掲示板に戻る 全部 前 50 次 50 1 - 50 最新 50 スレ一覧

【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ六

496 名前:水橋 パルスィ@メイド服 ◆Parseejo 投稿日:2024/03/24(Sun) 22:47
>>397-398, >>400 アーチェロ公女
その折には私が密かに片づけますゆえ、姫様が感情を押さえつける必要は無用でございます、完全犯罪は妖魔の十八番なれば。
お客様は餅が搗きあがる様を見学してもらいましょう、自らに振るわれるはずだった力をご覧いただくために。
そして姫様から闇の祝福を受けた子、生半可な妖魔は近付きますまい、母親も中々目敏いようで。
更に土地神と龍神の加護がある街、邪なものを二重三重に寄せ付けぬこの地ならば皆健やかに育ちましょう。

いえいえ、知己の中に男形が似合う者を存じておるだけでございます。
麗しいお方から容姿を褒められますと些かこそばゆいものを感じますが、これも務めと甘受致しましょう。
ふふふ、双方名乗りを挙げる昔ならいざ知らず、一瞬で百万都市を消せる時代に私の出番など戦場にはございません。
姫様という花に這う蔓にして茨となるのが関の山かと。

一瞥以来でございます奥方様、アフラ=マズダーの定めた運命により姫様の眷属に加わる栄誉に浴すること叶いました。
―――なんと麗しい、姫様の五衣唐衣裳姿も美しいと思いましたが奥方様のそれは妖しさまで纏っておられます。
真祖の血がそうさせるのか、永年の積み重ねがそうさせるのか、この僕の語彙ではそれを語ることができません。
私の永い命はこの桃の節句のためにあったのでしょう、お二方の雛姿を見るために。

これは奥方様の執事殿に侍従殿、初めて御意を得ます橋姫のパルスィと申します。
新たに姫様の眷属に加えられました、以後お見知りおきを。
それにしても倭国の装束に改められてもお二方ともよくお似合いですわ、妬ましい程に。
こなれ具合の醸し出し方は長く宮仕えした者ならではのもの、先達として見習えるよう精進致しましょう。

姫様におかれましては桃が苦手とならないようで安堵致しました。
こうしてお出ししておりますとおり、加工した桃であれば問題無いのですが、生の桃はやはり抵抗がございます。
新年の祝いの時などパノッティが「悪鬼滅殺」などと刻まれた木刀を持っておりましたので、少しばかり脅かしたのが仇
大きな生の桃で私達を調伏致しました、新年早々鬼の大将とその妻達が揃って降伏する醜態を見せるとは幸先の悪い出だしでございましたわ。

侍従長と羽藤侍従から些か呆れられてしまいましたが、鯨飲馬食は鬼の性でございますゆえご容赦を。
風情を感じ手作りできる手軽さでは甘酒に軍配があがる一方、赤地に白あるいは青地に三色球の魔力には抗い難いものがございますわ。
甲乙つける上ではやはりいずれも飲み比べねば公平とは申せぬかと、私めが先陣賜りたく存じます。
まずは宴も一段落といったところで白酒を再び賜りましょう、姫様まずは一献お召し上がりくださいませ。

温室の一画を賜るとは封土を賜るということ、臣下の一となりました実感が湧いて参ります。
倭国も百花繚乱、小手先の工夫から最先端の化学や電子技術で多様な花が咲き誇る地ですから姫様の目と鼻を楽しませるには十分かと。
倭国の桜が如く国の花と申せるかはさておき、いずれも我が祖国で人気を争う花に違いありません。
両方既に育てておられるとは吸血種の貪欲さか、仕える主を間違えなかったこと確信致しました。

青い薔薇でしたら倭国と豪州の企業が―――まさか、完全な青い薔薇が……造花でもなく確かに。
一瞬、妬むことさえ忘れる不覚を取りましたがどこから妬んだものでしょうか、その蒼さか、香りか、あるいは過程か。
侯爵も姫様を驚かせることに関心が無いわけでは無いようで、妖魔として姫様も侯爵に逆襲なさいませ。
奇跡など存在しませんが良い縁であることに疑いはありません、縁切りの神でもありますが良縁は切らずにおくものです。

掲示板に戻る 全部 前 50 次 50 1 - 50 最新 50 スレ一覧
名前: E-mail(省略可)

read.cgi ver.4.21.10c (2006/07/10)