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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ弐

471 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/06/14(Wed) 23:12
>>467(柚葉さん)

>(桂様)
>じゃあ、葛ちゃんの白狐の尾花ちゃんもアーチェロさんと一緒なら人間の姿になったり出来るのかな?

はい、恐らく出来ると存じますわ
神様でいらっしゃるなら、きっと神々しくも愛らしい美少年…あるいは美少女でしょうか、素敵なお姿を見せてくださることでしょう
わたくしもどんなお姿に変わられるか、機会がございましたらぜひ拝顔したいものでございます
若杉のご当主にもご挨拶いたしたいですし

>アーチェロさん…柚葉ちゃんの事、よろしくね。

はい、柚葉さんがいつでも笑んでいただけるよう、そしていつでも進まれるその先に光明が続くよう、わたくしの出来ることをしてまいる所存でございます
桂様とノゾミ様の来し方と今とこれからがそうであるように…

>(柚葉さん)
>はい…何だか、今この場でこうして共に依り添える事を、この蛍さん達が祝福してくれているかのようですね。

はい、本当に…
てんとう虫さんが結婚を祝福する、という歌謡曲があると聞いたことがありますが
この蛍さんたちのほの明るい光に照らされていますと、華やいだ気持ちよりも、心に深く染み入るような悦びに満たされてまいります…

>その優しさと人恋しさのあまり、恐れられて離れられる事の辛さを知るあまり、
>御自身を呪縛で、鎖で縛る必要はもう無いのですよ。(微笑)

柚葉さん、わたくしはこれまで吸血を禁忌としていたことを悔いてはおりません
それが人と交わるための良き途であったことを疑ったこともございません

…ですが、柚葉さんがいつもわたくしに注いでくださった慈しみを能う限りの曇りない心で応えたい、と思う時、何か身の内より煩悶の炎のちらと揺らめくような想いを感じてまいりました
『この人とより深く、より強く、繋がってまいりたい、そのためにより確かな絆が欲しい』
そのような想いが、でございます

ですが、その『絆』を形にするものがなんであるか…、いつの間にか気付いていながら、それを正視することができませんでした
それは為すべきではない、とずっと固く誓っていたはずでしたから

そのように…、そのように、お優しい言葉でわたくしの心の鎧をいとも容易く外してしまわれて、わたくしはもう己の裸の心を偽ることが出来ません

柚葉さん、どうかわたくしに貴女との絆を ―
どうか、この牙を以て、そのどこまでも清らかな血の滴をいただかせてくださいませ…

>敢えて今だけは呼ばせて下さい。あなたを『お嬢様』ではなく、『アーチェロ』と…。

貴女の心からわたくしの心の奥底へと…達したかのように、いえ、達したのでしょう、その呼びかけがわたくしを揺すぶります
わたくしたちの間を隔てるものが何もなく、二人が一つに溶け合うかのように、貴女が近くて、どうしようもなく愛しくて…

わたくしからも呼ばせてください
『柚葉』…、どうかその身をわたくしに委ねてくださいませ
その手を取らせて、私だけを見つめて、そのうなじをこの身の牙の前へと…

今のわたくしは、吸血鬼の本性そのもの
普段とて強いて抑えているわけではないけれど、人界にては自然と伏している魔の気が、今はこの身を包んでおります
何ものも隠すことなく貴女のお心と共に在りたいから

柚葉、どうかその尊い血を今わたくしの中へ…
この腕の中でしばしの間、身を任せて…

………
……

『贄の血』…、これが『贄の血』…、
至純の滴が、私を満たして、わたくしの身を悦びで滾らせる
舌が、喉が、この身の内が歓喜の声で溢れている

忘れるな、惑うな、彼女が与えてくれたものを見誤るな、半可な小娘よ
予め自身を戒めてことを思い出せ
『決して貪るな、己を見失うな』
とそう誓ったはず

幾ばくかの滴をいただいただけのはずなのに
この身はどれほどの知らぬ力で満たされていくのだろう
嬉しい…
『贄の血』がわたくしを受け容れてくれている
わたくしと柚葉が繋がっていくことを許してくれている


…柚葉、ありがとう……
貴女の血を以て結ばれた赤い糸は、わたくしの魂を結び付けて、もはやこの身が果てるその時まで、決して消えることはありません

友として、そしてアカイイトで結ばれた同胞(はらから)として、常しえに、わたくしは貴女に誠を捧げます…
貴女がわたくしと携えられた手がいつも温もりを貴女にもたらし、その温もりが貴女の変わることの無い笑みをもたらしてくれるように…


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