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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ弐

151 名前：羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日：2017/01/22(Sun) 11:58

>>143

＞ええ、城館には眷属のメイドたちの居住区がございまして、そこに住むガーデニング担当のメイドが丹精込めて育ててくれました
わたくしにもガーデニングの基礎をいろいろ伝授してくれましたわ
出来ることなら彼女にも、この晴着を見てもらいたいのですよ

そういえばお嬢様が以前見せて下さいましたアルバムの中で、
見事に咲いた薔薇園の写真がありましたね。

咲き乱れる色とりどりの薔薇と、それにも増して華やいだお嬢様のはにかんだ笑顔…。
本当に素敵でした。（微笑）
そのメイドさんの薔薇とお嬢様への想いが込められているからこそ…ですね。

＞以前、お土産に頂いた銀の蝶の髪飾り、今日もちゃんと着けてきておりますのよ
わたくしの運命が柚葉さんのそれと糾えるものであること、それを信じさせてくれる気がするのですわ

はい…私も勿論付けていますよ。
ふふっ…レイナさんもお揃いですね。
もしお嬢様と共に故郷経観塚を訪れた際には、あの子達にもこの髪飾りをプレゼントしたいですね。

うふふ…蝙蝠娘さん達が蝶娘さんたちになるというのも良いかも知れませんね。
例えるなら…黒揚羽でしょうか。

＞お母様は本当に心から叔母様を愛しておられたのでしょうね
叔母様は、最初はご自分のお姉様とは知らずにいらっしゃったのですよね？

はい…母はその御役目と叔母の身を案じて夢の中で、「自分の事を忘れるように」と語りかけたそうです…。
でもやはり、心の奥底では自分の事を思い出してほしいという思いを消し去る事は出来なかったそうです。

…当然ですよね。如何に叔母の身を案じての事とは言え、愛する家族と共に在りたいという想いを消し去ることなど
出来る筈がありませんから。
だからこそ、叔母が記憶を取り戻した際には愛する想いが一層深まったと思います。
そして切れた糸が再び紡がれ、結ばれて再び愛する家族として新たに歩みだせた事は
何物にも代え難い喜びであったと思います。

そして今は、新たに紡がれた赤い糸が私達を結び付けてくれたのだと思うと素敵ですね。（微笑）

＞人の血を求める、というインパクト故にどうしても目立ってしまうのでございましょう
されど、その位置に相応しい身であることの証しは、その御身でなさねばなりませんわ

お嬢様が仰ると、本当に説得力がありますね。
本来は抗い切れぬ筈の衝動を御自身で克服し、「糧食」という在り方を昇華し
「絆」としての受け止め方をされているお嬢様だからこそ…ですね。

叔母もかつては母に「吸われるならユメイさんがいい！」と訴えたそうです。
自分を守ってくれる優しい方が、嘗ては誰だったのか思い出す事が出来なくても
その献身と包み込むような優しさに心を打たれたからこそ、消えてほしくないという一心で…。

素性も性別も無く、人から命の証とも言える血を与えたいと想って頂ける事は
吸血鬼の方にとって紛うことなき「絆」の証なのですね。

＞幸い、彼のヴァンパイアの方は他の亜人の方と人間の先生との仲介をしていらっしゃると聞いております
わたくしとしましても、嬉しいことですわ
ただ、その方、ときどき少し悪戯が過ぎてしまうようですが…

ふふっ…いよいよ始まりましたあの子達の日常を私達も楽しんでいきたいですね。
ドラゴンのメイドさんと会社員の方の同居生活も始まりましたし…居間で三女さんと寛ぎながら楽しむ時間が増えそうです。（笑）

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