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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ弐
376 名前:
吸血姫アーチェロ ◆
ufrlRV4E
投稿日:2017/04/07(Fri) 22:28
>>371
(柚葉さん)
まあまあまあ…、柚葉さんにも溜息を吐かせてしまいましたのね
やはり、あのモディリアーニ様の最期には、人の世の、芸術家の、ままならぬ製の哀しみとやり切れなさを覚えずにはいられません…
ええ、あのモディリアーニ夫人が氏を支え続けた健気さはわたくしも同じ想いがいたしました
それだけに、氏の死も知らぬまま画商の訪れを喜んでいらっしゃる様には涙せずにはおれませんでした…
柚葉さんをさらに悲しませることになるかと思いますが、実はあの奥様は最愛の夫が死して間もなく、自ら命を絶たれたそうでございます
その時、お腹に御子がいらっしゃったにもかかわらず…
>そして、お嬢様が「悔しかった」と仰っていた気持ちが最後の場面の物悲しい雰囲気と音楽と共に
>有り有りと伝わって参りました…。
はい…、はい…
その気持ちをご理解くださって、わたくし救われた想いがいたします
映画を思い返すたびに哀しみに心が沈んでしまいますが、その気持ちに寄り添ってくださる方がいらっしゃるのって…こんなにも心が温まるものなのですね
あの画商は仰る通り『冷徹』であったに過ぎず、夫妻の死の責を負うものではございませんが…
でも、それでも、孤独な芸術家が報われるようなほんの少しの心遣いがあれば、何かしらご夫妻の行方は変わりはしなかったか、と詮無いことを考えてしまいますわ
わたくし、あの映画を見た後、母に聞かずにはいられませんでした
『お母様は、モディリアーニ様のことを注目はしていらっしゃらなかったのですか?
援助してくださる機会はなかったのですか?』
なんて…、八つ当たりなのは分かっていたのですけれど
母は、
『わたくしの手はそんなに長くもないし…、温かくもなれないわ。
運に恵まれない芸術家は、そこら中に居るのだから。
たとえば同世代の日本の青木繁…、
わたくし目に掛けていたけれど、彼なんてモディリアーニより若くして世を去ったのよ。』
と、普段の母に似ず淡々と仰っていましたわ…
それでもなおわたくしあの映画を嫌うことが出来ないでいますわ
不幸ではあっても芸術に魂を燃やした人間の一生涯には、心打たれないではいられませんから
…ああ、お茶が美味しいですわ
柚葉さんはいつでも、わたくしのその時々の心を温めてくださるお茶を淹れてくださいますのね…
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