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【オリジナル】国立光明学院11時限目 〜御剣家の新たなる旅立ち編〜 【異能】
- 1 名前:御剣 雪儚 ◆vmdp0Tew 投稿日:2019/05/13(Mon) 23:59
-
…ようこそ、“光明学院”へ
このガッコは“ぼんぼん”“おじょうさま”いっぱいの金持ち名門校……
しかして…そのしょうたいは…
異能者あつめて…そだてて…たたかわせ…
国の“まもりて”つくっちゃう…政府直属の“ひみつそしき”……
ぜったい…そとにはないしょ……です
でも…もちろん…
異能ない子も…いっぱいいる……ですよ?
異能者もちがう子も…なかよくまなんで…なかよくあそぶ……
そんなたのしいガッコにしていけたらな…っておもってます……
きょうみ…ある……? じゃ…これ……
ttps://www65.atwiki.jp/kkgakuin/
うちのパンフ…そこの“入学案内”のぺーじみて……?
転校・就職するのにひつような校則…かいてあるの……
ここも11スレ目だけど…新入生は“ぜっさんぼしゅうちゅう”……
いっしょに…はっぴーな“すくーるらいふ”…たのしんじゃおーぜ…べいべ…(廿_廿)b
†名簿とその他の施設†
名簿(キャラクター):
ttps://www65.atwiki.jp/kkgakuin/pages/43.html
美術室(イラスト置き場):
ttps://ux.getuploader.com/komyo/
(閲覧パスワードヒント:「光明学院と対を成す異能者学院の名前」)
分校(避難所):
ttp://jbbs.shitaraba.net/internet/24652/
旧校舎(旧避難所)
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17702/
- 391 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2019/10/25(Fri) 01:38
- 「"パンチェッタと若鶏のディアボラ風"でございます」
長身痩躯で一見頼りなそうに見えるギャルソンは、
しかし無駄のない動きで料理を並べ、最後には笑顔を忘れずに去っていく。
"神代小鳥"は申し訳程度の笑顔を返すや否や横目で彼を追い、
その姿が見えなくなると飽き飽きしたような、もっと言えば慣れた様子でため息をついた。
「・・・なんて?」
「"パンチェッタと若鶏のディアボラ風"ですわ」
まともに見ているのかもわからない視線を料理に向ける小鳥に、
"雷坂美雪"は音もなくナイフとフォークを手に取りながら答える。
「せめてメニュー名が一般人でもわかる店で食事しない?」
「あら?雷坂グループエンジニアリングチーム管理本部長兼(※長いので以下略)のワタクシに、
駅前のおでん屋さんで夕食を済ませろと言うんですの?」
「そこまでランク下げろとは言ってないよ・・・」
やはり呆れて、そして慣れた様子で話を切り上げて料理に集中しようとする小鳥だが、
美雪は小さく鼻を鳴らして、そもそも、などと畳みかける。
「いつも言っているように、もっと軽い気持ちと服装で来てくれていいんですのよ。
ワタクシたちのグループのお店で、しかも貸し切りなんですもの。
なんなら氷牙くんも連れてきてくださいな。もちろん旦那はお断りですけど」
「私も最低限のマナーっていうか、常識はあるからね・・・。
他人のことは言えないけど、さすがにこんなところに氷牙は連れてこないよ」
「氷川小鳥の息子なら、ワタクシが手取り足取りマナーを教えてあげますのに」
「・・・おい、息子に手をだすのは本当にやめろ」
「"ティラミス クラシコ"でございます」
聞いた瞬間から小鳥の頭には"ティラミス ナントカ"としか残っていないデザートを崩しながら、
近況報告にも世間話にも区切りをつけた2人は昔話――20年前の話に花を咲かせていた。
「・・・ああ、そうだ、昔話ついでに聞くけど」
小鳥はナントカにスプーンを空振りしながら、珍しく美雪に視線を向ける。
「久しぶりに草薙先生の話」
「……本当に久しぶりですわね」
美雪はまるで演技のように驚いた表情をした後、スプーンを置いて少し姿勢を正した。
「何もありませんわ、この20年間と同じく」
「・・・」
「光明にもどこにも、彼が存在していたという情報も痕跡もなし。
彼の存在を示すのは、ワタクシ達の記憶だけ」
小鳥という一点を見据えながら美雪は、そして、と続ける。
「その記憶もこの20年間で失われている。
氷川小鳥、20年前の貴女は3日と置かずに彼の話をしていたのに、
それが3週間になり3カ月になり、今日彼の話をするのは」
「3年ぶりかぁ・・・」
小鳥がいつの間にか美雪から目を逸らしてナントカに集中する一方、
美雪は手だけを動かしてエスプレッソを取ったものの、視線は小鳥に向け続けている。
「あの時は驚きましたわ。氷川小鳥と草薙先生が」
「もういいよ、その話は」
ナントカから目を離さない小鳥を尻目に美雪は、失礼、と手元のエスプレッソに視線を向けた。
- 392 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2019/10/25(Fri) 01:39
- 「というか」
美雪はエスプレッソとのにらめっこを一瞬で終え、すぐに小鳥に視線を戻す。
「悔しいですけどいつも言っているように、こんな話はただの理事のワタクシより、
事務長でもある貴女の旦那の方が詳しいですわよ」
「こっちもいっつも言ってるように、ウチでそういう話はしないんだよ」
「そうは言いますけど、氷牙くんも光明に入ったのでしょう?
黒翼のことといい、いつまでも家庭では話さないというわけにもいかないんじゃないですの?」
「・・・別に氷牙に隠したいから話さないわけじゃないよ」
取れないのか取る気がないのか、ナントカの底をスプーンで混ぜながら、
小鳥はいつも以上にブツブツと話す。
「私は聞かないし、旦那も話さないだけ」
「……」
「・・・わからない」
パチンッ!!
「・・・痛った」
「これも久しぶりですわね」
いつも以上に細めた右目の上あたりを押さえる小鳥に、
美雪は線香花火のように電気が走る指をガンマンのように構えたまま、
声だけは得意げに、しかし無表情で応える。
「氷川小鳥、あの頃の貴女はやっぱりその話を3日と置かずにしていましたわ。
彼のことがわからない、なにをしているのか、なにを考えているのか、
そしてどうして自分を好きになったのか」
「・・・」
「貴女は明確な答えを得たわけでも出したわけでもないでしょうけど、
いつしかその話をしなくなって、今日は……いつぶりか忘れてしまいましたわ」
美雪は構えを解いて少し微笑んだかと思うと、声に合わせて表情も得意げになっていた。
「忘れていたんでしょう、幸せな日々の中で」
「・・・そうかもね」
「それでいいんですのよ、たとえ大事でもどうしようもないことなら、
たまに思い出してはすぐに消えてしまうぐらいに忘れてしまっても」
失礼な話だが彼女たちぐらいの年であれば、どこでも立ち話を始めてしまうものである。
それが高級レストランの前の高級車の前であっても。
「相変わらず長いなぁ」
「雷坂グループのニューモデルですわ。次に会う時に乗り心地を聞かせてくださいな」
「次もうちょっと居心地のいい店にしてくれたらね」
「それなら駅前のおでん屋さんにします?」
「は?」
「20年前に食べそびれて以来、まだ食べたことがないんですの」
小鳥は一瞬考えた後、よく覚えてるなぁ・・・、と白いため息をついた。
「じゃあ、天野さんも誘おうか」
「ええ、楽しみにしていますわ」
オーッホッホッホ!!と今や字面ですら見ない高笑いをしたかと思うと、
美雪は側近らしき黒服を呼びつけ、何かを受け取って早々に退場させる。
「氷牙くんの入学祝いですわ」
「え?ああ、ありがとう」
不意打ちでありがとうしか出てこずに少し焦る小鳥を、美雪は無表情で見据える。
「神代小鳥、わたしは貴女の旦那が何を考えているかなんてわかりませんし、
ついでに貴女が彼に手籠めにされたという認識を変えるつもりもありませんけど、
彼が貴女を心から愛しているのは間違いないと思っていますわ」
美雪は真正面にいる小鳥にしかわからないほどに、ほとんど無表情を崩さずに微笑んだ。
小鳥は一息つくと再び、ありがとう、とこちらも落ち着いた笑顔で返事をする。
「今日は楽しかったよ」
小鳥は長い車に乗り込むと、運転手に少し急いでほしい旨を告げた。
まさかのSSタイミング被り。
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