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428 名前：水橋 パルスィ ◆Parseejo 投稿日：2023/09/25(Mon) 18:10

>>348 アーチェロ公女
姫様の下へ伺候した折には草木や空も寒風に晒されておりましたが、春分の頃にはすっかり春の陽気
桜は枝という枝に咲き誇り、花々は花弁を散らし、鴬の歌、鷓鵠の調べが漂う様は世界が祝宴一色になったが如く。
これら全ては姫様の膝下に生きる者達からの慶賀でしょう、どれほど弱き者達を慈しまれているか推察致します。
吸血鬼自体は悪とされますが、姫様の行いはアフラ＝マズダーの嘉するところでありましょう。

妾の盛名とは悪名の誤りでしょう、倭国においては鬼の四天王を我が身と共に封じて以来妖怪として振舞いました故
この香気もまた人間を誑かし惑わして喰らうため、妖魔の一としての嗜みにございます。
何と仰せられます、御父上は爵位を帯び、姫様も大秦国＜リュマーン＞より渡来され倭国に勢力を持たれたお方
光輝燦然とはかくの如しかと、無為に日々を過ごす妾にとっては妬むばかり、手前は嫉妬の妖怪故ご容赦を。

姫様と同じく妖魔の血を引く者には申していることでございますが、妾は最後の審判の折、姫様の敵として相見えるに相違ございません。
アフラ＝マズダーがアンラ＝マンユの生み出した魔王達に対抗する存在として生み出したのが妾を始めとした七柱の神々
故に善の具現として一切の悪を討たねばならず、状況により姫様の御首＜おしるし＞頂戴仕ることも有り得ます。
さりながら姫様は格段の善行を積んでおられます故、僅かな浄めの焔にて永遠の来世を謳歌できましょう。

倭国につきましては恐れながら姫様と思うところは同じと存じます。
最後の夫、最後の息子が失意の内に唐土＜もろこし＞にて世を去った後決意しました、二度と決まった伴侶は持つまいと。
さはさりながら倭国に渡って気付いてみれば新しい伴侶と連れ添い、一夜の相手との間に息子を儲けておりました。
所変われば心も変わるようで、ぽかりぽかりとその日を送るには退屈しない良い国でしょう。

「アータルはアフラ＝マズダーが唯一自らの血族として生み出された神格にして中級善神＜ヤザタ＞の一
丁重に扱ってくれたこと、中級善神＜ヤザタ＞を代表して感謝申し上げる。
我ら中級善神＜ヤザタ＞ は人間と交わり加護を与えることが本分、日ノ本でも忘れていないようで何よりだ。
招きには応じよう吸血鬼の姫君、屋敷神を筆頭に八百万の神々が汝の屋敷に集っているようだからな」

姫様の深謀遠慮には敬服し、日々感謝の念を深くするばかりに存じます。
妾の所業をどう解釈されるかは姫様の御心のままと心得ますが、自らの欲する所を躊躇わぬだけにて。
人間達が我らに扮した店（>>259）があるようですが、甘味を堪能してからでも遅くはありますまい。
あちら（>>218）に郷土の菓子を扱っている店がございまして―――侍従長殿？

そう仰られますと猶更手ぶらで参上仕ることは憚られます。
伺候の折は香美脆味を名工名店より求めるか、不調法は承知で自ら誂えましょう。
「姫君は日ノ本のものがお好みか、味では我が祖国のものも引けを取らぬが装飾にかけては繊細の極致
更には盛り付けも品があって良いと思う、その高貴な血が慧眼を齎し、その良さを見抜いているのであろうな」

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