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【オリジナル】異国小路の吸血姫　新館ノ参

954 名前：羽藤柚葉 ◆cmJTqYfU 投稿日：2020/05/09(Sat) 21:14

>>950
>>952

あら、こんにちは。
貴女様も、お散歩の途中ですか？
丁度今、ご近所様へのご挨拶の帰り道をお嬢様とご一緒していたのですよ。

本当はこのまま相合傘で、お嬢様とのお散歩の続きを楽しみたかったのですけど
家政婦という立場上、お屋敷に残してきた用事がありまして…。

そろそろ戻りませんと先輩のメイドさんに叱られてしまうとはいえ、
お嬢様をお一人にして多少なりとも淋しい思いをさせてしまうのは少々心苦しかったのです。

貴女様がご一緒して下さるというのであれば、心強いですわ。（微笑）

「袖振り合うも多生の縁」と申します。
どうかごゆっくりと、お嬢様とのお散歩を楽しんで下さいませ。
お散歩が終わりましたら、どうぞお屋敷へお立ち寄り下さい。
お茶とお菓子をご用意して、お待ちしております。

それでも、質問にはきちんとお答えせねばなりませんね。
私自身は冷え性ですので、冬の季節の雨は若干苦手なのですが…。
これからの季節の雨は好きなのですよ。

雨と紫陽花、蝸牛はこれからの季節の象徴ですから。
雨降る景色の中、咲き乱れる紫陽花の葉の上でお子様を背負った蝸牛さんを見ていると
母の愛を思い出して、何だか気持ちが温かくなってくるんです。（微笑）

来月には町の寺院にて、「紫陽花祭り」も開催されます。
その際には、是非足をお運び下さいませ。
もし再びご一緒出来れば、お嬢様もさぞやお喜びになる事でしょう。

それではお嬢様、私はこれにて失礼致します…。（ぺこり）
お屋敷でお待ちしておりますので、ごゆっくりと…。

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