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☆★☆★☆ 10ちゃっと♪設立20周年記念祭☆★☆★☆ 第2会場

114 名前:煉獄杏寿郎 ◆Gv0oNgqY 投稿日:2022/09/15(Thu) 23:29
>>85-87 (カガリ・ユラ・アスハ)【弐】

舞踏会の音楽はあちらから聞こえてくるな!要!すまないが、先導を頼む!

〈 カァッ!! 〉
−−バサバサバサッ

《礼には及ばない・・・自分が抱えたその気持ちが勝手に走っただけだ。 》

例えそうだとしても、自分でない誰かの痛みを自分の事のように捉えて行動に移す君は立派だ。
あの時一番傍にいた者として分かる。
君のあの声援は、彼にとって君が思っている以上に大きな支えとなったはずだ。
そして今も、君は何も聞かずただ俺の背を押してくれるんだな…ありがとう。

《杏寿郎の話を聞いてみたい、刀を携え何と戦う? 》

我々の戦う相手は人を喰らう鬼だ。
その圧倒的な力の前に、一体どれだけの人が理不尽にその命の灯火を消されてきただろうか。
我々鬼殺隊は、そんな鬼共から人を守る為に刀を振るっている。
中でも俺の生家、煉獄家は古から代々続く鬼狩りの一族でな。
幼き頃は、炎柱である父の背を見て育った。
当時の父は…そう、正に燃え盛る炎のように勇猛果敢な人だった。
時に戦いの中で傷付き、血を流す父の姿は痛ましくもあったが
自分でない誰かのために命懸けで責務を果たさんとするその様は、今もこの目に焼き付いている。

−−だから、俺は父の後を継ぎ炎柱になった!

両親が灯してくれた炎を胸に、今にも零れ落ちそうな命を僅かでも掬う
例えそれが、女子供の姿を取っていようとも関係ない。鬼を狩る事が俺の使命だ。

しかしとある兄妹と出会ってからというもの、ふと思うことがある。鬼は皆、元は人間だ。
俺や君と同じように感情を持ち、泣き笑い時にはこうして誰かと熱く語り合う事もあったろう。
恵まれぬ境遇の中で、鬼となる以外の選択肢など端から無い者もいたかもしれない。
勿論、己の持つ鬼殺の意志に否やはないが
その背景へ思いを馳せることなく頸を斬ってきた俺は、真の意味で「弱きものを助けた」と言えるのだろうか。

…ふっ…やれやれ、こんな話をしたのは隊の仲間を含めても君が初めてだ。

カガリ、君の立ち向かう先は人同士の争いと言ったな。
それを収めるのはきっと、苦しい道だろう。
それぞれに正しいと信じる道があるならば尚更、感情を持つ人間同士ならば尚更だ。
強い信念がなければ強い行動は取れない、それが正しいかそうでないかはさておき。
もしも、もしもそれらを導くものがあるとするならば…それもまた、強き心だと俺は思う。

−−強さというものは、決して肉体に対してのみ使う言葉では無い。

君のその篝火のような情熱があれば、今よりずっと良い方向へと向かうだろう。
俺はそう信じている!

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