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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ壱

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2016/04/23(Sat) 08:22
桜の花綻び、早くも儚げに花の嵐舞う様は殊の外美しゅうございますね
日本の春、長閑にして麗らかなる陽の光がこの身を包むことの何と嬉しいことでございましょう
異国より参りまして明るい青空の下、小路を染める花びらを箒で掃うのも情緒を誘うものがございます

わたくし、イタリアより参りました吸血鬼のアーチェロ・カルミーニオと申します
何卒よろしくお願いいたします

923 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/11/03(Thu) 16:55
>>922(柚葉さん)

>あらあら、次女さんったら…。(苦笑)
>でも、主であるお嬢様にさえも言いたい事をハッキリ言ってしまう所は次女さんらしいですね。(苦笑)

ええ、元々歯に衣着せない娘でしたが、日本に参りましてからは、きっとわたくしのことが心配でしたのでしょう
『学校、一人で行けるか?なんなら、あたしがついてってやろうか?
姉さん(長女ちゃん)に手を回してもらって、同じクラスに編入するとか』
なんて、ませた口調で申していましたのよ

尤も、柚葉さんがいらしてからは、
『しっかり勉強してきなよ。
あたしは柚葉姉とちゃんとお家きれいにして待っててあげるから』
と言うようになりまして
もう、この娘ったらすっかり柚葉さん第一になってしまいましたわね

>でも…まだ私がこのお屋敷に住まわせて頂いてからそれ程長くの年月は経っていない筈なのに、
>もう既に…思い出し切れない程の多くの素敵な思い出を頂いているような気がしますね。
ええ、本当に…
柚葉さんがいらしたのは、桜がすっかり若葉の緑に染まるころ>>51でしたわね
吸血鬼の家に、いとも軽やかな笑顔と共にいらっしゃったのでびっくりいたしましたのも、ずい分と昔のことのように思えます
色々忘れられない思い出がたくさん出来ましたから…

>お嬢様とレイナさんが、初めて三姉妹さんを紹介して下さった時の事が昨日のように思い出されます…。
>蝙蝠さんの姿で三人並んで紹介された後、皆さんが今の姿に変わった時…。
>あまりの可愛らしさに抱きしめたくなってしまう衝動を抑えるのが大変でしたね。(微笑)

そうでした、本当に今思い出しても心楽しい光景でございますわ
三姉妹を見る柚葉さんの笑顔、八重桜の蕾がほころんだように可憐で温かで…
三姉妹たちも突然の人間の同居人と聞いて、立ち居振る舞いには気を付けても多分に緊張気味
長女ちゃんは、正対して如何にもメイドらしく端正な佇まいで向かい合い
次女ちゃんは、腕組みし口を引き結んで気圧されまいとやや脚を開き気味に立ち
三女ちゃんは、後ろ手で半身(はんみ)に構えてモジモジし、小首をかしげてキョトンとした表情…

今だから申せますが、最初は長女ちゃんがわたくしに、
『人間の方をお家に入れて大丈夫でしょうか?』
と申し、妹二人もウンウンと頷いていましたわね

でもあれも、柚葉さんの最初の笑顔に魅了されたがゆえの、せめてもの急ごしらえで取り繕った警戒のポーズにすぎませんでしたわ

924 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2016/11/03(Thu) 16:56
>>922(柚葉さん) (つづきでございます)

>レイナさんに色々と教えてもらいながらお世話させて頂いている時も、自然と表情が緩んでしまっていたのが少し恥ずかしかったです…。

はい、柚葉さんのお優しさに三人とも速効で本当の妹のように懐いてしまいましたね
程なくして三人とも、
『柚葉さんが献血係だからと言って、よほどのことがない限り血をねだるのはよろしくないと思います』
『だな。無理やり血を貰おうなんてしたら、むしろ殴ってでも止めるぞ』
『無理やり…。そんなことしたら…姫様のこと…嫌いになるかも…』

もう、わたくしが柚葉さんに手を出したりしないかと釘をさしてくるのですもの
主人をもう少し信用してほしいものですわ

…でも、その時実感しましたの
『姫』という肩書きでこの娘たちの信頼をつなぎとめることはできないのだ、と

故郷の城館ならば、相応の力のあったその肩書きに、これからは甘えていてはダメ、自分のすべきことは自分で考えなければ、絆というものは作れない
そういう場所に自分は来たのだ、と

能天気昼行燈娘ながら、身の引き締まる、そして嬉しい実感でございました…

>お食事に関しても、最初はまず洋風のメニューから…。
>そして、お嬢様と共に次第に和風のメニューにも慣れていったのでしたね。
最初は食べた事の無い和食に戸惑いを感じながらも、段々と喜んで頂けるようになって
>この仕事をしていて良かったと思えた思い出です…。

ふふっ、最初は日本の食材におっかなびっくりでしたものね
お豆腐だったでしょううか?
四角くて白くてフルフル震えるのを不審そうに見て、最初は
『味が薄い』
と言って不満そうでしたが、柚葉さんの手になるお料理を味わって
『…柚葉お姉さんは魔法使い?』
と言っていたような

いえ、他の食材だったかもしれませんが、いずれにせよ見たこともない食材から味わったことの無い美味しいお料理が味わえる毎日
食卓で堪能するだけでなく、自分からその魔法の妙技を学ぼうと、進んで台所に行くようになって

人間と言うものの尽きせぬ可能性を知った、あの娘たちにも素晴らしい学びをいただけたと存じますわ…


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