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【オリジナル】異国小路の吸血姫 新館ノ弐

705 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/11/13(Mon) 08:28
>>704(柚葉さん)

>お嬢様のお母様が絵に残したくなるだろうというお気持ち、私には分かりますよ。
>(微笑)

いえいえいえ、そこは分からないでいただいた方がありがたいのですよ?
これまでどれだけお母様の絵画のモデルとして、しんどい思いをさせられてきたことか…

しどけない漆黒の薄物を着せられて、幻獣、米国のウッド・スプリッタ(Wood Splitter Lee Cross)様が制作するような美しい獣の背に横座りに座らされた肖像画(?)を回廊に飾られそうになったこともございました…
あんな恥ずかしい絵、とても他人様には見せられないと必死に抗議しましたのに、ううう…

>その時には、お嬢様は帽子を被っておられて黒豹さんの頭に優しく手を置いている光景であれば
いえいえいえ、ですから、そんな具体的な提案がお母様の耳に入ったら、あの方ますますその気になってしまいます

ジト目…?ええ、ちょっと不安になってまいりましてよ
柚葉さん、ゆめゆめお母様とこの件で結託などなさらないでくださいませ
そうでないと、いつか来るべき柚葉さんを情感にお招きする日が怖くて迎えられませんわ

ですが、妖豹族の彼女の真摯なるお覚悟は、本当に柚葉さんの仰るとおりでした
わたくしには、彼女にそこまでの覚悟をしていただいて、申し訳ない思いだったのですけれど

実はその妖豹族のメイドさんは…、元来は一族の姫君だったのですよ
妖豹族は種族としては、人間に追われ、我々とも古の時代には対立し衰退いたしておりました
その末に、わたくしたちの庇護下に入ることとなるも、その際の『質』として一の姫君を預かることが両族の間で決められたのです
当時まだ子供のわたくしには、ただ
『親善のため来てくれた賓客の姫様ゆえ仲良くするように。』
と表向きの理由だけ言われていたのですが
『姫様』が来てから暫くの間、わたくし不思議な思いがしておりまして
そしてとうとう彼女に何気なしに訊いてしまいましたの
『ねえ、本物の姫様がいつ来るの?』
別に脅かすつもりは全然なかったのですが、訊かれた彼女は、顔面蒼白になって口をパクパクさせ、そして瞳に涙を浮かべ始めて、
そうしたら、狙いすましたようにお母様が現れて、
『なんで貴女はこの娘を本物じゃないと思うのぉ?』
というので
『みんなが、『さすが衰えたとはいえ妖豹族の姫、纏った魔の気のなんと豊潤なことでしょう』と言ってるけど、これってこの子の本当の魔気じゃなくて、『お化粧』されたものでしょ?』
と言いましたの
お母様は、あきれた様子で
『…メイド長以外使用人たちの誰も気づかないのに。
あんた、やっぱりあたしの娘だわぁ。
この娘はただの妖豹族の小娘だわね。
姫君は王に溺愛されているから手放せなかったんでしょ。
いつ考え直して本物を寄越すか待っていたんだけど、そろそろ限界ねぇ。』
と仰るので、嫌な予感がして
『…何をするおつもりですか?』
と訊きましたら、こともなげに
『連中まとめて潰すしかないわねぇ。カルミーニオ家を舐めた代償はしっかり取り立てるわよぉ。』
わたくし、猛烈に腹が立ちました
お母様に対しても、他人を身代わりにした一の姫様に対しても
お母様には思いなおすよう説得の限りを尽くましたが、お母様は馬耳東風…

(申し訳ございません、つづきます)

706 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/11/13(Mon) 08:30
>>704(柚葉さん)(づづきでございます 長くなって本当にすみません)

翌日、わたくしは、お昼になるのを待ってこっそり城館を抜け出しました
目的は一つ
わたくしが妖豹王のところに行って『質』になる代わりに、一の姫様に我が城館に来ていただくように説得することでございました

…ですが、一路妖豹族のお城へと向かっていましたところ、その途中でよりにもよって、その一の姫様とばったり鉢合わせしましたの
彼の方が仰るには、自分が知らないうちに父王様が、姉妹も同然の仲良しのメイドを勝手に身代わりに差し出したそうで、激怒した彼女はメイド妹と入れ替わろうと勝手に出奔してきたそうでございます

そんなこんなで、一の姫様は我が家に来てくださいました
ただし、ご本人が約定破りのお詫びとして『賓客』ではなく『使用人』となることを自らお申し出なさいましたわ
『大切な我がメイド妹と一緒に働かせていただけるなら何も躊躇うことなどございません。』
と仰って、わたくしは恐縮しているのに、一意専心お仕えしてくださいました…

しかし、思えばあの時は良く城館を抜け出したわたくしに誰の追手もかからなかったものでございます
後になってお母様が、わたくしに意味ありげにニヤニヤと笑っていたのを考えますと、わたくし結局お母様の掌の上だったのでしょう…

>ただ、「出仕」と一言で申しましても、レイナさんのように吸血鬼の方々に一番立場が近い種族の方であれば兎も角、
>他種族の方でお仕えする立場の方は出仕する者としての技量のみならず、
>他種族の方々の価値観、習慣、習性等について大いに理解し、学んでいる高い教養の持ち主でなければ
>きっと勤まらないでしょうね。

はい、仰るとおりですわ
彼の妖豹族の姫様も本当に、瞳の透き通るような深い輝きが印象的な、聡明な方でしたわ
その立ち居振る舞いも、一族を想う深い慈しみの心も、聡明さも、わたくしなど到底及ぶところではございませんでした…

今は妖豹族の女王となっておられますから、彼の種族の未来も明るいことと存じますわ

>それをきっかけに、ハリネズミとヤマアラシの違い、またはチーター、豹、ジャガーの違いなど
>同じイメージをもたれがちでも実は違う動物について調べるのがちょっとした楽しみになったんです。

ふふっ、わたくしにも覚えがございますわ
『ヤマアラシはネズミの仲間』
『ハリネズミはモグラの仲間』
『ハリモグラはカモノハシの仲間』
と家庭教師に言われて、頭がこんがらがりそうになりましたわね


707 名前:吸血姫アーチェロ ◆ufrlRV4E 投稿日:2017/11/13(Mon) 08:41
訂正でございます

>肖像画(?)を回廊に飾られそうになったこともございました…
>あんな恥ずかしい絵、とても他人様には見せられないと必死に抗議しましたのに、ううう…
飾られたのか飾られなかったのか、分かりにくい申し様になってしまいました
結局、飾られたのですよ、ええ…

>そうでないと、いつか来るべき柚葉さんを情感にお招きする日が怖くて迎えられませんわ
×情感
○城館

>『ねえ、本物の姫様がいつ来るの?』
×姫様が
○姫様は

長い上に、間違いが多くて申し訳ございません…


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