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【オリジナル】国立光明学院 13時限目【異能】
1 名前:
天野 優月 ◆
u5bClFiA
投稿日:2021/03/26(Fri) 01:00
“光明学院”へ、ようこそっ!
ここは所謂名家とか、お金持ちなんかの子女が通う名門校、・・・表向きは、ね
本当は“異能”っていう力を持つ人、早い話が超能力者たちの学校
お国のためにそういう超能力者たちを集めて訓練したりしてる、政府直属の学校なんだよね
まるで某アメコミの「恵まれし子らの学園」みたいだよね、まぁあれは私立でここは国立なんだけど
昔は怖がられたり、逆に崇められたりした異能者たち、
でも今の政府はその力を積極的に活用するつもりみたい
だから、こうやって学校を作って、力の使い方とかそういう勉強させてる、
そのために作られたのが、この光明学院ってわけ
・・・あ、そうそう、これうちの学校のパンフ
もし興味あるなら、これ読んでみて、特に入学案内のとこ、
そこに入学に必要なこととかは一通り載ってるからね
ttps://www65.atwiki.jp/kkgakuin/
名簿とか校内施設とかも、在籍してれば自由に使えるし、
結構自由気ままに楽しくやってけるんだよ、もち“校則”は守んなきゃ、だけどね
†名簿とその他の施設†
名簿(キャラクター):
ttps://www65.atwiki.jp/kkgakuin/pages/43.html
美術室(イラスト置き場):
ttps://ux.getuploader.com/komyo/
(閲覧パスワードヒント:「光明学院と対を成す異能者学院の名前」)
分校(避難所):
ttp://jbbs.shitaraba.net/internet/24652/
旧校舎(旧避難所)
ttp://jbbs.shitaraba.net/otaku/17702/
835 名前:
(1/3) ◆
V.9gKSA.
投稿日:2021/11/20(Sat) 19:22
―――――どうしてこうなった。
俺は今、化物を相手に鬼ごっこの只中だ。
本当にどうしてこうなった。こんな疑問ばかりが脳内を占める。
ただ俺は、生きる事を楽しんでいただけなのに。
ただ俺は、持てる力を使っていただけなのに。
どうして俺がこんな目に遭わなきゃならない。
おかしいだろうが。一体俺が何をしたって言うんだ。
世の理不尽を叫ぼうと、『奴』は耳を傾けない。
いいや寧ろ、更に激しく追い立ててくるような。
ふざけるな、クソが。俺が間違っているとでも言いたいのか?
そんな訳がない。俺は正しい、正しい筈だ。
力があるなら有効活用する、当然の事だろうが。
自分にできる事をして、利益を得ただけだ。
何処に疑問を差し挟む余地がある? いいや、ありはしない。
だから『奴』は人間じゃない。
上辺は30歳頃の男に見えるが、間違いない。
人間ならあって当然のものを否定する『奴』は。
執拗に俺へ襲い来る『奴』は。人の姿をした化物だ。
しかし何故、俺がこうも追われているんだ。
この異能、『意識と認識を操る能力』が見破られる筈がない。
警察の捜査すら欺いた認識阻害を、化物ってだけで破れる道理があるか?
考えても仕方がない。今はとにかく、逃げ遂せる事が最優先事項。
こんな時、誰かしら盾になりそうな奴がいれば。
化物をそいつに押し付けて、気を取られてる内に隠れられると思うんだが。
………誰もいない。
確かに裏通りの奥の方だが、いいやだからこそ誰かいる筈だ。
だと言うのに人っ子一人いやしない。明らかにおかしい、異常事態だ。
人払いでもされてるのか? いや関係ない、とにかく逃げなくては。
暫し走り続けていると、行き止まりの広場に当たってしまう。
幸い、後ろを振り返れど『奴』の姿はない。
今すぐ何処かに隠れれば、逃れる可能性はある筈だ。
周囲を見回してみれば、都合よく大型のダストボックスがあった。
見られていない今の内に、あれに隠れられれば―――。
―――俺のそんな希望は、目の前の箱ごと砕き散らされた。
コンクリート片が突き刺さり、ひしゃげた鉄屑から振り返る。
いた。何処かで見たような色の目を、激情に染めて睨む『奴』が。
一歩一歩、確実に距離を詰めてくる。
逃げ場はない。隠れる所もない。異能も何故か通じてない。
詰みだ。俺がこの化物の魔の手から助かる術は、ない。
「く、くく……よう色男、そんな怖い顔してどうしたよ」
だからせめて、ほんの少しでも時間が稼げれば。
今は思い浮かばない打開策も、閃くかもしれないと希望を載せて。
「俺に何か恨みでもあるのか? そんな筋合いはないと―――――がはぁッ!?」
紡ぎ、紡ごうとした言葉ごと。横っ面を殴り潰された。
もんどりうって地べたを這いずる。殴られた頬もだが、体に鉄片が刺さって痛い。
「何か恨み、だと……? こっちは生まれた時から恨み骨髄だ」
何時か何処かで聞いた声がする。何時の事だったか、そんな昔でもないような。
「およそ30年前。連続強姦殺人のターゲットに、ある女学生を選んだな」
30年前。その文言に不意に、ある記憶が蘇った。
836 名前:
(2/3) ◆
V.9gKSA.
投稿日:2021/11/20(Sat) 19:22
美味そうな女を味わって、少しずつ壊して、どの程度持つかを試すゲーム。
最初は犯している最中に死んでしまっていたが、繰り返す度に長く持たせられるようになって。
我ながら上達を感じられたものだ。だがあれは確か5人目、いや10人目だっただろうか。
女子高生か中学生くらいの小娘を犯したあの時、何故か警察に嗅ぎ付けられた。
そのせいでただのセックスに終わってしまい、玩具にしてやれなかったのだが。
それとこの化物と、何の関係があると言うのか。
「その少女が僕の母さんだ」
………今、何を言った? あのガキが? 化物の母親?
「胤はお前だよ、クズ野郎。母さんを穢したお前の罪が、僕を生んだんだ」
つまり、なんだ。この化物が、今にも俺を殺そうとしている、この化物が。
俺の、息子だと?
「だ、だったら……おい、親に手を上げるもんじゃないぜッ、がひィッ!?」
今度は化物の爪先が、俺の鼻へと突き刺さった。
痛み以上の熱に続き、重い液体が垂れ落ちるのを感じる。
「ひはッ、は、はがァッ……!!」
「ふざけるな、僕の親は母さんだけだ……!」
再び足が振り上げられ、また顔面へと翳される。
「お前を親と思った事なんて、ないッ!」
痛烈な踏み付け。今度は踵が捻じ込まれ、一瞬で視界が真っ赤に染まる。
痛い。痛い。痛い。顔中が激痛を訴えている。
頭ん中はもうクラクラだ。これだけ痛め付けたなら、もう気も晴れただろうが。
なのにその目付きは、表情はどうした。まさかまだ足りないってのか?
畜生が。こいつには人の心ってものがない。
やっぱりこいつは、人間じゃない。
激痛に悶絶して暫し、ようやっと痛みも引いたかと言う頃合いで。
「それからおよそ15年後、翻って15年前。手前はある中学生のガキ共で"遊ぶ"事を決めた」
先程と少し様子の変わった、化物の声が降りかかる。
15年前、中学生。そうだ、確か俺はあの時。
道端でたまたますれ違った、一組のカップル。
仏頂面の青毛のガキと、天然パーマの小娘。
年端も行かねぇガキの分際で、一丁前に色気づいた2人組。
引き裂いてやったら、どんな面を拝めるか。
なんとなしにそう思い付いた俺は、しかしてただ壊すにも飽いていた頃だった。
摘まみ食いした親子丼を父親に処分させながら、新しい刺激を求めて身辺を探っていると。
どうにも2人共、学級で虐めを受けていたとの事。それを知り俺は閃いた。
『仲良くさせてやろう』と。そうと決まれば、行動は早かった。
虐めの主犯格に接触、異能を駆使して警戒を解き、協力を取り付けて。
俺の異能で認識を狂わし、誰にも気付かせずに件の小娘を拉致。
後は只管『仲良し』の時間。協力者のガキ共がお楽しみの中、俺は基本見守るだけだった。
時折助言をしてやったり、軽く人払いをしてやったり。
直接の手出しはしなかったが、それはそれで中々楽しかった。
それにしても、治癒の異能持ちがいたのは僥倖だった。
ただ傷を塞ぐだけでもそう簡単には死ななくなり、玩具として長持ちするようになる。
それだけ遊んでやれる、楽しみが増えると言う事で……あぁ、いい拾い物だった。
将来有望な奴だった。些細なミスで完全に壊してしまったのは、多少なりと減点であったが。
とは言え『成果物』も、処女作としては悪くない出来のもので。
それを俺も少しばかり飾り立て、あいつらの学校に展示してやった。
彼女の晴れ姿を目の当たりにしたガキの反応は、大本の目当ては。
果たして、俺の期待していたものではなかった。
現実を飲み込めていない間抜け面。手間に見合わない、見慣れたそれに幻滅し。
色々とどうでもよくなったからその場を去り、適当にストレス解消して忘れ去って……。
837 名前:
(3/3) ◆
V.9gKSA.
投稿日:2021/11/20(Sat) 19:22
粗方を思い出した俺は、化物にあのガキの面影を見る。
そうだ、こいつだ。あの時のカップルの片割れ。
「めかし込んだ彼女の前で阿呆面ぶら下、げぇッ―――――」
上半身を起こし、地べたに座り込んでいた俺の鳩尾に。
化物の爪先が深々とめり込み、衝撃が身を貫いた。
胃の腑から熱と痛みと何かがせり上がり、次の瞬間には背中から鉄屑に叩き付けられていて。
口から鼻から、濁った血反吐が噴出し。俺の口から下を盛大に汚す。
「そうだ。手前が唆したクズ共に嬲り殺された、何の罪もねえ女子中学生がオレの友達よ」
息苦しい。口中が血の味と感触ばかりになる。
仇討ちの心算か? ふざけやがって。
たかがガールフレンド1人死んだだけだろうに、15年も根に持っていたとでも言うのか?
あり得ない、こいつは異常だ。頭がどうかしていやがる。
何の罪もない? 俺だってそうだろう。そんな俺にこいつは何をしている?
罪も咎も何もない俺を嬲り殺そうとしている、こいつこそクズの異常者だろうが。
俯いて咳と血を吐くだけ吐き、少しでも呼吸を楽にしようとしていると。
突然、上から頭を押さえられた。顔面に生暖かい液体が飛び散る。
後頭部には硬い感触、形からして恐らく靴底。となれば間違いない。
この化物に、頭を踏み付けにされている。
「―――――そして、今年の冬頃だったか。年は明けていた筈だ」
不意に、またも雰囲気が変わった。
成程、聞いた気がする声の筈だ。この声音は、間違いなく。
「光明学院のッ……用務員………!!」
「大正解だ、外道。お前に意識と認識を乗っ取られた、無様なオッサンだよ」
そうだ、あの時の事はまだ憶えている。偶然見付けたこいつを乗っ取って。
その体と交友のありそうな女子高生で、少しばかり楽しもうと思い付き。
ある日突然、異能を強制的に解除された。そう、確か。
『あの眼鏡の女子生徒を狙った瞬間に』。
あの女の異能か何かか? あり得ない、あり得る筈がない。俺の認識操作は完璧だった。
それに意識が消える間際に見えた様子でも、違和感を覚えた素振りもなかった筈だ。
「お前は生徒に、俺の新たな友人たちに手を出そうとした。これが3つ目」
それこそ冗談じゃない。まだ手は出せてなかった、食えた生徒は1人もいないのに。
まったくの未遂だと言うのに、そんな事を理由に殺されて堪るか。
頭を抑える足に、より強い力を感じる。
「お前は母さんを穢した」
顔と地面が密着し、潰れた鼻が痛みを訴える。
「手前は凪沙を殺した」
躙るような動きはなく、ただただ圧力が増していく。
「お前は生徒たちを襲おうとした」
不味い、不味い、不味い不味い不味い。
「この3つの罪は、俺が裁く」
このままでは、もう間もなく。
「死ね」
その言葉と共に、俺の意識は途切れた。
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