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☆★☆★☆ 10ちゃっと♪設立21周年記念祭☆★☆★☆ 第2会場

393 名前:水橋 パルスィ ◆Parseejo 投稿日:2023/09/25(Mon) 01:42
>>297 哲也・印南 善一
「芋だったら薩摩の『村尾』を勧めたいねぇ、芋の香りがしっかりと残っていてまさに杏寿郎の顔が浮かぶってわけさ。
外の世界なら簡単に手に入るだろうから、祭典が終わった後にでも勝って呑んでみねぇ、あるいはWWWが蓄えてるかもしれんが」
あら、熱くなるのは杏寿郎を思い出す時だけ?それとも私とでは熱くなる経験が足りなかったかしら。
―――足りないでしょうね、貴方がその気であれば同衾してもいいのよ?杏寿郎の比にならぬ熱を貴方にあげるわ。

「あー……そのことなんだけれどさ哲ちゃん、後ろに居るんだよねぇ善一つぁんがさぁ」
「どうしたんだい印南の、今年は随分と私らに近いナリじゃないか、完全に三途の川を渡っちまったのかい?
何、死霊をあの世に送らないとこっちに姿を出せない?かぁーっ、随分とまた話の通じない閻魔の手下になっちまったもんだねぇ。
他ならぬお前さんのことだ、こっちの閻魔を通じてそっちの閻魔にかけ合おうじゃないか」

そうね、賭博を主軸に据えて描写するのは貴方が初めてでしょう。
博打が出てくる作品自体はむしろ相当遡ることになるわ、漢代の『侠客列伝』に始まる武侠小説の連綿たる系譜がね。
されど博打はあくまで添え物、義と武が主題という点で貴方のそれとは似て非なるもの。
大衆は常に娯楽に餓えているわ、貴方がそれを満たす代わりに富と名声を惜しげもなく与える、その才能が妬ましいわ。

くくっ、彼こそまさに医者の皮を被った博徒よ、赤裸々に伝記を書けば伝奇小説に名を連ねたでしょうに。
恩師から学費を無心しておきながら飲む打つ買うの三拍子とはとんだ不義理もあったものだわ、そこで更に無心するんですからね。
掛け金や景品ではなく博打に心奪われた貴方には執筆も新たな博打、そして博打と言うからには打たずにいられないというところかしら。
今の貴方には何よりの激励でしょう、そして栄枯盛衰を俯瞰する私はその顛末を見届けるだけ。

我が趣向を気に召してくれたようで何より、意を汲んでくれる貴方だからこそその甘美を味わえる。
この祭典は貴方に限らず言外に込めた意を汲んでくれる者が多いから楽しいわ。
まずはWWWに雨音、彼らとはカクテルを交わすだけで会話できるんじゃないかと思う、実に洒脱ね。
神子は悔しいけれど一枚も二枚も上手、簡単にこちらの予想を越えて来るから妬ましい。

喰い殺すとは言ったけれど、その一方で喰い殺されることも期待しておくわ。
人間がどのようにして超常の存在に打ち勝つか、という点は私の生において大きな意味を持っている。
ギャンブルはその意味で平等に近い、私が能力を使わなければという付帯条件が付くけれど。
―――そんな顔しないでよ使わないわ、命を焦がすほどの勝負を楽しもうというのに斯様なもの無粋でしかない。

「やったあ、連れて行ってくれるんだねぇ?外つ国に行くなんて初めてさ、隣の高麗<こま>すら行ったことが無いんだ。
ちなみにラスベガスって所で勝負した話も後々本に書き起こすのかい?だとしたら先に結末を知れるわけだねぇ。
まるで特等席で読んでいるみたいさ、なおのことワクワクしちゃうよ。
いつまでも待つさ、人間より長生きなのが私達妖怪の取り柄だからね、無理しないで準備しておくれ」

「―――申し遅れまして失礼さんにござんす、手前生国と発しまするは山背国、山背国と申しても広うござんす。
山深き大江山に生湯を遣い、鬼狩りで名高い頼光から追われに追われて丹波国に流れ着き、更に流れて黄泉国に住まい居ります。
手前姓名の儀、発します。姓は星熊、名は勇儀、日ノ本六十余州に聞こえた星熊童子とは拙のこと。
以後面体お見知りおきのうえ、嚮後万端、よろしくお引き回しのほど、おたの申します―――侠客相手にはこんな調子かい」

「哲、相変わらず面白い連中と付き合っているじゃないか、お前さんとこちらの親分さんの面子は潰せないねぇ」
「サラシに打掛なんて着るの久しぶりだねぇ、カジノじゃスーツかバニースーツだからさぁ」
「ふふ、良く似合っているじゃないかヤマメ、私の帯をちょいと直しておくれ。
それじゃあ中盆の指示で私らは壺振りをやらせてもらうよ、いつでも仕切ってくんな」

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