての年輪であり、
そこから生まれる迫力なのだ。

いかに武功を誇ろうとも、そのようなひとかどの武人と言うものに、一年や二年の軍歴で
なれるものではない。

シャア・アズナブルとて、その例外ではいられまい。
本来、二十歳の大佐など、それこそフィクションの中でしか存在しえぬのだ。
君が、若き大佐というものに憧れるのも無理はないが、現実はそういうものではない。


だが。
もし、その例外があるのだとすれば……
その人物が、将兵にとって、生まれながらに国家そのものを象徴する人物でなければなるまい。

そういう人物であれば、軍歴の深浅に関わらず、その者の為ならば死ねる、
と多くの将兵が考えるだろう。

では、その人物が、国家そのものを象徴するとはどういう意味か。
何をもってして、そのような人物たりえるのか。


それは、血筋だ。
才能の有無に関わらず、そういう血に生まれついた人間ならば、兵もついて行くだろう。

そういう者は、過去において確かに存在したし、現代においても存在しうる。


……そう。
ガルマ大佐のように、次代のホープとして期待されている人物か……。
かの、ジオン・ズム・ダイクンの忘れ形見が存命ならば、あるいは、な……。


819 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2009/03/19(Thu) 01:40

>>730
【これを作ったぞ。
つ『パーフェクトガンダム』】


パーフェクトガンダムだと?
これが、『完全なるガンダム』だと言うのか?


――解せん。


肩の大型キャノン、腕部に固定された小口径の連装ビーム砲、
背面に機雷を装備した盾、背部の大型バックパック、そして、
機体各所に取り付けられた増加装甲。

確かに、一見すると、攻撃力と防御力は増大しているようにも思える。

しかし、これらの追加武装が、
『何を意図して追加したものなのか』
がまるで見えん。


まず、これだけ装備を追加すれば、相当に重量が増大するだろう。
しかも、増加装甲は、いずれも大袈裟過ぎるほどに大きい。
各関節の可動域は、確実に狭まるだろう。

『連邦の白い悪魔』が威力を発揮したのは、その図抜けた敏捷性によるものではなかったか?
これでは、ガンダムの特性を完全に殺してしまっている。

いや、それでも、『明確な意図』があってそうしているのならば、それはそれで良いのだ。


明確な意図の下に開発した機体としては、
私が使用した、ガンダム二号機が好例だろう。

あれは、核攻撃を目的としたものであり、それゆえに、かの機体に付加されたのは、
疾風迅雷のごとく敵陣に斬り込むための圧倒的な推進力と、核爆発に堪えうる頑強さだった。

一方、そのような特殊な機能を付加する代わりに犠牲にされたのが、
対モビルスーツ戦用の装備だ。

ガンダム二号機の武装は、頭部のバルカン砲とビームサーベルのみであり、
ビームライフルなどは持たず、敵のモビルスーツを撃破するための装備に乏しい。

その結果、対モビルスーツ戦闘に特化した機体であるガンダム一号機と、ウラキ少尉……
あの未熟な連邦兵に不覚をとることになったが……
今は、それ以上は言うまい。

だが、だからと言って、ガンダム二号機は失敗作などではないのだ。

ガンダム二号機の開発意図は、核攻撃を可能とする、と言う部分にあり、
あの機体の性能は、その要請に応えるに必要十分なものであった。
そういう意味では、完全無欠の成功作なのだ。



――では、このパーフェクトガンダムとやらはどうだ?


先程も指摘したとおり、この装備では機敏な動きは取れまい。
となれば、敵モビルスーツとの直接の交戦は避け、中長距離での砲撃戦に特化し、
味方の支援にまわるべきであろう。

それにしては……
近接戦闘でしか威力を発揮できそうもない装備が多過ぎる。

あれらの装備を活かすならば、機体そのものを軽量化し、
シンプルな構造にしなければなるまい。

逆に、中長距離戦に専念するならば、役にも立たぬ近接戦闘用の装備などは全て取外し、
大砲の予備弾や、エネルギーの積載量を増やす方が、はるかに理にかなっていよう?


要するに、あの機体に何をさせたいのか、その意図がまったく分からんのだ。
子供が、自分の好きな武器を、好きなだけ追加したようにしか見えん。

あのような、武装を無計画に増加し、金銭だけはたっぷり懸けておきながら、
近接戦闘では役に立たず、砲撃戦用の装備も不十分などという中途半端なモビルスーツなど、
作るだけ無駄と言うものだな。


……フン!
連邦の無能者どもめ!
奴らには戦術という概念が根本から欠落しているに違いあるまい。

あのような連中に敗れたとあっては、ジオンの栄光に傷がつく。
一日も早く敗戦の屈辱を晴らし、この宇宙に正しい秩序をもたらさねばなるまい!




820 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/04/20(Mon) 22:34
大尉、武装がバルカンしかないんだったら、ビームライフルやらなんやら持てばいいじゃないですか。

821 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/04/20(Mon) 22:46
ガトー少佐はもし入るならエゥーゴ?ネオジオン?

822 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/04/23(Thu) 19:47
シーマが連邦の人と密談してたよ

823 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/05/18(Mon) 16:50
シーマになら殺されてもいい

824 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2009/06/14(Sun) 02:04
>>733

ふむ。
君がそのように疑問を抱くのは当然だ。

まさに君の指摘にある点にこそ、我がジオンの戦争運営についての
誤算が凝縮されていると言って良い。

そも、地球侵攻作戦の目的は奈辺にあったか?

それは戦いの長期化に備え、地球の資源及び工業地帯を押さえ、
我が国力を増強し、彼の疲弊を誘い、もって戦局を有利に運ぶ事にあった。

・・・だが。
それが目論見どおりに成功したといえるのは、
第一次降下作戦、すなわち、オデッサ周辺地域の占領作戦だけであろう。

第二次作戦の北米、第二次作戦のアジア・オセアニアについては、
占領にこそ成功したものの、撤退した敵軍により、軍需工場、
鉱山、油田地帯などは破壊しつくされ、都市部の生活インフラでさえ
機能不全に陥っている場合さえあった。


第一次作戦では、占領地の工業地帯や資源採掘設備を
ほぼ無傷で手に入れ、すぐ稼動させることが出来た。

が、第二次作戦以降ではそれが出来なかった。

我が軍はまず、占領地の復興と再整備からはじめなければ
ならなかったのだ。


しかも、その間、連邦の奴ばらとて黙って手をこまねいていたわけではない。
奴らはあらゆる手段で、我々の復旧作業を妨害してきた。

特に腹立たしいのは、被占領地住民の中の跳ね上がりどもに、
武器と資金を渡し、ゲリラ化させたことだ。

我が軍のモビルスーツは連邦の陸海空軍など物ともしなかった。
だが、ゲリラが相手となれば、話は変わってくる。

ゲリラそのものの戦闘力などどうと言う事はない。
しかし、それを強く弾圧すれば、他の住民の反感も買いかねん。

占領地住民の感情をどうコントロールするか。
これこそ、占領軍にとって、もっとも頭を悩ませる問題なのだ。

なればこそ。
巧みにアメとムチを使い分け、北米地域の掌握に成果をあげつつあった、
ガルマ・ザビ大佐は、若さに似ず、非凡な将才の持ち主と評されたのだ。


要するに。
腹立たしいことではあるが、地球侵攻作戦について、
我が軍の『予定表』があまりにも希望的観測に満ちたものであったことは
認めざるを得ん。

また、ゲリラの組織化を推進、指導したと言われるレビルの
政治力、情報収集力、指導力についても非凡であったと言わねばなるまい。

腐った連邦にも、人物は居た、ということだな。



825 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2009/06/14(Sun) 02:04
>>800

【ガトーは核弾頭を使い、その信念と理想を汚した
それでもやらなきゃならない事でもあったのかよ、ガトー!
俺はお前を許さない!!
by職務怠慢でガトーに怒られた事を恨んでる雑魚兵 】


フフン、青いな。


君は、私が核を使用した事が気に食わんと言いたいのだな?


では、聞こう。
そも、核兵器を搭載したガンダムなどを作ったのは誰だ?
そしてそれは何の為だ?


決まっている!
サイド3に、その死の猛火を叩きつけるためであろうが!


その気が無いのなら・・・
つまり、単に抑止力としてのみ、核を存在させるというのであれば、
すでに保有している核兵器だけで十分だったはずだ。

それを!
わざわざ、最新、最強のモビルスーツを開発し、搭載しようとはな!

そして・・・
その標的はサイド3であり、そこに住まう一般市民なのだぞ!

何故なら、もはや我がジオンには、連邦のように宇宙を埋め尽くすほどの
大艦隊などは存在せぬ。

それは彼奴等とて知っていよう。
ならば、それでも核を使うとなれば、その標的はコロニー以外に有り得ぬではないか!

他の何に向かって使うと言うのだ!?
あの呪われし、地獄の炎を!



・・・核の使用は、南極条約違反だと?

馬鹿馬鹿しい!

核の使用禁止、及び、コロニー自体を標的とした攻撃の禁止を謳った
この条約を、彼奴等は守るつもりなどないのだ!


それを気づきもせず、知ろうともせず・・・
私に向かって、信念を汚した、だと!?


そのような戯言を良くも言えたものだな!

貴様の目の前で、父が、母が、友が、そして故郷が焼かれ、
跡形も無く吹き飛ぶのを、ただ手をつかねて見過ごすつもりか!?


だから甘いと言うのだ!!
戦いとは、そして、信念を通すとは、そのような生半可な覚悟で出来るものではない!


覚えておくがいい!
私は、忌まわしき連邦の悪意を必ず挫いて見せる!

核の力は借りても、それを民間人に向けなどはせぬ!
あの愚か者どもの頭上にこそ、あの火焔は降り注ぐべきなのだ!



・・・『燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや』、か。


いや。
今は解からずとも良い。

いつの日か、我々の戦いの真実に、君も気付く時が来よう。




826 名前:アナベル・ガトー ◆JZkC7c9U 投稿日:2009/06/14(Sun) 02:05
>>801
【アナベル・ガトー・・・ジオンを再起させるため、エギーユ・デラーズと
共にデラーズ・フリートを作った志高き軍人であり凄い人です。
でも、早とちりしてその目標以外全てを見失っていた・・・バカな人です・・・
byカミーユ・ビダン 】


・・それはどういう意味か?
私は、目標を見失った事など、一度たりとてありはしない。


あの、ア・バオア・クーを除いては、な。


我々の『星の屑』作戦は、目先の勝利を求めたものなどでは決して無い。

核を連邦艦隊に撃ち込む事も、スペース・コロニー『アイランド・イーズ』を落としたのも、
その例外ではない。

全てはデラーズ閣下の、スペース・ノイドの自立のための、百年の計の内なのだ。


確かに、『星の屑』作戦が予定通り進捗したとて、
それで直ちに連邦の打倒には繋がらんだろう。

だが、我々は、コロニー落としの目標を、ジャブローではなく、
北米の穀倉地帯とした。

無論、それでも民間人の犠牲者は出よう。
都市部を選ぶよりは遙かに軽微とはいえ、皆無というわけにはいかぬ。


・・・我々スペース・ノイドが真の独立を掴み取るためには、
どのみち、血を見ずにはいられぬのだ。

ならば、せめて、それを最低限に抑える道を選ぶより他はあるまい。


そして、それでもコロニーを落とした我々の目的一つは、
連邦の食料自給率を低下させ、彼奴等がスペース・ノイドの存在へ
依存せざるを得んように仕向ける為なのだ。


だが、それだけが我々の狙いではない。

このコロニー落としにによって、連邦の国力は間違いなく低下するだろう。
しかし、連邦とて、やられっ放しではあるまい。

彼奴等は必ず、報復の刃をスペース・ノイドに、その中でも特に、
サイド3に向けるだろう。

そうなった時、それに抵抗できる戦力は、もはやジオンにはあるまい。
『アクシズ』除いては。


・・・そう。
この『星の屑』作戦で、我々はその戦力の殆どを喪失する事になるだろう。

いや、我々だけではない。
地球圏にて踏ん張っているジオン残党勢力の多くが、この作戦に参加するのだ。
戦後、彼らは、残らず連邦に一掃される運命を迎えよう。

あるいは、その後の一時期、調子付いた連邦による支配が、
より一層重いものになるやもしれぬ。


だが・・・それでも・・・


スペース・ノイドの抵抗と、自由への希求が失くなる事などありはせん!
必ず立ち上がり、戦おうとする者が出てくる!

その時、彼らを照らし、導くべき灯火が、この『星の屑』なのだ!


我々が最期まで屈せず!
連邦に戦いを挑み、勝利を重ねる!

その姿を後に続くべき者達に見せ、伝えることこそが肝要なのだ!


人々が、支配されることに慣れるような事があってはならぬ!
連邦に、スペース・ノイドを支配するは容易いなどと思わせてはならぬ!

そのような考えを根付かせてしまっては、今後どれだけ時が経とうとも、
スペース・ノイドが独立を勝ち取る事など出来はせんのだ!


なればこそ、今、我々は戦わねばならんのだ!
この独立への百年の戦いを始めるにあたり、今をおいて他に時は無い!



827 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/07/02(Thu) 00:38
ち!俺のザクが隕石に衝突して大破しちまった…最悪だぜ

828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/07/10(Fri) 06:47
ザクが大破したならヅダに乗ればいいさ。

829 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/07/16(Thu) 21:08
     小賢しい真似を…

       死んでいった者達への為に、


              私 は 勝 た ね ば な ら ん の だ !


      行くぞ、各機散開!
           
                 ガトーのノイエ・ジールを落とす!

830 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/07/18(Sat) 20:53
この亡霊共!一年戦争緒戦の悲劇繰り返すとはなんて連中だ!
A・B両小隊であのデカブツ食い止めるぞ!
二度とあの悲劇を繰り返させるな!

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