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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ六

492 名前:水橋 パルスィ@メイド服 ◆Parseejo 投稿日:2024/03/24(Sun) 22:45
>>356 アーチェロ公女
主家の爵位を違えるなど臣下としてあるまじきこと、重ねて犬馬の労を厭いませぬゆえご容赦を。
姫様に馴染みがあるのは大秦国<リュマーン>亡き後の封建時代
私を貴婦人と仰いますがそうして生きていたのは遡ること千年前の倭国、そして更に千年遡った我が祖国でございます。
作法や慣習、有職故実も異なる異朝のことでございますから、姫様からすれば蛮族のそれでございましょう。

ふふふ、迷惑そうに仰っておられますが愛情深いご両親と見識の有るご学友に恵まれましたことを妬ませていただきます。
ドレスを贈られること、着ることを乞われその姿を絵に残されることも姫様の容姿と気品がなせる業
持てる者は持たぬ者へ喜捨を施すべきですわ、その美しさは泥中の蓮と形容して過言ではございません。
汚れと悲しみの多いこの世界には着飾った姫様のお姿という一服の清涼剤が必要かと。

いえいえ皮肉は嫉妬と同じく私の好物でございますゆえ、良いものを見せていただきました。
羽藤侍従への想いはまことに友愛なのか、という疑問は残りましたが。
ふふふ、アフラ=マズダーはお二方の縁をどのように定めたのか、その末は野次馬の一として気になります。
有象無象の介入を許すような運命には無いとは思いますけれど。

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ええ、その調べに乗せられ斯様な装束を纏って聖ニコラオスの真似事をしておりました、僭越ながら姫様と同じ装束で嬉しく存じます。
そして姫様から賜りました進物は早速使いまして夫<つま>の評判も上々、感謝を深くするばかりでございますわ。
ふふふ、侯爵夫人と共に舞われたかの祭典、その場の耳目と話題を攫うのですからやはり搾取が種の本質であらせられるのは隠せぬようで。
習わしなどふとしたことで変わるものです、禁血を行い神々から存在を認められた姫様が一番ご承知でしょう。

ベーネ侍従は風情が無いことを申すもので、吸血姫の眷属ならば高雅な趣味も身に着けさせなくては。
薄暗い屋敷の奥で姫様の顔<かんばせ>が闇に浮かぶ様は見る者に美と恐怖を与え、それは畏怖へと変質しましょう。
超常の存在を前にして人間が立ち尽くすのはそのためでございます。
犠牲者ならば御前に、橋姫が一匹絡め取られてしまいましたわ。

かの悪魔は存在するとして、所詮後からアフラ=マズダーの御業を知ったもの、究極的にはやはり被造物に留まります。
アフラ=マズダーはあらゆる一切を創造され、最後に悪を打倒してより完全な来世を創造されることを予定された点で全てに勝りましょう。
故に私は自らが悪へと堕ちることも、そのために浄めの焔が永くなることも厭いません、全ては最終的な善の勝利のために。
ただ、吸血姫でありながら善行を積まれる姫様の眷属ならば、多少の酌量はあるとの打算はしておりますが。

かの者とは豊関白(秀次)の茶会にて一度見えたことがございますわ。
公家は今出川右府(菊亭晴季)、西洞院参議(時慶)、土御門三位(久脩)、武人では加賀大納言(前田利家)、三好山城(康長)、木村常陸介(重茲)が居りましたか。
その他連歌師の臨江斎(里村紹巴)、虎岩玄隆西堂なども客として居り、錚々たる顔ぶれでしたが新左衛門も劣らぬ所作で感心したものです。
機智にも教養にも通じていなければ豊太閤(秀吉)が側に置いておきません、そして今の世に姫様から賞賛を賜ったこと草葉の陰で恐悦極まっておりましょう。

―――姫様の記憶、失礼ながら覗き見させていただきました。
侯爵夫人の仰せが真であれば姫様のお怒りごもっとも、一方で羽藤侍従が九尾の狐を癒されたのは慈悲と存じます。
フランケンシュタインの怪物、よもやこの極東の島国に流れ着き、死場所を得ようと火中の栗を拾っては感謝状を得るという日々とは。
くくく、二百年生きた程度で生きることを倦むとは、まだまだ超常の存在としての自覚が足りませぬようで、いずれ説教に参りましょう。

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