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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ壱

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2016/04/23(Sat) 08:22
桜の花綻び、早くも儚げに花の嵐舞う様は殊の外美しゅうございますね
日本の春、長閑にして麗らかなる陽の光がこの身を包むことの何と嬉しいことでございましょう
異国より参りまして明るい青空の下、小路を染める花びらを箒で掃うのも情緒を誘うものがございます

わたくし、イタリアより参りました吸血鬼のアーチェロ・カルミーニオと申します
何卒よろしくお願いいたします

194 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/05/07(Sat) 11:27
>>186(柚葉さん)
>ふふっ、老若男女、人と魔を問わず、お祭りというものは心が弾みますね。
>私も昔から、お祭りや学園祭といった場所で友人達とはしゃいてきましたから、良く分かります。
日本にもイタリアにもたくさんのお祭りがござますわね
京都三大祭り、ヴェネツィアのカーニバルの様な有名なお祭りだけでなく、それぞれの地域・学校で催されるお祭りもそれぞれ個性があるようですわね
日本ではまだまだこれからいろいろな祭りを堪能いたしたいですわ
学園祭…そうですわね、柚葉さんは大学生でいらっしゃるのですもの、大学祭と言うものもあるのですわね
小中高校とそれぞれ文化祭を催すそうでございますが、大学祭となりますとひと際大規模で創意工夫も凝らされましょう
次の開催の時にはぜひ参りたいですわ

>>…来年は柚葉さんもご一緒に「市民フェスタ」に行っていただけるでしょうか?
>>ああ、いえ、もちろんご実家での団らんの時を何より大事にして頂ければ良いのでございますよ
>…はい、来年はお嬢様と是非とも御一緒させて頂きたいです。
>今度は、家族をこの街へ招待するのも良いかもしれませんね。
> 一度、両親にはお話しておこうと思います。
あらあらまあまあ、それは実に素敵ではございませんか
そうですわ、大切なお嬢様に来ていただいてお世話されている身としましては、お礼をせずして如何いたしましょうか
まずはお礼言上のお手紙を書きませんと
そしてぜひこちらにおいで願いたい、とよくよくお願いしないといけませんね
万が一にもご両親に対し粗相がありましては、このアーチェロ・カルミーニオ、一生の不覚でございますわ
よくよく準備して御もてなしいたしませんといけません!

195 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/05/07(Sat) 11:29
>>186(柚葉さん)(つづきですわ)
>そういえば、両親や縁者の皆さんがお嬢様の写真を見て言っていましたね。
>“まるで、お伽噺のお姫様みたい”と。
>レイナさんのように専属メイドが居る事もお話したら、本物のお姫様だって驚かれてましたよ。
あらあらあら、まあまあまあ…
イヤですわ、柚葉さんったら
何か期待されて、いざ実物を見たらガッカリなどとなったら恥ずかしいですわ
日本の礼儀作法は、故郷で先生について学んではおりますが、まだまだでございますのよ
もう…、ドレスや和服はたくさんありますから、とりあえずそれを着ていれば、写真の中では取り澄ませていられますが

>>やたらに周囲でシャッター音がしていましたが
>>断りもなしの撮影は困りますので、少々「霊気」を変更させていただきました
>クスッ、恐らくその大部分は男性の方々だったのではないかと。
>カップルの場合、女性に足を踏まれてる方も多かったでしょうね。(苦笑)
ああ、そう申せば…
男性と一緒にいらした女性の方がわたくしのことをご存じだったようで、ムッとした表情で首にかけていらした十字架のネックレスを首から外して、こちらにズズイッと突き付けてこられましたわ
わたくし空気を読みまして、情け無げな声で
『あ〜れ〜、お待ちくださいまし。堪忍して下さいまし。わたしが悪うございました〜。』
と言いながらしなを作って横座りにへたり込みましたわ
…そうしたらいっそう周囲からシャッター音がしてまいりましたのよ
その女性は忌々しげな顔をしていらっしゃいましたが、やがて連れの男性を引っ張って行ってしまわれました
一体何がいけなかったのか、いまだに分かりませんわ

196 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/05/07(Sat) 11:36
>>186(柚葉さん)(さらにつづきですわ)
>その積極性があればこそ、こうしてお嬢様と私が出会い、人と魔が関わり合うきっかけが生まれたのでしょうね。
>何事も、最初の一歩を踏み出すのは難しいものです。
>理屈では分かっていても、いざ実践するとなれば尻ごみしてしまう事が殆どだと思います。
>そこはお嬢様の“勇気”というものでしょうね。
…ありがとうございます
智慧無き小娘ではございますが、一歩踏み出す勇気を認めていただけたのは何よりの喜びでございます
献血係の女性の拒絶の瞳を思い出すほど、人との溝を飛び越えたい、自分が人にとって仇名す者ではないことの証を得たい、いつもその想いが幼い胸にあった気がいたします
城の皆が教え諭します彼我の距離の大きさ、多くの血にまみれた闇の歴史を聞くにつけ、幼いわたくしを動かす力と申せば“勇気”でございましたから
尤も、いつも悲壮な覚悟で飛び出していたわけではございませんのよ?
基本、昼行燈娘ですもの
「イヤなやつらとここのところずい分やり合ったからね。今日はたまの分かってくれるヤツと会える日かもしんないもん。行かなかったらもったいないもんね!」
とこんな風に考えるのですもの
わたくしも、身近にそんな女の子がいましたらそれはハラハラしてしまいますでしょうね
うふふふ

197 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/05/07(Sat) 11:38
>>187(柚葉さん)
>>…最近思うのですが、お二人が並び立たれている姿はとても綺麗に絵になっていますわね
>カァァ…(赤面)
>そ、そうでしょうか…?ちょっと照れてしまいます。
あらあらうふふ、照れたお顔も可愛いですわよ
神父様もそう思われるのではないでしょうか?

>でも、この地域の皆さんにも多く慕われているようで何よりです。
柚葉さんがいてくださる御蔭で、わたくしもずい分皆様に打ち解けていただけたのでしょうね
本当に感謝いたしておりますわ

そうそう、先日聖女様に襲撃された時ダメにしてしまいましたトマトのことですが、買わせていただきました青果店のお姉さんが、
「ウチの新鮮な商品を食わずにダメにしちまうとは、とんでもないだろおが、オイ!?
罰としてまた買ってけよな!」
と仰いますので、まことにご尤もといろいろ買いましたら、頼んでもいない野菜もたくさん持たされましたのですわ
トマト、ピーマン、パプリカ、カボチャ、モロヘイヤ…
「緑黄色野菜は、血をサラサラにしてくれるんだよ!吸血鬼なら自分の血の管理くらいしっかりやれ!
 金?アホか!あたしは押し売りじゃない!おまけだ、おまけ!」
と仰いますのよ?
…そのようなわけで、冷蔵庫には野菜がどっさりございます
申し訳ありませんが、献立を考えられるとき考慮して下さいませ

>立場上、お嬢様が教会を訪れるのは難しいかもしれませんが
>いつか御一緒したいものですね
左様ですわね
神父様のお立場を考えれば軽々にできることではございませんが
いつか信者の方々にも受け入れていただけましたら、ぜひご一緒したいですわ

198 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/05/07(Sat) 11:45
>>188
まあ、この森にはリンゴの木がございますの?
リンゴの木が自然に自生するとは思い難いのですが、どなたかが植樹為さったのでございましょうか?
少し不思議な気がいたします

英国の小説「林檎の樹」では、林檎の樹は理想郷の暗喩とされていたでしょうか
上流階級の青年が田舎旅行で出会った純粋無垢なヒロインと一度は恋に落ちながら、結局元の階級の中で新たな恋をし、元の恋人を捨てる…
そして悲しい結末が…

純粋な強い想いを貫き通せなかったが故の悲劇
この純粋さと弱さは誰もが持つものでございましょうか
一歩を踏み出しましたわたくしこそ、このことを忘れず前を向いていかねばなりませんわね

そういえば、最近May J.様や原田知世様がカバーされた日本の名曲「木綿のハンカチーフ」は、この小説に少し似ておりますわね…
この曲のヒロインは今も林檎の樹のある故郷でお健やかでいらっしゃるのでしょうか…


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