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■ ■中世ファンタジー世界総合 11■ ■

1 名前:シェンリー ◆LnUU8pic 投稿日:2020/10/25(Sun) 00:41
ファンタジー世界を背景に持つオリキャラの総合スレです。
ファンタジー系のキャラクターを演じて
名無しさんの投下するネタや質問に答えたり、仲間に話題を振って会話をしましょう。

【ルール】
 1. 参加キャラは、このスレッド独自のオリジナルであること。
 2. 参加キャラは、キャラ紹介テンプレを使って自己紹介をすること。(>>2にあります)
 3. 単発系の質問・ネタ投下歓迎。
 4.誹謗中傷などはスルーすること。


【外部サイト】
中世ファンタジー世界総合スレッド避難所
 ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17089/

中世ファンタジー世界総合wiki
 ttps://wikiwiki.jp/medievalftsy/

272 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/02/18(Sun) 19:21
兄弟分とかそんな存在はいるの?

273 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/02/19(Mon) 23:36
人里離れた辺鄙な地にも、まれに小さな宿や酒場がある。
そんなところで賊に狙われやしないかと疑問に思うかね?
安心したまえ。そういった店は大概、元冒険者の店だ。
賊に対抗するだけの武力を備えている上、冒険者ギルドとの繋がりが深い。

賊にとっても、大してうまみがないのさ。
まず、抵抗が激しい。襲撃に成功しても、特に蓄えが豊かなわけでもない。
更には、組織規模の報復までついてくる可能性が高いのだからな。

>>271
少なくとも、子供の頃は全く似ていなかったな。
髪や瞳の色も違えば、顔の造形も性格も似たところがない。
他人から似ていると言われたことも一度もないよ。
単に言及しづらかっただけかも知れんがね。
どちらかと言えば弟は父に、妹と私は母親に似たと――

……ああ、そうか。
失礼、まず話すべきことがあるのを忘れていた。
弟妹と言ったが、正確に言えば私は彼らの異母兄となる。
父親は同じでも私は先妻の子、弟と妹は後妻の子だな。
よって、私と妹は共に母親似だが、だからこそ似ていないというわけだ。

私の生母は、私を産んで間もなく他界したそうでな。
周囲からは母に似ているとよく言われたものだが……
他意なく言われる場合もあれば、悪意を感じる場合もあったよ。
他の客人に少し話したことがあるが、母は身分が低い人だったものでね。
……私としては、顔を見たこともない相手だ。
何をどう言われたところで、実感も何もあったものではないが。

>>272
ふむ、そうだな……。
個人的に盃を交わしたわけではないが、兄弟子や姉弟子なら何人かいる。
師のお宅でご厄介になっていた頃、しばらく生活を共にしていた。
そう長い間のことではなかったが、良くして頂いたよ。

私の師が薬草園を営んでいるという話はしただろうかね。
引退なさるまでは、各地を放浪して人々に治療を施す傍ら、
有用な薬草類を収集しては持ち帰って栽培と研究を行い、
また時が立てば、薬草園の世話を弟子に任せて旅立つ……
……というような生活をされていた。
そのような経緯で、師のお宅に住み込んでいる弟子が数人いるわけだな。

旅暮らしでは顔を合わせる機会もないが、今も手紙のやりとりはしているよ。
親睦を深めるためというよりは、要件があって送るという形に近いがね。
珍しい薬草類の種子を採取した際は、いくらか師に送ることがある。
……私は過去に一度、その件でかなり大きな失敗をしてな。
それから数年が経った今でも、師や兄弟子らにからかわれるのだが……
……さすがに話が逸れすぎるか。いずれ、機会があれば話すとしよう。

274 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/02/22(Thu) 08:36
苦手なタイプの人っている?

275 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/02/23(Fri) 01:24
アザの町……預かった手紙の届け先は、ここで間違いないだろう。
……が、今日はもう遅いか。夜が明けるのを待つべきだな。

>>274
さて、人間ならば大概は好ましく思うがね。
最低限の距離感さえ保って頂けるなら、大概の相手とは付き合える。
少なくとも、表面上は無難にこなせるつもりでいるよ。
逆に言えば、距離感を保って頂けない相手との付き合いは厳しいが。

私自身、さほど我慢強い方ではないからな。
不調和を察してすぐに距離を置けるのなら良いのだが、
距離を置けない状況や、察することの苦手な相手だと問題になる。
……これは相性だな、本当に。
相手に洞察を求めすぎるのも、それはそれで甘えと言えるだろう。

定住者と比べれば、旅人が人間関係に悩まされることは少ない。
しかし、時には旅先で築いた人脈が役に立つこともあるわけだ。
だからこそ、私は概ね友好的に接することを心がけているよ。
行きずりの――例えば貴公のような相手に対しても、同じように。
それで相手から好印象を抱いて頂けるかと言えば……
まあ、何事も思うようには行かぬものだ。残念ながら。

276 名前:化け狐(幼女の姿) 投稿日:2024/02/24(Sat) 20:01
ねぇねぇ、とぃさん!
あっちにねぇ、こーんなおっきいきのみがあったよ!
こっちこっち!

277 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/02/26(Mon) 21:35
ヒットマンを差し向けられても返り討ちにしちゃえる?

278 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/02/27(Tue) 03:31

 雨の夜、ふと空を見上げると、雲の一点が光って見えることがある。
 厚い雲でさえ覆い隠せぬほど、月の輝きが強いのだ。

「――そんな夜には、あまり良くないことが起きると言いますよ。
 気まぐれな月の女神様が、雨に身を隠して地上を眺めておられるの。
 あの方が悪戯を行うには丁度よいお天気なのでしょうね」

 老婦人は小さく祈りの言葉を口にし「道中お気をつけて」と話を結んだ。
 手紙の届け先、閑静な僻地、アザの町。
 重く曇った天候ゆえか、昼間というのに薄暗く、行き交う人の姿も少ない。

>>276

 宿へ向かう道中、幼い娘に袖を引かれた。
 なんでも、大きな木の実があるという。
 方向からして、町外れの森にでも連れて行くつもりなのだろう。

「貴公、……」

 先に続けるべき言葉を、少し考えてしまった。
 幼子に『怪しげな者について行くな』と諭すことはあれど、
 逆に『怪しげな者を連れ回すな』とは言わぬものかも知れぬと。

「……ああ、分かった。行こう。だが貴公、一つ聞きたまえ。
 淑女はみだりに一人で出歩かぬものだ。
 此度は私が務めようが、次からは見知った者を供につけたまえよ」

 時刻は昼過ぎだが、この様子では日暮れも早かろう。
 おそらく地元の子供と思われるが、一人にするのは憚られた。


 娘は森に慣れている様子で、道もないというのに迷いなく歩んでいった。
 時おり振り返っては「こっちこっち!」と手招いてみせる。
 そのうち、次第に妙な兆候が見え始めた。
 頭部の癖毛は三角形の耳に変化し、スカートの裾から太い尻尾が見え隠れする。
 振り返った目の瞳孔が縦に割れて、その顔はにんまりと笑っている。

「……さて、貴公。一つ忠告をしておくよ。
 私は謎の病に蝕まれた身、喰らうのはおすすめできない」

 これが他愛ない悪戯ならば、さっさと帰れば話は済む。
 そうでないなら、普通に話せぬ事情でもあるものか。
 暗い森の中に、ざわめくような雨音が鳴り出す。
 上を見上げても空は常緑樹の葉に覆われて、月の所在は分からなかった。

>>277

 事態の停滞中、思い出すのは過去のやりとりだった。

>「ヒットマンを差し向けられても返り討ちにしちゃえる?」

 師の厄介になっていた頃、兄弟子を相手にそんな問答をしたことがある。
 出自を話した際に、怖れと興味が半々といった様子で聞かれたのだった。
 師を同じくする身とはいえ、私の身上と彼の間には何一つ関係がない。
 貴族絡みのややこしい揉め事に巻き込まれてはたまったものではないだろう。
 暫く生活を共にすると考えれば、不安にもなるというものだ。
 私は少し考えて、素直に話した。

「……相手の出方によるのではないかと」

 暗殺者と一口に言っても、やり方は色々と考えられる。
 剣などで近距離から狙われた場合、応戦できる可能性もある。
 弓や魔法で遠隔から狙われた場合は、何も分からぬまま死ぬだろう。

「ですが、私は捨ておいてもいずれ勝手に命運尽きる病人の身。
 暗殺者を雇って始末する価値はありますまい」

 廃嫡された以上、命があろうと貴族としては既に死んだようなものである。 
 価値があったのは嫡子という立場であって、私個人は今や無価値に等しい。
 その返答に彼が納得したか、本当に安心できたのかは定かでない。
 ただ、彼がその後の生活で親切に接してくれたことだけが確かだった。

 暗殺。心底うんざりする話ではある。
 耳にしたくない話題に順位を付けるとすれば、陰謀と並んで上位だろう。
 しかし考えてみれば、人目につかぬ森の奥ほど暗殺に適した場所もない。
 幼女の姿に釣られたのは、いくら何でも緊張感が欠けていたのだろうか。
 つまるところ『怪しげな者についていくな』と留意すべきは私の方だった。

279 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/02/28(Wed) 23:02
おかあさんが毒矢を受けてしまったの
あなたからは薬草の匂いがするから
どうか助けてほしい
報酬はおかあさんの宝物
ここからずっと東の、海の向こう側にある故郷から持ってきた、宝物

280 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/02/29(Thu) 13:57
命だけは助けてつかぁさい!

281 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/03(Sun) 00:47
風邪もひいていないのにくしゃみが出るのを治せないか

282 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/03/03(Sun) 05:15

 古い格言に『竜の巣に入らねば卵は手に入らぬ』というものがある。
 大きな成果を得たければ、相応の危険を冒す必要がある――という意味だ。
 私は今、狐の……巣というよりは家と呼ぶのが相応しい場にお邪魔して手記を綴っている。
 特に成果を望んだわけでなくとも、時には成り行きでこうなることもある。
 冒険者だからな。

>>279

 幼い狐はたどたどしくも必死な様子で語った。
 私が疑ったように人を食らうつもりなど毛頭なく、ただ助けてほしいのだと。

「助けが必要ならば、そう言いたまえよ。
 ……まあ、話は後にしよう。今は急ぐべき時だ」

 疑おうと思えば疑うことはできる。しかし結局、私は娘についていくことにした。
 毒の処置は速さが肝要だ。急がねばなるまい。
 時間がかかればかかるほど患者の命は危うくなる。

 案内に従って行った先には、金色の毛並みを持つ狐が倒れていた。
 神聖術により光を呼び出し、傷の状態をよく観察する。部位は左の後足。
 患部は痛々しく腫れているが、傷そのものは浅いようだ。素早く身をかわしたのだろう。
 何より特徴的なのは、患部周辺と口元の毛が鈍い青色に染まっていることだ。
 おそらく、咄嗟に傷を舐めた際に着色したものと思われる。

「……これなら、星見苔の薬が効くだろう。
 貴公、運が良いな。ちょうど手持ちがある」

 この青色の着色は、近隣で最も流通している毒に見られる特徴である。
 主に殺鼠剤の用途で用いられるが、甘い香りからしばしば幼児の誤飲事故を起こす。
 町に行くなら、星見苔の薬を一つは作っておくべきだと言ってもいい。
 清潔な布で毒を拭い去り、祈祷を行って穢れを払う。
 傷口に膏薬を塗布し、包帯を巻けば処置は終了だ。

「後は体力だが……この雨の下にいるのは良くないな。
 貴公、雨を防げる場所に案内して頂けるかな。運ぶのは私が手伝おう。
 どうせ患者の様子もしばらく見ておく必要がある。

 ……ああ、それと。大きな木の実があるのだろう?
 報酬にはそちらを頂こうか。実はとても楽しみにしていたものでね」

 東方の宝物には興味があるが、些か多く頂きすぎるようにも思えた。
 母狐殿が目覚めてから、改めて話を伺うこととしよう。


283 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/03/03(Sun) 05:18
・・・・・

>>280
おや……どうしたのかな。たかが薬師に、そう怯えることもあるまい。
それとも、何か命を取られねばならぬような真似でもしたのかね?
安心したまえ。私の仕事は命を取ることではなく、救うことだ。

まあ……私が恐ろしいのは理解できるがね。何しろこの面だろう?
慣れ親しんだ今でこそ、男前の面だと胸を張って言えるが……
私も着け始めた頃は、暗がりで窓や鏡に映る度に驚いていたものだ。
顔を覆っているおかげで、誰からも悟られずに済んだがね。

これは元来、疫病に対抗するための格好だ。
かつて東より訪れ、猛威を振るった黒死病。名前ぐらいは知っているだろう?
かの病も近年はおとなしくしているようだが、恐怖の記憶は心に残る。
黒死病と共に姿を現す疫病医が、死神の扱いを受けることも珍しくはない。

怖がられることには慣れている。
まずは顔を上げて、落ち着いて話をしてみたまえよ。

>>281
毎年この時期になると、貴公と同様の症状を訴える者が増えるよ。
一説によると、目覚めたばかりの春の精霊が悪戯をしているのだという。
一方、冬の精霊が去りがたくしがみついているせいだと言う者もある。
一斉に花が咲くことから、花粉による害を主張する声も根強いな。

もう少し春が深まれば、何もせずとも自然に良くなるとは思うが……
主な症状は鼻か。目は? ……ふむ。不便そうだな。
一時の気休め程度で良ければ祈祷をしよう。
穢れ払いの祈祷は、このような時にも便利でね。
直に洗えぬ部位を洗い流したような爽快さを得られると評判だよ。

より根本的な解決を望むのならば、そうだな……
私のように顔全体を覆ってみてはどうだろうか。
私はかねてより病弱の身だが、不思議とその症状とは縁がなくてな。
もしかすると、季節の精霊殿は顔を隠した人間が苦手なのかも知れん。
試してみる価値はあると思うがね。

284 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/03(Sun) 19:49
この草、薬草?毒草?プロなら判別できるの?

285 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/03(Sun) 20:10
わたしのマッサージは、ヘタな回復アイテムより効果抜群ネ!

286 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/03/05(Tue) 02:21
……。

…………貴公か。いつから居た?
そうか。少し……眠っていたようだ。
疲労が蓄積しているか……薬の量が多かったかな。

>>284
これは……どちらかと言えば薬草だな。冷えに効く。
よく干した葉を茶にしたり、根を酒に漬け込んで飲むのが主な用途だな。
薬として用いるには些か頼りないが、そのぶん害も少ない。
薬草と言うよりは、健康食品に近いだろうかね。

そうだな、慣れていれば判別は可能だ。
冒険者の仕事として、薬草の採取はありふれた依頼だが……
これがなかなか、依頼側としては難儀するものだとよく聞くよ。
草など、どれもこれも同じに見えるという者が多くてな。

特にまずいのが、薬草とよく似た毒草が近くに生えている場合だろうか。
うっかり混ぜてしまうと、後で笑えないことになってしまう。
花の咲かぬ時期の採取ともなると難度は更に上がるな。
葉や茎、周辺の特徴から見分けるより他にないが、
粗忽者では、そういった細やかな差異をあっさり見落としかねない。

やはり手っ取り早いのは、私のような知識を持つ者を指名することだろう。
私としても、ご贔屓にして頂けると助かるよ。

>>285
おや……東方の出身者か? かつて噂に聞いたことがある。
東方では、体内に流れる“気”の流れを操作するのだとか。
特に武芸者は、傷や疲労を癒し、魔を払い、筋力を増大するなど、
様々に“気”の力を応用して戦うものなのだと聞いたよ。

要はこちらで言う魔力のようなものかと考えているのだが……
さほど知らぬ物事について、あまり訳知り顔で語るべきでもないかね。
いずれ識者が訪れることがあれば、より詳しく伺いたいものだ。

……ふむ。
旅の仲間に貴公のような技術者があれば、荷物の節約となるのだろうか。
旅先で疲労困憊した者を見ることがあれば、貴公を紹介するとしよう。

ああ、私は結構。確かに、疲れてはいるがね。
貴公の施術にも興味があるのだが……奇病を患う身の上でな。
どうにも、素肌を晒すことや触れられることに抵抗がある。
健康体を取り戻した後の楽しみとしてとっておくよ。

287 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/05(Tue) 07:47
ウソをつけなくなる毒草とウソしかつけなくなる毒草
どっちの方がタチ悪い?

288 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/07(Thu) 01:22
おや!君も亜人だな!ここは人間ばかりで心細かったんだ!
種族は違えども少数派のよしみだ!仲良くしようじゃないか鳥くん!!
(尻尾ブンブン)

289 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/09(Sat) 11:37
遠い先祖にドラゴンがいたらしくて俺の背中には僅かに翼が生えてるんだ
飛べないしジャマなだけだけど…

290 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/10(Sun) 20:48
一日に18時間は寝ないと僕、真の力が出せないんです

291 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/03/11(Mon) 01:41
ソムニフェルムと呼ばれる花がある。
花は見目よく、果実は非常によく効く薬となるのだが……
よく効く薬であるほど、その扱いは難しくなるものだ。
苦痛を和らげ、眠りに誘うその薬は、冥府へ至る距離をも縮めていく。
医神ジヤビルがもたらした偉大なる知識の一つと伝えられるが、
同時に、かの神が邪神と呼ばれる理由の一つでもあるな。

>>287
どちらかと言えば、嘘しかつけなくなる方が厄介だろうかね。
嘘をつけぬのなら、異常があると周囲に伝えることはできるだろう?
一方、嘘しか言えぬ状態では、仲間に状況を伝えることすら困難だ。
“何かがおかしい”と主張したくとも、口から出る言葉は“何の問題もない”。
これでは、察しの良い者が通訳してくれることを祈るより他にないだろう。

ただ……一つ、気になったのだが。
これらの毒草を、同時に二つとも服用した場合はどうなるものかね。
互いに効果を打ち消しあって正常に戻るのだろうか?
あるいは……どちらでもない状態になる可能性もあるか。

世を騒がせる怪しげな予言者などが、そのような言葉を好んで使うよ。
解釈次第で如何様にも意味を変えてみせる、曖昧で難解な玉虫色の言葉……
もしもそれが毒草の効果だとしたら、中々に哀れなものだがね。
必死に助けを求めるも、口をつくのは詩的で神秘的な言葉ばかり。
信者から祭り上げられていても、その真意は誰からも理解されない。
毒の効果が切れたとて、真実など誰からも求められてはいないわけだ。

>>288
貴公、……フフ、そうか。……そうだな。
見たところ、貴公は犬か狼の獣人だろうか。
種族は違えども、仲良くしたい気持ちは私も同じだよ。
私はジャックドウ、薬師を営んでいる。薬が必要なら相談したまえ。

ところで……一つ聞かせてもらって良いだろうか。
やはり私は、他の人間とは少し違った匂いがしているかな?
特定の病の患者は、体から独特の匂いを漂わせていることがある。
嗅覚が鋭ければ、匂いから病を判別できる可能性もあるかと思ってな……
……だが、私では薬草や香料の匂いにかき消されてしまうか。

ああ、そうそう……言うのが遅れてしまったが、私は鳥人ではない。
鳥のような格好をしているだけの人間だ。
すまない。貴公の尻尾が微笑ましかったものでな。
つい、もう少し眺めていたくなってしまったのさ。
騙すつもりはなかったが、許せとも言うまい。
ただ、種族は違えど仲良くしたいという言葉だけは、繰り返させて頂こうか。

292 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/03/11(Mon) 01:55
ついでに一つ、連絡をしておこうか。
近頃、病の状態が悪い。次回は遅れるかも知れん。

……私は、少しばかり見栄を張る癖があるようでな。
このような状態でも、人に弱った姿を見せるのは抵抗があるのさ。
よって、見舞いは結構。くれぐれも部屋を覗かぬように。
体の調子が戻り次第、すぐにいつもの姿をお見せするよ。

>>289
ほう、先祖返りというわけか。
なるほど……それは着るものに難儀しそうだな。
服に収めるのは窮屈そうだが、背中の空いた服を着るのだろうか。
夏場ならば扇の代わりにできるかも知れんが、冬場は翼が冷えて辛かろう。

人ならぬ者の血を引く家系は、しばしばその血に特殊な能力を宿すという。
その最たるものが、現人神の血を引くという皇帝家だろうな。
この大陸の貴族には魔法剣の使い手が多いという風潮があるが、
それもまた血統に由来する才の一つと言えるかもしれん。
皇帝家の縁戚ならば、遠くとも神の血を引いていることになる。

貴公も竜の末裔ならば、血統に由来する能力が他にもあるのではないかな。
人より頑丈だとか、呪いや魔力に強いというのが本命だろうかね。
今は何もないと思えても、ただ眠っているだけかも知れん。
竜という生き物は、古来よりよく眠るものだと聞く。
無理に起こすこともなかろうが、必要とあらば目覚めるだろうさ。

>>290
おや、奇遇だな。私も時々、そのような気持ちになるよ。
特に寒い朝などは、何時間でも睡眠が必要であるように思える。
実際には真の力が出るどころか、身体が鈍っていくばかりなのだがね。
体調を悪くして寝込んだ後などは顕著だな。明らかに体力が落ちる。
以前はもう少し、鈍る速度も緩やかだったのだが……歳かね、やはり。

その点、貴公はただ燃費が悪いだけだろうか。
真の力が必要な時に寝ておけば良いのだから、予定は立てやすいかね。
まず予定日から逆算して、寝る日とよく眠るために疲れておく日を設ける。
更に力を磨く日と、生活必需品を用意する日、生活費を得る日を割り振る。
しかしいくら予定を立てても不足の事態は起きるものだ。調整の日も……

……貴公、眠そうだな。真面目に聞きたまえ。真の力の活用法だろう。
眠いからといって好き放題に寝ていては、私のようになってしまうぞ。
真の力を出したところで、地力が衰えていては何にもならぬだろう?
いかに真の力が強力だろうと、その力を出せぬ時には役たたずでも困る。
何事にも、まずは地道な鍛錬が必要だと思うがね。

293 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/12(Tue) 21:32
春がもうすぐそこまで来てる
ここは俺が食い止めるぜ!お前は先へ行くんだ!!

294 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/13(Wed) 16:04
気絶するほど苦いお薬出しときますね

295 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/16(Sat) 12:39
ドジっ子だからうっかり伝説のドラゴン目覚めさせちゃったの!てへ!

296 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/18(Mon) 17:58
ワン、ツー、スリーで魔法の早撃ち勝負だ…!

297 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/20(Wed) 18:58
傷口は炎の技で無理矢理消毒する他ないって状況もあるんでしょうかね

298 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/21(Thu) 20:25
ストリートファイトが強い奴に心当たりない?

299 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/03/26(Tue) 20:49
予定よりも長く空けてしまったな。
ああ、体調は戻ったゆえご心配なく。
しかし、突発的な問題が起きてしまってね……。
申し訳ないが、手が空くまで今しばらくお待ち頂きたい。
本日は連絡のみにて失礼。では、また。

300 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/03/26(Tue) 21:13
四天王の最弱候補は俺だぜ

301 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/06(Sat) 23:02
すっかり夜が短くなったな。
日々の過ぎ去る速度ときたら……何らかの異変を疑うよ、全く。
ともあれ、随分と待たせてしまった。旅の再開といこうか。

>>293
――結局、共に残るような形になってしまったな。
なに、貴公ばかりに良い格好はさせられんということさ。
それに、私も冬の寒さにはいい加減に飽き飽きしていた。
春が来るのなら、さっさと挨拶してやりたいと思っていたところだよ。

さて、春の尖兵と言えば、そこかしこに咲く花だろうかね。
頭上を覆う木の花には目を奪われるものだが、時には足元にも目をやるといい。
特に薬師として、一つ知っておいて頂きたい植物がある。

清らかな香りを纏い、見るからに可憐な白い花でな。
その佇まいから聖女の鈴と呼ばれるが……名と姿に反して、猛毒だ。
丁度この時期に咲く。迂闊に手に取らぬよう、気をつけたまえ。
冥府や天界は常春と言う者もあるが、いずれにせよ、貴公にはまだ早かろうよ。

>>294
おや、それはどうも。
本来の効能はともかく、睡眠薬としては素晴らしい即効性があるようだ。
だが、結構。頂くのは気持ちだけにしておくよ。
薬を飲んだ後は、できるだけ細やかに記録をつけたいものでね。
本当に気絶してしまっては、体調の変化が分からなくなるだろう?

良い薬ほど苦いというのが世の常だが、実は薬を飲むにも技術があってな。
飲み慣れぬ者ほど、ゆっくり飲もうとして咽せるものだ。あれがよくない。
慣れれば、薬が舌の上に乗らぬよう素早く流し込むコツも覚えるのだが。

……具体的にどうやるのだと言われても、説明に困るがね。
頻繁に薬を飲んでいると、自然にできるようになるものだよ。
なんなら貴公、一度その苦い薬で練習でもしてみるといい。
時には患者の苦しみを知ることも、薬師としては良い経験になるだろうさ。

302 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/06(Sat) 23:05
……と、話を続けたいところだが……時間切れだな。
申し訳ないが、話の続きはまた次回にさせて頂こう。
さすがに今回ほど長くお待たせすることはないはずだ。

>>295
おや……そうか。それで、その後どうなったのかな。
貴公の様子を見る限り、大事には至らなかったようだが。
大冒険を繰り広げたか、あるいは、竜が二度寝でもしてしまったか。
……ふむ、私の予想としては後者かね。

たかが人間の不用意で覚める眠りなど、元々そう深いものでもなかろうよ。
春の陽気の中で二度寝をするのは、人の身には心地よいことだ。
竜にとっても、それは同じだったのかも知れんな。

いずれにせよ、無事に済んだようで何より。
深刻な問題だからといって、深刻な顔をすれば良いというものでも――
……待て、薬箱には近寄るな。もう少し距離を置きたまえ。
貴公のうっかりは、何が起きるか分かったものではないからな。
笑い話を聞くのは好ましいが、当事者になるのは御免こうむる。

>>296
……つまり、私は勝負の審判役でも務めれば良いのだろうか。
見ての通り、私は魔術師ではなく薬師でな。魔法は専門外だ。
全く使えぬとは言わんが、使える魔法の多くは戦闘向きではない。
そんな輩に勝負を持ちかけては、雑魚狩りの汚名を着せられても文句は言えんぞ。

とはいえ……無理だと言い張るのも、少々芸がないかね。
魔法の指定をこちらがしても良いのなら、受けようか。
治癒術を早撃ちして、より素早く患者の傷を癒す勝負というのは如何かな。
つい先日、近隣で大規模な魔物騒ぎがあってな。
魔物自体はおおかた討伐されたが……処置を待つ怪我人が少なくない。
この状況では、癒し手の数が多ければ多いほど助かる。

ああ、もちろん無理にとは言わんとも。
だが、もし受けてくれるのならば、あちらの救護場に来てくれたまえ。
一度来たら、恐らく半日は帰してもらえんと思うがね。

303 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/12(Fri) 03:13
春の夜というものは、空気からよい香りがするものだ。
この面を身につけている都合上、満喫する機会は多くないがね。
時間も季節も、もう少しゆっくりと過ぎ去ってくれれば良いものを。

>>297
焼灼か……あまり考えたくはない状況だが、ないとも言いきれんか。
切断などの重篤な創傷、ろくな施設も薬品も癒し手もない、猶予もない……
それほどに悪い状況でもなければ、まず選択肢から外したい手だよ。
火傷の対処は手がかかる。何より、患者に強い苦痛を与えるからな。

……そういった状況に、一つ心当たりがある。
昔々……私の故郷に、魔物が出るようになった頃の話だ。
農民だろうと鉱夫だろうと、武器をとれば戦士にはなれる。
生活や家族を守るためならば、魔物と戦うことはできる。
魔物討伐隊は、そういった必要に迫られて結成された。

しかし、傷の処置に長けた者、知識を持つ者はそう多くないものだ。
治癒の神聖術を扱える者も、当時は司祭以上の地位を持つ聖職者に限られた。
教会まで辿りつければ深手を負っても助かるが、そうでなければ命を落とす。
初期の討伐隊はそのような状態だったという。
……さすがに、近年は違うがね。

何にせよ、傷の備えは万全にしておきたまえ。
後悔してからでは遅いだろう? ここで薬を買っていくといい。

>>298
路上で戦闘を? 見世物の一種だろうか。
ふむ……そうだな。腕に覚えのある冒険者なら、何人か伝手がある。
どのような人材が入用か言ってくれれば、紹介しよう。

状況を問わず、相手を選ばず、暴力であれば右に出る者はない――
そういった輩にも心当たりはあるが、正直おすすめしかねるな。
あれを御しきれる人間など、そうそういないだろうさ。
私としても、あれとはあまり関わりを持ちたくない。

状況次第では、私もそれなりのものだとは思うがね。
相手が人間に限られ、複数人を相手取る必要がなく、
短時間で決着をつけられるのなら、間違いなく私の得意分野だと言えるよ。
戦闘後の救命処置まで可能なのだから、なかなか良い人材ではないかな?

>>300
――だが、そういった人材ほど戦闘以外の面で貢献しているものだ。
貴公もその口なのではないかな?
四天王と呼ばれる以上、一定以上の武力は備えているのだろう。
しかし誰しも、得手不得手があるものだ。

個としての武勇に優れるが、用兵が下手な者。
人心掌握に欠け、部下からの信頼を得られぬ者。
知性の乏しい者に、下克上の疑いを拭えぬ野心家……。
主君としては、こういった連中は頭痛の種になるだろうな。
なまじ強いからこそ、半端に扱うわけにも行かん。

貴公が周囲から何を評価され、何が評価を落としているのかは分からん。
しかし、謙虚な人柄であることは分かるよ。
案外、人間関係における要石となっているのではないかな?
よくあることだよ。分不相応な無能と思われていた人間がいなくなった途端、
人間関係の軋轢が表面化し、組織ごと瓦解してしまうというのは。

304 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/13(Sat) 19:46
敵が味方になるなんてことも時にはあるのか?

305 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/14(Sun) 12:15
仲間のピンチをきっかけに新たな力が覚醒するのはよく聞くけど
そんな状況にはなりたくないよね

306 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/14(Sun) 20:58
この井戸は異世界に繋がってるって友人のマイケルが言ってたぞ

307 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/14(Sun) 22:52
伝説の剣が中古屋で売ってた
しかも店主に知識がないもんだからかなりの格安

308 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/14(Sun) 23:17
昨日よりちょっぴり強くなれば
チリツモで一ヶ月後にはかなり強くなるよね

309 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/22(Mon) 03:05
ここから少し北上すると、街道を外れた辺りに要塞跡があるそうだ。
何やら妙な噂も耳にしたが……次の宿はそちらにしようかね。

……噂の内容か? まあ、よくある与太話だよ。
曰く……その要塞跡は、大昔に滅びた国の重要な拠点だったという。
地上は小型の魔物や亡霊が徘徊している程度のありふれた廃墟だが、
実はどこかに地下へと続く階段が隠されている。
地下深くには滅びた国の財宝と、財宝の守護者が眠っている。
これまで、守護者の姿を目にして生きて戻った者はない……と。

誰も生きて戻らないのなら、噂になるはずがないだろう?
賊や魔物がそれらしい噂を流しているのなら納得だがね。

>>304
ああ、そうだな。よくあると言ってもいい。
冒険者の大半は、ただ金で雇われて働く人間だ。
無論、それぞれに目的や思想、信条はあるにしても……
雇い主が変われば、敵は味方に、味方は敵にと変わりうる。
いちいち以前の立場を気にしていては、冒険者などやっていられないよ。

だからこそ、味方は大事に扱うべきだな。
敵であった際の怨恨は水に流せても、味方への恨みはそうも行くまい。
見捨てられたり、侮辱されたりすれば恨みは相当に後を引く……
……おっと、これは味方が敵になる話だな。失礼、話を戻そう。

組織に属さぬ傭兵などは侮られやすいが、その分身軽でもある。
雇い主が気に食わなければ、より金払いのいい方、
あるいは人柄が気に入った方に鞍替えすることもある。
不満を抱えていそうな傭兵がいれば、声をかけるのも手だろうさ。
丁重に扱わねば、再び敵になってしまうかも知れんがね。

>>305
流れを読む才こそ、冒険者に最も必要なものだと主張する者は多いな。一理ある。
窮地を脱する力は得難いが、まず窮地に陥らぬよう立ち回りたいものだ。
力に覚醒せねば死あるのみでは、賭けとしてもあまりに分が悪い。

だが……時には、不利な戦いを強いられることもある。
……そうだな。貴公、遊戯盤で遊んだことはあるかな?
チェッカー、タブラ、チェス……種類は何でも構わない。
あるのなら、勝つ為に捨てる駒があるのは分かるだろう。
盤面を見れば勝利が決まっていても、最初から死ぬ運命にある駒がな。

いかに風向きや潮の流れに敏感でも、察知できる範囲には限りがある。
大きな流れの渦中にあっては、個人の力などたかが知れている。
ましてや、その流れの存在を知らなければ、逆らうという発想すら出ん。
我々はせめて、運命神の大鎌に刈り取られぬよう祈るかね。
幸か不幸か、あの方は諦めの悪い者をお好みのようだからな。

310 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/22(Mon) 03:07
>>306
つまり……その井戸からは異世界の水が出るということか。興味深いな。
貴公、飲んだことはあるか? 味はどうだ? 体調に変化は?
そもそも、なぜマイケル殿はそんなことを知っている?
彼は既に、異世界から来た魔人に成り変わられているのでは?

……というのは、さすがに冗談だ。
異界に通じる井戸というのは、たまに聞く話だな。
大概は底が見えぬほど深く、石を落としても音がしないという理由だよ。
わざわざ井戸に入っていく奇人など、そうそういないだろう?
おとぎ話の勇者殿でもあるまいし。

何故か家々を訪ね回り、壺や樽を割り、クローゼットを漁り、
井戸に侵入していくとかいう奇行に走ったとされる勇者殿。
話として伝わっている以上、何らかの意味があるものと思われるが……
残念ながら、私にはよく分からん。
偉大な人物にも、尊敬できぬ奇癖はあるものだということだろうか。

>>307
貴公、随分な目利きのようだな。それで、買ったのかね?
買ったのならば、是非お目にかかりたいものだ。
私は貴公のような良い目を持ち合わせてはいないが、興味はある。
見せて頂けたとして、子供のような感想になりそうだがね。

しかし……気になるのは、貴公が見かけた場が中古屋という点だな。
つまり、それを売り払った者が存在するということだろう?
店主は勿論、売った側もろくに知識を持っていなかったのだろう。
おそらく、正規の持ち主ではない。ならば、盗品だろうか?
……これも考え難いな。伝説の武具ならば、相応の場から盗み出した筈だ。
街の中古屋よりも高値で買う者はいくらでもいるだろう。

二重、三重に不可解だが……この謎は、私が負うには些か荷が重いようだな。
銘が『伝説の剣』という普通の剣、などというつまらぬ結論になりそうだ。
それならいっそ、より荒唐無稽に、中古屋の店主こそ伝説の武具の継承者で、
価値の分かる者に譲りたがっている――などという話の方がまだ面白かろうよ。

>>308
……と、思うだろう? そうなら良いと、私も思うさ。
だが、風に吹かれた塵は容易く散ってしまうものだ。
強くなったことを実感できる機会はそれほど多くない。
才や効果がないと感じた時、その努力を続けることはできるだろうか?

無論、努力をせず一流の実力を身につける者はそうそういない。
だが、厄介なのは実際に才能の差が存在することでな……。
才能がないのなら、他の方面に時間と労力を費やした方が良いではないか。
そのように感じることも、時にはあるだろう。

足を止める理由はいくらでもある。場合によっては、歩み続ける理由よりも多く。
その理由を振り切って歩み続けることは、途方もなく困難だ。

……少し、意地の悪いことを言ってしまったな。
本音を言えば、貴公は強くなると私は思うよ。
自らの未来を信じられる者には、前に進む力がある。得難い才だ。
私が言わずともそうするだろうが、今後も励みたまえ。

311 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/24(Wed) 17:54
身体が小さい奴が大男を倒すなんてファンタジーなんだぜ…

312 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/25(Thu) 17:17
実力が互角の者と戦うのが一番楽しいけど
なかなか見つけるのは難しい

313 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/27(Sat) 03:00
街道をずっと北上していくと、自由都市ランディアと呼ばれる街がある。
僻地だが、古来より防衛の要として精強な兵が集う土地柄のようでな。
腕自慢が集まるうち、武闘大会が盛んに行われるようになったと聞く。
中でも、年に一度のリベルタス杯は大いに盛り上がると噂だよ。

>>311
なんと、貴公……さては、闘技場に行ったことがないな?
大柄な戦士と小柄な戦士の対戦は、闘技場でも特に人気のカードだよ。
一度とは言わん、折を見て行ってみたまえ。参加するのもいい。
あれを体感せずに過ごすなど、人生の損失も甚だしいと言えよう。

無敗の王者が悠々と連勝を重ねる様は観客を熱狂させ、
時には流星の如く現れた謎の新人が混乱をもたらし、
体格で劣る女子供が巨漢を打ち負かす姿には一際大きな歓声が上がる。
不利を覆す戦術や技術は参考になるが、単純な娯楽としても一級品だ。
賭けるのも良いな。己が損得に繋がるとなれば、応援にも力が入る。
無論、損得など顧みず贔屓の戦士に肩入れするのも自由だとも。

……む、すまない。少しばかり熱くなってしまったな。体格差の話か。
どういうわけか、体格に恵まれた者は魔法に弱い体質の者が多いと聞く。
闘技場でも、重戦士の天敵といえば魔術師の名がよく上がるものだ。
もしも世界のどこかに魔法が存在しない国があるのだとしたら、
その国では体格や筋力こそが絶対的な強さの指標となるのだろうか?
しかし……それこそおとぎ話でもあるまいしな。

>>312
貴公も好きだな。ああ、分かるよ。私も似たようなものだ。
完全に互角よりも、やや上の相手をどうにか打ち負かすのが好みかな。
まあ、それが可能な状況は相当に限られるがね。
大概は殺されぬよう、姑息な手段を用いて必死に立ち回ることになる。

相手の力が高すぎれば手も足も出せずに敗北と屈辱を味わうばかり、
かと言って低すぎれば歯ごたえも経験も得られない。
同程度の仲間と組めば、定期的に手合わせできるのかも知れんが……
相性の違いもあれば、成長速度にも差はある。ふむ、実に難しいものだ。

つい最近聞いた話だが、昨今は路上で戦闘を行う催しもあるようだ。
機会があれば参加して、実力の近しい者を探してみては如何かな。
ただ……どのような規定が設けられている催しなのかは、私も存じ上げない。
場合によっては、悪質な相手に心身を破壊される恐れもあるわけだ。
薬師としては、負傷は治せる範囲に抑えて頂きたいものだが……
どのような目的であれ、戦いである以上は危険が伴うのは致し方ないことかね。

314 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/28(Sun) 23:08
いつの時代も人気の物語といえば英雄の怪物退治に悲劇喜劇に恋愛物よ
先生には浮いた話とかないんすか

315 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/29(Mon) 10:08
マッチはいかがですか…

316 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/29(Mon) 11:10
お客さまの中にお医者さまはいらっしゃいませんかー!?

317 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/29(Mon) 13:03
荷物袋に沢山詰め込めばそれ自体が武器になるんじゃないかと思った

318 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/04/29(Mon) 22:02
血が止まらないの…助けて…
鼻血が…

319 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/04/30(Tue) 04:32
……。
ああ、今日は起きているよ。ただ、少し考え事をな。
私が貴公らと初めて顔を合わせてから、それなりに経ったろう?
最初と現在とで、どのように印象が変わったか……変わらなかったか。
人の目に映る姿は、鏡を見たところで分からぬものだからな。

>>314
そうだな。それらに加えて、未知なる秘境を巡る冒険譚は心が踊るものだ。
戦記や歴史を題材とした叙事詩も興味深く、謎を解く物語にも惹き付けられる。
ただ、恋愛は……主題として扱うよりは、添え物の印象が強いかね。
壮大な物語に華を添える挿話としては悪くないが、
それを中心とした物語となると、さほど興味が――

……うん? 私か?
あいにく、私はどこに行っても浮く男でね。
更に浮いた話などあっては、地に足がつかなくなってしまうだろう。
おまけに、冥府から熱烈な求婚を受けている身の上でな。
全く縁が無いとは言わんが、一時の熱に身を捧げられるほど若くもない。

結局……何をするにも、まずは病を治してからということになるわけだ。
良い題材をお探しの吟遊詩人殿には、些か申し訳ないがね。
私の如き平凡な薬師の独り言では、人々の支持を広く集めるわけもなし。

>>315
おや……このような時間に物売りとは。
冬場と比べて暖かくなってきたとは言え、夜はまだ冷えるだろうに。
貴公、どうせなら火に当たっていくといい。その方が売り物もよく見える。

売り物は……ふむ。点火具か?
手間と時間がかからぬ代わりに使い捨てと……なるほど。
些か割高だが、何があるか分からぬのが旅人だからな。一つ二つ頂こうか。
しかし、点火具を売る娘とは……おとぎ話を思い出すな。
あまり愉快な話ではないが、聞きたいかね。では、あらすじだけ。

貧しい物乞いの娘が魔女と出会い、魔法の点火具を手に入れる。
お陰で娘は冬の寒さに凍えず済むが、魔女のもたらす道具には罠があった。
その点火具は夢を見せるのだ。甘やかで優しい、理想の世界を。
その甘美な夢を自ら否定せねば、夢に囚われたまま命を落とすのだという。

……物語の結末? さて……どうだったかな。
ちょうど小銭も入ったことだ、明日は貸本屋にでも足を運ぶといい。
体は十分に暖まったろう。今日のところは、早く家に帰りたまえ。

・・・

む……雨が降ってきたな。
些か短いようだが、本日はここで一区切りとさせて頂こうか。
また近いうちに話の続きをするとしよう。では。

320 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2024/05/01(Wed) 09:25
高いとここわ〜い!
だから山のダンジョンは行けない!

321 名前:ジャックドウ ◆doc.fPD. 投稿日:2024/05/07(Tue) 02:12
少し雨宿りをするつもりが、予想よりも時間がかかってしまったな。
待たせてすまない。色々あった。事の顛末は……機会があれば話すとしよう。

>>316
いると言えばいるが、いないと言えばいない。
……などと、回りくどくふざけている場合でもないな。
まず、何があったか手短に教えて頂けるか。私は薬師だ。
他に適切な者がいないようなら、私が診よう。

……ふむ。急に痛みを訴えて倒れたと。意識はあるな。
持病は? 直前に食べたものは分かるかな? ……なるほど。
顔色、脈拍、体温、痛みの位置、……よろしい、大体分かった。
安心したまえ、すぐに楽にしてさしあげよう。
……失礼、言葉選びが悪かったな。治るという意味だ。

さてと……ああ、最初に言った言葉の意味か?
私は正式に医者と名乗れる身分ではないが、疫病医の肩書きを持っている。
しかし疫病医というものは、資格・経歴・年齢不問、未経験者歓迎の仕事でな。
要は疫病を前にして逃げなければ、誰でも名乗れるというわけだ。
信頼のおける癒し手が必要なら、聖職者を求めた方がまだマシだろう。
そのまま鎮魂の祈りを捧げられる羽目になるかも知れないがね。

>>317
一理あるな。非武装の際に必要に迫られれば、私もそうするかも知れん。
だが、荷物の中には衝撃を与えたくないものや、壊れては困るものもある。
それらを除外すると、武器として使える内容物は意外と限られるのでは?
少し考えてみようか。

まず、薬や油などの瓶は割れたら困るだろう。除外だ。
着替え、天幕、水袋、ロープ……布や水は衝撃を吸収してしまうかな。
重さを確保する分には役立つだろうが、詰める位置には配慮が必要だ。
糧食、小鍋……まあ、これらは少し歪んだとしても使えるか。
後は……書類、貴重品類は荷物袋ではなく携帯袋で身につけるとして。

何よりの課題は、荷物袋そのものの耐久力だな。
革は頑丈だが、さすがに刃物で裂かれれば破れてしまう。
いかに素材が良くとも、長く使えば縫製が緩む場合もある。
私としては、やはり武器は武器で別に持つべきだと感じるね。
戦いの最中に旅の荷物がぶちまけられては大惨事だろう?
こういう技だ、作戦だと開き直ろうにも、武器がなければ格好もつかん。

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