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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ五

70 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2022/02/18(Fri) 21:47
>>61(グリッタちゃん)

>こんにちは〜♪節分のお裾分け持ってきました〜♪

いらっしゃいませ、グリッタちゃん。
ちょっとバタバタしていて申し訳ございません。
東北からのお客様、瀬織津姫様の御使いの鬼族の方々がいらしているのですよ。
今、奥座敷にいらっしゃいますわ。
よろしければご案内いたしますわ。

…まあ、さっそくメイド服にお着替えになったのですね。
キラリと輝く黄金の髪が、お仕事モードのグリッタちゃんのお心の照り映えを表しているかのよう…。

お裾分けをこんなにいただけるなんて、そして、いずれも初めていただく品々でワクワクいたしますわ。
黒豆は日本でおせち料理として初めて食するようになりましたが、黒豆とパンの相性は抜群とかねがね
伺っておりました。
ふわふわモチモチ感あふれるパンから覗く黒豆は見るからに食欲を誘いますね。

ですが鬼さんの形のマフィンは可愛すぎて…。
丸いお顔の鬼さんたち、チョコで描かれた目鼻や口の愛らしい表情を見ていると、美味しく頬張るのも
ちょっと辛くなりそうです。
それでも「早く食べてよー」と言っているようなにこやかな笑顔に結局負けてしまうでしょうけれど。

そして鰯とカボチャのパイは全く未知の味がわたくしたちを待っているのでしょう…。
鰯とカボチャとが、こんなにも渾然一体となった相性の良い香りを立てるなんて、想ってもいませんで
した。

あら?奥の方からトテトテと小さな足音が聞こえてまいりますわね。

「姫、姫様、我等は客人。
 勝手に出ていらしては吸血姫殿にご迷惑ですよ。」

「まあ、そう申すな。
 我に間違いなくば、吸血姫殿の親しき友人と見える。
 それもこの日ノ本の人の世に稀なる大神の眷族と察せられれば、我もまた早く誼を通じたいと申す
 もの。」

やはり足音の主は瀬織津姫様でいらっしゃいました…。
グリッタちゃん、実を申しますと今年は東北の神鬼の隠れし王国より主たる瀬織津姫様が直々にお出で
下さったのです。
あくまでお忍びですけれど。
長く優美な二本の角、深い濃紺に染め上げた振袖を華麗に着こなすお姿は威厳に満ち満ちていらっしゃい
ますが、グリッタちゃんのお裾分けに数々にいつになく気もそぞろでいらっしゃるご様子…。

「大神殿よりの進物といただけるとは、まさに僥倖。
 有難くいただいて、然る後に家臣らと共に商店街でひと舞いして来ようと存ずる。
 ああ、楽しみじゃ…。」

>私、お茶の準備を手伝ってきます。(パタパタ)

グリッタちゃん、お客様でいらっしゃるのにいつも恐縮でございます。
わたくしは瀬織津姫様のためにお清めの湯を用意しておきますね。
舞いの前には身も心も清めるのが瀬織津姫様のご流儀ですから。
グリッタちゃんも一息つかれたら、どうかゆるりとお湯に浸かられてはいかがですか?

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