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【機動戦士ガンダムSEED DESTINY】総合【質雑スレッド】 -D-

225 名前:アスラン・ザラ ◆a9Nl7bds 投稿日:2010/05/01(Sat) 01:58
>>140

―――――――あれは3月29日。

俺はザフトの軍事施設を視察、との名目でボルテールへとやって来た。
停戦を迎えた近年、軍事施設も一般公開も可能と事実上解禁され、
地球やプラントからも旅行代理店主催で、ツアープランなども組まれ
多くの人々が乗船しているらしい。

今回の俺の目的は、一般人の安全性の面や軍としての機密部分を守れているのか…
そういった細やかな箇所に着眼点を置いて、巡回する事だった。


外交という職務に就いている立場だからな、場所がイザークのボルテールといえども、
気を抜いている訳にはいかない。

イザークやディアッカの横やりも回避しつつ、俺は艦内を見て回った。
すると……一般人は立ち入ることが出来ない立ち入り禁止地区に、
小さな侵入者が居ることに気がついた。


恐らく幼年学校に通う位の、髪を高い位置、左右に結わえる少女が
戦艦の心臓部ともいえる、ブリッジを見渡せる場所に身を潜めていた。

小さな身体を丸め……何か呟いているが聞こえた。


【ディアッカみたいなお兄ちゃんいたらな・・。】


―――――…なる程な…。
一喝しようかと思ったが、俺はそれとなく声を掛ける事にした。



「ゴホン、っと……驚かせてしまったかな?」



俺の声に反応した少女は、眉間に皺を寄せ怪訝そうな顔をした。
古典的な声の掛け方だったかと反省したが、これでは声を掛けた意味がない。
俺は尚も接触を試みる事にした。


「ディアッカ……キミはディアッカの友達なのかい?」


ディアッカの名を出すと、それまで力の入っていた肩が急になだらかになった。
やはり罪悪感はあったようだ……それでも、何かの理由があって、
此処までやって来たんだろう。小さいのになんと言う行動力だ、俺は感心した。


話を聞くと答えが見えた。
今日は両親と共に、このボルテールまで見学に来たらしい。
その際艦内案内をディアッカが担当し、いろいろと面倒を見てくれていたのだ。
一生懸命に話す瞳が…あまりにも輝きを増すもので、俺は手を取りたくなった…。

「そうか、ではキミは、ディアッカにお礼を言いたいのかい?
 よかったら、呼んでこようか?」


幼いながらも女の子だな…俺の申し出に身を乗り出して嬉しそうに微笑む。
本来叱ろうと少女に近づいたが、今はもうどうでもいい気にさえなった…。

「きっとディアッカも嬉しいと思うよ、キミのような女の子から
 声を掛けて貰うなんて……いい友達になれるんじゃないかな?」


煽るつもりはないが、こんなに可愛い少女だ…リップサービスくらいさせて貰おう。

…すると、少女は俺にこう切り返す。


「恋人は嫌ですけど!」







…………………。




………はっきりした性格だな、ディアッカが恐らく今1番逢いたい
 彼 女 にそっくりだ。ははは……




いい誕生日プレゼントになると思ったよ。




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