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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ弐

124 名前：吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日：2017/01/08(Sun) 12:26

>>119（柚葉さん）

＞この国では、信仰や信心を問わず和洋様々な習慣やイベントが混同しているのは周知の事と存じますが、
＞日本のクリスマスにおいて一番素晴らしい事は、大切な人達と共に笑顔を共有できる事だと私は思います。

もともと、12月25日が降誕祭となりましたのは、古代ローマに於いて、異教徒との軋轢を回避しつつキリスト教の浸透を図るため、それ以前より行われていた冬至祭に合わせたため、と言われておりますわね
冬至を祝うお祭りでしたら、日本全国の多くの神社でも催されているとか
この街の土地神様の神社もそうでございますわね

冬至…一陽来復のその日を祝うのは、宗教の枠を超えて生命の甦りを喜ぶからでしょう
大切な人と互いの息災を悦び、絆を確かめ合う、という意味で、『笑顔』に溢れた日本のクリスマスはこの祭の意義にとても適っていると存じますわ

…それで思い出しましたわ
わが故郷の魔女、ベファーナ様のことを
実は、イタリアでは子どもたちにプレゼントくださるのはサンタクロース様ではなく、魔女のベファーナ様とされることが多いのですよ

この方は、かの東方の三博士が立ち寄った村の宿屋にいらっしゃった村一番の家政婦だったそうです
三博士はイエス様の誕生を一緒にお祝いに行こうと誘われたのですが、お忙しいベファーナ様はそれを断ってしまわれて…
後から三博士を追って旅立ったものの辿りつけず、それ以来マリア様への贈り物の箒を携えたまま彷徨っていらっしゃるとか…

『彼女が疲れてへたり込んでるところを一度は保護してあげてねぇ。
　このまま我が家のメイドにならないか？と誘ったんだけど、それを断って、箒に乗って飛んでっちゃったわねぇ。
　例によって、サインだけはもらったけどねぇ。』
と母が申しておりましたが…

わたくし、それを聞いて、その魔女の家政婦様が気の毒でならず…
（真っ先にイエス様の誕生を祝おうとした方が幸せになれないなんて、あっちゃいけないことでしょ！）
と、自分の立場も忘れて涙しましたわ

今では子どもたちに歓びをもたらしてくださる魔女の家政婦様に、どうか『笑顔』の在らんことを、とお祈りいたします…


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