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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ壱

785 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2016/08/28(Sun) 18:33

>>777（柚葉さん）

＞まあ、あの世界三大カーニバルの一つの…。
＞写真で見てみましたが、とても楽しそうですね。
＞暦では、1月下旬から2月に行われるのですか。
＞お嬢様はどのような格好をされていたのか、気になりますね。

残念ながら、今手元に写真データはございません
ですが、マスカレードの仮装の写真はネットでたくさんご覧になれましょう
そこでご覧になれます様な豪奢なドレスでございますわ

ただ、わたくしなりに何か個性を出したくて、いろいろな虫をモチーフにしたアクセサリーをたくさん付けてみました
トンボのブローチ、テントウムシのブレスレット、クモとクモの巣のティアラ等々…
はい、これは『堤中納言物語』の『蟲愛づる姫君』をヒントにしたのです

1987年にイタリアのテレビで『風の谷のナウシカ』というアニメが放映されて、その原典がこの物語だと聞いて、日本から取り寄せて読んでみましたの
…とても魅力的な物語でしたわ
自由奔放な姫君にすっかり魅了されてしまいました

youtubeでラジオドラマ版も聴いてみました
ttp://kikudorabungak.main.jp/list/musim

やはり、今でも愛されているのですわね、この姫君は

『ナウシカ』は良く知られているのです
この原典も多くの方に知っていただきたいものでございます

本当は、マスカレードでも『壺装束』を着てみたかったのですが、フィドゥーチャに『周囲から浮きすぎます』と反対されましたの
『壺装束』…平安時代から鎌倉時代にかけての公家や武家のご婦人が外出するときに着た装束ですわ
残念でございましたわ

＞次期当主を教育する立場にある以上、やはり厳しくならざるを得ないのでしょうが
＞その裏側にある優しさは、やはり伝わっていたのですね。

ええ…、メイド長がわたくしにもメイドさんたちにも厳しいのも、
『信頼して互いを頼れる同朋』
として在らしめるため…、今思えばそういうことではないかと思います

フィドゥーチャが、古参のメイドさんから聞いた話として伝えてくれたところでも、彼女はわたくしが生まれる前のカルミーニオ家の危機的状況に当たってお父様を支えてきた、ということですから

貴族階級として人間界で名を成していても、その実は闇の魔族
どのような状況が出来しようとも、自らを護るよう備えてこそ平和は守られる、そう考えているのではないでしょうか

＞どうぞ…茄子と夏野菜のパスタ、それとマチェドニアです。
＞直ぐにお茶も準備して参ります。ゆっくりとお召し上がり下さい。

ありがとうございます…
ん〜、懐かしいのにとても新鮮な味わいでございます
伝統に一工夫加えられた、柚葉さんならではのお味ですわね

＞それと、日本人が好む典型的なパターンの伝説として、カラクリを応用して牢から逃げだし、
＞蝦夷に渡って研究を続けたというものも…。

それは楽しそうなお話しでございますね
『判官贔屓』…と申すのでしょうか、不本意な最期を遂げたと思われた方が実は生きていて更なる活躍をする、日本では特に好まれるお話のようですね

＞…何処までも、人間の善なる部分に目を向けようとなさって下さるのですね、お嬢様は…。
＞でも、その時はその部分を見る事が出来なかった…。
＞村の人達と仲良くなる切っ掛けも作れず、ただ去っていく事しか出来なかったお嬢様の哀しさは推して知るべし、ですね…。

お心遣いありがとうございます
さすがに、フィドゥーチャと知り合った小さい頃のようにはいかない、とその時実感しましたわね
小さい頃は、石をぶつけられてもまた出直せばいい、というもの知らずらしい図太さでしたが、わたくしが無辜の人々の脅威になっていると実感してはそうもまいらなくなりましたわ

でも、図太い性根はそうそう変わりませのは、今のわたくしをご覧になればお分かりになるのではありませんか？ふふふ…
今のこの自分の在り様を実感するためにも…わたくし、出奔してまいりましたことは間違いではないと思っております

でも…、このような思い出はやはり少し心寂しいものでございますね

ああ…紅茶が美味しいですわ
なんででございましょう…、やはりこのようなお話をしました後は、柚葉さんの紅茶は…格別でございます


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